Midorikawaのリバーシブルレザー
Midorikawaにすごいのを納品してもらった。
これは、MIdorikawaの緑川さんにしかつくれないものだと思いますね。
リバーシブル仕様のレザー。
レザーの洋服って布の生地でできたものと違ったパワーがあるものじゃないですか。
でも、これはMidorikawaがつくることで、素材の力がより引き上げられ、そのパワーが何重にも、何倍にも増して、溢れたものが生まれてる。
圧巻の構築です。
リバーシブルのレザーシャツとレザーパンツ。
この2種類。
Midorikawa
REVERSIBLE LEATHER SHIRT
material _ COW LEATHER
color _ BLACK
size _ FREE
まず、レザーシャツ。
素材は、記載の通り牛革です。
写真にある面は、キメの細かい表革。
カラーはBLACKと記載がありますが、ダークネイビーと思ってもらえて問題はありません。
緑川さんもBLACKと記載があるけど、色合いはネイビーに近いって言ってました。
両胸にフラップポケット付きで、ステッチは二本針のホワイト。
レザーということもあり、縫製は太い糸で縫われてるので、写真のようにパッと見ただけでもかなり映えますね。
しっかりと無理のない自然な艶がある革質です。
こういったものでネイビーに寄ってるものは結構珍しいですね。
この色のトーンと二本針ステッチの組み合わせはかなりのマッチングしてると思う。
フロントは、全てスナップ開閉です。
リバーシブルということもあり、反対面での着用時もきちんと成り立つフロントスナップになってる。
バックビュー。
シャツではありますが、ボックスプリーツやサイドプリーツもありません。
これは、サイズ展開がフリーサイズということもあり、オーバーサイズって感じではないけど、多少余白はある設定ですね。
袖は、二枚袖。
表革が一応、当初の表面の想定なんだと思いますが、反対のスウェード面にMidorikawa印字が施されています。
シャツということで、軽さもしっかりあるように革を漉いて少しだけ薄めにはしてありますが、革質そのものはキメが細かく、文句のないクオリティ。
シンプルな見た目に見えますが、パーツ毎に端が断ち切りの状態にしてある。
裾も。
二枚重ねられた衿も断ち切り。
袖もスナップ開閉で、
断ち切り。
胸のフラップは、二枚の革が重ねられて断ち切り仕様ですが、ポケット口は両玉縁。
ポケットの場合は、断ち切りだと使う度にポケット口が手に引っ張られて、伸び伸びになってダレてしまいますからね。
きちんと丈夫に設計されてる。
そして、こちらリバーシブルの反対面。
先ほどの表面は、革質が活きた綺麗な面だったのに対し、こちらはMidorikawaしてる。
超、構造的。
表革の裏面が出るスウェード面。
同様に二本針のステッチが露出しますが、露出するのはそれだけじゃない。
表には出なかった革の端やシャツのディテール、ポケットなどが全て前面に出た設計。
更に、
アームホールや袖の接ぎ、
カフス、
身頃接ぎ、前立て、台衿、シャツを組み上げるためのパーツの接ぎの縫い代端が、全て断ち切りで表に見えるように形づくられてる。
独特なカラーリングで、革質の強いスウェード面の持つポテンシャルの強さを何億倍もUPさせるこの仕様。
見た目の個性が格段に増してる。
ただし、これは見た目だけのことじゃないんですよ。
Midorikawaの洋服を形づくってるこのような仕様は、全てこのことが共通する。
通常、レザーの服ってその素材の厚みから、縫い代の処理をされるときに、内側に折り込む分、どうしても厚みが生まれるじゃないですか。
それは、布でつくられた服とは比較にならないくらい、縫い代箇所が分厚く膨らむんですよ。
一般的なものはそう。
でも、Midorikawaの緑川さん。
このレザーシリーズに於いては、その分厚い膨らみを抑え、洋服の外郭を美しく仕上げることを考えてる。
流れるようなアウトラインを描く洋服であること。
これがMidorikawaが考え、生み出す洋服。
長年洋服づくり、コレクション製作に向き合ってきたデザイナーですからね。
今も全てのMidorikawaの洋服のスタートは、緑川さんが頭に思い描く洋服を"そのまま、絵に描く"ことから始まるそうです。
洋服をデザインすることは、昔は絵型をスケッチで描いて、そこから形にしていくのが昔ながらのデザイナーの仕事。
今では、そのようなイラストを描くことが省かれてしまうような世界ですが、緑川さんは自分が考えるものを、全て、絵に起こし、そこからスタートさせる。
そして、さっきから言ってる断ち切りの仕様。
これも単純な見た目の主張ではなく、縫い代の厚みを抑制し、洋服の描くアウトラインを"Midorikawaの理想郷"に到達させるための仕様。
更には、洋服を構成するのは、それに最も適した、世界中から選び抜かれた素材。
その素材特性を思いっ切り活かす、洋服の考え方。
これが"Midorikawaクオリティ"。
このようなオリジナリティーを持つ洋服は、世界中でも限られた人のみしか生み出すことができないし、それと共に存在する圧倒的な品質。
洋服の持つ、奥行き。
それをビンビンに感じさせるし、Midorikawaの緑川さんと話をしてると、この洋服は、世界中で絶対に緑川さんでしか生み出すことができないって感じるの。
そこそこなつくりで、味気ないニュートラルな洋服ばかりをつくってるブランドを目にすることがほとんどだし、それって結局、どのブランドでも良いんじゃない?って思うことが頻繁なんですよ。
このファッションマーケットは。
でも、Midorikawaは緑川さんという人物がむちゃくちゃ高濃度に宿ってる。
それが当店でMidorikawaを取り扱ってる理由。
ちなみに胸のポケットは、
フラシ仕様です。
もちろん、ポケット口も両玉縁。
ポケット裏面ももちろん同素材。
ちなみに、表のスムースレザーの面でポケットを使う際も、ここに内蔵されます。
貫通ポケット口です。
まあ、それは実物見てご確認ください。
Midorikawaの洋服はたくさん着て、ボロボロになった状態がとても似合うんですよ。
服の構造は、ウルトラ頑丈になってるから。
度重なるヘビーユースにも耐える強度を持ってる。
超魅力的。
スムースレザー面。
スウェード面。
着用は、身長178cmの野口ちゃんが着てる。
しかしながら、フリーサイズだけど、私のような身長167cmでもイケるの。写真撮ってないけど。
Midorikawaのフリーサイズ設計はすんごいから。
これが、シャツ。
そして、
パンツVer.
Midorikawa
REVERSIBLE LEATHER PANTS
material _ COW LEATHER
color _ BLACK
size _ FREE
これ。
何枚ものレザーパネルで切り替えられたパンツ。
こちらもシャツと同様に表が表革。
裏がスウェード。
縫製の仕様も同様に、白の二本針。
パンツになるとウエスト箇所の縫製箇所が増加するのに伴い、ステッチ量が増えるから、よりコントラストが効きますね。写真見たら分かるけど。
フロントトップボタンは、スナップ。
ファスナーフロントです。写真見たら分かるけど。
ポケットは左右の両サイドに両玉縁仕様。
バックには、ポケットは付きません。
でもね、バックポケットは付かないけど、このパンツ、バックポケットなくて正解なの。
前身頃も後身頃も何枚ものパネルで切り替えられて、細めの形になってるんですけどね、これがアメージングなパンツのアウトラインを描く。
山内の立体切り替えパンツの再来。
着用による革の伸びも考え、スリム型なんですが、人間の下半身の膨らみ、シェイプに合わせて、誰が見ても感動するレベルのカッティングが施されてる。
まあ、着用写真は最後に掲載しますね。
いかにも中に人間が入ると立体的になりそうな予感がムンムンにする切り替え構造。
膝裏の切り替え。
裾は断ち切り。
レングスですが、もともと長めの設定です。
私のような身長167cmの体格だと少し長いので、切る方が良いかな。
裾上げも可能ですが、そのままカットするだけではなく、シーム部分の処理は必要です。
これがリバーシブルのスウェード面。
先ほどのシャツと同様にMidorikawaのリバーシブルテクニックが満載。
パンツもふんだんな断ち切り仕様。
ウエスト帯下部、ベルトループ、身頃の切り替え、ポケット端、バックヨーク。
このパンツでどんなものと組み合わせてもMidorikawaの世界に連れて行ってくれる。
そして、スリムシルエットで断ち切りと言っても、足に当たる不快感がないように、箇所によって端を割ってるところと、片倒し(どちらか一方に縫い代を倒す)にしてる場所とを使い分けてる。
インシームの処理は表革が表れ、割りの処理。
割りの処理の方がフラットだから、股のゴロツキを抑えることにもつながる。
フロントファスナーもリバーシブル専用の。
あんまり分からないけど、バックのウエスト帯に入るMidorikawaネーム。
パンツも革は漉いてあるけど、安心感が感じられる厚みです。
心置きなく穿いて。
着用。
表革のスムース面です。
こちらもフリーサイズ設定で、ご覧のように細めではありますが、超絶立体的。
人間の下半身に見事に添ってくれるんですよ。
フロントから見た時には、内股のラインとか、もうね、素晴らしいカーブを描いてる。
細めなんですけどね、最初は、パンパンに張るくらいでも革馴染みがあるから安心してください。
レザーシューズと同じような考え方ですね。
リバーシブルのスウェード面。
スウェードになるとやはり力が増しますね。
真横や、斜め後ろの見え方は、また絶景なの。
見事にお尻の丸みに添い、膝裏にかけてググッとシェイプが効いてる。
そして、膝裏からふくらはぎにかけて柔らかな丸みが広がる。
これだけの複数のパーツを切り替え、特に凹凸の激しい下半身の後ろに無駄なく吸い付いてくれる。
これ、見事中の見事。
このパンツは、例えボロ布のような生地だったとしても、形だけで充分に世の中のハイレベルなパンツと戦えると思う。
Midorikawaのリバーシブルレザー、見てみてください。