今日は、COMOLIを紹介しますね。
この春夏シーズンのCOMOLIの中でもかなり楽しみにしてたの。
COMOLIってブランドのイメージとしては、少し綺麗なニュアンスのものをつくってる印象を持ってる人もいるとは思うんですけどね、全然そんなことないの。
もちろん、コモリシャツやタイロッケンコートとか、そういうブランドの継続してきていた洋服のラインナップもコレクション内にはあるんですが、それだけじゃないの。
ちょうど一年前の春夏シーズンの時には、ストライプのブルゾンとカバーオール、22AWシーズンでは、ウールモールスキンのワークシャツとか、そういう類のものに入る洋服ですね。
今日紹介するのは。
かなり男前だと思いますよ。
あとは、COMOLIのブランドのムードがムンムンに漂ってる。
そういうシャツです。
COMOLI
リネンドット シャツジャケット
material _ LINEN 100%
color _ DOT
size _ 1,2,3
これ。
名前の通り、リネン100%の生地にドットがプリントされたシャツです。
シャツジャケットという名前が付いてるけど、季節によってシャツにもなるし、シャツジャケットにもなる感じですね。
印象としては。用途によって変わると思います。
少し紹介しますね。
まず、ベースの生地。
先述の通り、リネン100%ですね。
組織は、平織り。
どこの国の生地かは聞いてないので、分からないんですけどね、結構このタッチは最近では珍しいと思いますよ。
平織りリネンということもあり、透け感はほとんどないので、比較的太番手のリネン糸ですね。
しかしながら、太めのリネン糸の平織りというと、”リネンキャンバス”みたいなものがパッとイメージに浮かびますが、全然そんなことないの。
すごく柔らかい。
これは、生地の段階でタンブラーか何かで、生地をほぐしてるんじゃないかな。違うかもしれないけど。
まあ、聞いてないから詳しくは分からないけど。
そして、その生地表面を掻いて、”起毛”させてる。
写真を見てもらえれば、全体的に短い毛羽立ちのある生地の質感は見てもらえると思います。
その後に、小さなドットのプリント。
表面が毛羽立ってるということもあり、小さなドットのプリントが表面に均一に乗らず、濃い箇所と薄い箇所とが点在してる。
これは、COMOLIの小森さんの、重要な狙いどころだと思う。
だからね、洋服のパーツによって全然見え方違うの。
これは左袖の写真。
これが右袖。
二つ並べると、、、
分かりますかね??
左右の袖で、ドットプリントの濃度が違うの。
もちろん一着一着でこの差は異なるんですけどね。
これは今回のシャツで大きな狙いどころだと思う。
それが、全てのパーツで起こってる。
だから、若干のパッチワーク感があるかもしれませんね。
まあ、実際に着た時には、ドットが細かくてあんまり分からないと思いますが。
ただ、この僅かに起毛したリネン100の生地の上にドットがあることによって、確実に、このシャツの持つ雰囲気が格段に強くなってる。
シャツの形状としては、衿は、台衿の付かない一枚衿の設計です。
オープンカラーとまでは言わないけど、着用時には一番上のボタンは開けて着ることがベストですね。
衿の形状も男前仕様。
ストレートな衿ではなく、曲線を描き、衿先に尖りを出したもの。
秋冬シーズンに登場した、ウールモールスキンのシャツも同様の上衿でしたね。
それでね、今回のCOMOLIのシャツ、これもまたステッチワークがイケてるんですよ。
分かりますかね?
衿のステッチ。
運針が結構細かくて、生地表面に毛羽立ちを含んだ膨らみがあるから、ステッチが埋もれるの。
これは、洗濯を繰り返していけば一層向上してくれると思う。
そして、衿だけではなく、他の縫製箇所。
ここが肝心ですよ。
“巻き縫い”。
これはCOMOLIならでは。
巻き縫いの運針が細か過ぎて写真じゃ全然見えないと思うけど。
僕は、やはりCOMOLIが現状では日本で一番巻き縫いが上手いブランドだと思ってる。
今回も東京の人が丸縫いしてるのかな?
以前にCOMOLIの小森さんが、シャツなどの巻き縫いは、東京の山奥で一人で巻き縫いばっかりやってる”巻き縫い職人”にお願いしてるって言ってたから。
今回のリネン100%の生地は、途轍もなく巻き縫いが難しい生地だけど、見事にいろんな箇所が巻き縫いされてるんですよ。
アメージング。
脇身頃から内袖に続く箇所も、丸みが強いアームホールも。
そして、前身頃と後身頃の接ぎも。
随所に”本物の”巻き縫い。
通常は、この手の巻き縫いが難しい生地の場合でも、巻き縫いを行おうとすると、一度仮縫いして、接ぎ合わせてから、二本針環縫いを入れて、”巻き縫い風”に見せてる国内のブランドがほとんどだと思う。
でも、これは、どこをどう見ても、正真正銘の巻き縫いが施されてる。
これだけ柔らかさがある生地での仮縫いなしでの巻き縫いは、、、
ヤバヤバのヤバ。
裏。
アームホールも、前後の身頃の縫い合わせも、一切の仮縫いが存在しない。
完璧な”本物の”巻き縫い。
もちろんね、これが”本物の”巻き縫いであるということは、このシャツを手にしてくれて、着用してくれる方にも恩恵があるの。
安心して。
これから迎える季節は、春や夏だし、それに伴って汗をかきやすいじゃないですか。
まあ、この感じの洋服がお好きな方であれば、きっと洗濯して着るということも念頭に置いてると思うんですよね。
そうした時に、本物の一発縫いでの巻き縫いだから、洗濯を繰り返す内に、平織りリネン生地の中に巻きのステッチが埋まり、そして、ナチュラルなシームの縮みが起こる。
そうすれば、見事なシームパッカリングが起こるわけ。
それで、更に着用を続けていると、シームパッカリングの凹凸の箇所で、当たる箇所、当たらない箇所が生まれ、当たる箇所の毛羽はとれ、光沢が生まれ、更なる先には、徐々に徐々に枯れてくるような白けた世界が待ってるワケですよ。
そういう、着用と洗濯による、洋服の無理のない自然な変化が起こってくる。
それが、存分に感じられるのが、巻き縫いの縫製仕様。
シーム箇所は、そういうナチュラルな変化をしてくるし、全体のドットプリントも頻繁に擦れる箇所から、少しずつ薄くなってくることも充分に考えられる。
そうすると、より一層の奥行きあるシャツの風貌になってくることが目に見えてる。
ただね、ただね、、
リジッドのジーパンみたいに、単純に変化させることだけを楽しむシャツではなくって、COMOLIの春夏シーズンの洋服特有の”春夏シーズンに適した”着用感をしてるシャツなんですよ。これ。
だから、見た目に気に入ってもらえたら、春や夏には、着てると快適で心地良くて、ついつい着たくなるシャツだと思う。
COMOLIの春夏の洋服は、お持ちの方は何となくご理解頂けるかもしれませんが、気温だけではなく、湿度も高い日本に合わせて、”乾いた”ような生地の質感をしてる。
今回のリネンの生地も同様で、僅かに少しだけ毛羽立ちはあるんですが、ウォーム感のある毛羽立ちではないの。
そして、平織りで風の通りも良く、柔らかいんだけど、どことなくザラっとしてて、乾いてる。
ドライタッチ。
それが、日本の春夏の季節に快適に過ごすことには重要になってくる。
そういう着用時の快適性は、COMOLIの小森さんはいつもとても大事に考えてる。
だから、快適に着て、時々洗濯をしてっていうのを繰り返していたら、、、気付いた頃には、とても奥行きのある表情のシャツになってくれてると思いますよ。
そういうことが今回のこのシャツでは、COMOLIの小森さんは考えて狙ってること。だと思ってる。
ちなみに、ボタンは艶消しの水牛ボタン。
裾は、スクエア。
このシャツの生地や縫製仕様を見てると、まだまだ”余白”がたくさんあるように思いますね。
それは、着ていくと、変化と伴ってより一層の着用者への寄り添いが期待できること。
リネンの質感としては、どちらかと言うと、細かいシワが入ってくるリネンのタイプではなくて、大きめなブルンブルンのシワが入ってくるタイプですね。
それでも、平織りで高密度って感じでもないから、これからには気持ち良い風が通り抜けてくれると思いますよ。
裏。
プリントということもあり、裏側には、前立て見返しのみドットの生地が配置されてる。
そうそう。
このシャツはバックヨークはない仕様です。
袖口のカフス開きもありません。
袖は、テキトーに捲って着てもらうのが、ベスト。
季節柄もあり、ここからの変貌がふんだんに期待できちゃうシャツですね。
かなり男っぽい印象だと思うし、こういうのお好きな方には良いんじゃないかなって思ってます。
これ。
身長167cm、体重はここ数日53kgで、サイズ1を着てる。
サイズ感は、少しゆとりがあると思います。
裾がスクエアですし、ウエストシェイプのないボックスシルエット、袖口も捲れるように少しゆとりのある寸法です。
ただ、まあ、だからと言ってサイズを下げる必要はないと思います。
いつも通りのCOMOLIのサイズチョイスで良いかな。
あんまり写ってないけど、僕のマイユニフォーム、Araki Yuuニッカーボッカーズとの相性も悪くない。
ドットの感じは着ると変に派手じゃないし、結構良いムードを出してくれると思いますよ。
まあ、好みの問題だけど。
お好きな方は見てみてください。