<追記>
※お問い合わせを頂いておりますが、遠方にお住まいの方は、ご注文頂けましたら一度、裾上げをしていない状態のものをお送り致します。
実際に、お客様ご自身でご希望の長さを決定頂けましたら、その位置で裾を折り返し、クリップやピンなどで固定した状態で当店までご返送ください。
当店へ到着致しましたら、COTTLEで裾上げを施し、改めて当店よりお送り致します。
今日は、COTTLEについて。
新年、2024年1月2日よりCASANOVA&COの一発目に発売をしたCOTTLEのデニム。
"C.T.L DENIM"というもの。
洋服の中でも、"工業製品(プロダクト)"感が強いデニムという服。
過去にも先人たちが数多く魅了され、ファッションデザイナーたちの多くが"デニム"という服へ言及した言葉が今も残っていたりもする。
現在、世界中のデニム製品の圧倒的トップシェアが、岡山県倉敷市児島地域。
近くの広島県福山市にも大きな工場などもあり、結構な量が生産されてると思うんだけど。
COTTLEは、その児島にアトリエを構えてる。
ジーパンというものは、世の中の人類の誰もが認知する服の種類だとは思うけど、他の服と比べたらすごく特殊なものですよね。
だって、着ると新品から色が変わっていくとか意味不明じゃないですか。
普通に考えて、新品から色が褪せていってしまうのが大前提だし、他の服でそんなジャンルのものがあるかって考えたら、パッとは僕は思い浮かばない。
でも、それが許されているし、それが大きな魅力として捉えられている。
あとは、その洋服の"生産面"での特殊性もすごくて、パンツなんだけど、形を決めるパターンや、縫製していくミシンも他のパンツとは全然の別物。
当たり前に存在する"デニム製品"だけど、他の服とは、全く違う世界である。
その中で、ジーパンというものは、いろんなブランドでつくられてるけど、それが児島という特定の地域でつくられているのには、そういう生産面での特殊性が理由。
買い手からすると、そういうジーパンという存在は、世の中に溢れていて、もはやどれを選んだら良いのかが不明確だと思うし、"ジーパンの違い"というのが非常に分かりにくいんじゃないかと思うんですよ。
アメカジブランドや、そうじゃないブランドでもいっぱいジーパンはつくられてるけど、ほぼ児島の職人が手をかけてる。
つまり、僕が言いたいのが、ジーパンをつくる際に、
"企画する人"
と
"実際に形にする人"
が違うのである。
"企画する人"というのは、東京や大阪や都会に住んでる人が多い印象。
それを"実際に形にする"のは、"児島の職人"である。
だから、企画者と生産者が別の人ということ。
また、僕がジーパンに対して思うのが、もう一つ。
今流通しているほとんどのジーパンの着想源、または、目指しているイメージが、
リーバイス、もしくは、アメリカ系のマイナーなブランドのジーパンであるということ。
つまり、企画者がリーバイスの何かの要素を抽出し、それを児島の職人が形にするということが行われ続けている。
これって、もはや"セーターと同一現象"が起こってるんじゃないかなと思う。
秋冬のセーターって、"素材の違い"は語られても、"形"や"つくり方"の違いってほとんど語られることがないじゃないですか。
それは、まさに上記のジーパンの生産プロセスと一緒で、多くのものが、企画者と生産者が異なり、その結果として、生産者が持つ同じノウハウが別ブランドで同一化してしまい、違いが出しにくいのである。
だから、他との違いを出していくために、セーターの"素材"だけにしか言及をされにくい現状。
全然別の話になるんだけど、僕がこのような上記のことで思うのが、そうなのであれば、企画者(ブランド)は、もっと生産者のことについてオープンにし、そのような方に世の中の意識が向くようにしても良いんじゃないかと思う。
ブランドにとって大事な"生産背景"を隠す時代はもう終わってるんじゃないかと思う。
というか、ブランドにとってその"生産背景が大事"なのであれば、そこをオープンにし、その方々に仕事がいくように、そういう業界が一般の方々にも憧れられるようにするべきだったんじゃないかと思う。
だから、後継者がいないという事態が多発し、日本で、ものづくりを行える現場がどんどんなくなっているのだ。
というように僕は思う。
という話は置いておいて。
COTTLEの"C.T.L DENIM"。
上記に記載をしたように、ジーパンというのは、多くの場合というか、もはやほぼ全部と言っても良いくらい、企画者と生産者は異なる。
で、それは専門家が専門分野での仕事を尽くすのだから、良いことだと思うんですが、、、COTTLEは違う。
"自分たちで考えたことを、自分たちで形にする"。
ということを考えて、洋服づくりを行なっている。
このことは、COTTLEのブランドとして、重要な思想としてあるのですが、ブランドのアトリエのある児島地域は倉敷市。
その倉敷市は、"民藝の街"とも言われてきた。
"民藝"とは、「民衆的工芸」という意味で、今から100年くらい前の大正末期に、民芸運動の父と言われる"柳宗悦(そうえつ・むねよし)"によって創られ、広められた言葉だそうだ。
そして、その柳宗悦の民藝思想に共鳴し、その思想を受け継ぐ民芸運動の実践家として情熱を注いだのが"外村吉之介"。
観光地として有名な倉敷美観地区には、"倉敷民藝館"という施設がある。
そして、倉敷民藝館付属工藝研究所として、"倉敷本染手織研究所"という施設も存在する。
外村吉之介が初代館長となり、民藝思想を実践し、またその後継者を育成する施設として、倉敷本染手織研究所が設けられたそうです。
民藝思想を表すのが、"用の美"という言葉。
これは、時折目にする言葉だと思うけど、まさに民藝の言葉であり、日常生活で使う物には、用途に直接結びついた美が備わっているという"民藝の考え方"の特色が現れている。
また、その外村吉之介が残した言葉として、
「健康で、無駄がなく、真面目で、威張らない」
というもの。
民藝の手仕事は、この精神のもとなされ、COTTLEの洋服づくりもその考え方がとても反映されてるの。
COTTLEの"C.T.L DENIM"。
ブランドの中で、
"UNIFORM FOR LIVING" = 「暮らしの道具」
と名付けられたコレクションシリーズに位置する。
前のブログで書いたことがあるのですが、COTTLEの渡辺さんは、10年くらい前、僕が属していた児島のジーパン縫製工場の本社の超偉大な大先輩。
当時、みんなが知ってるようなブランドからマニアックなものまで、数々のブランドのジーパンをつくりあげてきた、超どプロ。
世界的に見ても、一流領域のジーパンの知見を持つ人物でもあると思う。
その上、COTTLEでつくっている洋服は、"C.T.L DENIM"だけではなく、これまで当店でも紹介してきた、"LEAF VEIN"や、"GOLDEN WHEAT FIELD CORDUROY"、また紹介できなかったけど、"EARTH WALL"というウルトラクオリティの洋服を全て、児島のアトリエで生産してる。
ジーパンへの限りなく深い造詣と、洋服生産における技術とセンス。
しかも、さっき言ったように、"自ら考えたものを、自ら形にする"というスタイルで。
そういうウルトラ領域で洋服をつくるブランドが生み出すジーパン。
冒頭のように、企画者と生産者が別のものを否定したいのでは全くない。
ただ、ジーパンという揺るがないジャンルの服の中において、僕自身の心が動くものは、"思想や技術"がとにかく濃厚に、濃厚に、反映されたもの。
それを、「暮らしの道具」として使うのが、良いもんじゃないですか。
ただ、そういう考え方だけではなくって、実際に出来上がってるものが、僕は自分の人生で出会ったジーパンでNo.1。
自分の洋服業界への関わりは、ヴィンテージレプリカのジーパンからスタートし、その後に、ジーパンの生産現場へ。
今でも、ずっと好きなのがジーパンであり、それを延々と追い続けてきた。
これまでは追い続けてきたけど、自分の中では、COTTLEの"C.T.L DENIM"が一番と言える。
もちろん、今も市場調査はしてるけど、現状は揺るがない。
自分で1年間、しこたま使い続けて、身で、肌で、頭で、心で実感をした"C.T.L DENIM"の恐るべきこの魅力。
だから、これですよ。皆様。
Araki YuuのKnicker Bockersと並んで、全員これ穿いた方が良いんじゃないかと思ってるジーパン。
それほどに思えるシロモノです。
COTTLE
"UNIFORM FOR LIVING"
C.T.L STRAIGHT DENIM PANTS
material _ COTTON 91%,LINEN 9%
color _ WASHED INDIGO
weight _ 11.3oz
size _ 0(28inch),1(30inch),2(32inch),3(34inch)
"工業製品 (プロダクト)" × "手工芸 (民藝)"によって、つくられる"C.T.L DENIM"。
まずは、生地から。
流通するデニムのほとんどが先述の通り、リーバイスや他のアメリカ物をイメージしてつくられる。
そのことは生地にも言えるのですが、COTTLEのデニムは、そこじゃない。
まず、全然違う"色合い"。
他のジーパンと比較すると、"鮮やかなブルー"をしているのが特徴的。
それは、児島が今のように"デニムの聖地"と言われるきっかけとなった、60年くらい前かな?の"国産第一号"と言われるジーパンの色合いを再現してるの。
当時は、児島地域のみんなが一丸となって、自分たちでもジーンズを生産しよう。と考えて、つくった時代だったそうだ。
そこから、児島ではジーンズの生産が盛んになり、今では世界的なデニムの産地となった。
その児島の先人たちに敬意を表し、COTTLEでは、"リーバイスではなく、国産第一号"の色合いを。
ジーパンって、最初みんな同じ色だと思うけれど、COTTLEのは違う。
そして、その"色合い"だけではなく、混率も違う。レベチ。
コットン91%とリネン9%というオリジナルレシピ。
これは、COTTLEの渡辺さんがこれまで数々のデニム生地の企画、生産をしてきた膨大な経験があってのものだそうだ。
いろんなものを開発してきたそうですが、当時から、いつか自分でつくるならどのようなものが良いか。ということを常に考えていたそう。
そして、今はCOTTLEとして、児島で自分がすべきこと、たくさんのデニム製品が世の中に溢れる中で、"新たに生み出すべき価値のある"ものを考え、改めて、何年もかけて試行錯誤し、出来上がったものだそうです。
経糸には、トルコ産のオーガニックコットン。
緯糸には、コットンとリネンとをオリジナルブレンドしたものを。
上記の"経糸・緯糸"には、考え抜かれた意図があるのだ。
例えば、デニムでは、高級とされる生地のものに"超長綿"が使われるものがある。
COTTLEでは、別コレクションの"LEAF VEIN"や"コーデュロイの生地"にそのような"超長綿"を使ってる。
でも、デニムにおいては、そうではない。
COTTLEの渡辺さんは、"綿の価値観が異なる"と言います。
そして、僕もそのことに全く同意見。僭越ながら。
だから、COTTLEで考える「暮らしの道具」としての"C.T.L DENIM"では、超長綿は狙いを持って使っていない。
このことは、ご愛用頂くと、日々しっかりと恩恵を感じてもらえると思います。
超長綿ではなく、"トルコ産オーガニックコットン"を使う理由は、COTTLEで狙う"強靭さ"・"糸の膨らみ"を実現するため。
あとは、結果的に起こる"色落ち"の観点から考えた際にも、"トルコ産オーガニックコットン"がベストということ。
ジーパンに何を求めるのか。
ということになってくるのですが、僕が皆様にご提案したいジーパンの条件は、下記の4つ。
1 : そのブランドにしかないオリジナリティがあること (これ絶対条件)
2 : 新品でも、色落ちした状態でもカッコいいと思えること (これ生地もパターンも縫製も複数の側面からの条件が必要)
3 : 穿こうと思った時に、無理なく穿けること (物理的にも精神的にも)
4 : 安心感のある強靭さがあること
以上の4つのことを満たすのは、なかなかない。
特に、いろんな自論がある僕のハート(基準)を満たし、超えてくるのは、今はCOTTLEだけ。
だから、もし、このことに賛同頂ける方がいたら、C.T.L STRAIGHT DENIMを手にしてもらえれば、それでオーケー。
自分で体感してるから、僕が保証します。
もし、ご満足頂けなければ、、、いや、感動してもらえなければ、こう言います。
「すみません。」
でも、まあ、その必要はありませんがね。ものがヤバいから。
それでね、C.T.L DENIMが"超長綿"を使わない理由としては、上記の2と4に当てはまる。
2のことで考えると、超長綿は、文字通りコットンの中でも、一本の繊維が長い品種(3.5cm以上)と言われるけど、そういう繊維だと、"柔らかすぎるデニム"が出来上がってしまう。
そういうジーパンだと、新品の状態では良いかもしれない。
だけど、デニムというのは、"インディゴ染料でロープ染色をされてるオーセンティックなもの"であれば、色落ちということが必ず起こってくるワケです。
この色落ちというのは、無理してバッキバキのコントラストを付ける必要はないけど、"自然で無理のない、所有者に合った色変化"を考えると、ある程度の"生地へのクセ付け"ということが必要になります。
穿きジワの入る箇所と、入らない箇所。
それは着用者によって、必ず異なるので、新品のデニムにある程度の時間をかけて自然にクセ付けてあげると、結果的に、程よくコントラストが出てくれる。
それが、ゆっくりと時間をかけて穿いたジーパンへの愛着というものにもつながるじゃないですか。
でも、そのために必要になるクセ付けが、超長綿を使ったデニムの場合には、柔らか過ぎて、しなやか過ぎるため、必要なシワが全然入らない。
多くの方が、ただでさえ休日でしか着ないんだから、マジで永遠に着用者のクセが定着することがない。
それが、結果的に数年間愛用したとしても、フラットで、何にも陰影もなく、まるで、簡単なユーズド加工が施されたジーパンのような見た目に繋がりかねない。
せっかく新品から穿いたのにも関わらず。
気に入って手にして、気に入って日々使うジーパンですからね。
だから、"カッコいいコントラスト"の方向に、自然に向かっていけるジーパンの方が結果的に良いんじゃないかと思う。
そして、4つ目の強靭さがあるということ。
このことは、超長綿でも、弱いということはないんだけど、やはり細い繊維で、膨らみがあまりない分、ジーパンとしての安心感は欠けてくると思う。
それを補うために、糸を太く、ヘビーオンスのデニムに振っていたりすると思うのですが、そうすると分厚過ぎるように思う。
昔ながらのデニムのオーソドックスは、13.5ozと言われる。
しかし、13.5ozは、今の僕には、かなり分厚過ぎるように感じちゃう。
そう思うと、上記の3のこと(無理なく穿ける)にも当てはまるのですが、分厚いジーパンは、時に無理して穿かないといけなくなるんじゃないかな。
あとは、昔っぽいジーパンにある"ペーパーライク"なデニムの生地感も、僕はあまり好きじゃない。
つまり、デニムにしては、オーバースペックと感じてしまうものは納得できないし、チープでペラペラ過ぎるものもNG。
あとはまあ、他にもいろんな側面から考えられるのですが、COTTLEのは、完璧。
心地よい肌あたりと、自然で適正な柔らかさ。これ、お見事。
そういう"11.3oz"のC.T.L DENIM。物理的にも、精神的にも、とても穿きやすい。
それに加えて、緯糸のコットンとリネンの"オリジナルブレンドの糸"も非常に魅力的。
「暮らしの道具」として、使い続けていくことを考えた際には、先述のように"色の変化"が起こる。
COTTLEでは、このことを"経年美化"と表現してるんですが、その渡辺さんのこれまでの経験から、リネンを入れることがCOTTLEで目指すものになると考えたそうです。
デニムの表面に現れる白いネップが、コットンとリネンがブレンドされた緯糸。
この緯糸は手紡ぎ、手織りのような風合いを目指したブレンドと、紡績が施されている。
もちろん、使っていき、時間が経つとその表情も次第に変わっていく。
あとは、この緯糸が作用するのが着用感。
デニムは、その生地が綾織りである性質上、肌にあたる裏側に約7割の緯糸が現れる。
これまでの渡辺さんの経験に基づき、リネンを入れることによって、COTTLEの考える"経年美化"を生み出すことができると考えていたそうですが、その一方で、リネンの配合を増やし過ぎると、肌へチクチクとした不快感が出てしまう恐れがある。
"経年美化"と"心地よさ"の両立を目指した結果、リネン9%という、前人未到の混率を導き出したそう。
また、現代の社会で、"美しい道具"として使い続けられるようにするため、ヴィンテージのジーパンや、レプリカジーンズに発生する、"毛羽立ち"・"斜行"・"縮み"という現象は、COTTLEでは、ほぼ起こりません。
毛羽立ちについては、"毛焼き加工"。
これは、通常、表側のみに施されるものですが、C.T.L DENIMでは、裏側にも毛焼きを施し、その気持ち良い肌あたりを実現してる。
あとは、緯糸の紡績方法による"ナチュラルストレッチ"も効いてますね。
ポリウレタンの人工的なものとは大違いの快適さ。
9%だけブレンドしたリネンと、裏側の毛焼きによる肌あたり、是非驚いて。
コインポケットには、"ベンガラ染め"のセルヴィッチ。
この"ベンガラ染め"のセルヴィッチは、超特殊。
通常は、一本もしくは、数本の色糸が配置されるだけのセルヴィッチ部分。
この箇所も、COTTLEでは、全っっっ然違うから。
異次元領域のウルトラセルヴィッチ。
COTTLEの渡辺さんが、何年もかけてC.T.L DENIMの開発を進めていたのですが、先述した"倉敷本染手織研究所"を訪れた際、外村吉之介が考案したタペストリーを目にしたそうです。
それは、"藍染とベンガラ染め"が施された糸で、規則性の中に、不規則性が存在する模様の手織り生地だった。
まさに、"民藝の美しさ"が宿るタペストリー。
その手織りの生地を見た時に、ずっとCOTTLEで考えていたセルヴィッチの図案と繋がったそうです。
デニム生地そのものを織り上げるシャトル織機に、セルヴィッチ用のジャガード装置を取り付けるという、聞いたことない特殊な織機を用いて、外村吉之介が考えたタペストリーの柄をベンガラ染めで再現したセルヴィッチ。
ただ、このセルヴィッチ糸をベンガラ染めを行なうには、とても専門的な工程を踏まなければならないそう。
まずは、兵庫県西脇市の職人に糸を塊の状態(チーズ)から、染められるように束の状態(カセ)へとほどいてもらう。
次に、倉敷市で天然染色(ベンガラ染め)を手染めし、その後に、強度や滑り、堅牢度を高めるためにロウ引き。
そして、染めたは良いものの、その状態では織り機に設置できないため、そこから、岡山県井原市で織り機に取り付けられるようにするために、再び、糸の塊(チーズ)へと巻き直す。
いろんな専用工場で工程を経た上で、やっと、織機に辿り着く。
他のセルヴィッチデニムでは、到底経ることがないプロセスを通らなければならない。
ただ、
それでも、、、
通例通りのセルヴィッチではなく、手の技を感じられるデニム、"手工芸デニム"としてのC.T.L DENIMを完成させるために、時間がかかることを厭わず、COTTLEで目指すべき洋服づくりを行ってる。
上記のようなことは、オリジナルレシピの"C.T.L DENIM"のごく一部のみを記載しましたが、原料のチョイス、生地を織り上げる糸の太さ、国産第一号デニムを再現した色のレシピ、生地の密度、セルヴィッチ柄。
これらの要素を、COTTLEとして、納得できるものを完成させるまでに、研究試作で3年もの歳月を費やしたそうです。
カネタ織物さんでのLEAF VEINや、GOLDEN WHEAT FIELD CORDUROYなど、ウルトラクオリティの生地を使ったコレクションが存在する中でも、最も時間や費用がかかったのが、"C.T.L DENIM"だと渡辺さんは言います。
そして、通常のジーパンとは、レベルの違う洋服づくりを行なって出来上がっているC.T.L DENIMですが、それは、生地だけではないの。
"縫製"にも、バチバチに現れてる。
それが"縫い糸"。
この写真を見てもらえるとお分かり頂けるかもしれませんが、この箇所だけでも、なんと"5種類"もの縫い糸が使われてるの。
色の違いと、太さの違いで、それぞれを使い分けてる。
糸の種類は、COTTLEではオープンにしていて、UJコアという糸。
ポリエステルの丈夫な糸を芯として、その上に、スーピマ100%のコットンをラッピングさせた重複構造の縫い糸だそうです。
また、COTTLEの渡辺さんが言うには、このUJコアは、他のポリエステル・綿の縫い糸よりも、綿の割合が高く、昔ながらの綿糸の馴染みの良さは残しながらも、着用を続けても糸切れ・修理になりにくい強い糸なんだって。
ジーパン縫製で、最も難しい部分であるこの"小股"という箇所。
フツーに縫ってるように見えるけど、これかなり難しいから。
通常は、専用工場で行いますが、COTTLEは自社アトリエで。
この箇所も、縫い糸を変えて縫ってる。
通常、洋服の縫製は、表から見える箇所は、縫い糸を1種類か2種類くらいしか使わないものなんですよ。
他の種類の洋服って、大体、"生地と縫い糸は、同じ色"じゃないですか。
でも、ジーパンは、カリフォルニアで育まれたものであるがゆえに、諸説あるけど、生地そのものとは異なる、明るい色が縫い糸として採用された。
昔のリーバイスでも、複数種類の縫い糸が使われていたけど、それが合理化の時代とともにだんだん統一されてきた。
でも、COTTLEは、1着のジーパンに"7種類もの縫製糸"を使ってる。
その上、色が違うからステッチワークの歪みとかもすぐに分かって、誤魔化しが効かないんですよ。
デニム製品の綺麗ではない縫製も"味"だと捉えられている方もいますが、僕はあまりそれを歓迎しない。
また、僕も数多くのジーパンは見てきてる自負はあるから、スピーディーにつくられたものは、そのステッチワークが生地と一体化していないようなものも多々見受けられる。
僕の中では、"ステッチが立ってない"って表現してるんですが、ほとんどのものがそういうの。
極端な表現をすると、ステッチが死んでるっていうか。
だけど、COTTLEのは領域違う。
デニムと縫い糸とが、一体化し、ハンパないクオリティの見事なコントラスト。
その上、ビンッビンに立ちまくるステッチワーク。
これこそ、まさに、
オーセンティックなジーンズの中で発揮される"手の技"である。
大人の漢が身につけるものは、こうでなくっちゃ。
ベルトループ。
この箇所にも、狙いがある。
ベルトループの上下を補強するカンドメ。
この箇所が、1ミリずつ左右のベルトループ端から"落ちてる"の。
分かりますかね??
これ、全てのベルトループがこの仕様。
ベルトループの幅よりも、僅かに、僅かに、広く設定したカンドメを狙って打つ。
ヴィンテージレプリカものだと、左右の片方だけ数ミリ落とす。っていうような仕様のものとかもあるんですが、COTTLEでは、本来の補強としての機能と、きちんと整った見た目を実現させるために、両方を1ミリずつ落としてるんだと思う。
こういうディテールも、スピード重視のプロダクトなら、実現不可能な仕様ですよ。
オーセンティックな前開き、ボタンフライ。
世界一細かいデザインのトップボタン。
ボタンホールのみ、ネイビーの縫い糸でホールが形成されてる。
ウエスト帯には、クラシックなVステ搭載。
バック。
ホームベース型のバックポケットですが、僕は、通常のジーパンのポケットと比べて、ポケットそのものが浮き上がって見えるんですよ。
さっき言った、ステッチが立ってないとか、ステッチが死んでるなって感じるジーパンは多いんですが、そういうものは、バックポケットも共通で潰れてるんですよ。
これは、何でなんだろうな。って思うんですが、やはり縫う技術と、何を目指してるのかってことで差が出るのだと思います。
COTTLEの渡辺さんは、"作り手のモノづくりの責任"ということをすごく全うしてる人で、全てに意図を持ち、全てに細かく手を入れてるんですよ。
もの凄い"手の痕跡"を感じる。
だから、出来上がってくるまでには、少し時間はかかるけど、その分、出来上がったもののクオリティは一級品。
そういうことがディテールに宿ってる。
渡辺さんの奥さんが、海に面した児島から、初めて瀬戸内海を見た時に、島々が点々とある景色が印象的に思われたそうです。
レザーパッチのモチーフは、それを抽象化したデザイン。
COTTLEでは、ワンウォッシュのモデルについては、ヌメ革のナチュラルカラーのパッチが付属するのですが、バックヨークを縫製する金茶の巻き縫いステッチとのコントラストを考え、ブラウンのクードゥーレザーに変更をお願いしました。
太番手の金茶糸とのムードがとても良く出来てると思っています。
裾には、チェーンステッチの斜めのパッカリングが入ってる。
COTTLEは、海外展開もしているため、レングスは少し長めに設定されています。
そのため、ほとんどの方が裾上げが必要なのですが、ご希望の股下長さを決定後に、無料でCOTTLEのアトリエで純正チェーンステッチを施してくれます。
今回のワンウォッシュのモデルは、COTTLEで製品洗い後に、ガス乾燥機での乾燥を行っているため、これ以上の縮みは出ません。
そのため、ご希望の長さを決定後に、すぐに裾上げOKです。
裾上げ完了までには少し時間をもらうことになりますが、COTTLEの設定通りの仕様でお渡しできますので、ご安心ください。
"オーセンティックなジーンズ"という枠組みの中で、"COTTLEが考えるものづくり"にしっかりと取り組んでいるジーパンです。
インサイドシームは、そういうデニムの最もスタンダードな仕様で、ジーパンならではの縫製方法、インターロック。
アウトサイドシームは、セルヴィッチの割り縫いです。
インサイドシームのインターロック(白い縫い糸)。
インターロック縫製後に、オレンジイエローの環縫いが施される。
インターロックは、ジーパンならではの縫製で、生地端のオーバーロック処理と生地の縫い合わせ(地縫い)が一度にできる方法。
ただ、これは、専用のミシンが必要となる。
ジーパンって、フツーに存在するように思うけど、オーセンティックで本来のものづくりがなされたものであればあるほどに、たくさんの専用ミシンが必要になる。
・本縫いミシン
・巻き縫いミシン
・インターロックミシン
・オーバーロックミシン
・ボタンリベット打ち特殊ミシン
・ベルトループミシン
・カンドメミシン
・ボタンホールミシン
確か、この8つは必要となる。
1着でそれだけのミシンを駆使しないと、昔ながらのジーンズをつくりあげることができないんですよ。
だから、ジーパン縫製は専用工場に依頼されるのですが、COTTLEは先述の通り、つくっているものがジーパンだけではない。
他のコレクションも全て、"アトリエで縫う技術"を持ってる。
そのどれもが、めちゃくちゃ凝りに凝ったクオリティですからね、それが凄まじい。
いや、そういうものをつくる人たちだからこそ、ジーパンでも、これほどまでのものが出来上がってるのかな。
皆様、是非、実物を見て、ご感動ください。
そして、裏。
裏も、ハンパなく綺麗な仕上がりしてる。
裏側は、どういう構造をしているのか、要素がいっぱい見てとれる。
オレンジイエローのオーバーロックも、ステッチ幅が細かく、ベンガラセルヴィッチが配置された持ち出しパーツ。
ベンガラセルヴィッチの持ち出し箇所は、写真では分からないほどに、ベンガラと同色のステッチが入り、裏の箇所まで、徹底的に縫い糸の種類を変え、手を行き届かせた縫製。
ポケットの袋布は、COTTLEが位置する児島、石井織物さんという機屋さんの生地を使っています。
一般的なジーパンに使われるポケット袋布と比べ、生地そのものの密度が高いです。
フロントのデニムの色変化に影響が及ぶので、フロントのポケットはなるべく使わない方が良いと思いますが、たまーに使う時には安心感あると思います。この袋布。
センスあるポケット袋布のスタンプと、手書きのマテリアル。
あと、全然見ないかもしれないけど、この箇所のオーバーロックはネイビーです。
見えない箇所だから、同化するネイビーの糸でロック始末。
あまりにも美しい、ベンガラ染めセルヴィッチ。
バックポケットは、最もクラシックで、最も丈夫な"隠しカンドメ・リベット"の仕様。
リーバイスが当時特許を取得した、ポケット口へリベットを打ち込む仕様。
昔は、表から剥き出しになっていた補強リベットですが、"隠しカンドメ・リベット"というのは、ポケット口の内側に隠れるようになったディテールのこと。
ただ、この銅製のリベットの上、カンドメが打ってあるじゃないですか。
ネイビーの。
これ、表から見ると、、、
分かりますか??
ポケット口の端、身頃本体とポケットの繋ぎ目。
裏にはネイビー、表からはポケット縫製に合わせて、僅かにオレンジ色の隠しカンドメが見えるようにしてるの。
イケてる。これは、イケてる。
普通は、カンドメの上糸も下糸も同色じゃないかな。確か。
細部にまで宿ってますよ。ホンッッット。
こういうことを行なうブランドのものづくりって、洋服から感じられることが全然違います。
自分たちでつくらないと、商品にここまで細かく行き届かせることは非常に難しいと思う。
簡単なものづくりでは、真っ先に省略される仕様ですからね。こういうの。
まあ、こういうヤバヤバ縫製満載なCOTTLEのジーパン。
特徴的なことが、まだあるの。
最初に記載したこれ。
僕が自分で本当に愛するジーパンに求めることであり、皆様にCOTTLEのジーパンを通して、提案したいこと。
1 : そのブランドにしかないオリジナリティがあること (これ絶対条件)
2 : 新品でも、色落ちした状態でもカッコいいと思えること (これ生地もパターンも縫製も複数の側面からの条件が必要)
3 : 穿こうと思った時に、無理なく穿けること (物理的にも精神的にも)
4 : 安心感のある強靭さがあること
この2つ目の
新品でも、色落ちした状態でもカッコいいと思えること (これ生地もパターンも縫製も複数の側面からの条件が必要)
ということ。
ジーパンというのは、どんなブランドでも、どんなものでも、
"新品の状態" = 野暮ったい、ダサい
というイメージがあり、このことは、ヴィンテージレプリカのジャンルでも、ブランド側からそのように言ってる人もいる。
だから、リジッド、もしくはワンウォッシュからジーパンを穿く人は、みんなこぞって、一刻も早く色落ちを進行させることに躍起になる。
僕も、そう思ってた。
COTTLEのC.T.L DENIMに出会うまでは。
そもそも"ファイブポケットジーンズ"というものは、色が落ちて、その色落ちのコントラストが出ていないと、カッコいいとは言えたもんじゃない。
なぜなら、形があまり綺麗なものではないから。
だから、僕自身も、リジッドやワンウォッシュからジーパンを穿いたとき、とにかく早く色落ちをさせることに必死になった。
20代前半の時に、かなり高かったBIG Eのデッドストックフラッシャー付きを買って穿いていたけど、形がめちゃくちゃイマイチで、単純に勉強になるな〜。程度のものだった。
貴重なものではあったけど、洋服そのものの満足度はめちゃくちゃ低かった。僕はね。
ジーパンって他のパンツと比べて、パターンがかなり変わってるんですよ。
それを象徴するのが、バックヨークという三角形のパーツ。
このレザーパッチの下半分が縫い付けられてるパーツですね。
ファイブポケットジーンズというのは、尻ぐり、股ぐり以外は、ほぼ直線でつくられ、腰回りのフィットを高めるために、三角形状をしたバックヨークというパーツで、フィットさせる。
だから、野暮ったいの。
でも、COTTLEのは、そのアウトラインもかなりのクオリティ。
これを見て。
ハンガーの状態で、めちゃくちゃお尻がグッと出てるの。
僕が今まで出会った中では、一番出てる。
お分かり頂けるでしょうか??
この腰からお尻までグググっと突き出るような形状。
この尻グリのパターン、そこから太もも、足回りにかけてのラインの出方が超人的なの。
だから、下記のこれ。
新品でも、色落ちした状態でもカッコいいと思えること (これ生地もパターンも縫製も複数の側面からの条件が必要)
"新品の色合い"、"生地の質感"、"縫製仕様"、"ジーパンの形状"。
その4つの観点から、濃紺状態の新品でも、めちゃくちゃカッコいいと僕が思えるジーパン。
これまで散々、いろんなジーパンをリジッドorワンウォッシュから、穿きまくってきたし、ジーパン屋でも販売してきたけど、COTTLEほどに思えるレベルのものはありません。
その上、
"後身頃の巻き縫い"。
こんなに角度のキツい、エゲツないカーブなのにも関わらず、全然へこたれずに巻き縫いが施されてる。
フツーのジーパンの尻グリラインでも、巻き縫いは難易度が高くパンクしやすいのに、これだけ突出した尻グリを見事に縫い上げてる。
現代で美しく着るためのフォルムと、昔ながらのものづくりが組み合わされたディテール。
そういう側面から考えても、C.T.L DENIMに勝るものは、なかなか見つからないと思う。
もうね、全員、これ穿いて、感激して。
で、実際に着てる様子がこれ。
身長167cm、体重52kgでサイズ0。
レングスは新品は長いので、3回もロールアップしてる。笑
細めだけど、かなりイケてる。
ただ、まあ、ワイドパンツに慣れた方はダメでしょうね。笑
そういう主流の"ファッション感"じゃないから。
だから、良いのよ。これ。
思想に基づいたものづくりで、時代を凌駕してるのよ。
先ほどのお尻。
分かりやすくお伝えすると、股上はそれなりに深くあって、ウエスト帯が腰にフィットし、お尻の上半分までは丸く沿ってくれる。
それで、お尻の頂点を起点にして、お尻の下からは真っ直ぐスッと流れ落ちていく。
この感覚は、他のジーパン、特に5ポケのものでは、絶対的な未体験ゾーンだと思いますよ。
僕がそうだったから。
そしてね、この1年間、僕がウルトラヘビーユースしたC.T.L DENIMを見て。
去年の12月にも掲載したけど、更に、進化したMY C.T.L STRAIGHT DENIM PANTS。
ガチマジリアルな1年間の僕の下半身。
最初のクセ付けだけは意識したけど、あとは好きで穿いてただけ。
サイズ選びは、出来るだけ小さいものを選び、トップボタンがギリギリ留まればベストって感じで選んでるので、ただ穿いてるだけで、太もも周りの通称"ヒゲ"はクッキリと入る。
洗濯回数は、数えてないですね。
COTTLEのウルトラクオリティの洋服づくりが注がれてるジーパンですから、こちらがそこに敬意を表し、何も考えずに、仕事でも休みでも、いっつも穿いてたと思う。
結構日頃から電話することが多かったから、携帯を手放せず、右のバックポケットに入れてたんですよ。
薄っすらとバックポケットに携帯の斜めの跡がついてるので、これは気に入ってないのですが、まあ、現代における「暮らしの道具」ですからね。
使うことによって自然にできたものだから、まあ良いのかなと思ってます。
あと、僕は、ジーパン人生でヒザ裏の通称"ハチノス"のアタリが出来たことがないんですよ。
COTTLEのも、ヒザ裏に穿きジワが入ってる程度。
ベンガラセルヴィッチとデニムの自然な褪色。
そして、チェーンステッチの裾のロマンを感じるパッカリング。
UJコアのステッチもそれぞれがデニムの色変化とともに、自然に色合いが変化。
点と線、どちらもが混在して起こる自然な色落ち。
箇所によって、濃度の違いも生まれ、全体的にコントラストが出てきた。
で、これ。
新品は、こちら。
見比べると、全然違いますよね。
でも、どちらも悪くない。
僕も気に入って穿いてて、気が付いたらこうなってる。みたいな感じだから。
どこからどう見ても、形も良いし、自分のいつもの感じを客観的に見ても、イケてると思う。笑
いや、これは我ながら、かなりカッコいいと思ってる。
ジーパンね。コトルのジーパンが。
僕の穿いてるのもまだまだ発展途上ですかね。
新品の時もすごく気に入ってたけど、今もCOTTLEのC.T.L DENIMへの愛情は全然衰えてない。
これ、出来れば全員に知ってもらいたい。全員に。笑
それくらい言えるシロモノですよ。
既に、新年にお買い物頂けたお客様方は、良いもの買ったな。って思ってもらえたら嬉しいです。
ご検討頂ける方には、是非見てジーパンの概念を覆して。
COTTLEの洋服づくりをご体感ください。