今日は、BIEK VERSTAPPEN。
オランダのアトリエ内で、ビークさん本人を中心とした少人数のチームで生産されるのがBIEK VERSTAPPEN。
"ザ・ファッション"みたいなブランドじゃないから、コレクションの中で次々に新しいものが登場するみたいな感じではないんですけどね、それが僕はとても良いと思ってる。
だってね、次々に新しいものが出てくるブランドって、つくり手からすると正直に言って、もともとの本心からは実際多少ブレてたりするものだし、あっちもこっちも。ってやって、いろんな服をつくって、最終的に本当は何がしたくて、何が伝えたいブランドなんだろう。って僕は思いますから。
もちろん、時代に合わせて変わるところと、変わらないところとのバランスが重要だと思うけど。
それでね、BIEK VERSTAPPENは、先述の通り、つくってる服は常に大きくは変わらない。
明確にいうと、ビークさん本人(女性)が好きなもの、得意なものをつくってる。って感じですね。
だから、全然大きなサイズではないし、特に当店では、サイズ展開をXS〜という小さいサイズに振ってることもあり、ものによっては大変失礼ながら、物理的に着ることができない人さえもいる。
でもね、そもそも僕はこういうブランドは、全員に見て頂きたい気持ちはあるけど、全員ということはハードルが高いと思っているから、体があまり大きくなくて少し華奢な方〜中肉くらいまでの方に適してるものだと考えてる。
ブランドの中でもいくつかのスタイルが存在するのですが、基本的に、僕がBIEK VERSTAPPENで好きなスタイルの洋服は、
上はタイトで縦長。でも、アウトラインは体から離れてるからボディラインは出ない。
下はワイドでクロップド。こちらもまた足のラインが出ない。
というもの。
そういうものをセレクトして、オーダーをしています。
今回は、色々事情があって、たくさんのバリエーションではなく5種類のラインナップですが、それでもサイズも複数用意してるし、お好きな方には充分にBIEK VERSTAPPENをご検討頂けると思ってる。
順番に紹介しますね。
BIEK VERSTAPPEN
hooded overshirt
material _ COTTON 100%
size _ S,M
※Mサイズは完売致しました
まず、これ。
名前は、shirtとついてるけど、これ完全にコートですね。
ただ、COTTON 100%のコーデュロイなので、ヘビーアウター過ぎることはありませんが。
コーデュロイの生地そのものは、確かイタリアのコーデュロイだったと思います。
太い畝で、柔らかく、密度を感じる。少しの重厚感はあるけど、アウターとしては悪くないと思います。
肩甲骨の周辺から、後身頃が体から離れ、ストンと真っ直ぐに落ちるフォルム。
これまで当店で取り扱ってきたBIEK VERSTAPPENの洋服と比較すると、最も身幅に分量があるものですが、それでも全然オーバーサイズとかではありませんね。
アウターだから、中に少しインナーの厚みが出ることは想定されてるけど、それでも洋服のシルエット形成のためのサイズバランスでしょうね。
とても良いフォルムをしてるコートだと思います。
ちなみに、裏地は付かない一重仕様ですが、前身頃だけ、表地がそのまま続いた"大見返し仕様"になってる。
BIEK VERSTAPPENは、知って下さってる人だと"染色のアルチザンブランド"というイメージがあるんじゃないかと思う。
だから、全ての洋服が、アトリエでのオリジナル染色を施されるのですが、こちらのコーデュロイは、生地染めですね。
生地染めされたコーデュロイで構築し、生地の切り替えによって少しの色合いや色相のグラデーションが出てる。
僕は身長167cm、体重52kgでこちらはサイズSを着てる。
現在は、サイズMが既に完売しておりますが、多分170cm前半くらいの方であればサイズSで適正なバランスなんじゃないかと思う。
生地や構造、染色など、ブランドでやってることを考えるとイカついことしてるんですけどね、見た目が全然イカつくないコート。笑
"このバランス"を持つコート、多分なかなかお目にかかれないものだと思ってる。
BIEK VERSTAPPEN
trousers
material _ WOOL 100%
size _ XS,S,M
次は、これ。
ウール100%のパンツ。
僕でサイズXSを着用してる。
まず、このパンツのフォルム。
フィットするところはフィットして、その上で、ブランドで設計したフォルムを描いてる。
ちょーカッコいい形でしょ。
めちゃくちゃイケてるわ。
僕はレングスが短いパンツが好きな傾向にあるので、長いのが好きな方には難しいかもしれないけど、まあそれでも、こんなに良いパンツがあるんだな。って知ってください。
生地もすごいのよ。これ。
イタリアの生地って展示会で言ってたような気がするけど、SUPER 〇〇とかではもちろんあるけど、もはやそういう数値での勝負じゃないみたい。
ウール100%だけど、かなりレベル高い生地っていうのは、多分触ったり、実物見たら100人中100人が感じられると思う。
ブラックやグレーの中に、パープルやオレンジのような色合いのストライプが入る生地。
生地そのものは先染め生地でつくられてるものなのですが、それを更にアトリエで染色をしているよう。
それでめちゃくちゃレベルの高い生地に、更に加わるBIEK VERSTAPPENのテクスチャー。
高級さのと土臭さの共存。
めちゃくそイケてるパンツだ。
ウエストには、リネンの極厚テープが備わり、そちらでアジャスタブル。
生地は、梳毛で密度は高いのですが、どちらかと言うと、今すぐから、冬前までが着るのにすごく気持ち良いでしょうね。
裏地なしですが、肌あたりは、凄まじく心地良い。
まあ、気温が下がって寒くなったらパッチ穿いたら大丈夫でしょう。多分。
このパンツの見た目からすると、冬場に上半身にはセーター着たりしたらめちゃカッコいいと想像してる。
まあ、お客様には、これ秋冬ですか??とかって言われたけど、もはや当店そんなのじゃないですから。
季節感や価格などで勝負をしたら、マスゾーンには到底敵いませんからね、その代わり、他のブランドで再現が難しいものを用意してるから、そういうのを楽しんで。笑
BIEK VERSTAPPEN
shirt long
material _ COTTON 100%
size _ XS,S
※完売致しました
trousers
material _ COTTON 100%
size _ XS,S
※完売致しました
次は、これ。
ロングシャツとパンツのセットアップです。
生地は、ベースがキャメルっぽい色合いなのですが、そこに樹脂系の染料かな??を塗布するように染色をしたもの。
だから、裏側にはもともとの色が残り、ムラ状に染められるというもの。
写真撮影時には、既に上下ともにXSサイズが完売しておりましたので、ワンサイズ上げてSサイズを着用してる。
そのため、僕よりも、もう少し体格のある方がSサイズを着用をすると、見た目はもっと良くなると思ってください。
写真で伝わりますかね??
このムード。
もはやコットン100%の服を着てるとは思えないレベル。
生地のテクスチャーと、洋服の設計、ブランドのスタイル。
それでいて、洋服の堅牢さを物語る内側の構築もね、BIEK VERSTAPPENの洋服を手にする方に絶大な安心感を与えてくれる。
身幅や全体のボリュームに比べてシャープな袖。
そして、余白が大きくないながらも、狙い通りに身体から浮いて離れる身頃。
ちなみに、前身頃と後身頃の脇の切り替えには、切り替えを利用したポケット付き。
こちらのパンツも、ワイドでクロップドというフォルムが特徴。
ベルトのバックルは、ビークさんが以前からバックルでカッコいいのをつくることを研究してたらしいのですが、今回初めて登場。
少し錆びた加工のもので、BIEK VERSTAPPENの洋服のテクスチャーそのものにもとても良く合ってる。
あとは、ポケット口にも錆びた銅製リベットがハンマーで打ち込まれてるから、それもBIEK VERSTAPPENならでは。
流れるフォルムと溢れる生地ムードの共存。
生地そのものは、先述の通り、コットン100%で双糸引き揃えなのですが、そういうものとは思えないほどの柔らかさと軽やかさがある感じですね。
パンツもつくってるくらいだから、全然薄くはないけど。
自然な生地ハリがあるから、洋服のシルエット形成に良い作用もしてくれてると思います。この生地。
BIEK VERSTAPPEN
shirt long
material _ WOOL 96%,elastane 4%
size _ XS,S
※XSは完売致しました
最後はこれ。
先ほどのコットン100%のロングシャツと同じ形の生地違いです。
僕はBIEK VERSTAPPENのロングシャツのレベルの高さがものすごいと思ってるので、これまでブランドの取り扱いをしてきた全てのシーズンで展開していました。
そして、今回のブランドのコレクション、インラインで存在したのが、先ほどのコットン100%のムラ染めタイプのもの。
で、このボルドーっぽい色で、特徴のあるタッチのこの生地は、リミテッド生地として、ウィメンズのブルゾンで存在していたの。
少しだけフェルトのようで、キメが細かいながらも、光沢と落ち感、その上、ハリまであるこのボルドーのウール生地。
ロングシャツと組み合わされたら、かなりエレガントな雰囲気が出て、加えて、唯一性が高い洋服ができるんじゃないかって考えた。
それで、ブランドに確認をしたらOK出たから、時にアウターコートとして、時にロングシャツとして着ることができて、多分、この空気を持つ洋服は、メンズブランドでは、なかなか完成させられないようなシロモノになってる。
洋服のフォルムはとてもシャープ。
余白が大きいわけではないけど、生地は身体から離れ、BIEK VERSTAPPENのシルエットを描いてる。
ステッチはほとんど表に露出することなく、多くが袋縫い。
更には、シャツなのにも関わらず、ジャケットのように"袖高"の設計だ。
流れる生地と高級感。
誰もが着られるものではないけれど、お好きな方には、きっと気に入って頂けるロングシャツに仕上がっていると思います。
小さいアームホールで、細くシャープな腕。
当店で取り扱いをするブランドでNo.1にアームが細いブランドですからね。
でも、それが着用時の稼働と見た目、どちらもを心地よく感じてくれる方もいると思う。
優美に流れるフォルムのロングシャツ。
名前は一応シャツですが、今回のコレクションで当店で取り扱いをするBIEK VERSTAPPENの中では、一番これが高額です。
以上が2024年秋冬シーズンに取り扱いをしているBIEK VERSTAPPENのラインナップです。
お好きな方は、ご覧頂き、ご検討を頂けましたら嬉しいです。