お知らせしていましたように、6月3日(土)〜5日(月)までの3日間で、COTTLEのオーダーイベントを開催します。
前回は、約一年前に行ったので、今回は2回目となりますね。
岡山県倉敷市児島にアトリエを構えるCOTTLE。
"民藝の街"として栄えた倉敷市。
そもそも、"民藝"とは、「民衆的工芸」の略称だそう。
"民藝品"とは、「一般の民衆が日々の生活に必要とする品」のことをいうそうで、その世界中の品々を見ることができる倉敷民藝館というものも倉敷市には存在する。
COTTLEでは、その"民藝"の考え方をとても大切にしている洋服づくり。
生活をするための道具としての洋服。
ただね、道具というものは、単純に"ツール"として、"使う"ということだけではないの。
僕も洋服を常々"道具"だと思っているけど、その"道具"はどんなものでもいいわけでは決してない。
"民藝"で大切にされている考え方では、美しい道具を使うことで、磨かれ、美しい暮らしをすることができる。というもの。
僕も全くそのように思う。
きちんとつくられたものだからこそ、そこに宿るものが必ずあり、洋服として着るだけではない、使うだけではない、内面への作用を感じることができる。
と思ってる。
その中で、COTTLEのつくる洋服は、まさにそう。
機屋さんや染工場と、とても研究を重ね、それらを自らのアトリエで形に生み出す。
そのCOTTLEの洋服からは、とても特別なことを感じることができると思ってる。
一年前の僕自身が、実際に着て一年間過ごし、COTTLEの洋服からは、それでしか感じることのできない美しさを心の底から感じてるから、今回の第二回目へと進めました。
今回のオーダーイベントでは、COTTLEのコレクションラインナップの二つを皆様に紹介します。
・UNIFORM FOR LIVING = 「暮らしの正装着」
・SenkohSuiu = 「線香(閃光)翠雨」
このように名付けられたコレクション。
そして、今日は、"UNIFORM FOR LIVING"のニューラインを紹介します。
"GOLDEN WHEAT FIELD CORDUROY"
主に、ベース生地となる経糸に、"シャンカールオーガニック"というコットンを。
コーデュロイの畝となるパイル部分に、"アルティメイトピマオーガニック"というコットンを。
表記では、コットン100%となりますが、それぞれが大体3(経):7(緯)の割合でのブレンドとなるそうです。
COTTLEがカネタ織物さんと開発した、誰もが全く未体験と言っても間違いない、"COTTLE オリジナルコーデュロイ"。
というのも、見た目は、見たことのある太い畝のコーデュロイをしてる。
でも、それは見た目だけ。
実際は、組織や織機、工程までが、世の中に存在しないコーデュロイだそうですよ。
だから、僕も実際に初めて見た時に、途轍もなく興奮した。
こんなの出会ったことないなって。
久しぶりに心の底から湧き上がりましたね。まあ、何ヶ月かに一回は湧き上がるけど。笑
そもそも、コーデュロイという生地は、洋服が好きな方だったら、誰もが手にしたことのある素材だと思うし、着たことがあるものだと思う。
それは、デニムと並ぶくらいにそうなんじゃないかと思います。
そのことは、まさにカジュアルウェア。
日々の暮らしの中で使ってきたことのある生地であると思う。
その意味で、COTTLEの中では、コーデュロイは、"UNIFORM FOR LIVING"というシリーズに分類される。
コーデュロイの起源を遡ると、ルイ14世の頃に献上されていたという記録が残っているそうです。
それって1600年代後半〜1700年代にかけての頃だそうですよ。
今から400年以上前には存在をしていたという生地。
そのような時代には、王様の服だったのかもしれないけど、現代では世の多くの人々に認知をされている洋服の中でも最もポピュラーな生地だと思う。
生地の名前で、ポプリンとか言っても分からない人多いと思うけど、コーデュロイやデニムなら分かる人が格段に増えると思うから。
それだけ、認知され、それだけ洋服として、暮らしに根付いているものであると思う。
そのようなコーデュロイをCOTTLEが"美しく磨き上げた"。
途轍もないレベルで。
それに僕は、驚愕してる。
だから、皆様に是非ご覧頂き、知って頂けたらとても嬉しく思ってる。
それが、これ。
"GOLDEN WHEAT FIELD CORDUROY"
「黄金色の麦畑」
見てください。
この果てしなく美しいコーデュロイを。
COTTLEでは、無染色の"生成り"が生地そのものを最大限に体感でき、とても美しいものであることを重要にしてる。
畝の毛の立ち方、密度、肌あたり、光沢、そして使い続けて、一層美しく変化していくこと、そのことが考え込まれ、手を尽くされてる。
コーデュロイの中で、革命が起きたCOTTLEのコーデュロイ。
上記の"肌あたり"ということはすごく重要で、それを細分化すると"軽さ"ということも重要になってくる。
先日も少し書いたけど、そもそもコーデュロイというのは、中国製のものが大半で、国内生産のものでも、既成のものしかほとんど流通していない。
このことは、僕は、以前よりカネタ織物の太田さんに聞いてたの。
それは、他の生地よりも生産におけるプロセスの中で、工程数も多く、開発することにコストもハードルも非常に高いから。
それが、少量生産なら尚更。
だから、僕も含め、ほとんどの方がこれまで目にしたことのあるコーデュロイは、どうしても似ているものが多かった。
その一つの共通点として、"重さ"が挙げられる。
それは、なぜか。
コーデュロイの重要な箇所。
"畝を形成するパイル部分"。
これは、糸を切って、処理をすることでフワッと立つ。
ただ、その糸は、密度が甘いと"毛抜け"が起こり、それによりすぐにバサバサになるし、見た目も抜け毛だらけの貧相なものになってしまう。
だから、毛が抜けないように、高密度でつくることを優先される。
しかし、それが、着用時の"重さ"に直結してしまう。
皆様もしっかりと畝の高さがあり、パイル部分がしっかりと密になってるコーデュロイの洋服を見たときに、どうしてもその"重さ"が気になったことはないだろうか。
僕は、いつもそれだ。
見た目が良いなと思っても、どれも重いの。
それが、コーデュロイの特徴だと思ってた。
良いコーデュロイ = 重たい
と。
あと、硬い。
でもね、COTTLEのは、全然違うの。
それでいて、パイルがめちゃ立ってるし、軽くて、全身を包まれたくなる柔らかさで、もの凄く高級感ある見た目。
まじで、驚愕。
ほら。もう一回見て。
凄まじいですよ。これ。
COTTLEが目指したコーデュロイは、
"軽く柔らかく光沢があり耐久性のあるオーガニックコットン100%のauthenticな畝ピッチのコーデュロイ"
ということ。
ただね、この「軽く、柔らかく、光沢があり、耐久性のある」ということが簡単ではなく、それぞれに"矛盾"が生じてしまうから、カネタ織物の太田さんが言うには、かなり大変だったそうです。
太田さんがCOTTLEがコーデュロイを開発するにあたって、コーデュロイの理論を色々と考えたそうですが、そもそもカネタ織物さんが保有する織機は、ほとんどが"シャトル織機"。
一般的には、コーデュロイは織り上げるスピードが速い、"レピア織機"や"エアージェット織機"という高速織機で製織される。
そして、それが糸自体にも負荷がかかりにくく、生産効率が格段にUPするそうです。
"シャトル織機で織られたコーデュロイ"というもの自体が大変希少だそう。
でも、COTTLEが目指すコーデュロイは、シャトル織機じゃないと実現できないものだった。
洋服単品ではもちろん、セットアップで着用した際にも身体に重さのストレスを感じない重量に収める必要がある。
コーデュロイというと、秋冬のイメージがあると思うけど、COTTLEでは、通年通して着たくなる軽やかさが欲しかった。
まず、耐久性や光沢を求めるには、糸の打ち込みを沢山し、より高密度にする必要がある。
しかし、先述の通り、高密度にすると生地が自然と"重く、硬く"っていく。
"軽く、柔らかく"を求めていくと耐久性、光沢性が落ちていく。
この相反する"パイル保持性"を技術により"両立"させるため、表の畝のパイル部分の組織のみを高密度に、ベースとなる組織部分は"低密度"となるオリジナル組織を開発した。
このことは、シャトル織機だからこそ、実現し得たことだそうだ。
それにより、"authentic"なコーデュロイと同じような見た目をしていながら、全く異なる生地が生み出された。
ヴィンテージではなく、よりコーデュロイの"起源"に近付くような生地。
100年以上前に既に存在し、誰もが知る生地を、この先の100年後に残すことができるような特別なコーデュロイを。
そうして、洋服や布の解体研究から始め、試作や生地組織の構想を練り、何度もトライして出来上がったもの。
「光沢、軽さ、着心地、耐久性」のCOTTLEが目指すことを叶えた、この世の他にどこにも存在しないコーデュロイ素材。
これには、驚愕してもらえるはず。
こちらが生地の裏面。
この裏面には、コーデュロイのベースとなる箇所が見えています。
コーデュロイの畝を形成するパイル部分は、"緯糸"です。
先述の通り、"緯糸は高密度"。
しかし、上の写真で見えるベースの部分は、肉眼でも糸の太さや隙間が見てとれると思います。
これが驚きの軽やかさを生んでるの。
そして、次にカラーリング。
COTTLEでは、無染色の生成りに加え、いくつかのカラーバリエーションが存在します。
その色合いは全て、"天然染色"。
それを紹介しますね。
"AUTHENTIC INDIGO (本藍染め)"
ブランドを代表するカラーリングでもある本藍染め。
一切の化学的混ぜ物のない純粋な藍染め。
GOLDEN WHEAT FIELD CORDUROYでは、とても鮮やかに発色し、畝の高さとも組み合わされることで、素晴らしい奥行きと一層の輝きを実現してる。
"ASAGI (浅葱染め)"
鮮やかな水色。
本藍染めの濃度を調節し、空に突き抜けるようなブルーを生み出してる。
COTTLEの渡辺さんも言ってたけど、コーデュロイは、アメリカのカリフォルニアのスケーターのようなイメージもあるから、そういうカリフォルニアのようなムードも感じるコーデュロイ。
でも、そこには、ハンパない高級感とオーラが兼ね備えられてる。
明るいカラーリングがお好きな方には、とても良いかもしれませんね。
この色相と高級さは、フツーは一体にならないから。
"HARVEST BROWN (媒染染め+天然染め3色=合計4色)"
COTTLEが今回のコーデュロイを考えるにあたって、その起源を追究した。
"100年後に残す"ということを軸にしていると、辿り着くのはその起源。
アンティークのブラウンコーデュロイを研究し、時間を経てもなお、色濃く残る美しさの独特な色相美化。
それを実現するために、まずコーデュロイを媒染染めし、その上に更に3色もの天然染色を、それぞれ別々に染め重ねるというオリジナルレシピ。
そうして、多彩な色彩表現と色味の変化を"コーデュロイの畝の中"に閉じ込める染色を行った激ヤバブラウン。
カラーネームは、GOLDEN WHEAT FIELD CORDUROY(黄金色の麦畑)が芳醇を迎えた意味を込め、"HARVEST(収穫)"としたそうです。
その他にもカラーバリエーションがあるけど、生地拡大の写真を撮ってないから、言葉のみで説明しますね。笑
"MORDANT BLACK (媒染液染め)"
"媒染(ばいせん)"とは、植物の持つ色素を糸や布に発色させ、定着させる工程。
基本的には、染色した糸や布を、アルミや鉄の水溶液に浸けて媒染するが、COTTLEでは、木酢液というものを媒染液として使用してるそうです。
その木酢液の媒染のみで洋服を濃く染色するため、高価な木酢液を惜しみなく使用してるもの。
化学的な染色に比べ、"経年美化"を生み出す高いポテンシャルを持っている。
"MORDANT INDIGO (媒染染め+本藍染め) 黒藍"
本藍染めを行った際に、コーデュロイの畝の立ち並びが日光に当たることで鮮明に輝く。
黒に近い色を天然染めで表現するため、藍染めに媒染染めを重ね合わせているもの。
コーデュロイ特有の畝の立ち並びにより、見る角度によって深みと色相変化が感じられる。
"AKANE (茜染め)"
茜の木の根を原料とした天然染色。
このカラーリングは、まさにカリフォルニア。
鮮やかで青みの少ないピンク色。
激色でもある。
そして、次に洋服のラインナップを紹介しますね。
細かいつくりについては、店頭で実物をご覧頂きながら、話をさせてもらうのがベスト。
商品の写真についてもブランドから提供されたものが写真でご判断頂けると思うので、そちらを見て、期待を高めておいてください。
"CORDUROY ZEN JACKET"
"SenkohSuiu"のLEAF VEINでも登場する"ZEN JACKET"。
そのコーデュロイVer.も登場。
LEAF VEINの方は、明日紹介しますが、ディテールが少し異なります。
こっちのコーデュロイの方は、衿の形状もあり、比較的カバーオールジャケットという要素が強くなりますね。
COLOR _ WHEAT ECRU
こちらは、無染色の生成り。
明るい色合いな分、コーデュロイの強い畝と生地の輝きが、はっきりと感じられる。
COLOR _ MORDANT INDIGO
こちらは、媒染染めと本藍染めが重ねられたカラーリング。
COTTLEの表現する天然のブラックだ。
カバーオールのようなエッセンスと、昔ながらのジャケットが組み合わされたような設計のジャケット。
特徴的な肩からアームにかけてのカッティング。
シャトル織機の生地は、ただでさえ生地の幅が狭いから、フツーはこんなカッティングはしないけど、COTTLEのベストバランスでのパターン設計。
これにより、とても特徴的で美しいアウトラインが形成される。
バック。
センターベントに本切羽。
自然にすると、アームの地の目がバイアス状に斜めになる。
内側。
これを見ると誰もが納得してもらえると思います。
オリジナル生地のライニングに、リネンコード処理。
ボタン裏の補強はもちろん、お台場仕立て。
それでいて写真に写っていない手の技もふんだんに惜しげもなく注ぎ込まれてますよ。
COLOR _ HARVEST BROWN
これが、4色染めのHARVEST BROWN。
よりオーセンティックさが増しますね。
ただ、輝いてる。
ZEN JACKETとの組み合わせで、一層のクラシカルなオールドムードが出てると思う。
"CORDUROY GURHKA PANTS"
グルカパンツ。
ワンタックでレングスは、9分の設計です。
パンツのアウトラインは、後ほど掲載する着用写真を見てもらえると良いです。
バック。
肩玉縁のポケット仕様です。
ですので、表面は一見シンプル。
でも、つくりの手の入れ方はすごいから。
実物見てもらえると、これ穿きたくなると思いますよ。笑
COLOR _ ASAGI
人を選ぶとは思うけど、ハマる方にはかなり良いと思いますよASAGI。
実物は特に、かなりのムードが出てると思う。
COLOR _ AUTHENTIC INDIGO
本藍染めですね。
実物は奥深さと輝きがハンパない。
COLOR _ MORDANT BLACK
木炭や竹炭を煮出して液を産出した、木酢液の媒染カラー。
特有のニュアンスのあるチャコールカラーが天然染色ならではだと思いますよ。
COLOR _ HARVEST BROWN
やはりかなり深いところにありますね。HARVEST BROWNは。
オリジナルレシピでの4色が重ねられてる奥行きを感じる。
"CORDUROY CHAMPETRE BOUQUET JACKET"
こちらは、少し特徴的なジャケットです。
ZEN JACKETよりも、更にカバーオールに近いムードはあるんですけど、全然カバーオール特有の土着感がないの。
古いところにあるんだけど、もの凄くエレガント。
ポケットのカッティング、袖の仕様、とてもよくできてると思いますよ。
こちらは一重の設計です。
内側のポケットのパイピングには、"漁網"で使われていた糸を織り込んだ、"ヒゲつむぎ"が施されてる。
これもCOTTLEの洋服の特徴ですね。
COLOR _ AKANE
激色。
アカネ。
COLOR _ ASAGI
こちらもかなりイケてる。
COLOR _ MORDANT BLACK
写真でもあるように、袖口は見返しの分量が大きく、袖を折り返してバランス良く着られるジャケットです。
"CORDUROY AOR JACKET"
COLOR _ HARVEST BROWN
こちらはスタンドカラーにもテーラーカラーにもなるジャケット。
このジャケットにも裏地は付きません。
オリジナルコーデュロイの軽量感を体感してもらえると思います。
ただ、生地が生地だから、見た目の重厚さはとてもありますよ。
COLOR _ AUTHENTIC INDIGO
テーラードカラースタイル。
それぞれの洋服のモデルに全てのカラーリングが選べます。
また、カラーリングによってレシピが異なることや、染める工程数も違うためプライスも異なります。
詳細は、店頭でお話をさせてもらいますね。
"CORDUROY BUCKET HAT"
帽子もオーダー可能です。
サイズ調節可能なフリーサイズです。
こちらもそれぞれのカラーバリエーション。
あとは、バッグもありますね。
最後に着用イメージを。
それぞれ僕(身長167cm、体重53kg)が着用していますので、なんとなくイメージしてください。
"CORDUROY GURHKA PANTS"
サイズ0を着てる。
サイズは、0〜3までの4サイズ展開です。
僕は、パンツは0がちょうど良いサイズ。
ジャケットはサイズ0か1ですね。
ウエストにワンタックあり、それなりに腰回りにボリュームがある分、ギュンと利いたテーパード。
"CORDUROY AOR JACKET"
"CORDUROY GURHKA PANTS"
AUTHENTIC INDIGOのセットアップ。
分かりますかね?
本藍染めのコーデュロイ生地が輝いてる。
それに加えて、奥深いところからの発色。
これはCOTTLEオリジナルのコーデュロイだけに起こってることだと思う。
COTTLEの大きな特徴の"金継ぎボタン"もとても利いてますね。
"CORDUROY CHAMPETRE BOUQUET JACKET"
"CORDUROY GURHKA PANTS"
こちらはそれぞれサンプルサイズ2を着用してる。
だから、少し大きめですね。
これでもパンツもサイズが大きめな分、思いっ切り、ウエスト上げて穿いてる。笑
ただね、生地のムードと洋服の感じは分かってもらえると思う。
だからなんとなくのイメージでお願いします。イメージで。
ただ、コーデュロイのレベルは着てみるとエゲツないですから。
期間中は、それぞれのサイズを試してもらえるようにサンプルは準備しているのと、カラーも全部見てもらえるようにしますね。
オーダー頂けた場合は、大体3ヶ月後のお渡しを予定しています。
明日は、"SenkohSuiu"のLEAF VEINを紹介しますね。