昨日紹介致しましたcalmlence。
3回目のコレクションとなる今回。
今日は、その続きを記載します。
今日は、こちら。
calmlence
NOTCHED SACK COAT
material _ LINEN 48%,WOOL 48%,POLYESTER 4%
color _ NAVY STRIPE
size _ 2,3
calmlence
WORKERS GILET
material _ LINEN 48%,WOOL 48%,POLYESTER 4%
color _ NAVY STRIPE
size _ 2,3
calmlence
SINGLE PLEATED WIDE TROUSER
material _ LINEN 48%,WOOL 48%,POLYESTER 4%
color _ NAVY STRIPE
size _ 1,2,3
こちら。
ジャケット、ベスト、トラウザー。
ブランドとしての顔であり、そのムードを象徴するのが、この3ピース。
そして、そのどれもに使われている生地が、calmlenceの熊谷さんが、手がけたオリジナル生地。
古い時代のジェントルマンムードをとてもよく感じる、奥深い生地となります。
限りなく黒に近く見えるのですが、イメージとしては、"ネイビー×ブラック"というベースに、少しだけトーンの明るいグレーが差し込まれているという色合いです。
混率は、上記の通り、LINEN 48%・WOOL 48%・POLYESTER 4%というものです。
それぞれの配置は、
"経糸にネイビーのリネン"
"緯糸にブラックのウール(梳毛)"
というのがベースです。
また、混率で気になるのが、ポリエステルの存在。
これは、昔ながらの背広にストライプをつくるために採用されていた"シックレン"という糸だそうです。
この"シックレン"がトーンの明るいグレーをしています。
それを経糸に熊谷さんの狙った位置にセットする。
ただ、シックレンを単体で経糸にセットするのではなく、"梳毛のウール糸"と組み合わせて、一本のシックレン・一本の梳毛ウールを撚り合わせ、"撚り杢双糸"として使っています。
それに加え、そのウールは、毛羽立ちが少ない梳毛なのですが、ストライプの醸し出す雰囲気を考え、糸そのものの撚り回数を増やし、シックレンと撚り合わされた際のストライプの見え方をとにかく追究したものだそうです。
だから、生地そのものは、経糸には、リネン・ウール・ポリエステルの3素材で構成されます。
緯糸には、先述の通り、梳毛ウールが打ち込まれるものとなります。
そして、それを織り上げるのは、"ドビー織機"。
柄のある生地を織り上げる織機です。
同様にジャガード織機というものがありますが、そちらを使うと柄がデジタルに近く、はっきりとして、細かすぎる柄になってしまうそうです。
だから、熊谷さんは、少し曖昧でクラシックなドビー織機を使って生地を織り上げたというもの。
とても紳士的でクラシックな空気が漂うオリジナル生地。
それが熊谷さんの設計する洋服デザインと掛け合わされると、それはそれは素晴らしいものが出来上がるのは、確実と言える。
もう一回見て。
ストライプ部分に目が行きやすいけど、グラウンド部分も少しの色合いのコントラストや生地組織、そして、重くなり過ぎない中での高級感。
途轍もない奥行きを持つ生地だと思いますよ。
では、それぞれの洋服を紹介しますね。
まず、こちら。
ノッチドラペルのジャケット。
この生地、calmlenceの洋服の形になったのを見ると、既にとても良い空気が漂ってるでしょ。
calmlenceでは、胸元に真鍮製の鍵ホックが付属し、スタンドカラーのジャケットスタイルにも適してる。
スタンドカラーとしても、このストライプの柄配置は考えられ、上側となる左衿は、完璧にストライプがつながり、下側となる右衿も違和感のない地の目となります。
テーラードカラーでの着用時は、後ろのラペルは同様にストライプ。
スタンドカラーとしての着用時には、斜めに現れるバイアスストライプとなります。
ギュッと細かく、手付けで縫い付けられた真鍮製の鍵ホック。
フロントには、"皮付き水牛ボタン"。
この素材の野生味により、ノッチドラペルのジャケットに強い雰囲気が加わります。
フロントには、4つの皮付き水牛ボタンが付属しますが、一番下のボタンホールにはホール形状のステッチは入りますが、使うものではないので、切れ込みが意図的に入っていない設計です。
袖口にも同様のボタンが付きます。
ボタンは、それぞれが重なるまではいきませんが、感覚が狭くグッとくっつくように縫い付けられています。
当然のことながら、本切羽で袖口を折っての着用もとても向いている。
袖裏には、昨日紹介したレーヨン・コットンツイルが備わります。
この袖裏は、ご覧のように手縫いで縫い付けられます。
しかし、袖裏の両端はきっちりと生地端が固定されるのですが、それ以外の場所は、余白分量を甘く設けて縫い付けられてる。
こう見ると、裏地の端はきっちりと固定されるのに対して、裏地が徐々に膨らみがあるのが分かるでしょうか。
これが、腕を動かした時に袖が突っ張らないようにするための余白分量となりますね。
袖を折って着用した際、袖裏の余白分量の僅かな膨らみが、柔らかい見え方を演出してくれると思います。
熊谷さんが最後に自身で施す製品洗いによって、胸の箱ポケットのポケット口に、甘さが生まれてる。
でもね、縫製が良いから、ポケットと身頃との境界線が"立ってる"の。
柔らかく崩す箇所と、締める箇所と、そのような洋服構築におけるコントラストが類まれなレベルに感じられるのがcalmlence。
だから、見た目のデザインだけじゃなくて、洋服としてめちゃくちゃカッコいいものができていると、僕は常々calmlenceの洋服を見ていて思います。
肩にはパッドは入っていませんが、保形のための芯地と、アームホールの縫い代を袖側に倒すことによって、"袖高"の設定となっています。
自然な中でのジャケットの演出がなされてる。
後身頃のストライプを見ていると、背中の位置で緩やかにウエストシェイプが効いているのが分かります。
センターベント仕様。
袖は二枚袖で地の目をしながら、腕のフォルムを出し、その中での柄の配置を考えられています。
それにしても、やっぱり袖の接ぎ合わせの切り替え線がやはりバッキバキに出てますね。
裏。
身頃の裏地には、オリジナル生地のフラワージャガードが配置。
裏地の付かない箇所は、パイピングで生地端の処理が施されています。
裏側には、洋服の構造がはっきりと分かるので、よく見てると、3種類の生地が交わるのにも関わらず、製品洗いをかけているとは思えないほどの、力強く際立つ生地の切り替え線です。
洗って膨らんだ生地とのメリハリが途轍もなく利いてるんですよ。
裏側の構築までもすごく注ぎ込まれているのがcalmlence。
手にして頂けた方は、実物をひっくり返して眺めてみて。
そして、次は、このベスト。
冒頭に3ピースと記載はしましたが、これは単品でもよく考えられてるし、ベストでのスタイルもcalmlenceを象徴するものです。
フツーと違うのは、まずこれ。
後身頃も表地を使っていること。
通常は、ジャケットスタイルの中に差し込むものとして設計されるベストは、ジャケットの中で滑りをスムーズにすることを最優先に考えられるため、後身頃に裏地を使われることが大半です。
でも、calmlenceは違う。
そして、ブランドのスタイルでの装いをする時には、シャツとトラウザーにこのベストというのでもバッチリ。
このベスト、後身頃に表地を使うということだけではなく、アウターベストとして使うことにも向けられて設計されてる。
まず、前端。
このフロント部分の生地端をご覧頂けると、生地の端にステッチが入ってるのが分かるでしょうか??
裏側からも。
よく見て頂くと、AMFステッチというものが入ってる。
でも、このステッチは、ジャケットを上に着た時に、見える"フロント側"だけにしか入らない。
前身頃と後身頃の切り替えの位置をご覧頂くと、前身頃側にしか生地端にステッチが入っていないのが分かるでしょうか??
前身頃の裾位置まで入る。
ただし、、、、
左手の親指の先の位置までだ。
この箇所までがベストの上にジャケットを着た際に見える位置。
どういうことかというと、、、、
左手の人差し指の先の位置までがAMFステッチが入る箇所。
そこから手前側がステッチが入らなくなる。
その地点を境界に、生地端の見え方が違うのがご覧頂けるでしょうか??
ステッチが入る箇所は、生地端がきちっと抑えられる。
反対に、ステッチが表に入らない箇所は、熊谷さんが洗いをかけていることによって、膨らみが出てる。
これ、とても重要なことですよ。
アームホール。
この箇所から、calmlenceのオリジナルフラワージャガードのアイボリーカラーが少しだけ覗くようになってる。
これ。
生地端が膨らむことで、裏地が顔を覗かせる。
通常、硬い雰囲気のベストであれば、この箇所は、"裏地を控える"といって、数ミリだけ裏地の縫い代での分量を小さくして、表から見えないようにする。
それがジャケットの内側に差し込む、ドレススタイルのベストの鉄則。
でも、calmlenceのベストの設計はそうではない。
ベストを一番上に着用した時にも、ジャケット同様に熊谷さんが目指す柔らかい雰囲気が出るようにした仕様。
ステッチで生地端を抑えず、裏地も控えないことで、表地と裏地、どちらもに甘い膨らみを持たせたベスト。
これは後身頃も同様です。
生地端を抑えないことで、ベストの輪郭が柔らかくなる。
どうしても洋服のジャンルとして"硬い"存在のベストですが、洋装のムード、スタイルという側面から考えてつくられてるのがcalmlenceのベスト。
分かりますかね??
前身頃のフロント側のみが表地見返し+AMFステッチで抑えられ、
バックネックは、表地見返し。
それ以外の箇所は、裏地が柔らかく膨らんでる。
ベストいう一見シンプルな洋服の中でも、硬く仕上げるべき箇所からクラデーション状に縫製仕様を変化させてる。
そうすることで、calmlenceのスタイルには欠かせない洋服を見事に演出してるの。
洋服の縫製仕様、構築の方法は多様にありますが、それが駆使されてるベストだと言える。
色々自分なりに考えた結果、このタイミングでのジャケットとベストはサイズ2と3のみの展開にしましたが、サイズが適正な方は、是非見てみて。
そして、このトラウザー。
こちらもまた、calmlenceのスタイルを象徴するのに欠かせない洋服。
ウエスト帯がなく、ベルトループ+真鍮製サイドアジャスター。
クラシックな深い股上と、分量が大きく取られたウエストタック。
皮付き水牛トップボタンが付き、フロント開閉はファスナー。
そして、calmlenceレベルの洋服ですからね、チラッと覗く内側の仕様が、このトラウザーの出来を既に物語ってます。
真鍮製アジャスターは、両サイドに付くのですが、これでかなりのサイズの許容があります。
無理にウエストが小さくなるという印象ではなく、どれだけ細い方でも、スマートに狙い通りのウエストフィットになってくれます。
このことは、ウエスト周りやヒップ寸法のバランスの良さもあると思います。
ベルトループも、スピーディーな量産タイプのものではなく、裁断、アイロン、縫製がきちんと施されたものが付属してる。
両玉縁仕様のバックポケット。
先ほど言った、ヒップ寸法は、適正分量が取られているとは思うのですが、全然無駄がない。
すんごい小さいということではないのですが、比較的コンパクトなのかな。
僕が展示会でサイズ3を着用し、アジャスターを締めて穿いても変なたるみが出てしまうことがないんですよ。
でも、やはりサイズ3が適正サイズの方が着用したら、お尻がとても綺麗に出て、バランスよくできてるの。
これすごいと思いますよ。
どうなってるのか今度熊谷さんに聞いてみようかな。
後身頃側から撮影したものですが、ハンガー状態から既に、流れ落ちるバツグンのアウトラインの片鱗を感じさせる。
calmlenceのトラウザーは、こちらともう一つの3タックのものが存在するのですが、当店にご来店頂くお客様の中でも複数の方が、これまでに同じ形をコレクション違いで所有してくれてるんですよ。
パンツブランドとかじゃないし、当店でもいろんなブランドを取り扱ってますので、それってあまりないことで、それだけの完成度で、人を魅了するトラウザーということ。
サイズ1であれば、どれだけウエストが細い方でもめちゃくちゃ良いムードで穿けるし、ウエスト、ヒップ、ワタリ寸法の設計が超絶見事に出来上がってるといつも感じる。
これって既製服では果てしなく難しいことなんですがね、もはや、熊谷さんの経験値、レベルがさすがとしか言いようがないと僕は思います。
前も言ったことがあるけど、今の世の中は誰もが洋服がつくることができる時代です。
でも、その出来上がった洋服のクオリティには絶対に差が生まれる。
ただ、それは、インスタグラムを通した画像での判断では、誤魔化すことができるし、かき消されてしまうもの。
しかし、実際に着るとその差は絶対的なもの。
洋服を眺める、単に所有するために買い物をするのであれば、僕はそのような洋服の買い方で良いと思うけれど、"着る"ということが大前提にあるのであれば、
絶対にプロがつくった服には敵わない。
その中でも、calmlenceの熊谷さんは、プロ中のプロ。
これぞ、洋服。
と僕はいつも思います。
半裏仕様の裏。
マーベルトをめくると、ウエストの安心感、フィッティングを高めるために芯地が備わる。
ファーストシーズンでは芯は一枚だったのですが、実際に熊谷さんが着用を繰り返して、検証を続けた中で、その分量を大きくし、折り返して二重に改良をする仕様へとアップデート。
ですので、着用時の信頼感はとても実感頂けると思います。
後ろもグルリ一周同様です。
そして、これ。
サイズ1を着てる。
流れながらも、バッキバキのアウトラインが生み出され、その上クラシックな超絶ムードのトラウザー。
ヤバヤバフォルムのトラウザー。
こういうトラウザーが好きな方には、ホンット良いと思いますよ。
そして、3ピース。
先述の通り、ジャケットとベストはサイズ2と3での取り扱いなので、僕には大きいです。
雰囲気を掴んでもらうためにサイズ2を着ていますが、ちゃんとした方が着ると、この10億倍はカッコよくなると思ってもらったら良いです。
一応撮ったんですがね、パンツが1で、ジャケットとベストがサイズ2なので、微妙かも。
目を細めて見て、雰囲気だけ感じてください。雰囲気だけ。
ただね、この3ピースの組み合わせは最強。
スタイルのレパートリーも広がりますからね。
サイズが合う方は、是非実際に着てみて、ご検討ください。
そして、最後に、こちらも。
calmlence
SCARF
material _ COTTON 70%,SILK 30%
color _ NAVY PRINT
size _ ONE SIZE
calmlence
SCARF
material _ COTTON 70%,SILK 30%
color _ RED PRINT
size _ ONE SIZE
calmlence
SCARF
material _ COTTON 70%,SILK 30%
color _ PUPLE PRINT
size _ ONE SIZE
こちら。
スカーフ。
柄は、昨日ご紹介したREGULAR COLLAR SHIRTのものと同様です。
しかしながら、ベースの素材がシャツは、シルクフィラメントとキュプラスパン。
こちらのスカーフは、コットンシルクですので、柄の出方、色合いが少し異なります。
あと、首に巻く場合には、コットンシルクの方が必要なボリュームが出てくれる。
サイズとしては、65cm×65cmです。
使う際には、三角形に折りたたんで、クルクルと細長くしてから、首に巻いてください。
この灼熱の中で、OLDE HOMESTEADERとのスリーブレスにスカーフを巻いてる僕としては、calmlenceのムードも必要だなと思い展開してる。
お伝えしておりましたように、明日8月3日(土)よりcalmlenceのcollection 003がスタートです。
当店でのラインナップは、昨日紹介したものと、今回のブログで紹介したものが、明日から販売のものとなります。
お好きな方、首を長くしてお待ち頂いておりましたお客様方、お待たせ致しましたが、明日から期待を胸にご来店ください。