18日(土)から、販売をしているAUBETT。
皆様に楽しみに待って頂けていたようで、嬉しいです。
コレクションはもちろん、メンズウェアのジャンルでは、ほとんど目にしないというか、滅多に存在しないロングシャツも気に入って頂ける方々もいらっしゃって良かったです。
杉原さんが言うには、メンズの業界では、
“長袖のポロシャツ”と”ロングシャツ”は、不人気な服種らしいので、作り手側からするとタブーとされてるようなものらしいですよ。笑
まあ、自分が気に入っちゃたんだから、仕方ない。
3日目が終了して、残りサイズ4が2着、サイズ5が2着の合計4着となりました。
ホンット、夏も心地良いし、年中使えるシロモノだと思うから、気にしてもらえてる方は是非見てみてくださいね。
そして、今日は、、、
杉原さんとのロングシャツを店頭で紹介してる時に、ご来店頂くお客様方から、僕がいつも首に巻いているスカーフ。
「それは何なんだ。」
ということを結構な数、問いを頂いたので、それについて少し紹介をさせてもらいますね。
今回のロングシャツの着用写真でも、特に着替えることもなく、いつもの僕の姿で写真を撮ったので、スカーフも付けたままにしてました。
そもそも、僕は、身に付けるものは、全て自分が取り扱っているものだけ。という信条。
なので、今は他のお店では、一切洋服関係のものを買わないんですよ。
靴や小物など、洋服関係のものであれば全て。というか欲しいと思わないんです。
取り扱いをしているブランドのデザイナーたちのファンでもあるけど、それだけじゃない。
だから、その上で自分が身に付けるものは、全てに強いシンパシーを感じるものだけなんですよ。
もちろん、店頭で取り扱っているもの全部がそうなんだけど。
ある種、僕は、身に付けるもの、出会うもの、そういうものやそういうものを生み出す人から、自分が前に進めるエネルギーをもらっているから。
だから、このスカーフもそう。
ブランドは、”藤田染苑(センエン)”という、京都で今年で創業90年になる京友禅の名門染め工場。
その染工場と”humoresque(ユーモレスク)”というブランドのコラボレーションのものなの。
humoresqueは、ウィメンズブランドなので、当店では、藤田染苑とのものだけを取り扱いしています。
Sen’en Fujita avec humoresque
これがこのスカーフのブランドの名前。
Sen’en Fujita(セネンフジタ)。
この何がすごいのか。
というと、世界初。
“藍染めのプリント”を行っているということ。
藍染めってそもそも染めの堅牢度も高くないし、化学的な染色と比べて、安定性も非常に低いじゃないですか。
それに、藍染めを施す場合は、糸や生地、洋服をそのまま藍染めの染色液にドボンと浸して、洗って酸化させるわけじゃないですか。
だから、全体が藍色で単色のものばかり。
まあ、それにもの凄く心惹かれるんですけどね。
でもね、考えてみて。
このブログをご覧頂いている皆様。
これまでの人生で、”藍染めのプリント”って見たことありますか?
藍染めの柄って出会ったことがありますか??
僕はない。
僕自身は、滅多にプリントのものは、身に付けないけど、これは全くの別物なの。
そういうことがこのSen’en Fujitaの特徴なんですよ。
Sen’en Fujita avec humoresque
scarf
material _ SILK 60%,COTTON 40%
pattern _ ETCHING
color _ BLACK
size _ 110cm×110cm
Sen’en Fujita avec humoresque
scarf
material _ SILK 60%,COTTON 40%
pattern _ BRUSH
color _ INDIGO
size _ 90cm×90cm
Sen’en Fujita avec humoresque
scarf
material _ SILK 60%,COTTON 40%
pattern _ STRIPE
color _ BLUE
size _ 90cm×90cm
バリエーションは、この3つ。
人類誰もが、試みようとしたんですって。
“藍染めのプリント”って。
人間が美しいと感じる”藍の色”を使って、そこに繊細な柄表現を組み合わせることができたら、どんなに良いものができるだろうか。と、これまで数々の方がトライしてきたものだそうですよ。
ただ、実現しなかった。
だから、世の中に存在しない。
藤田染苑は、90年間で京友禅で培ってきた技術と、研究機関との連携により、これまで世の中に生まれてこなかった”独自技術”を開発。
それが、”藍染めのプリント”なの。
まあ、今で90年だから、それに取り組み始めたのは、少し前だとしても、日本の伝統技法を80年以上も継続して行い続けながら、革新的なことにトライするというのは、ホントにすごいことだと思いますよ。
その染工場の歴史を覆すわけだから。
何十年も続けてきたことがあり、そこまでの伝統を持っていたら、通常は、新しいことをやってみようとは思えないものですから。
以前の”山内”のブログでも書いたことがあるんだけど、”保守の中にある革新”。
まさにこれですよ。
保守 = これまで続けてきた技術を守り、継続すること
革新 = これまでやってこなかったことを新しく実現すること
今回でいえば、これまで藤田染苑が行ってきた、”友禅染め(保守)”を続け、それを活かしながら、”藍染めプリント(革新)”を行うということ。
“保守の中にある革新”
これは、最強だと思ってる。
まあ、このスカーフの”藍染めプリント”がどうして実現したのかというと、”糊”みたいですよ。
藍染めと生地とを媒介する”特別な糊”を研究機関と共同で開発したそうです。
それにより、染色の安定性が非常に低い藍染めで、生地への安定したプリントが可能になった。
ちなみに、堅牢度も充分それなりに強いですよ。
スカーフを濡らして、白い生地に思いっ切りゴシゴシしなければ、問題ないです。
まあ、先ほどから、藍染めのプリントって言ってるけど、僕が付けている”etching”というものは、藍染めではないです。笑
しかしながら、京友禅の染色技法の応用でプリントされてるものですね。
これが、etching。
メッシュみたいな独特な柄ですね。
編み目のようなものの重なりや、白地が覗く箇所。
このムードがとても気に入ってるんですよ。
etchingというのは、”銅版画”の技法の一つ。
銅板を削り、模様や絵を描く版画。
その中でも、エッチングというのは、直接銅板を削って凹を出す技法ではなくて、”腐食液”というものを利用して製版する種類のものだそうです。
そして、この柄はそのエッチングの削られた銅板の様を大きく拡大した柄。
だから、単なるグラフィックとかじゃなくて、もともと存在するものを目で見えるようにしただけの柄なんですよ。
僕はこのムードが好きだから、これを付けてる。
朱子織り(サテン)の生地ですね。
混率は、シルク60にコットン40。
かなり心地良い。
僕は、よく首に何かを付けることが多いんですが、最近はエブリデイでこれですね。
何となく、ただのカッコつけのマインドで巻いてるんじゃなくて、Sen’en Fujitaの技術への賞賛や、ここから前進するための力をもらうとか、少しだけちゃんと見えるようにするためとか、首が心地良いとか、シャツの衿の汚れを防ぐためとか、いろんな理由がありますね。
それで、こんな感じで簡単に結んで付けてるだけ。
これも何度か洗ってるけど、水への色抜けさえもないし、スカーフの色変化、移染などもないですね。
とても優秀ですよ。
マスクは、花粉がひどいからまだ付けてる。笑
お客様方は、自由にどうぞ。
広げるとこのような正方形になってる。
110cm×110cm。
いろんな用途があると思うけど、スタンダードな使い方は、まずこれを三角形に折ります。
三角形。
そして、三角形の頂点を折る。
クルクルと折りたたんでいく。
そして、帯状にする。
あとは、簡単に結ぶだけ。
ここで重要なのは、オシャレな巻き方をしないこと。
これは僕は重要だと思ってる。
あくまで、道具だから。道具。
外的にも、内面へも、道具。
だから、身に付けていることが精神的に重要なのであって、決して、女性ウケとか、そっちの方向じゃないの。
ですので、簡単に結んでしまうのがベストです。
プリントということもあり、裏は表面からの透けがある程度。
こちらは、藍染めのプリントですね。
柄は、刷毛で塗ったものをイメージしてる。
繊細な線の表現やゆらぎが感じられる柄です。
こちらのタイプは、エッチングよりも少し小ぶりな90cm×90cmです。
そして、こちらはストライプですね。
かすれたような表現や、曖昧なストライプの見た目してる。
そして、3種類全部並べた比較。
20cmの違いなので、やはりエッチングのものが一番大きめですね。
こういうものも自分には必要不可欠な道具。
これまでは、紹介することなく、店頭にお越し頂け、興味を持ってもらえる方にちょっとずつお伝えしてきたのですが、気にしてもらえる方は見てみてください。
こういったスカーフも良いものだと思いますよ。