年始の1月2日(日)より販売をしているThe CLASIKとのシャツ。
2日より、お客様にご覧頂けて、結構ズラッと数あったシャツも、現在では、両サイズ共に片手で数えられる数量となりました。
既にご購入頂いた方々は、このシャツにしかなし得ない世界をご体感下さい。
だから、現在はストックなしの在庫全出しで店頭展開をしています。
まあ、プライスは\77,000-(税込)なのですが、内モンゴルのカシミヤよりも高額な生地ですからね。
一年半前から動き出したのにも関わらず、価格はほぼこの年末近くに決めるっていう荒業を行いましたので、完全に後付けです。プライスは。 袖付けと同様に。
店頭で直接お話をさせて頂いた方にはお伝えしているのですが、なんとなく縁起の良さそうな数字の7というのにしました。笑
もちろん、ブランドにも川上の方々にも無理のない範囲で。
DAVID & JOHN ANDERSONには、カリナンやミレニアムスターなどのシリーズが存在するのですが、今回の生地は、それらよりも上。
DJAの頂点に君臨する、"ゴールデンジュビリー"の現段階でつくることができる最高品質のものですからね。
それを世界初の販売。
もう、既成では見ることができないと思います。
じゃあ、そうかと言って、オーダーシャツをつくるとすると、このようなマシンメイドでフラシ芯、袖後付けのシャツでのオーダーは普通はしないと思うし、このベクトルでつくられてるものはないと思いますよ。
洗って着てくれ。っていう。
数値で330番手とか言ってるけど、それは単純に"入り口"であって、知ってもらいたいのはそこだけじゃないから。
だから、ご覧頂ける方は、見てみてもらえると嬉しく思います。
今日は、これまで掲載していた、着て、洗ってるものをあんまり見てもらってなかったから、最後にそれを紹介させてもらいますね。
販売前から着始めて、今ではもう二週間かな。
一回着たら着てる時間が長いので、一回洗ってます。
以前に掲載していた時よりも洗濯回数は増え、より"シャツの奥行き"が生まれたと思います。
これ。 二週間だから、洗濯回数もそれに伴って14回ですかね。
手洗いが中心だったけど、洗濯機での洗いもネットに入れて何回もしてる。
やはり、販売時の新品もワンウォッシュとは言え、まだまだペタッとしてるんですよ。
だから、洗うと全体に膨らみが出て、柔らかいニュアンスが強くなりますね。
あと、生地の光沢が強くなるの。不思議と。
もはや、コットン100%のシャツっていうのが、嘘だろってレベルで。
綾織りの生地組織というのもあってですかね。
生地の目が立ち、洗い晒しのシワと相俟って陰影が深まり、SILK 100%の見た目になる。
でも、シルク100でこの光沢があった場合は、絹糸or絹紡糸だから、ここまで全然ラフに着れないし、ヘビーユースには完全に不向き。
選びに選びに、選び抜かれたGIZA 45を"錬金術"で生地に仕上げるDJAの技術の産物ですね。
特に、今回はDJAのクオリティの"冠を掲げる"ゴールデンジュビリーだから。
各所のシーム部分には、当然のことながら洗濯によるシームパッカリングが入ってる。
この生地のレベルでのパッカリングによる、縫い代のシワは誰もが体験したことないと思うから、かなり偏った洋服がお好きな方には喜んでもらえてるように思います。
あと、やはり、これは狙い通りなのですが、"フラシ芯"を入れた衿が途轍もなく柔らかく膨らんできましたね。
右の衿と
左の衿。
接着芯と違い、全然硬く固定されてないので、自然な開きだし、洗うことによって不均等で左右非対称な衿の返りを描く。
これ、超絶狙ってた。
一年半前から思い描いていた"衿"のアウトライン。
分かりますかね??
衿の生地端ギリギリを走ってるコバステッチから生み出るシームパッカリングと、そこから衿が思う存分膨らんできてるの。
これは"フラシ芯"のみが実現できる、衿の「圧巻の膨らみ」。
ほら。 とってもふんわりしてるでしょ。衿。
まるで楽園のような肌当たりの生地が、接着芯で固定されてるなんてノンノン。
"フラシ芯"を内蔵することで、フワッと独立した表地だからこそ成せる。
ご購入頂いた方には、この素晴らしい首当たりを体感してもらいたいと思って設計したんですよ。
最初は、クラシックの田中さんも、「"フラシで"ってホントに言ってますかっ?」って感じだったけど。
この首へのタッチ、超感動もの。
同じく"フラシ芯"のカフスの現在の状況です。
同様の姿ですね。 柔らかく自立してるっていうか。
写真で分かりますかね?
いかにも柔らかそうでしょ。
僕の理想では、これを春や夏の時期に一枚で簡単に着るっていうのがベストなので、袖も捲って着てもらうことが大歓迎。
これも"フラシ芯"だから。安心して。
接着芯ほどペタってならない。 すんご~い、柔らか~い、ロールが演出できますよ。
そして、これ。
店の駐車場の中の日陰で写真撮ったんですけど、それでもこの"自然な光沢"。
生地が生地だから、自然の光を優しく反射してくれます。
あと、ボタン。
以前のブログでも触れたんですけど、ボタンが光ってきた。笑
それにより、生地との相性がもの凄く良くなってきたと思ってる。
これは想定外の予期せぬポジティブポイント。
ボタンの一つ一つの個性もしっかりありますね。
天然の柄が入ってるのがよく視認できるようになりました。
で、そのボタンがビンビンに浮かび上がってる。
手付けボタンですが、何回根巻きしてくれてるんだろってくらい、根元を巻いてる。
ボタン付けも、手で付けるのと、ミシンで付けるのとでは、時間のかかり方が全然違いますからね。
それがボタンを一つだけ付けるのだったらまだしも、シャツという洋服は、その性質上、ボタンの数が多くなりますから。
これは、ある種、僕はボタン付けは、この先は、手付けじゃなくても良いんじゃないかなって思ってるんですよ。
もちろん、手付けの方が綺麗で丈夫にボタンを付けることができる。
でも、ボタン付けって手で付ける時には、大体1個を5分前後くらいで付けることができるんですよ。
それが、今回のシャツでもフロント7個に、カフスに1個ずつ、合計9個のボタンが付く。
つまり、単純計算でシャツ一着にボタン付けだけで、45分も時間が掛かることになるんですよ。
それが早い方で3分と見ても、3分×9個=27分。
手でのボタン付けって大変な仕事で、具体的に工賃がいくらくらいだったか忘れたけど、手付けのボタン1つ当たり、工賃は1円?5円の間だったと思います。
早い人で換算した場合の時給にすると、1時間で約二着分のボタン付けができる。 このシャツで言うと合計18個。
高く見積もってボタン付け一つ当たり、5円とします。
18個×5円=90円 時給約90円の世界です。。。
いや、大変な仕事ですよ。。。
これ、このシャツだけということではなく、技術あるシャツ工場のレベルでのスタンダードな話って思ってもらえたら良いです。
だから、正直洋服のクオリティとしては手付けのボタンの方が品質が高くはできるんですが、考えさせられる。
機械付けのボタンの場合は、ものの数十秒で一個を付けることができる。
正当な時給で考えると機械付けの方が見合った給料なワケですよ。
このようなボタン付けの一つの工程でも、高品質な洋服をつくり上げるために、とても時間をかけてくれています。
着てしまうと見えにくいものですが、洋服は、そういった細かいことの一つ一つの集積で出来上がってる。
そういったことも実感頂けながら着てもらえると幸いです。
洗い晒しのシワも入ってるんですが、それでもなお、隠し切れない光沢。
コットン100%の生地の場合、シルケット加工とか、いろんな加工ができて表面の綺麗さは、原料が上質なものでなくとも、それなりのものができるんですよ。
でも、それが繰り返し洗ってくると、そこからは原料や糸、生地の品質での勝負になります。
だから、今回の生地はそこに対しては、全く嘘は付かない。
着ることによって、洗うことによって、素材が持つ潜在能力、DJAが誇る技術、これが如実に露わになってきます。
そこがとても大事。
170番手双糸の経糸に、330番手四子撚りの緯糸であっても、使っていったその先に、残念な結果が待っていたら、つくる意味がない。
今回このシャツで目指したのは、新品のスペック勝負ではないんですよ。
全ては、1年後、3年後、5年後、、、と手にして頂いた方のその先に、満足を超える"圧倒的な感動"を、自分たちがコレクション以外でわざわざ生み出した"白いシャツ"という洋服で届けたかった。
僕は、自分で企画したけど、まあ実際に手を動かしてくれたのは、The CLASIKの田中さんなんですけどね、自分でもここまでのシャツには今まで出会えたことがなかったし、とても意味のある洋服が出来上がったと思ってる。
まあ、形の好き嫌いとか、白が気分じゃないとか、捉え方にはいろいろあるとは思いますが、当店ではThe CLASIKと、現状でできる限りのことを尽くしたものが出来上がったと思っています。
今はまだ寒いけど、春や夏にラフに着てもらえるのがベスト。
とにかく着て、洗ってください。 作業着ですから。
現状では数量がかなり限られて、とてもありがたいことに、販売から4日間で当初の4分の1程度の数量になりましたが、お好きな方にはご検討頂けると嬉しいです。