ある残暑の日。
当店のCASANOVA&COではなく、2階の事務所で仕事をしてた。
そういう時は、いろんなことを考えながら、一人でああでもない、こうでもない、いや、こうか。
みたいな感じで、グルグル頭を巡らせ、自問自答したりとかしてるんですよ。
そういう時に、ずっと頭の中にしまっておいたことが、不意に、引き出しから引き出されたんですよ。
そうだ。
この人にお願いしたいと思ってたことがあった。と。
自分でも、最近、ある"モノ"に関して言えば、心から満足いくものが用意できてなかったため、漢の猛者向けというか、とてもつくり込みをされた洋服や、モノに手を伸ばして頂ける方に向けた
とある"モノ"
が遂に、店頭から姿を消していた。
それは、やはりこれを手にして頂けていたら、それで良いですよ。っていうものと自分自身が出逢えていなかったから。
それまでは、そういうものをつくっているブランドのものを用意していたし、自分でもそれを使っていた。
ただ、世界中のとても実力のあるクリエイターがつくり出すものを目にしていくうちに、僕の目や、頭、心が、自ずとステージアップし、どんどん研がれていってるんですよ。
もちろん、それは絶対的にすべきことだし、セレクトショップという性質上、お客様方にお金を払って頂け得るレベルのものを用意することが必ず必要ではある。
だから、そういうことに於いて、自分にも嘘はつきたくないし、日頃接するお客様の皆様方にも、嘘はつけない。
そういう意味では、ここ最近は、用意できてなかったんですよ。
その、
"財布"
というものを。
誰もが持っているものだし、エブリデイで使うもの、一年に一回変えるという方もいると思いますが、僕はそういう決められたサイクルではなく、
心から使いたい。
と思えるものに巡り合った時に、それに変える。
だから、自分でも5年くらい使ってた。これ以前は。
そして、今回は、その"財布"というものを、"探した"のではなく、つくってもらいました。
厳密に言うと、ずっと探し続けてはいたけど、やっぱりダメだった。残念ながら。
だから、とある夏の気温の残る日。
暑さによる体外へ向けた汗と、熱さによる体内のエナジーという名の汗をかきながら、ある人に相談した。
その人であれば、間違いなく形にしてくれる。と信じて。
その人に僕自身の感覚を伝え、その人の実力であれば、
絶対に、自分も、日頃お会いする漢の方へも、満足を越える"財布"が出来上がるだろうと確信していた。
だから、何の前触れもなく、その人に話した。
当店でも超絶クオリティのレザーのプロフェッショナル。
それでありながら、業界でも抜きん出た感覚。
僕の求めるものと、その人の頭とセンスとが組み合わされれば、そういうクオリティのものが完成すると確信してた。
ただの革じゃない。
でも、革のクオリティだけではない。
僕が、こうあるべきだ。と思うものを細かく伝え、こういうものが必要なんだ。と話をした。
最初は、「う?ん、なるほど、はい、はい。ちょっと考えさせてください。」という感じの返答だったけど、それから約一年半。
遂に、晴れて皆様にお披露目できる時がやってきました。
PETROSOLAUM。
そう。
PETROSOLAUMの荻野さんにつくってもらいました。
当店CASANOVA&CO × PETROSOLAUMの"財布"。
また、紹介します。