seya.のコート

 

先日もこのシーズンから取り扱いを始めたIrenisaについて少しだけお話をしましたが、今日はseya.のコートを一つだけ紹介させてください。

 

 

たまたまデリバリー時期が同じタイミングになったので、お盆だし、同じ日取りでスタートしたのですが、またseya.もseya.にしかないものが輝いてる。

 

 

パリ在中の瀬谷さんがつくりだすseya.。

 

 

すごく品のある人柄で、まさに淑女といったデザイナーですが、静かながら瀬谷さんが話すその言葉一つ一つに限りなくエネルギーを感じるんですよ。

奥底からの計り知れない力強さというか。

 

 

今のファッションシーンでは、瀬谷さんと言えばクリスタセヤのデザイナーという情報が流れています、

というかクリスタセヤは未だに瀬谷さんが携わってるっていうことに何故かクリスタセヤのブランドプロフィールで見ることがあるのですが、今現在は瀬谷さん自身はクリスタセヤから離れ、seya.のみでコレクションをつくってるんですよ。

 

 

日本ではメンズはほぼ見ないと思います。seya.は。

 

 

とても流通数が少ないんですが、そのコレクションピース一点一点には瀬谷さん自身のような奥底からのただならぬエナジーが感じられる。

 

 

店頭ではこの時期ですが、お越し頂ける方にはseya.についてよくお話をさせて頂いていて、その洋服を一点ずつ見てもらってるんですが、今日はまずはシーズンの大物の話をさせてください。

seya.
DOUBLE-FACE YAK COAT

material _ UNDYED NATURAL YAK

color _ NATURAL

size _ L.XL

 

 

その名の通り、ヤクウール100%しかも無染色ヤクをふんだんに使用したコートです。

もはやこれだけでスペシャリティーピースであることは察して頂けると思います。

 

 

僕も今シーズンこれを所有したかったのですが、店で縦横無尽に駆け回るし、普段チャリンコで移動してるからやむなく断念しましたね。

 

 

だから、自分ではジャケットとパンツをオーダー。

本当は、それもこのブログでお話させてもらいたくて意気揚々と取り扱いがスタートしてからエブリデイ着ていたんですが、完売してしまいましたので、紹介できず終了。

 

 

でも、せっかくだから記念投稿しようかな。

極上生地だからマイクロスコープでもお披露目はするつもりだったんですけどね。

まあ、だから今日はseya.のSEASON No.1 PIECEを紹介させてください。

あまりにも美しい、下に流れ落ちるような特有のフォルム。

無染色ヤクウールのダブルフェイス。 裏地は付きません。

 

 

無染色ということで本来であれば、その繊維そのものの色合いや質感がダイレクトに露出するので、ともすればワイルドな見た目のコートになるのが通例ですが、これは違うの。

尋常じゃないくらいの超上質ヤク。

 

 

目を疑うような自然で、美しい光沢。

というよりは、もはや繊維の輝き。

 

 

ヤクの繊維のポテンシャルが最大限に放たれていますね。 無染色だから。

やはり染めてしまうと人間の髪の毛と同じで毛質が変化しますからね。

 

 

seya.の今シーズンを象徴するものだから、どんなことをどんなレベルでやってるのかは、これを見たら一目で感じてもらえるんじゃないかな。

生地の組織は綾織りですね。

だからしっかりと目の詰まりがありますね。

それを少しかいてるから、僅かに起毛。

 

 

起毛してるのにハンパなく滑らか。

しかもそれでいて、ダブルフェイス。 つまりは二重ですね。

一重とは大きく違う生地厚を体感してもらえると思いますよ。

 

 

しかしながら、ここまでのロングコートです。

着用写真はないんだけど、ロングなんですよ。

 

 

これくらいの厚みでロングとなるとウールだったらすごく重量を感じると思います。

まあ、それはそれでズシっと重みのあるウールのコートなんかも迫力あって良いっちゃ良いですが、瀬谷さんが狙ってるのはそこじゃないのよ。

 

 

だから、着ると見た目よりはとても軽く感じます。

ダブルフェイスの生地は、驚くほどの上質さ、誰がどう見ても上質、というムードを持ってるから動く度にとても感銘を受けるドレープが出ますね。

 

 

あと、このコートで重要なのは縫製仕様も。 seya.の洋服は縫製仕様についてブランドとしてはそこをめちゃめちゃ打ち出してるってわけじゃないんですが、凄まじいですよ。

それはそれは。

とてもとても。

いつもそういうとこばっかり見ちゃうから。僕は。

 

 

かなりヤってますね。seya.は。

裏地も付かない一枚の仕様で、表にステッチが一切出ていない。

これ、日本じゃなかなかできないんじゃないかな。

ものすごく手間かかるし、超高級仕様です。

 

 

これがまたこのコートの軽さの要因。 これまで縫製の美しさやステッチワークでお話をすることが多かったのですが、これはそのステッチを隠してますからね。

 

 

生地も縫製もとにかくやり抜いてるんですけどね。

 

 

seya.が演出したいのはそこじゃないのよ。

仮に説明なく着て頂いたとします。(まあ、絶対に説明しちゃいますが。)

一切の前情報がなかったとしても、必ず感じるそのムード、それがseya.の洋服のみが持つところだと思いますね。

 

 

それを実現させているのが、素材と縫製、見事なパターン。

このコートは衿がボタンで脱着できるようになってます。

ちなみにボタンは本水牛。

安心してくださいそのクオリティ。

外すとノーカラーになりますね。

 

 

レディースを中心としてコレクションしてるブランドな分、外したら少しフェミニンにも感じるので、漢の方々にはお勧めしませんが、付けているとボタンが一つアイキャッチなものとなるのですごくポジティブに働きます。

 

 

あとは、この写真を見て頂いても分かる通り、肩線がないんですよ。

 

 

だいたいそういったセットインスリーブじゃないものって肩がいかつくなったり、もたついてしまうことが一般的なんですが、このコートはすごいですよ。

もの凄くアームのラインがスマートなの。

その秘密は脇下の箇所とショルダーラインの形成の仕方にあるんだけど、それが着たときにいい仕事してくれるんですよ。

 

 

まあ、着用写真撮ってないから着て頂ける方がいたら、着てご体感ください。

フロントは一つボタンの仕様です。

しかしながら、前合わせが深いから、そのボタンを留めても左身頃は柔らかく外側に返るようになります。

 

 

ボタンを留めるのも留めないのもどちらでも良いですが、素材がこれだけのものなので纏うようにひらっと着てもらえたらそれだけで最強。

 

 

あと、当店ではseya.のコートはこちらのコートともう一つが取り扱いがあるのですが、どちらも袖が長めの設定で、写真のように袖口を折って着てもらうようになります。

 

 

だから、袖にボタンもないですし、こちらのYAKコートももう一つのカシミヤとウールのコートもそれぞれに特殊な袖仕様ですね。

 

 

サイズは、seya.はメンズに関してはLとXLが中心です。 ものによってMとLで展開しているものもありますが、コートはLとXL。

 

 

無染色のダブルフェイスヤクは、ただならぬ上質さと圧倒的seya.の空気をこれみよがしにアピールできると思いますよ。

 

 

プライスがプライスなので誰もが手にするようなものではないですが、そこには素晴らしい景色が待ってるので、特別なコートとしてはすごく適してるかもしれません。

 

 

こういったものがお好きな方には逃れられない境地の可能性がありますが、見てもらえると嬉しいです。

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