"ハコムラ絞り"ショートパンツ

先日からお知らせしている、山内との本企画。 今日は、昨日最後にチラッと紹介した"ハコムラ絞り"でのショートパンツを紹介させてください。 このショートパンツは、昨日も少しお知らせしたように、僕が山内さんのアトリエに久しぶりに行ったときに、"製品化できなかった"ハコムラ絞りの生地を見せてもらったのがきっかけだった。 ハコムラ絞りは、日本の伝統染色技法で、愛知県の有松地方で遥か昔から行われてきた"有松絞り"の中の一つの染色方法。 それは、昔から"和服だけ"で行われてきた技法なのですが、久野染工場さんが初めて"和服ではなく、洋服に"その有松絞りを行ったのだそう。 それがイッセイミヤケだったかな?確か。 それから、現在も久野染工場さんでは、世界に名だたるメゾンの絞り染めを行い続けているそうです。 ただ、昨日も言ったんですけどね。 久野染工場さんで行う"山内以外"の染色は、 全て、"製品での染色"。 つまり、後加工。 世界で唯一、山内だけが、 "生地で染色"をしてる。 その違いは、洋服生産の工程には、計り知れないほど大きな違いとなるの。 とても工程数が増え、ハコムラ絞りが施された生地を洋服にするのは、ハードルがグンと高くなる。 もちろん、生地染めと製品染めでは、完成度も大きく違ってくるんですよ。 そういう生産プロセスや、洋服にする難しさなども存在する染色加工だけど、そのハコムラ絞りを実際に施すことさえも、未知との戦い。 だから、山内さんのアトリエには、これまでのハコムラ絞りを行ってきた"痕跡"が眠っていた。 本生産用にハコムラ絞りを行ったが、その時の山内さんの狙い通りではなかったもの。 再現不能で、量産化できなかったもの。 試作のために行ったもの。 いろんなハコムラ絞りが施された、3m前後の生地が眠ってた。 それは僕にとっては、とても宝の山に見えたんですよ。 しかもそれらの多くが、春夏の時期に適している生地タッチだった。 だから、それを"ショートパンツ"として。 久野染工場さんの歴史ある技術が詰まった、そのハコムラ絞り。 それをご体感頂きたいと思っています。 そして、今回のショートパンツは、全てが一点物です。 全部が同じように柄が入っていません。 更に、カラーリングのニュアンスも独特。 だから、アルファベットのA?Hまでの、合計8種類に大別して区別をします。 でも、それぞれの種類の中でもやっぱり違うの。 例えば、今回一番バリエーションが豊富にできたのが、Aという柄。 そのAも、大きく分けると2パターンある。笑 まあ、プロでもその仕上がりをコントロールできないようなシロモノだから、一つ一つとの出会いを楽しんでもらえたら嬉しいです。 紹介しますね。 山内 for CASANOVA&CO ハコムラショートパンツ material _ COTTON 100% color _ A(一つ目) size _ SM,ML ※完売致しました 山内 for CASANOVA&CO ハコムラショートパンツ material _ COTTON 100% color _ A(二つ目) size _ SM,ML ※完売致しました 山内 for CASANOVA&CO ハコムラショートパンツ material _ COTTON 100% color _ B size _ SM ※完売致しました 山内 for CASANOVA&CO ハコムラショートパンツ material _ COTTON 100% color _ C size _ SM,ML ※完売致しました 山内 for CASANOVA&CO ハコムラショートパンツ material _ COTTON 100% color _ D size _ ML ※完売致しました 山内 for CASANOVA&CO ハコムラショートパンツ material _ COTTON 100% color _ E size _ SM,ML ※完売致しました 山内 for CASANOVA&CO ハコムラショートパンツ material _ COTTON 100% color _ F size _ ML ※完売致しました 山内 for CASANOVA&CO ハコムラショートパンツ material _ COTTON 100% color _ G size _ SM,ML ※完売致しました 山内 for CASANOVA&CO ハイブリッドコットンショートパンツ material _ COTTON 100% color _ H size _ SM,ML ※完売致しました 以上のA?H、正しくは9種類くらいのバリエーションのショートパンツ。 そして、Hに関しては、ご覧の通り、ハコムラ絞りではありません。 ハイブリッドコットンです。 これもその生地が高密度過ぎるために、ブラックの染色に僅かなムラが生まれてしまい、商品に使えず、アトリエで保管されていた生地。 でも、この色ムラはほぼ分からないと思います。 この生地は、福田織物さんで織られた生地なんですけどね、かなり細い糸を超高密度に織ってるものです。 名前の通り、ナイロンかと思うようなタッチのコットン100です。 だから、これもショートパンツにしたら最適だと思い、こちらもH柄として製作しました。 以上のようなラインナップです。 もともと、アトリエで保管されていた生地は、ハコムラ絞りを行うために、3m前後にカットされたものだったので、そのメーター数により、一着しか製作ができなかった柄もあります。 一着分の生産量しかとれなかった柄と、Aの柄を除いては、SMとMLの2サイズで各一点です。 A柄は、山内さんがコレクションで本生産を行うためにつくったハコムラ絞りだったのですが、サンプルと色合いや柄の入り方が異なって出来上がってしまったので、その当時に製品にすることができなかったもの。 そのA柄としたハコムラ絞りの生地は、製品化できなかったものを全量ショートパンツにしてもらいました。 だから、A柄だけは、それなりに量を用意することができてるかな。 まあ、全部見た目違うんですけどね。笑 どのようなショートパンツか説明させてもらいますね。 これ。 これがA柄(一つ目)と記載していたものです。 僕はこれを穿いてる。 どうでもいいと思うけど。 これが今回のショートパンツです。 山内では、ショートパンツって、過去に一度だけ登場したことがあるくらいで、コレクションではとても珍しいです。 ショートパンツだから、見た目は軽くなるんですけどね、山内さんのテクニックが惜しげもなく詰まってるから、クオリティとしてはかなり重厚ですよ。 ご覧の通りのウエスト仕様。 フロント開きはあるのですが、均等にゴムが入れられたウエスト帯。 トップボタンは、本水牛ボタンです。 ウエスト内部の仕様は、天狗付き。 エクセラファスナーでのフロント開閉。 山内さんが考案した、オリジナルのマーベルト仕様。 この内部のつくりは、見てもらったら一瞬で分かって頂けると思うけど、フツーのショートパンツのレベルではないの。 曲線を描く天狗のパーツも生地端から狂わず、均等にコバステッチが流れるように入る。 ショートパンツだけど、この内側の山内マーベルトが備え付けられる。 こういうものって洋服の特性上、夏場の特に暑い時に着ることが多いから、ペラペラな軽薄なものばかりが市場に溢れるようになるじゃないですか。 でも、今回は、宝物のようなハコムラ生地を使ってもらってるから、それを"超山内してる"仕様での製作をお願いしたの。 ウエスト内側に備わるコード。 このコードの先端は、山内の山内さんが金属製のパーツは、過度な主張になるから、ファスナー以外はできる限り使わない主義なので熱圧着のものを採用してる。 ベルトループも備えられます。 今回ベルトループの裏の写真は撮ってないのですが、いつも通り、丁寧に生地を折りたたみ、本縫いを施しているベルトループです。 通常は、ベルトループって、簡易的にそれを製作するためのミシンに取り付ける専用の道具があったり、超高速ベルトループ製作マシンなどもあったりするんですけどね、山内ではそういうの使ってないの。 それだと、つくりがイマイチだから。 あと、ハコムラ絞りが"生地段階"で施されるため、ベルトループさえも細かく柄が入るようになります。 だから、ショートパンツを構成する一つ一つのパーツがどれも浮き上がって、際立って見えると思う。 これが製品でのハコムラ絞りだったら、全体がもっとフラットに見えてしまうことになるから。 それにしても、この運針。 見てください。 ショートパンツで、30番手の縫製糸を使い、3cm間に19針。 これ、神技。 もはや、ステッチが点に見える。 ショートパンツですからね。 半ズボンですよ。 半ズボン。 それで、このレベルでの細かいステッチは、ありえないと思う。 激ヤバ。 僕は、人生で見たショートパンツで、圧倒的ナンバーワンの運針数の細かさです。笑 そういうレベルで山内さんが設計してくれました。 もちろん、裾のステッチも、生地端からの距離が全て均等に入ってる。 バック。 後ろの仕様は、両玉縁ポケットで、どちらも口がパカッと開いてしまわないように、ポケット口に本水牛ボタンが配置されています。 人為的にコントロールできないハコムラ絞り特有の"工芸品"の表情。 それに野生味を持つ、天然の本水牛。 このボタンも柄の入り方が一つずつ違うから、見た目の親和性がとても高い。 ウエストゴムが入った仕様なのですが、バックには、腰の丸みを出すためにきちんと二本のダーツが入ります。 あと、そうそう。 フロントにも左右一本ずつダーツが入ってます。 先述の通りのベルトループ。 ベルトループの取り付けは、上部は、ウエストベルトに流し込み。 下部は、オーバーロックを生地端にかけて、叩き付け。 このベルトループの処理も、きちんと使えて、それでいてとても丈夫で綺麗な仕上げ方法です。 これも山内ならではの仕様。 もちろんフツーの取り付け方ではないから、圧倒的に手間はかかるんだけど。 フロントに戻ります。 先述の通り、ファスナーフロントなのですが、フロント開きの端、つまりは左前身頃の端には、コバステッチが入ります。 ここは、通常のパンツには、コバステッチは入りません。 山内のオリジナル仕様です。 あと、写真では見切れてるけど、フロント見返しのステッチ。 この箇所は、一般的には、フロントの開き止まりの箇所から数センチ下にカーブして、左右の身頃の接ぎ部分に消えていくのですが、今回は、その見返しを押さえるためのステッチが股下まで続いています。 それにより、内股の始まりが綺麗に見えるようになってるのと、見返しが表地に干渉してしまうのを軽減させています。 これ、よくできてる。 まあ、この写真じゃ見えないけど。 実物を見ながらお話させて頂きます。 アウトサイドシーム、インサイドシーム、そして、お尻のシームなど、距離が長い随所の縫製箇所は、このようにダブルステッチ。 これももちろん、30番手の縫製糸で、3cm間で19針という驚愕のステッチワーク。 だから、ミシンが全然進まない。 しかも、これだけ細かいからここを縫ってる時は、一旦ストップとかできない。 一度、縫い止まってしまうと、次の一針の角度が微妙にズレてしまうから。 そのため、丁寧にゆっくりと真っ直ぐ縫い進める必要がある。 これはプロの技ですよ。 裏はこうなってる。 この箇所には、3種類で合計4つのステッチが入ってるの。 左から、生地端を処理するためのオーバーロック。 その次に、表にも露出する本縫い。 その次にも、表にも露出する本縫い。 一番右が地縫い。 この4つ。 このショートパンツの生地に合わせて適正仕様で設計されてるから、オーバーロックも使ってるし、押さえのダブルステッチよりも、細い糸を地縫いでは使ってる。 しかも、どれもが全く歪むことなく、永遠に平行に走ってるの。 かなり丁寧な縫製をしてるショートパンツです。 裏。 ウエストベルトの見返しや、深めのポケット袋布、特徴的なフロント見返しの長さなどが見てとれる。 バックの裏。 こちらも同様。 写真じゃ伝わりにくいけど、実物は、感動できるレベルだと思います。 ショートパンツのつくりの概念が大きく更新されますよ。 もうね、誰がどこをどう見ても、すごく丁寧に縫製してるのがビンビンに分かってもらえると思うの。 山内の山内さんは、「縫製が本当に好き」って言ってるんですよ。 その言葉の通り、写真では撮ってないんですけど、ウエストベルトの見返し(ドローコードが通る黒い生地)の裏に、更に見返しがあったり、ファスナーフロントの見返しの裏に、更にまた見返しがあったりと、めちゃくちゃ細かいところまでとても手を入れてつくってくれてる。 見返しっていうのは、表地の裏に当てる生地のことなのですが、その裏に当てる生地の裏に、生地を当てて縫い付けてる。 しかも、全部超絶運針のコバステッチ。 でも、それが単なる最初の"スペック勝負"ではなくて、耐久性を格段に向上させることにつながるし、見た目にも軽薄にならない。 そして何よりも、着たときに、これだけ丁寧に手を入れてつくられてるのが、穿き心地で如実に実感できるの。 だから、これまで、誰もが穿いたことのない次元のショートパンツを体験してもらえると思います。 アトリエで保管されていただけだった生地。 それが、僕には、凄まじく輝いて見えた。 それを手にしてもらえるようにしたかったのですが、まさか山内さんがここまで細かく手を入れた設計でつくってくれるとは思ってなかった。 このショートパンツが出来上がったときに、その完成度が、僕のイメージしていたものを大きく、大きく、大きく、上回ってきたの。 輝いて見えていた生地に、山内の縫製が加わると、こんなクオリティになるんだ。ってとても感動した。 だから、皆様もショートパンツで感動して。 そして、今回、このショートパンツを縫製してくれた方は、二人。 それぞれの方が数量を半分ずつで縫製をしてくれました。 佐野 理恵さん と 佐光 祥子さん。 二人で半量ずつ縫製してくれたのですが、どちらも超レベル高い。 とにかく複雑な山内の縫製仕様なのですが、それを見事なクオリティで完成させてる。 もうね、ご覧頂ける方は、ショートパンツをひっくり返して、この縫製技術を舐めるように見て。 ヤバいから。 で、これ。 僕が穿いてるもの。 A柄ですね。 厳密にいうとA柄の一つ目に分類されるもの。 167cmの53kgで、SMサイズという小さい方のサイズを穿いてます。 そして、一回洗ってみた。 ですので、洗い晒しのシワと、パッカリングが入った。 寸法変化は感じない。 サイズに関しては、SMとMLの2サイズでの展開です。 単純に小さい方、大きい方って思ってください。 今回のショートパンツは、ハコムラ生地のパワーと、山内の縫製レベルを最大に活かしたかったので、山内さんには、とにかく形はスタンダードなものでつくってもらった。 形は、フツーで良かったの。 生地と縫製のクオリティがハンパないから。 ワタリ幅で言うと、普通。 丈は、まあ膝位置かな。 フツーに、何も考えずに穿けるってことを重要視しました。 テキトーに穿いて、でも、生地も縫製も超絶レベル。 何も気にしてないのに、モノのレベルがそこら辺のショートパンツとは、次元違うみたいな。 だから、何も考えずに穿ける形を目指すのが一番だった。 そのほうが、ショートパンツを穿ける夏場には、高頻度で使えると思うし、このような洋服が出来上がるまでにかけられたプロセスは、とにかく着てもらえるのが最もそれを体感できると思うんですよ。 せっかくこのハコムラ生地を洋服の形にできたので、とにかく何も考えずに超頻度で穿いてください。 で、汗かいたら洗ってください。 乾いたらまた穿いてください。 そうすることが、このショートパンツが最も意味のあるものになると思ってる。 価格に関しては、A柄?H柄まで全て、同じプライスです。 ブランドのコレクションで出ている、ハコムラカーゴパンツは、カーゴパンツということもあるのですが、\66,000-(税込)なので、今回のショートパンツは、手にしてもらえないと意味がないと考えていました。 なので、悪くないプライスで出来上がったと思っています。 こちらも6月11日(土)より、ご覧頂けるようにしますね。
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