昨日のゴールデンウィークまで開催していたPETROSOLAUMのMountain Fold Walletのオーダーイベント。
昨日までと言いながらも、手配しているコードヴァンバットからつくれる数量の生産上限には既に達してしまっていたから、昨日の最終日は、展示していたコードヴァンバットの展覧会みたいな感じでしたね。
オーダー頂けましたお客様方、ありがとうございました。
お渡しできるのは、7月の中旬頃〜下旬にはと思っておりますので、楽しみにお待ち頂けたら嬉しいです。
そして、今日は、Post Productionのシューズを紹介しますね。
先日は、PETROSOLAUMのサンダルをご紹介しましたが、今日は、夏場にサンダルを履かない方にも良いんじゃないかと思っています。
Post Productionならではのものだと思います。
2種類です。
Post Production
Tear Pumps
material _ Lamb Suede
process _ Mckay
color _ Summer Cognac
size _ 4,4H,5,5H,6,6H
まず、これ。
ブランドでも初めて登場したパンプススタイルのシューズです。
細く、スマートなフォルムで、ミニマルなシューズをつくることに秀でたブランドが新たにつくったもの。
スッと、裸足の足にも似合いそうなパンプス。
アッパーはスウェードです。
ただ、このフォルムに加えて、マテリアルが素晴らしい。
この形状と素材の組み合わせがとてもレベル高い。
"エントレフィーノ種"のラムスウェード。
シューズではあるものなんですかね?
どうしても革の特性もあり、動物の大きさも小さいし、シューズには採用されてるのを僕はあまり見たことがない。
ただ、今回Post Productionで狙っていることには、見事にマッチングするのがこの"エントレフィーノラムスウェード"。
国内のブランドでも、レザージャケットに採用したりすると、クオリティにも左右されるとは思うけど、今では、いくら抑えてても20万は超えてくるし、今回のPost Productionで使ってる革を見ても、その革質は文句ない。
でも、プライスすごいから。
非常にキメ細かく、柔らかく、誰が見ても即座にとても上質なスウェードだと感じてもらえる。
そして、加えて、この革ならではの発色。
エントレフィーノのラムスウェードの魅力が凝縮されてるアッパー。
ただ、そのレザーの活かし方がとてもPost Productionしてますね。
女性的な軽やかさを持ち、華奢なボリュームで形づくる。
それもパンプスで。
履き口のパイピング状のレザーの切り替えや、糸でしっかりと補強され、形づくられた特徴的な涙型のくり抜きアッパー。
その要素もあり、暑い時期の装いにはとても良いように思う。
縫製も細かく丁寧だし、このようなティアー型のくり抜きでも、不安要素はゼロ。
ライニングのレザーも同じくエントレフィーノラムということもあり、どうせなら僕は裸足で履くことをお勧めします。
ただ、毎回毎回裸足だと汗の跡も心配にはなってしまうから、よくシューズの中でズレる靴下も時には必要かも。
だから、ここぞという時には是非裸足で履いてみて。
足あたりの心地よさはもちろん、見た目でもかなりハイレベルになると思うから。
ライニングは、先述の通り、アッパー同様に革質のきめ細かいエントレフィーノ。
あと、この靴で言うと、シューズメイキングのプロセスも、履き心地が軽快に感じられるようになってる。
マッケイ製法の応用の方法なんですが、"ボロネーゼ製法"と言うもの。
通常はね、アッパーとライニングにインソール→中底→アウトソールという順番で吊り込みをしていく。
でも、これは、違うの。
アッパーとライニングが存在するのですが、ライニングがそのままグルリ一周縫い付けられ、"袋状"に足を包み込むように形成される。
そうすると中底が一枚必要なくなり、シューズの前半分に存在しないんですよ。
だから、靴の内部で接着回数が減り、歩行時の屈曲がとても柔らかくスムーズになるの。
反対に言えば、クッション性は高くないのですが、アッパーの素材もあり、"履き慣らす"という行為が必要ない。
最初からとてもソフトな履き心地で、そのまますぐに夏に活用できるシューズというわけですよ。
ちなみに、そういう製法の性質もあり、着用後にインソールが沈み込むことがないため、新品時からサイズが大きく変わらないという特徴もありますね。
アウトソールは、マッケイのステッチは見えないようにレザーで蓋をしてる。
ヒールには、スポンジとゴムをブレンドしたタイプのVibramのラバーが貼ってありますね。
素材やプライスも含め、メンズのシューズ界では、あまり僕はこのTear Pumpsと近いジャンルのシューズを見ないんですけどね、それもそのはず。
Post Productionの甲斐さんならではの考え方で、いろんなシューズプロセスを行ってる生産現場をハシゴしてつくってるみたいです。この一足。
すごくよく考えて、工夫してるのが感じてもらえると思いますよ。
サイズについては、先述の通り、使っていっても、新品時からほとんど変化はありません。
サイズ4で実寸24cmの方、4Hで24.5cm、5で25cm、5Hで25.5cm、、という感じですね。
僕のような実足長は小さいのに、やたらと横幅が広い人には残念ながら合わず、眺めることしかできませんが、そうでもない方や、足が細めの方にはハマると思いますよ。
春夏時期のサンダル以外の選択肢として見てもらえたら幸いです。
そして、、、
Post Production
Esth Re-lux
material _ Baby Calf
process _ Mckay
color _ D.BROWN
size _ 3H,4,4H,5,5H,6,6H
こちら。
これまでブランドの顔として君臨していた"Re-lux"というシューズ。
そのNew Ver.
ほら。見て。
これはとても美しいものをつくってもらえたと思ってる。
Post Productionは、当初からオリジナルのローファーをつくり続けてるブランドでもある。
僕は、自分の足には残念なことに合わないけれど、ブランドでつくってるローファーのレベルの高さにとても心惹かれて取り扱いをしてる。
ブランドでもこれまでは、ビット付きのローファーというものはつくってこなかったのですが、Post Productionのスタート時から甲斐さんは、ビットローファーをつくることを考えていたそうです。
ただ、それにはハードルがすごく高い。
大体ビットローファーというと、世界的に規模の大きいブランドじゃないと見ることってないんじゃないかと思う。
そうではない場合は、既成で存在するビットを取り付けただけのローファー。
ビットローファーというのは、肝心の"ビット"をつくるのがものすごくハードルが高いの。
Post Productionとしても既成で存在するビットは使いたくないし、そもそもオリジナルラストでつくられてるRe-luxには、既成のものはバランスが合わない。
だから、今回そのハードルの高さを乗り越えて、オリジナルのビットをつくりあげ、それをアッパーに配置してる。
このビットそのものは真鍮製で、鏡面磨きをして、その上からクリア塗装というのをしてるそうです。
そのため、ビットそのものは色が変色していくことはありません。
もちろん、メッキ塗装とかでもないので、輝きも奥深いし、使い続けていった際に、ゴールドが剥がれてしまうことも心配ない。
あとは、オリジナルで製作するにあたって、Re-luxとのコントラストやビットのフォルムも考えに考え抜かれてる。
複雑な曲線と過度に出過ぎないバランス。
このことを追究して生み出されたPost Productionのオリジナル真鍮ビット。
それでね、僕もこのブランドオリジナルのビットを初めて見た瞬間、線の長さや太さ、曲線が組み合わされたバランスにすごく目を奪われた。
だから、見た瞬間にこのビット付きローファーをつくってもらいたいな。って思ったんですよ。
ただ、Re-luxのローファーに付けるにしても、結構なバリエーションがあるんですよ。Post Productionって。
それに頭を悩ませた。
スタンダードにブラックレザーを想像してみたり、ブランドのコレクションで展開されてる印象の強いモデルにビットのサンプルを取り付けてみたり。。
ただ、いろいろやってみても、これだ!って感じでは僕は思わなかった。
もちろん、全部合格点数ではあるんですけどね。
でも、もう少し足りないなって思ったんですよ。
それで、最後に想像して、試してみたのが、このブラウンのベビーカーフだった。
そうした時に、頭の中で全てが繋がった。
これだ!と。
Post Productionが誇るベビーカーフ。
ベジタブルタンニンのタマモノにより、ベビーカーフのレザーとは思えない程の、厚みと安心感のある革質に、圧倒的にキメ細かい表面とツヤ。
そこにゴールドの真鍮が組み合わせられることによって、独特の"時代が漂う"オールドムードと少しの華やかさを感じた。
古い時代のジェントルマンの佇まいを感じたの。
だから、その場でそのまま「これで」ってお願いした。
そしたらね、ブランドのインスタグラムでは掲載されてたんですが、当店だけみたいですね。この組み合わせ。笑
全店舗これになるんじゃないかと思ったくらい僕の中では組み合わせの完成度がパラダイスレベルに高いと思ってるんですけどね。
もうね、超自信作ですよ。自信作。まあ、僕はつくってないけど。
それにね、何よりベビーカーフを使った、ブランドの顔でもあるRe-luxだから。
このベースのシューズがかなりレベル高いですよ。
メンズシューズの中では、気持ちだけ高い設計のヒールから、スッとフロントにかけて傾くフォルム。
全体のボリュームとしては、ローファーということもあり、軽快で薄いシューズではあるけど、ガッチリとつくられてるレザーソールが文字通り、下支えしてくれてる。
レザーソールのコバの処理もバッチリ。
あとは、特にバックビューも見もの。
踵の丸みに柔らかく寄り添うアウトライン。
そこから、地面にいくに従ってシャープにテーパードするヒールの美しさ。
Beautifulな佇まい。
誰もが知る海外ブランドでもローファーって存在するけれど、これはそのようなものに全く負けてないと思う。
ブランドオリジナルラストに手吊り込みによる、生地で美しいフォルム、細部まで行き届いた手の仕事。
シューズの中でも、面積が限られるし、オーセンティックな枠組みの中からは、はみ出てしまうことがなく、じっくりと考え込まれて完成されたシューズだと思う。
アウトソールは、ハーフラバーを貼り付けてもらってる。
アウトソールにも古い時代のローファーの装飾と、ヒールラバーの切り替え。
とても意匠に凝ったシューズだと思う。
こちらのシューズのラストは、かなり削ったラストでもあるから、履ける方が限られるものではあるけど、見事に当てはまれば絶景が待ってる。
ベビーカーフなのにも関わらず、深く大きく刻まれるアッパーの皺に、ゴールドのビット。
このEsth Re-luxについては、今からの春夏にもとても良いし、見た目で言うと冬場以外はすごく良いんじゃないかな。
こちらはサイズは、3H(23.5cm)からの取り扱いです。
この3Hというのは、過去にブランドにつくってもらった小さなサイズのラストです。
3Hで実寸23.5cm、4で24cm、4Hで24,5cm、5で25cm、、、というフィッティングですね。
Post Productionのシューズも見てみてください。