今日は、SILVANA MANETTI(シルバナ・マネッティ)を紹介しますね。
イタリアの"生地研究開発所"として設立されたのが今から20年以上前のこと。
これまでは世界中のビッグネームのブランドのために、その独創的な生地を開発し、提供をしてきたSILVANA MANETTI。
それが、現在から1年半ほど前の秋冬シーズンに、生地そのものを最高潮に活かしたブランドとして、スカーフやブランケットを発表したんですよ。
世界中探しても他のブランドでは全く見たことのない世界の生地に驚愕したから、これまで当店でもデビューのタイミングから皆様にご紹介をしてきた。
SILVANA MANETTIがブランドとしてスタートしたのは、ストールやブランケットという特性上、秋冬時期だった。
秋冬の発表を2回行ない、今回は、初めて"春夏"として、そのコレクションを生み出した。
そして、今回の初めてとなる春夏シーズンは、僕もこれまでに全く出会ったことのないものをつくってきたんですよ。
それが今回のコレクションです。
まあ、秋冬シーズンは結構なバリエーションで取り扱いをしてきたし、ブランドのコレクションとしても様々なラインナップが存在するんですが、春夏ということで種類としては多くないです。
ただ、その一つずつがとても濃厚なんですよ。
そのコレクションを紹介しますね。
SILVANA MANETTI
ANTONIETTA 800
material _ SILK 100%
color _ CYANOTYPE
size _ 140cm×130cm
これ。
"CYANOTYPE"
サイアノタイプ、もしくは、シアノタイプといわれる手法を使ったスカーフ。
ベースとなる素材は、シルク100%。
厳密にいうとシルクオーガンジー。
そこに、スカーフで「あり得んのか」っていう技法で柄が乗ってるの。
その方法こそが、"CYANOTYPE"。
これは、古くからの写真の印画技術を応用したものなのだ。
"青写真"。
この"青写真"というものは、ベースとなるものに、溶液を日光などの紫外線に当て、化学反応を起こさせて、図案を白く残し、その周囲を青く浮かび上がらせる方法。
これは、1842年にイギリスで発明された写真印画技術だそうです。
そもそも写真技術が発明されたのは、どうやら1839年と言われてるみたいですね。
だから、そう考えると写真界では、当初から存在する由緒正しき方法のようですね。
しかしながら、写真において、この技法というのは、1950年代に複写機が開発されたため、次第に使われなくなったもの。
SILVANA MANETTIでは、その技法を"シルクスカーフ"で世に生み出した。
これは、途轍もないものだと思ってる。
見てもらえると分かると思いますが、特徴的な柄をしてる。
レースですね。
アンティークのレース。
これは、白いシルクオーガンジーに、アンティークレースを乗せて、それを溶剤に浸す。
そして、もともとの青写真と同じように、紫外線に当てて、レースが乗っていないシルクの箇所だけを青く反応させたもの。
白っぽく見える箇所がアンティークレースが乗っていた場所。
溶剤と紫外線を反応させてレースの柄を浮かび上がらせるワケだから、白い箇所と青く染まった箇所との境界は少し曖昧。
アンティークレースの輪郭がぼんやりと姿を見せてる。
シルクオーガンジーということもあり、生地そのものは、手が透けるくらいのものです。
ただ、実際に首に巻くとなると、長方形の生地をある程度まとめることになるから、透けてる感覚はあんまりないですね。
あと、実際に首元に納まった時には、ベストバランスになると思う。
生地端は、断ち切りの状態。
ベースのシルクオーガンジーが見た目でもとても美しいものですが、そこに加えられるアンティークレースの細かな柄、そして、特有の"青い色合い"。
時代も概念をも超えた、誰が見てもただならぬ雰囲気が流れてるスカーフ。
間違いなく、ここにしかない世界が待ってると思いますよ。
使い方はまあいろいろとあると思いますが、この写真では、三角形に折りたたんで、クルクルと巻いて、首で結ぶだけ。もしくは、巻くだけで充分です。
やはり独特のブルーのカラーリングがとても特徴的ですね。
身に付けてしまったら、レースの柄っていうのは分かりにくいですが。
ベースの生地がベースの生地だから、首あたりは全く文句ない。
そして、もう一つ。
SILVANA MANETTI
CONTEMPORANEO 1950
material _ SILK 100%
color _ ONE
size _ 130cm×130cm
これ。
こちらは、ブランドが当初から行なう、ハンドペイント。
元来、秋冬シーズンでは、ウールやカシミヤを筆頭にヤクやキャメルなどの素材を"繊維のまま"、手作業でのオリジナルフェルティング技術というのを駆使しているブランド。
中には、その"繊維の塊"の上から、ハンドペイントをしてるものもあったんですよ。
今回は、春夏ということもあり、こちらもベースはシルク。
先ほどの青写真と同様に透ける感じはありますね。
ただ、こちらの方は、シルクオーガンジーではなく、シルクサテンですね。
だから、気持ちこちらのスカーフの方が厚みがある。
複数回における手での染色と、ハンドペインティングが施されたスカーフ。
ハンドダイによる染色のムラと陰影が強く出てる。
ベージュに染められたグラウンドに、ブルーとグリーンのハンドダイ。
そして、その上からブラックでハンドペインティング。
生地端の処理は、こちらは全辺が手まつりされています。
大きさも結構なものだから、その全てを手縫い。
染色方法が違う色同士が重なり合い、それぞれのカラーコントラストが見事に利いてると思います。
明るい色合いですが、ポップなムードとは反対の領域に存在してる。
こちらも先ほど同様に大きめですね。
こちらも三角形に折りたたんで、そこからクルクルと細長くしてるのですが、どちらにたたむか、どのように巻くのかで、色の出方は全然変わってくる。
一番気に入ってもらえる見え方があるはずだから、お好きなところを試してもらえると良いと思いますよ。
SILVANA MANETTIのスカーフ見てみてください。