"絹紡糸100" Knit

良いの来ましたよ。ホンット。 洋服としての素材を追究する一人の人間として、皆様にこれをお披露目できることが喜びに思います。 シルク100のニットセーター。 といっても、このシルクはまた取り扱う理由が超明確にあって、紹介してもらった瞬間からビンビンに心が反応してた。 永井さんから。 そう。 MOTHER HAND artisan。 ブランドとしてはこれまで秋冬シーズンのセーターのみの展開でしたが、今回より初めてのものが登場。 それが、Silk 100。 でもでもでも、 これは皆様が「洋服として」見てきたことのあるシルクとは「繊維の段階」が違うのよ。多分。ほとんどの方はそうだと思う。 僕自身もこれまでこの"段階"でのシルクだけで構成された、この"段階"でのシルク100の洋服というのは、初めて。記憶が間違ってなければ。 "絹紡糸(けんぼうし)" そもそも、シルクというのは大きく分けて3段階存在しますね。 ・絹糸(けんし) ・絹紡糸(今回の) ・絹紡紬糸(けんぼうちゅうし) まあ、もはや「絹糸」は、僕らが求める洋服には繊細過ぎて、取り扱いが大変だから、かなり難しいです。いろいろと。 一回着たら、高額なクリーニングに持っていくことになるかな。 以前もここで少し書いたことがあるんですが、シルクは虫が口からハの字型に動きながら吐く糸です。 それは、蚕という虫が自身が籠るためにつくるもので、繭玉(まゆだま)というものになって、それを煮繭(にまゆ)という工程を経て、フィブリルだったか、フィブロインだったか、セリシンだったか、何だったか記憶が曖昧だけど、それを取り除いて、三角形型のどれかを取り出して、できあがるものがシルク繊維です。 つまりは、繊維の"中に存在する物質"をシルク繊維として主に使用するのがシルクです。 その中の物質が三角形型をしていて、光がプリズム効果で乱反射することでシルク繊維特有の輝きが生まれます。 あと、シルク繊維の特徴として、 天然繊維の中でも、"唯一のフィラメント"に分類されます。 繊維には、スパンとフィラメントの二種類が存在するのですが、 ・スパン=短い繊維 ・フィラメント=非常に非常に長い繊維 天然繊維のコットン(綿花の綿毛)やリネン(植物の茎)、ウール(羊の体毛)は繊維が短く(数cmとか)、そのままでは生地をつくる糸に出来ないので、撚って紡いで、糸にします。 それに対して、フィラメントというのは、一本の繊維が延々と続いていくので、使おうと思えば、そのまま糸に使うことができる。 化学繊維はもともとは全てこれかな。 シャワーのノズルのような型からポリマーが放出されて、化学繊維の誕生。 湿式とか乾式とかあるみたい。 そして、今お話をしている、シルクの生糸ですが、煮繭して、精練を終えて、フィラメントの長い状態で糸として使うのが生糸です。 乱暴に言うと。 厳密に言えば、更に精練というのも五分練りとか、八分練りとか、十分とか分類があるみたいですが、もはや洋服の話からこれ以上は大きく逸れてしまうので、考えないで。 その絹糸は、よくいう話では、ウエディングドレスがそれに当たると言われます。 生地としてのその圧倒的優美な姿は想像に容易いでしょう。 でも、繊細過ぎて、日常使いするものでないのは分かってもらえると思います。 今の話は絹糸。 そして、次の段階が今回の。 絹紡糸(けんぼうし)。 これは、シルク繊維のあの肌触り、あの見た目はそのままに、 フィラメント状態のシルク繊維を「短く切って」糸に紡いだもの。 ウールのような短い繊維の状態にして、紡績している。 だから、シルク繊維の持つメリットはそのままに、少しだけご家庭での取り扱いを簡単にして、デイリーユースできるようにしてる。 ただ、だれもがそれを洋服として形にできるワケじゃないし、プライスも相当なモノ。 だから、それをなかなか100%の混率で洋服をつくる人っていないんですよ。 形にするための困難極まるハードルを乗り越えて、MOTHER HAND artisanが生み出した。 ちなみに、世の中で洋服として見るシルクというものはその大半が、絹紡糸を製作する際にできた副産物をもう一度、紡いだ絹紡紬糸(けんぼうちゅうし)です。 これも充分高額で、すごく良い繊維だし、意匠としてもいろいろイケるし、光沢を出すのも、クラシカルな雰囲気を出すのにもかなり適してる糸。 ただ、 今回は限定数だけ用意しました。 100%、絹紡糸。 MOTHER HAND artisan HUY material _ Silk 100%(絹紡糸) color _ Pewter size _ 3,4,5,6 シルクの持つ、あの輝き、あの肌へのパラダイスタッチはそのままに、洋服として、そして、MOTHER HAND artisanクオリティで形にした、ニット。 こんなの他に誰ができるだろう。 いや、できない。 神だね。神。 短い繊維として、糸にしている分、僅かな毛羽立ちが表面に存在しています。 その毛羽立ちでさえも、束になった糸でさえも、あたかも宝石のように輝く超極上品。 そして、いつもながら、かなりのバリエーションのカラーリングが存在する中で、当店が選んだのがPewter(ピューター)。 錫を主成分とした、低融点合金のあの鉄。 シルク100ということもあり、凄まじい肌当たりと、これまで体感したことのない吸湿性、そして衣服内を常に快適に保つ保温性を誇る。 ただ、ウールのセーターなどと同じように暖かいっていうのでもないですよ。 理想は、これから先の時期にタンクトップを下に着て、5月、6月まで着て欲しいって思ってます。 春、初夏、秋はこのニット。 冬は、いつものセーター。 そういう感覚で。 素材は最強。 つくりはめちゃめちゃ細かく、ハンパじゃなく凝ってる。 MOTHER HAND artisanの手横編み機でのシームレス製作。 だから、直接肌へ当たるごろつきが極めて少ない。 これは着て驚かない人はいない。そう断言しよう。 立体的な形でありながら、減らし目、増し目のいつものクオリティが健在。 それをシルクのこの素材でやってのけることがMOTHER HAND artisanの永井さん夫婦が超人と言える理由。 世界でどこを見ても完全オリジナル。 これだけコピー品のような、同じような洋服が世の中に溢れる中で、誰も真似できない、追従しようと思っても不可能な洋服が完成ってワケ。 そして、これ。 ここ最近、ずっと着てた僕の私物です。 僕(身長167.4cm)で少しゆるくサイズ4。 ジャストサイズならサイズ3かな。でも、シルクを着るという感覚では4が良かった。 あと、既に洗濯しています。 このブランドですからね。 洗濯オーケーです。 ただ、これは手洗いしています。 一応、洗濯機もオーケーですが、必ず洗濯ネットに入れることと、中性洗剤でお願いします。 洗濯の方法については、いつも通り手順説明が記載された下げ札が付属しますので、これに従ってもらえればそんなに難しくはないでしょう。 ほとんど、変わりはないけど、気持ち膨らみが出たかな。 あと、少し鈍くなりました。光沢。 でも、より肌への吸い付きがUP。 肌へ寄り添い、吸い付く、この感覚。 ここでしか体感できない極上の世界ですね。 お好きな方は逃れられないんじゃないかな。 ただ、このセーター、素材があまりにも極上な分、注意が必要な点がいくつか。 まず、さっきの洗濯。 家庭で洗うことができるけど、先ほど記載通り。 干す際には、必ず平干しで。 伸びてしまうので。 皺になりにくいので、日頃の保管のときもたたんで置いておくのがベストです。 そして、洗濯後にはできる限りアイロンをお勧めします。 理由は、少しだけヨレたように見えるんですよ。素材の特性上。 これは、最初永井さんに説明されて、当初はピンと来なかったんですけど、洗ってみたらなるほどって腑に落ちた。 スチームアイロンを軽くでもかけたほうが良いと思います。 面倒でも5分だけでも。 あと、静電気。 特に脱ぐとき起こります。 これは、繊維特性でもありますが、着るとき、脱ぐときはくれぐれもゆっくり、ゆっくりでお願いします。 しかしながら、着てしまえばこっちのものです。 いつもより少しだけ気を使ってもらう必要があるニットですが、ここまでに位置するものですからね、それに応じたこちらの準備も必要ですね。 絹紡糸100を使ったMOTHER HAND artisanクオリティ。 プライスは、¥48,000-(+tax)。 このプライスでこれは、ロジックの崩壊です。 お好きな方は見てみて。 また、このニットに関してはオンラインでの掲載は今のところ予定していませんので、来店が難しくても、もしご希望頂ける方はご連絡ください。
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