今日は、先日に続いて、明日、11日(祝・金)よりスタートするnonnotteのコレクションラインナップを紹介しますね。
明日と明後日は、nonnotteの杉原さんが在店してくれるので、お越し頂ける予定の方は楽しみにしていてください。
そして、今日は、明日よりスタートするnonnotteのコレクションを前回に続いて紹介しますね。
今回は、バリエーションが多いので、ヴィジュアルをメインでご覧ください。
nonnotte
OVERSIZED SHIRT
material _ WOOL 51%,COTTON 49%
color _ ESPRESSO
size _ 3,4,5
nonnotte
OVERSIZED SHIRT
material _ WOOL 51%,COTTON 49%
color _ CLOUD CREAM
size _ 3,4,5
まずこれ。
シンプルな見た目をしてるけど、生地そのものの奥行き、ドレーピングのフォルムをとても活かしたシャツ。
黒に限りなく近いESPRESSOというカラーと、はっきりと白いけど、角がなく丸い印象のCLOUD CREAMという色合いの2色。
どちらもフルサイズでの取り扱いです。
前も後ろも横も、nonnotteの目指すドレープが生まれ、体をシャープに見せるシャツ。
表からのディテールは限られてるけど、その分、その造形美が際立つ。
フロントはご覧の通りボタンが隠れた比翼。
生地でいうと、ネップヤーンという糸や、ノットヤーンという平滑ではない糸をつくり、ミックスして織り上げたオリジナル生地ですね。
洋服史を代表するような、クラシックで、エレガントに見える"シャネルツイード"ってあるじゃないですか。
その魅力ってあると思う。
ただ、それは男性にはファンシー過ぎる。
そのシャネルツイードの"ファンシーな部分を消したツイード"の生地を目指したもの。
でも、生地そのものは混率は、上記の通り、ウールとコットン。
シャツということもあり、本当にツイードをつくると洗うことによって、毛羽立ちが起こってしまう。
だから、これまでAUBETT時代から杉原さんが研究をしてきたオリジナル"グレンチェック"をつくる技術を駆使して、シャネルツイードのような特有の表情を演出することを目指したもの。
杉原さんのつくるグレンチェックって、その奥行きすごいですからね。
当店でも、3月にAUBETTでロングシャツをつくりましたが、それもグレンチェックを織り上げる理論を応用してつくった生地でした。
新品でも独特な風合いあるけど、着て洗っていくと進化し続けていくのが、杉原さんのつくるグレンチェック組織。
ハンパない造形美。
これがサイズさえきちんと合わせれば、既成服なのに、誰もがnonnotteで目指すアウトライン、ドレープが生まれる。
このシャツは、新品時には、nonnotteの中でもサイズバランスは大きめですが、それは洗うとワンサイズ分、縮みが出るためです。
ですので、ご試着頂いて、もう少し小さくなるって思ってください。
AUBETTのときとnonnotteのサイズバランスは変わりませんので、AUBETTの洋服をお持ちの方はそちらを参考に考えてもらえれば良いですね。
着て、洗えば洗うほどに杉原さんが狙った生地の変化が起こってくる気配がムンムンに漂ってる。
シャツの形をしてますが、生地がフツーじゃないので、単なるシャツの範疇ではない使い方ができると思いますよ。
nonnotte
2 TACK WIDE TAPERED TROUSERS
material _ WOOL 100%
color _ FRAPPE
size _ 3,4,5
次はこれ。
独特なカラーリングをしたトラウザー。
この生地は、山栄毛織さんでつくったオリジナルの生地。
このFRAPPEというカラーリングは、杉原さん自身が15年程前に、海外メゾンのこのようなパンツを穿いていたことがあったそうです。
それがとても好きで、もの凄く穿いて、何回もクリーニングして使っていたそうですが、真っ黒になるまで穿いていたそう。
それくらいとても気に入って使っていたんだって。
その色合いを探し、自分自身で、更にレベルが高い生地でつくりあげた生地。
山栄毛織さんの生地ですからね。
先日、tilt The authenticsとのグアナコ生地で紹介した通り、"両口開口低速レピア織機"で織り上げた生地です。
その、二重織りバックサテンギャバジンというもの。
杉原さんはこの組織が好きで、過去にもつくっていましたが、その時には、生地の防寒性を重視したものだった。
だから、今回は、冬だけではなく、通年穿けるようなウェイトをつくりたかったそうです。
もちろん、山栄さんの二重織りバックサテンギャバなので、生地に重量があり、柔らかさと膨らみが圧巻なんですけどね。
ただ、寒い時期だけではなく、春や秋にもとても心地よい重量感を感じてもらえると思います。
穿いていてとても安心感のある生地です。
非常に芳醇な生地のドレープの陰影。
フロントには2タックが左右に入り、前立てのステッチは、途中で止められています。
これは、この箇所のステッチを排除することで、杉原さんが狙う、股の周囲の"面"を生み出すドレープを発生させるため。
ドレーピングで描いたドレープをステッチの力を使って出すことや、反対に、洋服のセオリーでは縫われる箇所のステッチを排除することで、ドレープを出すこともあるって杉原さん言ってた。
生地づくりからスタートし、それと並行して、人体を事細かに再現したトルソーボディを使い、洋服の設計をつくりあげていくデザイナーですからね。
パターンのつくりが、平面での設計じゃないし、もちろんデジタルでもない。
更には、洋服設計の最初の最初の段階で、既にステッチをどうするのかということも考えてるの。
すごい逆算でしょ。
このトラウザーは、きちんとお尻にフィットするんですけどね、お尻を通過すると、体から生地が"離れる"。
フツーのベージュとは全然違うから、気に入ってもらえる方には、すごく使ってもらえるんじゃないでしょうか。
このトラウザーも、この生地で、冗談だろって思うようなプライスしてますね。
驚いて。
nonnotte
6 DARTS BLOUSON
material _ COTTON 100%
color _ DEEP BLACK
size _ 3,4,5
そして、次は、これ。
ここからは全て同じ生地のシリーズです。
昨日も登場したけど、"カネタ"さんの生地ですね。
当店にもカネタ織物の太田さんが店頭に立ってくれたことがあるし、僕も今でも時折連絡をとってるけど、今回のこの生地も驚愕的な素晴らしい生地。
"モールスキン"。
こんなモールスキンは、今まで出会ったことがない。
ヤバヤバのモールスキンですよ。これ。
モールスキンってフツーは、ゴワッと硬いイメージあるじゃないですか。
それを着込むことで、体に合わせていくみたいな。
もちろん、その良さもある。
ただ、これは、誰がどこをどう見て、触って、着ても、その質感にご感動頂けると思います。
通常では、使わないオーガニックコットン原料の80番手単糸という糸を、カネタさんのシャトル織機で織り上げたもの。
モールスキンとして、"糸がかなり細く"、それを"限界の高密度"で織り上げることで、ハリのある"硬さ"とドレープのある"柔らかさ"が共存している。
ただ、生地の密度設計だけを見ると、絶対に柔らかくならない程の密度をしてるそうです。
高密度を追究するカネタさんの、限界値の高密度ですからね。
それが驚き。
そんなのあるのか。っていうような生地をしてるんですよ。このモールスキン。
だから、僕は、これにすごく心惹かれて、ブランドのコレクションでは全部で5種類の洋服が存在したのですが、当店ではその内、4つをオーダーしました。
その一つ目がこの6 DARTS BLOUSON。
このブルゾン、胸に縦と横の二方向から。
そして、身頃脇から胸に向かってダーツが入れられている。この身頃脇のダーツは、ダーツがそのままポケットとしても機能するように設計されてる。
この片方の身頃で三方向から入るダーツは、全てに意味があり、このダーツがあることで成し遂げられた形をしてるブルゾンです。
ゲキシブブルゾン。
胸で縦横に。
身頃脇付近で、胸に向かって斜めに。
そして、袖はドルマンスリーブを利用し、応用した袖付け。
胸の二方向からのダーツで、"二面体"を形成し、ドルマンスリーブを応用する袖付けで、グッと袖が身頃を押し出すような構造になり、"三面体"を生み出してる。
それが更に、身頃脇のダーツで吸収されるという、もう、ワケの分からない程の立体構造になっているブルゾンですよ。
まあ、一般的にモールスキンのブルゾンって色んなブランドから出たりしてるけど、このnonnotteのは、全てが違う。
ちょーヤバイ。
nonnotte
SIGNATURE BAGGY TROUSERS
material _ COTTON 100%
color _ BLACK
size _ 3,4,5
そして、同じモールスキン生地でこれ。
トラウザー。
こちらもかなり男前。
AUBETT時代から存在したパンツをモールスキンでつくったもの。
細かな箇所は、色々変えてると思うのですが、これは当店でもAUBETT時代から何度か取り扱いをしたことのある形のもの。
僕も以前のものをすごく気に入って使ってる。
シンプルな見た目してるけど、その分、分量やフィッティング、ボリュームがとても考えられてるものですよ。
非常によくできてる。
今回のコレクションのモールスキンシリーズで唯一パンツはこれだけだから、先ほどの6 DARTSのブルゾンはもちろん、他の2つのものともセットアップも悪くないと思う。
nonnotte
SPLIT RAGLAN OVERCOAT
material _ COTTON 100%
color _ DEEP BLACK
size _ 3,4,5
こちら。
先日紹介したリバー縫製のBALSAM GREENカラーのコートと同じ形のモールスキンVer.
モールスキンのタイプのコートは、"重量"と"軽やかさ"が共存してる。ワケ分からないけど。
先日紹介したように、圧倒的に高い設計の袖山。
これが途轍もなく綺麗なアウトラインを描くことに繋がってる。
通常のセオリーの3倍の高さの袖山設計ですからね。
でも、そうとは感じさせない肩の運動量。
デザイナーがドレーピングを駆使して、洋服をつくってるから、こういう洋服は、杉原さんならではですよ。
フツーできないから。
素材開発、デザイン、ドレーピングによるパターン設計。
この3つをやってる人だから、ここまでのレベルの洋服ができることを感じさせられますね。
皆様も改めて明日からご体感ください。
丈の長さと分量があるけど、これは冬にはむちゃくちゃヘビーユースできるのが瞬時に察知してもらえると思いますよ。
そして、最後。
nonnotte
CUTAWAY FRONT JACKET
material _ COTTON 100%
color _ DEEP BLACK
size _ 3,4,5
こちらも同じくカネタさんでのモールスキン。
フロントの前端が裾に向かっていくにつれて、外側に逃げた"カットアウェイフロント"仕様のジャケットです。
これは、2年近く前にAUBETTとして、杉原さんと一緒にカネタ織物さんで"ZZ強撚綾三重織り"の生地をつくり、その時にAUBETT JACKETとしてゼロからつくってもらったジャケットがあるのですが、それをつくり直し、超アップデートされたもの。
当時は、印象として丸さがあったジャケットだったのですが、ブラックのモールスキンとの組み合わせもあり、洋服のアウトラインもかなりシャープなイメージに仕上がってる超男前のジャケットです。
裾が外に逃げるカットアウェイフロント。
バックの肩には、ダーツが走る。
そして、後身頃にも肩からドレープが生まれる。
高密度モールスキンのハリによる設計通りのフォルム形成と、硬さだけではないドレープ。
カネタさんの生地の魅力と杉原さんの設計とが凄まじいレベルで組み合わされたジャケットが誕生。
ブルゾン感覚でも、カジュアルなジャケットとしても、その所有者によって、とても良いように使ってもらえると思いますよ。
このモールスキンシリーズは、全4種類のラインナップですので、限界密度なのにも関わらず、信じられない心地よさを持った生地、そして、それをとても上手く料理した杉原さんの洋服をご体感ください。
今回のnonnotte秋冬シーズンで、当店で取り扱いをするのは、あとは中村縫製さんでつくってるカットソーと、カネタさんの生地を手捺染したシャツとパンツなのですが、それはこのタイミングには、間に合わなかったですね。
ただ、まあ、明日からのラインナップは、存分にnonnotteの洋服は楽しんでもらえると思います。
お伝えしていたように明日、8月11日(祝・金)と12日(土)の二日間は、杉原さんが店頭にいてくれるので、お越し頂ける方は、ご期待してお越しくださいね。
また、販売については、明日は店頭のみ、明後日の夕方頃より当店のオンラインサイトに掲載をする予定です。
それでは、明日からの皆様のご来店を杉原さんとお待ちしてます。