ウルトラ"コットン"

 

 

 

 

 

 

 

何年も前に耳にした情報だが、コットンという素材は、世界で110種類以上存在すると言われている。

 

 

 

 

コットンは、綿花という植物を育て、花が咲き、その花が枯れ、その中から種子が現れ、種子から生えるのが"コットンリント"という綿毛だ。

 

 

 

 

 

その綿毛を種から丁寧に採取して、出来上がるのが"コットン"だ。

 

 

 

 

ちなみに、採取されたコットンリントに対して、そこまでではないもっと短く種子から生えているうぶ毛の繊維を"コットンリンター"という。

 

 

 

このコットンリンターは、綿にはならず、"キュプラ"の原料として使われる。

 

 

 

 

コットンという繊維は、これまでの人類の化学者の研究により、全てが交配、改良され、人の手によって生まれている植物。

 

 

 

 

以前に僕が文献などで見たところによると、100%完全なる野生種としてのコットンは、確か存在しなかったんじゃないかと思う。

少なくとも洋服の世界では。

 

 

 

 

 

そして、世界にいくつもあるコットンでも、その全てが洋服として使われることはなく、洋服に適していると言われているものは一部。

 

 

 

 

その一部の中でも、このような洋服の世界では、全体の"5%"と言われる高品質なコットン品種を使われていることを目にする。

 

 

 

 

スーピマやピマ、スヴィンやシーアイランド、GIZAなど。

 

 

 

 

もちろん、全部が高品質原料ではあるが、ファッションマーケットあるあるなのだが、コットンに限らず、素材の伝え方として、常に"最高"という言葉や"極上"という言葉が頻発しているのが、僕はとても気になる。

 

 

 

 

そんなに"最高"や"極上"というものは常々存在しないはずだと素直に思う。

 

 

 

 

また、仮にその素材が、本当に本当の"最高"だったとしても、その原料をどのように使い、どのように仕上げ、どのような形にしているのか、ということが非常に重要になってくる。

 

 

 

 

それは料理と一緒だ。

 

 

 

 

例えば、同じ黒毛和牛が目の前にあったとする。

 

 

 

それを、一流シェフがビーフシチューにするのか、お母さんがビーフシチューにするのか、普段全く料理をしない僕がビーフシチューにするのかで、全然別物の料理が完成すると思う。 

 

 

 

 

そのことは、誰もが容易に想像できるのではないかと思います。

 

 

 

洋服の業界も、上記の料理と全く一緒。

 

 

 

毎日毎日、一流シェフの料理ばかりを食べていたら、その美味しさや、特別感も薄れてしまうけど、幸いにも、洋服はほとんどの方の生活環境の特性上、仕事の日と休みの日とで、着るものは異なってくると思う。

 

 

 

ただ、当店で取り扱いをする全ての洋服が一流のものである。とは言うつもりはないし、正直なところ、取り扱っている洋服の中でも、"緩急"は意識しているつもりで、意図的にそうしている部分もある。

 

 

 

しかしながら、日頃、お客様方に洋服を紹介していく立場として、

 

 

 

また、それだけではなく、自分自身も一人の洋服好きとして、

 

 

 

はたまた、出自が洋服業界の"川上"である自分にとって、

 

 

 

"素材への探究心"や、普段は表にあまり出てくることがないけど、世界に大きく誇ることができる日本の"技術者"の方々の尊さを伝えていくことは、"セレクトショップ"として、重要な役割なんじゃないかと思ってる。

 

 

 

 

 

だから、今回、誰もが知る素材"コットン"。

 

 

 

 

 

でも、誰もが知らない種類の"コットン"。

 

 

 

 

 

これは、コットンへの価値観が大きく覆されると思います。

 

 

 

 

 

ただ、このことは、とても簡単なものではなく、2年かかりました。コットンなのに。

 

 

 

 

その期間、費やした時間のほとんどは、"紡績"。

 

 

 

 

地方のセレクトショップ一つの力では、絶対に不可能なことを、機屋さんの信じられないようなお力添えと、ブランドの大きな大きな協力、そして、普段なら受け入れてくれないことをやり遂げてくれた縫製工場により、"世界で初めて"のものが誕生しました。

 

 

 

これは、調査済み。

 

 

 

 

今回は、あえて言葉にしますが、

 

 

 

 

僕だけではなく、我々が現時点で、"一番"と言えるコットン。

 

 

 

 

現時点でね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このような生地をつくってくれた技術力と、費やしてくれたコストと時間、機屋さんには、本当に感謝しています。

 

 

 

 

 

魂が奥底から震える、この技術と織物への情熱。

 

 

 

 

こんな綿織物の機屋さんは、世界広しといえども他にないと思う。

 

 

 

 

楽しみにしていてください。

 

 

 

 

続く。

 

 

 

 

 

 

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