"靴じゃない" PETROSOLAUM
先日、少しだけお知らせしたベルト。
ベルトといえばやはり素材は、レザー。
当店でもとても特徴的なレザーで、僕自身もすごく惹き込まれる革を使っているブランドにつくってもらいました。
"Cordvan Butt(コードヴァン バット)"
西洋の農耕馬だけに存在するというコードヴァン。
「キングオブレザー」とも言われるような革ですが、それももちろん良いんだけど、それだけではなく、馬のコードヴァン層の周りを使うことで全てに於いて個体差のあるシロモノができあがる"コードヴァンバット"。
コラーゲンからなる繊維質がコードヴァン以外の革とは違い、縦方向に密になり、しかもそれが剥き出しになることで、あの特有の見た目を放つコードヴァン。
それに加えて、グラデーション状に少しずつ革質があたかもスウェードのように変化していくホースバット。
その二つが共存し、それを継ぎ目なしで、一枚で体感できる革。
コードヴァンバット。
世界でもPETROSOLAUMだけが使うスペシャリティレザー。
それを長さがどうしても必要になってくるベルトに。
当店とPETROSOLAUMのEXCLUSIVEをご体感ください。
PETROSOLAUM
Hidden Split Belt
material _ Cordvan Butt
parts _ Brass,Iron
color _ Dark Brown - Black
size _ SM(71cm?86cm),ML(81cm?96cm)
これ。
コンセプトは、それなりの使い方をすればスタンダードな枠組みからは外れないベルト。
しかしながら、そうではない使い方をすればめちゃくちゃ変わってるベルト。
でも、"ベルト"という存在から考えると同じようなベクトルを向いたものはそう存在しないと思ってる。
先ほどの、「それなりの使い方」というのが、例えばジャケットスタイルなどでインナーをタックインした時にフロントからベルトって見えるじゃないですか。
そうした時にジャケットを羽織ってしまえば、ちゃんとした高級感のあるベルトをしているように見えるってことです。
そして、「そうではない使い方」をしたとき。
というのがどういうことか。
このベルト。
バックスタイルが変わってるの。
三連スタイル。
この三連、どちらのサイズもバックルからは18cmの位置、剣先からは44cmの位置から、本体が二つに割れ、その真ん中からもう一本レザーが出現する。
つまりは、タックインした状態でのスタイルでは、フロントは「上質なベルトしてるな」っていう印象で、サイドからバックにかけてはベルトを三本しているように見えちゃう画期的なベルトってわけ。
そもそもこのベルトとの出会いは、先日のブログで少し書いたように、自分で納得できるベルトを用意するというのが課題だったんですよ。
でも、既に流通しているベルトを見たときに総合的に考えて皆様に紹介したいと心から思えるものが全然なかった。
そうして自分を見つめ直したときに、コードヴァンバットという素材に僕のハートが鷲掴みされているのを改めて認識したの。
だから、そのことをPETROSOLAUMの荻野さんにダメもとで話をしたんですよ。
いつもいろいろな話をさせてもらってることが多いし、頻繁に連絡をしてるから。
そしたら、コレクションでは全然展開していないけど、荻野さんがつけているベルトを見せてくれたんですよ。
それがこのベルトの原型。
むか?しに、コレクションで一回だけやったことがあったんだったと思うんですが、今はもちろん展開してない、その当時つくったものがそれだった。
すごく特徴的。
過剰に変わりすぎてないし、でも変わってる。
見たことのない独特な見た目と周辺に漂うこのベルトにしかない空気。
これだ!!
と思い、そのまま頼んだの。
そしたら以前のものだからって少し時間をくれ。とのこと。
それから約一ヶ月。
つくってもらえることになった。
荻野さんが使っていたものは牛革だったのですが、今回はそもそも僕は"コードヴァンバット"が先にあったから素材をコードヴァンバットに。
ただ、今まで当店にお越しいただいたことのある皆様には、
未だかつて見たことのない"New Cordvan Butt"での製作になりました。
それが、ベースはダークブラウン、その上にブラックを乗せた、ブランドが2021AWからスタートするものとしてつくって用意していたもの。
それにより一見黒のベルトに見えるけど、奥の深いところから特有の赤みがあるカラー、そしてコバからはダークブラウンが顔を覗かせるスタイルで、例えるなら昔の革製品にあるような"茶芯"状態のコードヴァンバットです。
ベルトはウエストをグルリ一周包み込む特性上、大きい革である牛革が使われることが主流なんですが、コードヴァンで形成されることで牛革にはない革表面の異常な肌理の細かさは感じてもらえると思います。
一本で両端まで継ぎ目はありません。これ大事。
左右のお尻の両端で一発で取り切ってるベルトです。
しかも、
「両面張り」。
つまりは、コードヴァンバットが二重仕様になってる。
どちらかというと表面にコードヴァンが。
裏面にバットがやってくる面積が多く設計しています。
三連全部コードヴァンタイプと、、
PETROSOLAUM
Hidden Split Belt
material _ Cordvan Butt × Transparent Cow
parts _ Brass,Iron
color _ Dark Brown - Black
size _ SM(71cm?86cm),ML(81cm?96cm)
"透ける牛革"Ver.の二種類。
国内の素材を使うことが中心のPETROSOLAUMの中でも唯一の海外マテリアル、"トランスペアレントカウレザー"。
当店では以前から"透けるビーサン"で使ってきた半透明の透ける牛革。
世界でも唯一オランダの一社のタンナーが完全企業秘密でつくり、世界中に星の数ほど存在するファッションブランドの中でも、この革を提供するブランドを選びに選んで取引をする孤高のウルトラマニアックレザー。
赤黒く自然に輝くコードヴァンと"透ける牛革"のコンビネーション。
しっかりと芯のあるコードヴァンとブニブニのタッチでノーケミカルなトランスペアレントの組み合わせ。
鉄製のカシメで留め付けられ途中からニョキっと出現する"透ける牛革"。
裏もきちんとカシメで留めてくれてるので、安心してください。
これこそ、僕らにしかないものが完成したと思ってる。
サイドからバックにかけては三連という性質上、両端は細めの設計です。
幅で言うと2cmですね。
バックルは真鍮です。
しかしながら全体のレザーとのバランスを考え、ゴールドが過剰に前に押し出してこないように黒く錆びたような加工をしてくれてます。
裏の剣先。
ブランドアイコンの拇印の型押しが入ります。
そして、コバの処理も完璧。こういうとこも大事。品質の差が出ると思ってる。
先述のように、ベースの茶色が見えるようにサイドの塗装はしていないのですが、きちんと処理をしてくれているので、指でなぞって触っても、とても滑らかに仕上げています。
ベルトの穴は、7つに設定。
通常はベルトは5穴なのですが、SMとMLでできる限りの体格の方に対応できるようにするためにそれぞれ原型から穴を2つ増やしています。
サイズの実寸は、バックルからの一番小さい位置の穴と一番大きな穴までの数値ですので、参考にお考えください。
ただ、SMの方はご希望いただける方には、小さい方にあと一つ、つまりは2.5cm小さい穴をつくることができるようにしてる。
これは要相談で。
ちなみに垂らす規格ではありません。
ウエストにつけていて信頼してもらえる、厚みのあるコードヴァン。
両面張りの二重ですからね。
安心して使ってもらえると思います。
あと、どうしてもベルトは使うたびに引っ張ることが多いので伸びやすいのですが、二枚仕立てということと、そのためのステッチが入ってるので比較的伸びてしまいにくいと思う。
使ってみると表に多く露出するコードヴァンレザーの肌理の細かさは存分に感じてもらえ、革質に満足頂けると自負しています。
あと、フロントはきちんとしてる印象を目指したから、その見た目とレザーのクオリティとがハイレベルでマッチングできた。
で、バックスタイルはこうなる。
これ、お気に入り。
好きな方は好きだと思う。
もう少し馴染みを求められる方は、コードヴァンバットの三連タイプですかね。
これが僕がサンプルを一ヶ月くらい使ってたもの。
まだまだ時間の経過は浅いけど、特有のうねりに近い型が入ってきた。
ケアとかは何にもしてないけど、使ってると革表面の艶が増しましたね。
革の光沢とベースのダークブラウンと透ける革のコントラストがよく効いてきたと思う。
良いものができたと思ってます。
そうそう、大事なことなんですが、このベルト。
オーダー形式での製作を致します。
"靴じゃない"PETROSOLAUMを皆様にご覧いただきたいと思ってる。
7月22日(祝・木)?7月29日(木)までの一週間、ご希望いただける方のご注文を承らせていただきます。
ご注文いただける方には、少し先にはなるのですが、9月中旬?下旬頃までのお渡しを予定しています。
しかしながら、今回つくるにあたって既にPETROSOLAUMの荻野さんには革の手配をしてもらっているので、製作可能本数に上限があります。
だから、期間中に無限にご注文を受けることができず、先着順とさせてください。
22日(祝・木)からのスタートで初日と二日目だけは店頭のみ、以降はこの情勢ですのでオンラインストアでもオーダーを承らせていただきます。
ただ、オンライン用に数量を定めてはいませんので、オンラインに掲載前に上限に達する可能性があります。多分大丈夫だとは思うけど。
ですので、お好きな方にはご検討いただけると嬉しいです。
そして、同時にPETROSOLAUMが展開する
"Hand Woven"=手織り
のカシミアストールのオーダーも期間中に承らせていただきます。
これは兄弟でやってるPETROSOLAUMの荻野さんの弟の亮さんがセントマーチンのテキスタイル科卒でアトリエに手織り機があるのですが、それで手織りでつくってるの。
これも激ヤバ。
そちらについては追って紹介させてください。
またお知らせしますね。