24SS SALE pickup "T.T STAND COLLAR JACKET"

articles/blog_IMG_7303.webp





こんにちは。





CASANOVA&COの野口です。






今回も前回に引き続き24SS24SSアイテムのディスカウントセールからピックアップしたものを紹介させてください。





本日はT.Tからです。









T.T

STAND COLLAR JACKET

color _ Beige

size _ 38,40




スタンドカラーの一重のジャケットです。




一重なので裏地は付かず、ウエスト位置に大きなポケットが付くいわゆるカバーオール的なワークジャケットという感じです。







全体的な形の印象としては、T.Tの中では少しヨーロッパ的なエッセンスが取り入れられた1着かと思います。





具体的にどういうところがかというと、肩の傾斜や袖の立体感。









T.Tがフォーカスすることの多い今から約100年前、つまり1920年代ごろは、アメリカにおいては大量生産・大量消費の経済構造へと変化していった時代と言われています。




その時代のニーズに合わせて、大量に生産されることを求められた労働着(ワークウェア)は、生産効率と堅牢性を高めるための仕様に変化していきました。




1920年代頃のアメリカのワークウェアが、量産するのに適した平面的な構造かつ直線的な縫製でつくられていることが多いのは、そのような時代背景からだとされています。









しかしながら同じ年代でもヨーロッパにおけるワークウェアでは、その限りではありません。





テーラリングの文化や技術が根強いヨーロッパでは、その影響がワークウェアにも色濃く反映され、肩周りや袖周りは人体のフォルムに合わせた立体的なつくりとなることが多いです。





今回のSTAND COLLAR JACKETは、肩や袖周りは立体的な構造で、ハンガーにかけた状態でも人間が直立した時と同じような肩と腕のフォルムが出るようになっています。





反面、ウエストのパッチポケットなどは直線的な縫製で、ヨーロッパ的な要素とアメリカのワークウェアの姿がMIXされたようなバランスです。







見逃してしまいがちだけれど、普通じゃないボタンホール。




ミシンを調整して、より目の荒いオールドな空気感のボタンホールになっていますね。




そしてボタンは染色したナットボタン(ヤシの実)です。




これもベークライトボタンをイメージしたような色合いなのでしょう。




この1着を構成する要素の全てが、T.Tが見据える未来において違和感のないようにつくられている。そう感じることができるディテール達です。





生地は通称”ウエストポイント”と呼ばれる、毛羽立ちの少ない細番手の糸を使用した高密度なチノクロス。




略して”ウエポン”なんて呼んだりしますね。




この”ウエポン”、名前の由来は「米国陸軍士ウエストポイント士官学校」に由来します。




200年以上の歴史がある学校のようですが、高度な学力と体力を必要とされることから、アメリカの中でも超難関校として知られているそうです。




つまり、米陸軍のエリート養成学校ということ。




その学校の制服として用いられていたことに由来するのが、”ウエポン”ということです。










T.Tが使う”ウエポン”は、シャトル織機でじっくりゆっくりとても高密度に織り上げられたもの。





なので新品時はパリッとした硬さがありますが、使い込んでいった先にはかなりいい表情になってくれると思います。





着用している写真を見ていただくと、あまり体に寄り添ってくれていないのが分かるのですが、これは手にしていただいた方が思いっきり手懐けてやってください。





とにかく着る。着まくる。水洗いしちゃってもOKです。





着心地が柔らかくなり、形もどんどん綺麗になっていきますよ。





着たら着た分だけ期待に応えてくれる1着です。






















博物館レベルのピースを所有する程のアメリカンヴィンテージコレクターである髙橋さん。





人生を捧げて蒐集した数先着を超えるとも言われる数え切れないほどのコレクション、自身の生まれ育った日本というルーツ、洋服作りを学んだヨーロッパのルーツ、





それぞれが掛け合わさりTaiga Takahashiというブランドが新たに始まったのが2021年。





そして今、その髙橋さんの意志を強く継承し、これからに発展させるT.Tチーム。





100年後に遺るものをつくるという考え方は、ものだけではなく、人の思いや意志、そしてその人の存在の証までもを遺すことにつながっていると感じさせられます。









錆止めのされていない鉄製針シンチを使うのも、



荒いボタンホールも、



ベークライト風のボタンも、



シャトル織機でギチギチ高密度に織り上げられたウエポンも、




ただ「昔の服はこうだったよね」でリプロダクトされたのではありません。




全ては100年後に考古物となり得るように考えられ、そしてその時にそれまでの時間が可視化されているように、T.Tの洋服はつくられています。




そして、これを手にしていただいた人がその所有者であったという事実も、また同時に遺っていく。






この1着を、そしてT.Tを、100年後に遺していくバトンを受け取っていただける方にご覧いただけましたらとても嬉しいです。






CASANOVA&CO 野口