昨日は、気仙沼ニッティングのことを紹介しましたが、今日は、また別のものを紹介させて頂きますね。
Araki Yuu。
最近は、見事にブログで全然Araki Yuuを紹介できてなかったんですけどね、紹介する前に店頭でお客様方に気に入ってもらえてるから、なんかAraki Yuuの洋服を取り扱いしてなかったことになっちゃってるかも。笑
これまでと変わらず、取り扱いをし続けてるんですけどね。笑
僕にとっても、Araki Yuuはとても欠かせないものだし、たっくさんの数の洋服はつくれないけど、このブランドにしか内在しないものがある。
今回は、アラシャンカシミヤのスカーフを紹介しますが、同じアラシャンカシミヤでfield jacketを昨年に続いてつくってもらい、取り扱っていたのですが、そちらもこのブログで紹介する前に完売。
すごい力のある洋服ですからね。
ただ、今日は、スカーフ。
これは、見た瞬間に5点オーダー。に加えて、自分の分を1点。の計6点。
先日までSuvin Gold Supremeの洋服を大きく取り扱っていたから、それが落ち着いてからにしようかなって思ってたんですが、お越し頂くお客様の中で、僕がひっそりとこの方には良いんじゃないかなって思った方々には、スッと見てもらっていたんですけどね、そしたら、僕が当初持っておく予定だったものを入れて、あと2点になっちゃった。笑
見ていただいた方、全員が欲しくなる。と言えるスカーフ。
そんなもの、他にはなかなかないと思うんですけどね、すごいものつくってますよ。Araki Yuu。
そもそも、今回のスカーフは、僕は1年以上前に、試作段階のものをサンプルで見せてもらったことがあったんですよ。
そしたらね、試作だったのにも関わらず、それに心を奪われてしまって、製品として登場することがあれば絶対に欲しいって思っていたんですよ。
待ち焦がれること、1年以上。
遂に登場したのを見た瞬間、あまりの嬉しさにより、その場でオーダー。
1年前から、1日たりとも忘れたことがなかったとも言えるほど、待ち焦がれたスカーフ。
それを今日は、紹介しますね。
ホント、むちゃくちゃなシロモノだから。
Araki Yuu
Scarf & Ring set
material _ ALASHAN CASHMERE 100%
color _ NAVY HERRINGBONE / DYED DARK
size _ ONE
price _ ¥88,000- (in tax)
これ。
僕も愛する葛利毛織さんの梳毛アラシャンカシミヤを100%使用した、スカーフと真鍮リングがセットになったもの。
ブランドでは、真鍮ボタンを使用した洋服の印象がありますが、今回はその真鍮をスカーフリングとしてつくっているものですね。
これ。
真鍮のスカーフリング。
六角形の厚みのある形状。
これは、棒状の真鍮の塊をAraki Yuuで、自分でハンマーで叩き、平面状にして、それを正確に曲げ、つなぎ合わせ、最後に真鍮のテクスチャーを活かすために加工をしたシロモノです。
洋服をつくってる人なのに、真鍮をハンマーで叩いて形づくり、スカーフリングを形成するなんて、もはや常人のやる技ではないですよ。笑
そもそも、洋服もこれまでも変わらず、工場生産に一切移行せず、全部自分で縫ってるし、それに今回は、ジュエリー職人ですか?みたいなことまでやってきた。
こんなものづくり、今の日本でやり続けてる人いませんからね。
それを見事に変わらず、というかどんどんレベルアップしてやり続けてるの。
ホントにすごいと思う。Araki Yuuでつくられるものを見てると、どんどん洋服の細部までもが格段に向上していってるのが分かるし、全然現状維持とかじゃないんですよ。
昨日の気仙沼ニッティングのブログでも書いたけど、今の主流は、"簡単になっていくものづくり"。
だけど、Araki Yuuもそうではない。
それが、Araki Yuuの商品を見てると見事に感じ取れるし、そういうことから、僕はAraki Yuuの洋服やモノがすごく好きなんですよ。
この位置で溶接するかのようにつなぎ合わされた真鍮プレート。
六角形のいろんな面で、真鍮のテクスチャーが変わる。
バッキバキにAraki Yuuが自らハンマーで叩いた真鍮を見て感じて。
スカーフそのものには、いつも通り、アンティークレースが両サイドに縫い付けられてる。
このアンティークレースは、ただアイコニックについているのではなく、スカーフをリングに通した際に、リングがズレ落ちるのを防止するためのストッパーにもなってるのを感じましたね。
そういう位置に縫い付けられてるから、よく考えられてるの。
そして、葛利毛織さんのヤバヤバ生地、"梳毛のアラシャンカシミヤ"との、あまりにも美し過ぎる、心を鷲掴みにされるようなコントラスト。
柔らかい繊維でありながら、キュッと目が締まった糸、その重厚な輝き。
それに加えられる、硬質な真鍮プレートでのリング。
このスカーフは、アラシャンカシミヤの生地だけでも、鍛造真鍮リングだけでも、ここまでのものにはならないと思う。
アラシャンカシミヤとスカーフリングの組み合わせにより、圧巻のものが出来上がってる。
これ。
葛利毛織さんのアラシャンカシミヤ。
先述の通り、梳毛。
葛利毛織さんは、ドレス畑の機屋さんだから、生地は全て梳毛。
アラシャンカシミヤを3本取りし、昔ながらの高密度な打ち込みで設計して織り上げられる生地。
普段は、あまり使わない言葉だけど、これは、"極上"。
上の写真では、結構ネイビーに見えるけど、実物は、ネイビー×ブラックの糸で織り上げられた生地を、Araki Yuuで製品染めを行ない、ムラのあるブラックのカラーリングで出来上がっています。
所々に、ネイビーが顔を覗かせるっていうようなイメージですかね。実物は。
これ。
まあ、全っっっ然分からないと思いますが。笑
アラシャンカシミヤの光沢があり過ぎて、ちゃんと撮れませんでした。笑
そして、スカーフそのものはこのような形状をしてる。
これまで、ブランドで存在したスカーフとは、また違った形をしています。
これは、Araki Yuuで、このスカーフをつくるために、膨らみのあるボリュームや首への収まりのベストバランスを追求したそうです。
それにより、スカーフそのものは、このような独特な形状をしています。
生地は、ヘリンボーンなのですが、それを横使い。これも、着用時のボリュームを考えた結果。
三枚の生地で構成され、縫い合わせの箇所にアンティークレースを配置していますね。
洋服よりも、シンプルな構造に見える"スカーフ"という存在だけど、そこにもブランドで考え込まれた"意図"がある。
アンティークレース。
これも、製品染めによりブラックに染まってる。
そして、裏側を見ると、、、
分かりますかね??
全て、手縫い。
これまでブランドで登場してきたスカーフは、生地端の処理をミシンソーイングで行なってきていましたが、これは、手縫いなの。
シームの硬さがなく、アラシャンカシミヤの特性をめちゃくちゃに首で感じることができる。
・梳毛のアラシャンカシミヤ
・ハンマーで叩いて形成した真鍮リング
・手縫い
もはや、これ、どこにも文句ないでしょ。
ヤバヤバのシロモノです。
これで、¥88,000-(税込)というのは、決して高いものではないと思う。
価格以上のことを、手にして頂けた方には、必ず感じてもらえると思いますよ。
これ。
着用時。
結構ボリュームあるのが分かりますかね?
マフラー感覚でも着けられると思います。
着けていても感じられる素晴らしい生地の光沢。
溢れる高級感。漲るオーラ。
それでいて、葛利毛織さんの生地ですからね。洗える。
これ、ホントお好きな方にはすごく良いと思いますよ。
もはや僕が自分用にオーダーをしていたものを放出することになると思ってるのですが、それはそれで喜びと共に残念な気持ちもあるので、ひっそりと店頭で紹介していますね。
ご検討頂ける方は、ひっそりと見てやってください。
でも、鏡の前では高揚感が隠せないと思いますよ。