seya. "NATURAL GREY"

今日はとっておきのものを紹介させてください。 seya. グレーのアウター。 でも、グレーといっても人工的なものではないの。 自然のグレー。 しかも、素材も獣毛。 ヤク。 無染色のグレーのヤク。 そのコートを紹介しますね。 seya. DOUBLE FACE YAK COAT material _ YAK 100% color _ UNDYED GREY YAK size _ L,XL ※Lは完売致しました 昨年は、無染色のブラウンヤクのコートがコレクションで展開をされており、取り扱いをしましたが、今年はこれ。 これまでのコレクションではなかった無染色のグレー。 "UNDYED GREY YAK"。 てっきりヤクってブラウンだけかと思ってましたが、とても希少だけどいるらしいですね。 グレーのヤク。 初めて見た。 量が充分にはとれないから滅多にあるものじゃないみたいですよ。 無染色のグレー、というだけあって僅かながらブラウンがかったグレーという印象ですね。 あと、洋服のグレーの色合いって無機質なカラーだから通常だったら冷たい色じゃないですか。 でも、これはヤクという動物そのものの自然のカラーリングだからとても温かみのある、生命を感じるグレー。 その素材のパワーは誰が見ても圧倒的。 着丈の長さも充分で、物凄い分量を使ってる。 一目で、一瞬で、その高級感は認識できると思います。 そして、このコートに使われるヤク100%の生地は、先日紹介した新たなブランド、Tukirのタッカさんがつくってるものです。 無染色の内モンゴルカシミヤや、インディゴ染めの後に2ヶ月間太陽光でフェードさせたシルク、そのラグジュアリー素材を手がける機屋さんの一つのスーパーマテリアル。 でも、このコート、ただ単に染めてない自然色のグレーのヤクウールを使ってるだけじゃないの。 二重。 正式には二重織り。 無染色グレーヤクを100%使った生地を二枚で一枚仕立てのスーパーウルトラハイパー仕様。 そして、その二重のヤク生地を惜しげもなくご体感頂けるように裏地もつきません。 これを知ってしまったらもう終わり。 いや、始まり。 もう戻れない。 最近は結果的に無染色のものばかりブログで紹介してるけど、それぞれに良さがあるんですよ。 ただ、このコートは純粋にその素材のクオリティそのものを最大限に活かすことでストレートに勝負してる。 プラスのデザインをしてる見た目ではないじゃないですか。 人工的には不可能な奥深いカラーと、その繊維に微塵もダメージを与えないように手作業で櫛で梳いて採取した原毛。 繊維に付着した無駄な汚れを落とし、ゆっくり紡績して、少しずつ織り上げる。 そして、必要な加工のみで過剰なことはしない。 このメガトン級の繊維を少しも損なわせてしまうことがないように緊張感を持ちながら、丁寧に、丁寧に、織り上げられた生地。 だからこそ、自然に光を反射する程度で、いかにもな光沢はないし、適度に野性味もあって肌あたりはパーフェクト。 でも、洋服って生地だけで完結はしないじゃないですか。 その生地を使ってどのように完成まで構築してるのかがとても大切。 その構造も見事。 写真を見ただけで、洋服に詳しい方は察してもらえると思うけど、このコート、パーツを接ぎ合わせる箇所にステッチが現れません。 表も。 裏も。 どのように組み立ててるのか。 これ、二重織りの生地の端、縫い代にあたる部分を手作業で剥がして、二枚にし、そこから縫ってる。 とても難易度の高い縫製仕様。 これを、"リバー仕立て"という。 この縫製仕様がされてるものは裏地はもちろん、確か洋服の内部に接着芯とかの芯地も使われなかったと思うから、とても軽く、ゆらぎのある洋服に仕上がるんですよ。 これ、全てコートの生地端です。 端の部分は、接ぎ合わせる箇所と同様に、二重織りの一枚の生地を剥がして二枚にし、どちらもを内側に折り込んで、手まつり。 そう、生地のこのコートの端の部分は、全て手縫いです。 とても分量があるコートなのにね。 すごく長距離を縫わないといけないんですよ。 結構な壮絶なことがされてる。 でも、その分、手にして頂いた方にはきっと感動してもらえる仕上がりになってますよ。 少し、仕様も紹介させてください。 衿はボタンで取り外し可能です。 でも、男性の方、いや、漢の方には衿を取っちゃうと少しスッキリし過ぎちゃうかもしれないから外さなくてもいいと思います。 ボタンは半透明の水牛ホーン。 洋服の接ぎにはステッチは露出しませんが、衿やウエストポケットにはステッチが入る。 ポケット押さえのステッチ。 フロントは、同じく半透明の水牛ホーンが一つ付くのみです。 反対には手で編んだループがついてるので、フロントを留める場合はこれで。 フロント肩。 バック肩。 どちらも肩線がありませんね。 でも、脇下に謎の切り替えパーツがある。 これは、着用時に素晴らしい恩恵があるから後で説明しますね。 右半分が裏面にくる方の生地。 左半分が表面の生地です。 綾目が右綾(右上がり)か左綾(左上がり)かの違いだけで、ほぼ一緒。 どちらも僅かに毛羽立ちがありますね。 ヤク繊維の使用量が途轍もないし、こういう獣毛100での二重織りだから、着た時に軽いのはもちろん軽いし、柔らかいんだけど、こういう着丈の長いコートによくあるドレープとかじゃないの。 生地を触ってもらえるとわかるんだけど、独特な跳ね返りが感じられるんですよね。 反発性があるっていうか。 生地の奥底に芯があるっていう感じ。芯地は入ってないけど。 だから、すぐにヨレヨレになるってことは全く心配ないし、自立してる生地なので、年月を経て少しずつ少しずつ無染色ヤクが体に馴染んでくる、"ホンモノ"の感覚がありますよ。 これも完全にリバー縫製の賜物。 これLサイズを着てます。 167cmの身長で2mmの丸坊主で52kgの体重でLサイズ。 本来ね、seya.はブランドのサイズ設定ではLとXLがメンズなんですよ。 でも、このコート以外のラインナップはMとLサイズの展開にしています。 というか、ブランドのサイズ展開でこのコート以外、XLがなくなったんですよ。 理由は単純。 大きかったから。笑。 もともとクリスタセヤから離れた段階で、レディースブランドとして始動し、メンズのラインナップがスタートした時点で瀬谷さんから声を掛けてもらったのが始まりなんですが、その頃はメンズのサイズバリエーションが100%定まってなかった。 で、今回のこのコートも事前に瀬谷さんにXLは必要かどうか聞かれたので、「必要必要、絶対必要」って旨を丁寧にお伝えした。 ということでコートはXLが残った。 僕の考えではこれだけのコートだからピッタリとしたサイズ感で着てもらうより、思いっきり振り切って着てもらうのがベストと思ってます。 だから、LとXLのみの展開です。 多分、XLは身長190cm近い方でも短くはならない袖丈です。 大体の人は、潔く袖を捲って大振りに着ることになると思うけど、そうして着てほしいと思ってる。 リバー仕立てで、袖口にボタンもないし、捲りやすい袖の仕様だから。 衿は気にせず風に吹かれて、翻して。 素材があまりにも良いから、気取らず、何も気にせず着てるのが一番ですよ。 サイドビュー。 良いでしょ。toogoodのベイカートラウザー。とってもお気に入りなの。 わかりますかね。 二重織りの生地な分、ドレープに少しだけの重厚感。 このドレープによって、無染色グレーのヤクの自然な照りがありますね。 そして、先述の通りこの脇下から切り替え。 前身頃と後身頃の間に配置されてるパーツなのですが、これがとても効いてる。 セットインでもラグランでもない袖の形状なんですが、肩の傾斜が強く、丸く柔らかい肩のアウトラインがめちゃくちゃ美しいんですよ。 これ、着て驚いて。 でも、パターンで美しい形だけを求めて、攻めすぎると動きにくい。 この切り替えがあることで、ドルマンスリーブのような肩でも脇下のもたつきが一切ないし、きちんとした可動域があるんですよ。 腕をあげるとこの脇下のパーツは露わになりますが、、 下げると隠れる。 しかも、肩のトップの位置から前身頃に向けて、浮かび上がる皺(ドレープ)が生まれる。 このドレープは前から見た時に綺麗に見えるかどうかを左右する皺で、このドレープの入り方は日頃からとても重要視してるの。 左手で触ってる箇所ですね。 このコートは完璧なドレープ出てますよ。 そして、真っ直ぐ立った時にはとても柔らかい肩のアウトラインと、無理なく落ちる袖。 このコートすんごくハイレベルなパターン設計。 仮に綿ポリのチープな生地だったとしても、パターンだけで充分闘えるコートだと思う。 生地の圧倒的な上質さだけではなく、時間をかけた丁寧でとても技術ある縫製仕様、そして着た時にめちゃくちゃ美しいアウトライン。 この要素が限りなく高い位置で、三位一体となって生み出されるコート。 プライスがプライスなので、LとXLをそれぞれ1着ずつのみでしかオーダーしてないですが、これもっと皆さんに見てもらえるようにすれば良かったと今更ながら思ってる。 手にしてもらえた方にはきっといろいろと感じてもらえることがあると思います。ポジティブな意味で。 保温性もしっかりと充分にあるし、着用時に多少肩に乗る重量感はあるけど、この生地分量にしては軽量で、長時間着ていても疲れにくいですよ。 コートに求める必須項目っていろいろあると思うけど、そういうの全部余裕でクリアしてると思うし、絶対的なポジションに位置すると言えるseya.のコートだと思う。 まあ、ブランドの顔ですからね。これが。 seya.の全ての要素が凝縮されてる。 お好きな方はご検討ください。
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