今日は、山内を紹介しますね。
それなりにバリエーションがあるので、2回に分けて紹介するつもりです。
2回目は、明日かな。多分。
今回は、Tシャツと羽織るタイプの半袖シャツとパンツです。
Tシャツは、これまでも紹介をしてきたのですが、当店CASANOVA&COにとってもレジェンドに君臨する"フリーカット強撚ポンチ"のものですね。
このTシャツは、先日、OLDE HOMESTEADERのTシャツや、BODHIのカシミヤTシャツを紹介したのですが、今シーズンの当店での三本柱。
東京の小野莫大小さんでつくった生地なのですが、それを服に仕上げるのが難しくて誰も形にできなかったものを、何年も前に山内の山内さんが見事につくり上げ、そのオリジナリティ溢れる出来が良すぎて、もはや誰も(どのブランドも)、なかなか近いものを作らなくなった名作シリーズ。
このTシャツ、すんごいから。
それが今年は、形を変えて登場。
Vネックです。
山内
フリーカット強撚ポンチ VネックTシャツ
material _ COTTON 83%,POLYURETHANE 12%,NYLON 5%
color _ BLACK
size _ 2,3,4,5
山内
フリーカット強撚ポンチ VネックTシャツ
material _ COTTON 83%,POLYURETHANE 12%,NYLON 5%
color _ SUMI
size _ 2,3,4,5
これ。
生地は、先述の通り、東京の小野莫大小さんの生地を使ったもの。
そのマテリアルも変わってる。
コットン83%、ポリウレタン12%、ナイロン5%というもの。
コットンは、強撚で糸の目が締まり、とても目が立って、毛羽立ちもないと言って良いレベル。
その分、強撚ベースの生地の揺らぎによる、着用時の光沢、上質感がとてもある。
表に出てるのは全部コットン。
そして、裏からポリウレタンが生地そのものを支え、強撚のコットンとポリウレタンは編み地として組み合わせにくいから、その繋ぎ役として、ナイロンが内部に使われているそうですね。
この生地は、特殊構造で、伸び縮みの伸縮力もハンパない。
そして、写真で見てもらえると分かるように、生地の端が切りっぱなしになってるもの。
これこそ、まさにこの生地を象徴してるもの。
通常のTシャツ生地だと、カットしただけの状態だったら、必ず発生するのが、
・カーリング(天竺クルクル)
・糸のほつれ
この2つ。
しかし、この生地は、裏に現れるポリウレタンが生地構造を支える大きな役目を果たしていることにより、フツーだったら起こってしまう上記の2つが限りなく起こらないの。
その上、強撚コットンであるために、汗をかいても体に張り付かず、着用時には少し冷んやりと感じるようになってるの。
しかも、乾きも早い。洗濯後も、着用時の汗も。
これは、とても夏場にメリットのあるTシャツだ。
Tシャツでは綺麗に生み出すことの難しいラウンド形状の裾もこれなら実現可能。
裾がラウンドしてるデザインのTシャツって、基本的にシーム付近に斜行した皺が入っちゃうから。
これは一切の乱れた箇所がなく、フラットにラウンドし、見え方が全然違うんですよ。
大人の男性は、そういう部分は服装の大事な要素だと思いますから。
袖口も折り返しが存在せず、断ち切りの状態です。
そして、最初にお伝えした通り、今回は、Vネック。
浅めですね。Vの印象は。
少し首が詰まったVネックという感じでしょうか。好印象。
シームは、三本針での仕様です。
肌に当たる裏面は、フラットです。
この仕様は少し珍しいのかな。表にも3本出てることが。
そして、真ん中の糸のみ配色です。
ちなみに、三本針のステッチですが、真ん中だけ色が違うだけではなく、糸そのものの太さも違います。
真ん中だけ30番手。
あとは、60番手だそうです。
だから、真ん中の糸は、よりはっきり見えるようにその他の縫製糸と比較して、倍の太さに設定されてる。
というか、その他の糸を60番手ではなく、ブランドとしてのスタンダードである50番手のもう少し太い糸にしようとしたみたいですが、50番手だとシームが硬くなってしまったそうで、山内さんが求める見た目、着用感にはならなかったみたい。
だから、糸番手を細いものにして30番手と60番手の組み合わせにしたんだって。
まあ、かなり細かい設計をされる人ですからね。
特に縫製仕様に関しては。
Tシャツにおいても、よりブランドとしての高精度を求めてる。
この配色ステッチも着てみると案外良いアクセントになって、気に入ってもらえると思いますよ。
こちらが、初登場。
"炭染め"。
正確には、"紀州備長炭染め"。
これは、僕は面識がないんですが、岡山県でこれをやってる方がいるそうです。
炭の超微粒粉末を使って染める方法だと山内さんが言ってました。
ベタっとしたグレーではなく、ブルーグレーのような色合いで、軽いムラがあるのが特徴的ですね。
先ほどのBLACKの方は、他のTシャツとは全然違うレベルの洗練された見た目ですが、こちらのSUMIになるとカジュアルな感じが増しますね。
生地の凹凸も増します。
日頃、夏場にTシャツだとカジュアル過ぎるのが苦手な方にも良いかもしれません。
見た目の印象が"Tシャツの範疇"してないと思うから。
この小野莫大小さんの生地がTシャツになってるのはすごいことだと思いますよ。
後ろ。
裏面。
過去シーズンの山内のTシャツを見たことがあったり、お持ちの方は分かってもらえると思いますが、これまでのモデルは、この生地の"ほつれない"という特性を最大に活かすために、裏のシームも断ち切りでした。
ただ、今回は、山内さんが三本針の縫製仕様が使いたかったらしく、裏面はフラットなシームで処理されています。
ですので、断ち切り箇所は、身頃の裾と袖口だけですね。
裾口の裏の縫い目の処理は、ロックのみ伸ばし、それを裏側でカンドメで止め付けてる仕様です。
だから、裾が断ち切りでも、シームはガッチリ固定されてるので安心してください。
驚愕的な裏の生地のキメ細かさ。
毛羽立ちが全然なくて、目が立ってるの分かりますかね??
これ、とてもすごいことですよ。
ホンット、着てて、もの凄く心地良いから。
僕もいつも着ていて、洗濯機で洗うときも、ネットに入れたり入れなかったりですが、新品時から全然変わらず着続けられる。
人によっては、夏場もカジュアル感が強すぎるTシャツを着れない方もいると思うし、職種によっては仕事でも使ってもらえるものだと思いますよ。
それくらい綺麗な見た目してるTシャツですね。
夏に涼しく着ることができる機能と、見た目が伴ったTシャツ。
実は、納品はめちゃくちゃ早くて、2月だったんですよ。
いやいや、早過ぎるでしょ。って思って、それから約4ヶ月間保管してたんですが、すぐに使ってもらえる時期だと思うし、山内さんが言うには、ブランド在庫も全部ないそうだから、当店が最後の砦として。笑
山内
ウールメッシュクロス・ショートスリーブジャケット
material _ WOOL 100%
color _ RED OCHER
size _ 2,3,4
次は、これ。
葛利毛織さんでのむちゃくちゃ良い生地。
スーパー120の強撚梳毛ウール100%のメッシュ。
メッシュと言っても、平織りで、糸を寄せて寄せて、ってして、メッシュ構造にしてるだけの通常のメッシュとは全然違う構造の生地。
この圧倒的に美しい生地。
見るからに気持ちよく風が通り抜けていきそうな生地の目。
それに加えて、強撚で細い原料の梳毛ウールならではの自然に流れる様子。
これもさっきのTシャツ同様に、日本の夏場にはチョー快適。
それでいて、汗をかいてもシミにならず、乾きも早くて、洗濯もオーケーなシロモノ。
写真を見てもらえれば分かってもらえると思いますが、ステッチもほとんど表には存在せず、フロントのボタンもありません。
サイズは体から離れるように全体的に少しゆとりがありますね。
夏にOLDE HOMESTEADERのスリーブレスとか、タンクトップなどをインナーに着て、その上に着ればすごく心地いいと思いますよ。
バック。
フロントは、ボタンレスでカジュアルムードが漂ってますが、後ろ姿の首元は、とても山内してる。
山内さんは、フロントが力が抜けているムードが好きでも、後ろ姿はとても大事にしたいっていつも言ってるから、後ろは衿がスタンドカラーになってる。
ちゃんと衿が存在することを大切にしてる。
だから、着用時には、バックネックは、首に添ってくる。
後ろから前にかけて、徐々に衿が消えていくようなイメージですね。
裾は、真っ直ぐ。
流れ落ちるウール生地。
そして、裏。
前見返しがきちんと存在する仕様です。
随所の縫製仕様は、オーバーロックが多用されています。
その理由としては、いつもは、折り伏せや割り伏せなどで縫い代を処理することが中心の山内ですが、ウールメッシュの生地になると、縫い代が硬過ぎる仕上がりになってしまうことと、ボコっと膨らんでしまうため、生地に対して着用時に最もフラットに見える縫製仕様を選んでいるから。
だから、表にステッチがあまり多く出ないということもありますね。
アームホールもオーバーロック。
写真撮ってないけど、後ろのネックは綺麗な見返し付き。
山内
ウールメッシュクロス・ワイドシルエットパジャマパンツ
material _ WOOL 100%
color _ RED OCHER
size _ 2,3,4
山内
ウールメッシュクロス・ワイドシルエットパジャマパンツ
material _ WOOL 100%
color _ DARK NAVY
size _ 2,3,4
そして、最後は、これ。
先ほどのウールメッシュのパンツ。
パジャマパンツっていう名前が付いてますが、葛利毛織さんの生地があまりにも質が高い分、全然パジャマ感はないですね。
もの凄い涼しいパンツです。
ウエストがゴム入り、イージー仕様のパンツです。
ウエストポケットは、ベイカーパンツみたいな感じ。
際立つポケットのステッチワーク。
前開きはありません。
バックは、肩玉縁の仕様です。
新品では、ポケット口が手まつりされているので、着用時には、糸をとってください。
着用時は、かなり軽やかで、下半身にはバツグンのタッチ。
それでも実物は生地の輝きもある。
透かして見ると透け感はありますが、実際に着てみると透けはあまり気にならないと思いますよ。
メッシュの目がむちゃくちゃ細かいですし、色がRED OCHERもDARK NAVYも濃い色だから、下着も透けることはないと思いますね。
特にRED OCHERなら、いつも勝負パンツで赤いパンツ(下着)を履くような人でも安心。
RED OCHERの方は、少し個性があるけど、DARK NAVYは全員ストライクゾーンに入ってくると思う。
まだ誰にも試着してもらってないけど、穿いて頂いた方には、必ず、気持ち良いと思ってもらえる。確信してる。
それに加えて、軽やかな生地の自由度の高いドレープ。
これは、誰もが夏に穿くことをその場で想像してもらえるでしょうね。
繊維の使用量が多いし、葛利毛織さんの生地クオリティは、丈夫だしとても感動的。
裏。
ウールメッシュの特性を最大に感じてもらえるように裏地はありません。
肌で感じて。
後ろももちろん裏地はありません。
とてもしっかりしたウエスト見返しと、ポケットの袋布があるだけ。
山内ならではのウエストディテール。
この仕様、どんなパンツでも必ずやってくるから、これすごい。
ウエストがマーベルトどころか、オリジナル仕様なのですが、縫製箇所がむちゃくちゃ多いし、パーツ数もかなり多い。
ウエストの見返しに見返しが付いてたり、手の施し方が全然フツーじゃない。
ウエスト部分は負荷がかかりやすい箇所でもあるから、もちろんこの仕様で丈夫にはなるし、着用時のフィッティングもかなりのもの。
あと、このウールメッシュの生地は、ここ最近の山内で続けて登場してきてたものですが、織り上げるハードルがかなり高くて、葛利毛織さんからストップかかったって数日前に山内さんが言ってた。
だから、他ではないメッシュ構造なので、手にしてもらえる方はたくさん使ってご体感ください。
次回は、シャツやリネンの絞り染めのTシャツなどを紹介しますね。
店頭では、さっき閉店後に全て並べてますので、お越し頂ける方は見てみてください。