これが//subjunctionの最後である。
Araki Yuuというブランドの性質上、本当は、全部を一つ一つ紹介したかったのですが、それができなかったので、今回は、最後にスカーフを紹介します。
12月31日にAraki Yuuの納品がありました。
それは、前回のブログで書いていたように、4B jerkin jacket(サイズは0,1,2)とknicker bockers(サイズは0,1,2)、スカーフというラインナップでした。
スカーフについては、正確にお伝えすると、、、
"scarf & ring set"
というタイプのスカーフで、"アラシャンカシミヤ"と"無染色カシミヤ"の2種類をオーダーしていました。
そして、現状、当店で在庫のある全てのAraki Yuuは、
scarf & ring set "無染色カシミヤ"が2点という感じです。
もともと店頭にご来店を頂けるお客様方で、knicker bockersをご希望頂ける方が相当数いらっしゃいました。
僕が他のブランドの洋服の着用写真を撮影する際にも、よく穿いていることがあるパンツです。
そして、自分がもの凄く好きで、ウルトラヘビーユースしているパンツです。
ですので、事前にお客様方には、Araki Yuuにknicker bockersをオーダーしていることをお伝えしておりました。
それが僕のオーダー数に対して、明らかに多数の方にご希望を頂くことになり、このブログで紹介するよりも前に、お待ち頂いているお客様に、大晦日の朝に納品されたことを連絡し、その後皆様がすぐにご来店頂き、knicker bockersを手にして頂けたり、knicker bockersを予定していたお客様が、検討に検討を重ねた結果、そのあまりのかっこよさに4B jerkin jacketを手にして頂けることになったりと、ドラマティックな展開で、大晦日に納品されたAraki Yuuの数々は、大晦日にほぼ全量が完売することになりました。
そして、同時に、これまで当店で在庫していたAraki Yuuも完売し、残るは上記の通り、scarf & ring setのみ。
で、何を伝えたいのかというと、、、、
Araki Yuuは、国内のブランドとしては、高額な洋服である。
しかしながら、これほどまでに"人の心を動かす"ことができるのである。
僕は、もう何年もそれを目の前で見てきたし、バイヤーという仕事をしている自分自身も、Araki Yuuがつくるものに"心を動かされ続けてきた"。
だから、僕は、Araki Yuuというブランドを皆様に知ってもらいたいと心底思ってる。
まじでスゲーから。
僕はものをつくることができない。
だから、ウルトラ領域のものづくりをしている人をとても尊敬している。
しかも、Araki Yuuは、明らかに洋服のレベルが上がってる。
"変わらないものづくり"ではないのだ。
確実にレベルアップしてる。
それは、出来上がった洋服を見て、そのように思う。
Araki Yuuのようなものづくりを続けられる人は、そうそういない。
そのようなブランドが評価され、広まるべきだと思う。
そうでなければ、簡単なものづくりばかりが蔓延してしまいかねないのではないだろうか。
そして、僕は、Araki Yuuのようなブランドがいてくれないと何もできないし、全然存在理由がない。
だから、そういう意味でも感謝してるし、仕事をしていきながら、自分が成長させてもらっている感覚でもある。
年末年始ということもあるし、自分自身のタイムリミットが迫ってることもあるから、あまりにも長々と書くことは難しいんだけど、現在CASANOVA&COにあるAraki Yuu "scarf & ring set"を紹介しますね。
Araki Yuu
scarf & ring set
material _ CASHMERE 100%
color _ NATURAL
ring _ BRASS
size _ ONESIZE (全長91cm × 幅29.5cm)
※完売致しました
これ。
先述の通り、無染色カシミヤに、真鍮製のスカーフリングがついたものである。
これは、知ってくれてる方はいると思いますが、以前に登場したAraki Yuuの、葛利毛織さんの"アラシャンカシミヤ生地"を使ったスカーフを、六角形のスカーフリングで留めるという"scarf & ring set"というものがありました。
そして、ブランドの今回のコレクションサンプルでは、そのモデルとは別で、無染色カシミヤを使った細長いスカーフが存在したの。
それを見て、そのままオーダーしても良かったんだけど、この"無染色カシミヤ"の素材そのままの色合いと、Araki Yuuの"真鍮製スカーフリング"が組み合わされたら、気絶するくらいカッコいいんじゃないかと思ったの。
それで、「つくれますか?」って聞いたら、「アラシャンの生地とは、厚みやコシが違うから、明確に答えられない」っていう返答だった。
でもね、そこから、無染色カシミヤ生地を留めるためのスカーフリングの大きさ、形状を考えて、開発をし、この度、新たに2点のscarf & ring setをつくってくれた。
納品されたそのスカーフを見た瞬間、痺れたね。ビリビリに。
生地の厚さを活かすスカーフのボリューム、それをきちんと留めつけるためのリングの大きさ、形状を一から考えて形にしてくれたの。
だから、それを限られた二人の方に手にしてもらいたいと思ってる。
生地は、平織りということもあり、ブリブリのハリと、あまりにも滑らかな表面。
カシミヤ繊維そのまんまの色合いの生地。
スカーフそのものは結構変わった形状をしてる。
これは首につけたときのAraki Yuuが考えるベストバランスを目指したもの。
写真では分かりにくいけど、左右は非対称になってる。
スカーフは、3枚の生地がはぎ合わされ、シームの表面にはアンティークレースが備え付けられる。
裏はこんな感じ。
リングの形状は、この無染色カシミヤ生地用に新たにつくった"円形タイプ"。
まるでジュエリー職人かのように、真鍮の棒を叩いて形づくる真鍮スカーフリング。
もはやファッションデザイナーの範疇ではない。
すごいレベルの職人だ。
どれだけ時間がかかるんだろうと想像する。
そして、そのリングにギュッと集約される無染色カシミヤ。
このコントラストを思い描いてた。
新品でもカシミヤそのものはとても心地良いタッチですが、直接首につけるものでもあり、時には洗うこともあるじゃないですか。
だから、洗っていくと、そのうち、もっともっとカシミヤの風合いはアップするのが目に見えてる。
つけるとこんな感じ。
冬場は充分な暖かさだし、ここから春先まで、使ってもらえると思う。
あとは、やはりつけてるだけで装いが少しちゃんとして見える良さはあると思います。
お好きな方は見てもらえると嬉しいです。
今回のscarf & ring setは、ご希望頂ける方は通信販売でも承らせて頂きますので、ご検討頂ける方はご連絡ください。
そして、、、以上で、//subjunctionは終了。
Araki Yuuをはじめとしたこのようなブランドが知られ、評価されること。
それだけではなく、日本や世界の技術者、職人もそう。
その技術に基づいたものづくりと、精神性を僕は本当に尊敬する。
それを知ることは教養である。
僕は、これからもまだまだAraki Yuuを知ってもらいたいと思ってる。続きはまたどこかで。