今日は、とっておきのものを紹介しますね。
これまでの夏は、当店では、やはり需要もあるだろうなって思って、通常取り扱いをするいろんなブランドで、多様な"Tシャツ"を用意してきたんですよ。
まあ、セレクトショップでなくても古着屋でも、衣料品店でもどこでもTシャツってあるし、それだけいろんな方に向けたものがあっても良いなって思ってた。
ただね、今シーズンは、その考え方を取り払ったんですよ。
なんか色々考えたんですけどね、当店CASANOVA&COならではのTシャツを取り扱って、皆様に見てもらおうって思った。
だから、この春夏シーズンは、Tシャツというものは、これまでよりもかなりラインナップ的には限られてるかも。
ただ、どこをどう探し回っても、他のブランドにはつくることができないであろう、"そのブランドのオリジナリティー"に溢れたものを用意しています。
そもそもね、"Tシャツ"という存在は、洋服ブランドのレベルの高い低いは関係なくそれなりに"Tシャツ"というものをつくることができるし、ポッと出てきたばっかりで、適当に安価な既成のボディを使って、プリントしただけのものも当たり前のように"きちんとした商品"みたいな感じで存在してる。
学園祭でもクラスみんなでつくれちゃうレベルですからね。
だからこそ、当店が取り扱いをするブランドで、そのブランドだけのオリジナリティーが濃厚に反映されたものだけを今シーズンは取り扱ってるんですよ。
そうするからこそ、初めて、当店で"Tシャツ"という存在のものを、お客様方に紹介する意味があるだろうなって思ってる。
だから、今シーズンはそういったラインナップですね。これまでに比べて。
そして、今日紹介するものは、その中でもとっておきのもの。
僕は、今まで、"山内"のTシャツが世界最強だと思ってたんですよ。
だが、それに負けない部分も、大きく勝ってる側面も持つTシャツが現れた。
それは、去年の夏頃に開催してたそのブランドの展示会。
正直、そのブランドは、特化してる性質が強いため、"春夏"という括りのシーズンは、むちゃくちゃ弱かったんですよ。
ただ、ブランドがデビューしてからも、これまでずっと熱心に研究してた。
大体3年間くらいなのかな?ずっと、どうにかそのブランドの頭の中にあるものを形にできないかって試行錯誤してたみたいです。
どうしてもその素材は、日本で理想とするものを開発することが難しい。
そうして、国を跨いで根気強く、時間をかけて開発に挑んでいた。
それでね、昨年の夏ですよ。
本来は、コレクションとしてではなく、展示会に訪れる人に見てもらいたいって思って、"サンプル"として展示してた。
でも、僕は、それを見て、ブランドのコレクションラインナップよりも、こっちの方が心が大きく動かされた。
それでね、その場で「これを取り扱わせてくれ」って頼んだんですよ。
そしたら、ちょっと考え込んで、でも、いろいろ話し合って、結果的にオーダーさせてもらうことができた。
しかも、今シーズンは、それに一番心が惹かれたから、それだけを。笑
今シーズンの当店、CASANOVA&COでとっておきのTシャツですよ。これ。
BODHI。
カシミヤのTシャツ。
BODHI
CASHMERE T-SHIRT
material _ CASHMERE 100%
color _ BLACK
size _ 1(S),2(M),3(L)
先述の通り、カシミヤ。
しかも、コットンとか混紡してない。
カシミヤ以外はなにも存在しない、カシミヤ100%のTシャツ。
当たり前だけど、「これ暑いんじゃないか?」とか思わないでくださいね。
これからの時期に着てて暑いTシャツなら、ここで紹介もしないし、僕の心は動かされないから。
この先の夏場にちょー快適。
ちなみにロングスリーブVer.もあるんだけど、そっちは通年良いかも。インナーにしたら年中。
まあ、どちらにせよ、誰もが確実に未体験ゾーンのTシャツとロンTをお約束しますよ。
度肝を抜いて。
まあね、簡単に説明をさせて頂きますとね。
カシミヤ繊維っていろんな特性があるわけですよ。
広く多くの方に認知されてることが「暖かい」ということ。
それは、なぜなのかというと、繊維を断面で見ると、内部が空洞になってるから。
いわゆる"中空繊維"ですね。
まあ、そのような内部が空洞になってる繊維は他にもいくつかあるわけですが、カシミヤ繊維は、"カシミヤやぎ"の体毛じゃないですか。
世界のいろんなところにカシミヤやぎは生息してるけど、基本的に洋服で使用される"カシミヤ繊維"は、寒暖差の激しい、生身の人間では生命を維持することができない環境で生息するものの体毛が使われてる。
その結果、体毛がむちゃくちゃ進化を遂げて、繊維自体にいろんな特性を持つわけですよ。
先に述べた"中空状態"であることに加え、他の特性と組み合わさることで、"暖かい繊維"と認識されるようになってるわけですね。
それでね、BODHIの水谷さん。
水谷さん自身が、カシミヤで人生を変えられたそうだから、カシミヤ繊維で途轍もないものをつくることができないかと、毎日毎日考えてるわけですよ。
サウナに入りながら。
プロのサウナの資格を持ってるらしいから。
そこで、ブランドで考えたのが、"暖かい"以外に、カシミヤ繊維のもう一つの大きな特徴である、"体温調節機能"。
これを活かすことができれば、夏場でも涼しく快適に過ごせるのではないかということ。
でも、まあ、それがハードルがものすごく高かったみたいで何年もかかったそうですよ。
でね、結果的にどうしたかというと、本来なら"中空状態"であるカシミヤ繊維を"中空"を潰して、保温しないようにしたの。
"体温調節機能"だけにした。
そうすることで、もの凄く心地良く、滑らかで、涼しい、圧巻のTシャツが出来上がったということ。
でね、繊維をそういうことにしてるから、このTシャツのカシミヤ糸は、"BODHIオリジナル"のカシミヤ糸だそうですよ。
これでTシャツをつくりたいと当初からずっと思っていたそうだから、ブランドで研究をしてきた"80番手双糸"というBODHIがベストと考える糸をつくりだした。
世界で最も過酷な環境の一つとされる、中国の内モンゴル。
そこのホワイトカシミヤを100%使った、カシミヤの"強撚梳毛"。
"強撚"
の
"梳毛"
ですよ。
世の中に存在するカシミヤは、ほとんどがセーター用につくられたふんわりとした"紡毛"だから。
だから、全然違う。
内モンゴルのホワイトカシミヤのオリジナルの80番手の強撚梳毛。
もうね、これだけでヤバヤバ。
生地の感じはね、ご覧頂けたら何となく分かって頂けると思います。
実物は、すごいですよ。
BODHIがTシャツをつくりたかったから、Tシャツの形してるんですけどね。
モノが発してるものが、Tシャツじゃないの。
すごいオーラを持ってる。
いつもTシャツという限られた枠組みの中で、とにかく良いものを探そうと思ってたけど、今のところ、僕は、これほどまでのクオリティのTシャツには出会ったことがないですね。
カシミヤが梳毛で、しかも強撚されてるし、オリジナルレシピで仕上げられてるから、繊維特有のありのままの光沢がふんだんに出てるし、タッチも超絶的。
カラーは、ブラックなんだけど、反射して、もはやブラックに見えない。
それでいて、着用時のドレープもフツーじゃないの。
当店で12月に販売した葛利毛織さんで山内とつくったフェレイラモヘアと同じ類のドレープしてる。
その上、もの凄く風が通るし、実物見てもらえたら、真夏の汗染みなんて全く心配にならないと思いますよ。
でね、久しぶりに登場。
マイクロスコープ。
これ。
まあ、なかなかピントが合わなかったから、ボケてますけどね。
気にしないで。雰囲気で。雰囲気。
梳毛のカシミヤが光って強撚なのに、特級のホワイトカシミヤだから繊維がそのものが長い。
だから、強撚でも繊維特有の柔らかさが見てても感じられる。
これが、一般的なTシャツに近いものを同じ倍率で撮影したもの。
コットン100%ですね。
コットンと比較するとカシミヤの糸の締まり方、見え方がなんとなく違うの分かりますかね?
これが、モノになった時、着た時に、大きな違いを生む。
そもそもBODHIでは、フツーでは実現できない"Tシャツ"と全く同じ組織のものをつくろうとしたから、上質な繊維を思いっ切りフツーに寄せた感じです。
でも、繊維がフツーじゃないから、すんごいものができてるの。
ちなみに、縫製仕様もコットンのフツーのTシャツに寄せてます。
目の詰まったカシミヤでネックを切り替え、バックネックから、肩にかけて伸び止めの処理をしてる。
これは、通常ではカシミヤの生地には施すことができない仕様です。
裏。
裏の処理は、フラットシーマなどではありません。
伸縮を持たせた一般的なコットンTシャツに施す処理。
これは、カシミヤには通常ではできません。
袖裏の縫製。
これもコットンのちゃんとしたTシャツと同様です。
縫製箇所に伸縮を持たせてる。
洗濯表示。
もちろん、洗濯オーケーです。
これからの時期を想定してるモノだから。
毛羽立ちや縮みなど、大きな変質は起こらないことを何度も確認してる。
ただ、洗濯機にいろんなものと一緒に突っ込むのは避けた方が良いかな。
手洗いなら、全く問題なし。
洗濯機もネットに入れて、常温の水で中性洗剤で洗ってもらったらOKです。
もちろんアイロンも不要で、干すときは、平干しがベストですが、まあ、それが面倒なら、肩幅があるハンガーで吊り干しでも良いかな。
脱水したら、ほとんどの水分は飛ぶし、伸びにくそうだから。
とにかくイージーケアで着続けられることもBODHIでは特に重要視してる。
こちらが長袖ですね。
ロンTの方も生地は全く同じです。
だから、袖をたくし上げて夏に着るのも良いと思いますよ。
それはそれで、そういうスタイルで。
こちらの方は、ネックだけではなく、袖口にも同様にカシミヤリブが配置しますね。
とてもきめ細かく、美しい生地の表面だと思います。
そもそも、僕の想定としては、Tシャツの方も、ロンTの方も、どちらも一枚で着てもらうことを考えてた。
透けもないし、超快適で安心して使ってもらえると思うから。
でも、それだけではなくて、大人の方は、どこか出かける時や、人によっては仕事の際に、夏場にパサっと羽織るジャケットやシャツみたいなものを着たりするじゃないですか。
ただ、暑い季節になってくるとそういうシーンでのインナーの問題も出てくると思う。
責任ある仕事をされてる方であればあるほど、仕事のオフィシャルシーンで何を着たって大丈夫とはいかないじゃないですか。
ただ、全然硬くなくても良い時だってあると思う。
そういう場面でも、これなら使ってもらえるんじゃないかなって思ってる。
その点は、山内のTシャツと一緒ですね。
それでいて、ジャケットやシャツなどを脱いで、このTシャツやロンTを一枚で着てても、とても良いと思う。
あっ、でも、ロンTの方は結構袖丈が長めで、袖口に生地が溜まるように設定されてるから、ダメな方はダメかも。
人によりますね。
まあ、下の着用写真を見てください。
これ。
Tシャツです。見たら分かると思うけど。
身長167cm、体重53kgでサイズは1を着てる。
肩線は落ちる設計ですが、肩に丸みを持たせてるから、肩にはフィットする設計です。
ただ、肩線の位置だけ下に落として、ドロップさせてる。
身幅は風が通るように少し余白を持たせていますが、余程ボディラインをはっきりと見せたいという方でない限りは、オーバーサイズとまでは見えないと思いますよ。
生地そのものが下に落ちようとして、ドレープが強いし。
こちらがロンTです。
Tシャツ同様にサイズは1。
一番小さいサイズですね。
僕は、手が短いからふんだんに袖口に生地が溜まってるけど、フツーの方ならもう少し収まりが良いとは思います。
まあ、プライスもそれなりですが、これを着てると、会う人誰もに、上質なTシャツ着てると思ってもらえると思うし、夏場に着る仕立ての良いジャケットにもすごく調和すると思いますよ。
限られた方に向けられたTシャツかもしれないけど、モノ好きな方であれば、これを手にしてもらえたら、初めて見た時の僕と同じように、心を大きく動かされると思う。
すごいオーラだから、これ。
とっておきのTシャツシリーズですからね、お好きな方は使い続けてみてください。