先日まで開催したCOTTLEのオーダーイベント。
限られた3日間だけの期間でしたが、COTTLEの洋服を見て頂けた方々はありがとうございました。
また、オーダー頂けました方々はありがとうございました。
完成まで首を長くして、もの凄く楽しみしてお待ち頂けましたら幸いです。
そして、今日は、AFOURを紹介します。
これまで当店でもブランド日本デビューからずっと取り扱いをしてきました。
そのシューズの出来はハンパない。
むちゃくちゃ良くできてる。
ただ、シューズと言っても、見た目はスニーカーしてる。
だから、当店では"スニーカー"の枠組みとして取り扱いをしてるんですが、そもそもその"生産プロセス"が普通のスニーカーとは、全然違う。全然。
通常はね、スニーカーというのは、設備が整った工場で、機械的に量産されるもの。
大体、一般的に認知されるスニーカーはスポーツブランドのものだと思うけど、その生産ロットの規模とかものすごい量。
まあ、世界的な展開規模がすごいですからね。
その規模感は、僕には、聞いただけでは到底想像できないような世界ですよ。
量の世界ですから。量の。
で、AFOURなんですが、見た目はスニーカーなんだけど、生産工程は、レザーシューズそのもの。たまたま、出来上がったものにラバーのアウトソールが付いてるだけ。みたいな。
ロシアの小さなアトリエで、ウラジーミルさんを中心とした僅か数人でコツコツつくりあげるの。
一枚の革を一つずつのパーツで、裁断していき、入念に企画された設計通りに、きちんと時間をかけて少しずつ形にしていく。
それはそれは、とても手の込んだもので、僕の中でスニーカー世界王座決定戦で、ずっと一位に輝き続けてるの。
そのクオリティはもちろん、モノに対してのプライスや、耐久性、着用感。
一足に対して、かけられてる時間がすごい。
だから、これまではオーダーしても全然出来上がってこなかったんですが、中途半端なものをつくることは、日本でAFOURをハンドリングしている泉さんが絶対に許さない。
もともと高い腕を持ってたウラジーミルさんの技術も、日本の泉さんによって、激しく磨きがかけられ、その上で、手を尽くし、時間をかけて、とても丁寧につくられてるスニーカー。
それは、新品時にはもちろん、履き続けて、月日が経っても、シューズそのものがダメになってしまうことがない。
ずっと"自立し続けてる"。
シューズって体重ものしかかるし、熱も蒸気も摩擦もかかるから、負荷がかかってくるものなんですが、AFOURのスニーカーは、それに耐え、常に磨かれたクオリティを発揮し続けてくる。
"スニーカー"という枠組みの存在の中で、そこまでのレベルのものは、なかなかないんじゃないかと思う。
その分、アッパーの最初の反発感は、AFOURを持っていない人には、完全に未体験ゾーンだと思いますが、足に馴れれば、もの凄く歩けるし、使い続けられる。
スニーカーというものなのに、アッパーもソールも消耗してしまわない存在のもの。
そういうクオリティのシューズです。
だから、そのクオリティは、広く世界を見ても、僕の中では今現在、このレベルに勝るスニーカーは出てきていない。僕の中ではね。
まあ、見た目の好き嫌いは置いておいて、使ってもらえれば、誰もがそのクオリティに"感動・感激"してもらえると思いますよ。
当店でも取り扱いする洋服ブランドのデザイナーも、何人も履いて使ってくれてるし。
そういう意味では、プロが選ぶシューズでもありますね。
AFOUR。
それでね、今回は、当店で初めての展開となる"白いシューズ"です。
"白いAFOUR"。
2種類です。
今回は、AFOURの泉さんと細かいことをいろいろ話し合ってつくってもらったんですよ。
これまでは、過去に発売した当店の別注モデル以外は、比較的ダークトーンのものを中心に皆様にご覧頂いてきましたが、今回は当店では全く新しいものですね。
僕自身も白いスニーカーというのは、もともと好きなんですけどね、しかしながら、どうしても、白ベースのスニーカーは、真っ白でチープに見えてしまうものって多いじゃないですか。
アッパーが白の単色系であれば尚更そうだと思う。
それに、足元だけ浮いちゃうようなものとか、急にカジュアルになりすぎたり、反対に、ヤンキーっぽいお兄ちゃんが履いてるオラオラしてる感じになっちゃうものとか。
まあ、あんまり良いのないと思う。今って。そう感じてるんですよ。
だから、今回は、AFOURの泉さんと何ターンもして、ロシア本国のアトリエに籠ってひたすらにAFOURのシューズメイキングをしている職人のウラジーミルさんにも、何度もいろいろ試してもらって完成。
それが今回の2つの"白いシューズ"です。
AFOUR
Code White Craquelure Beige
color _ Craquelure Beige
size _ 40,41,42,43
まず、一つ目は、これ。
名前の通り、アッパーに"クラックレザー"を使用したシューズ。
ベースは、ナチュラルカラーのレザー。
その上に、顔料なんですが、特殊な塗料を塗り、クラックをつくり出したもの。
そういうこともあり、真っ白というわけではないですね。こちらは。
以前に、ブランドでは、クラックレザーを使用したものが存在したんですよ。
その時のものは、僕は実物を見てないんですが、グレーベースのレザーにクラッキングを起こさせたものだったそうです。
寒いロシアの流氷とか、自然界の氷が割れるようなイメージからつくってたクラックレザーだったみたい。
そして、今回のもの。
先述の通り、ベージュのようなナチュラルカラーのレザーにクラック。
これは、新品時の"ヒビ割れる"クラックを、ブランドで更に追い求めて完成させたレザー。
人工的で作為的なものではなく、時間を経て、自然に割れたかのような特有の見た目。
細かいクラックが、全体に入り、表面的ではない、奥の奥の奥の方まで感じられるテクスチャー。
それをシューズのアッパーで追い求め、形にしたもの。
このクラックレザーは、革生産の土壌がとても整ったイタリアでつくった革だそうです。
イタリアは、昔からレザー生産の本場ですからね。
意匠の凝った革の生産の土壌が出来上がってる。
だから、AFOURで求めている"クラックの質感"を見事に形にできた。
ただ、特殊レザーであるが故に、たくさんの生産が不可。
そのレザーで生産できるシューズの数量に限りがあった。
ですので、ブランドでつくることができるだけの革を全部使って、形にしてもらいました。
ただ、まあ、そうは言っても、全然多くはないですけどね。
しかも、40〜43までの4サイズで振り分けてるから。
この表面の革。
先述の通り、ナチュラルカラーの牛革ですね。ベースは。
そこに特殊な塗料。
人間が機械的にコンピューターでつくり出したものではなく、複雑で不規則なクラック。
意図的に狙っても、生み出すことができない質感。
それが全面に入ってる。
ベースのナチュラルカラーの上のホワイト。
このクラックは、使っていくとすぐに取れてしまうようなものではないので、全部がとれてしまうことはないですね。
最初は、指で触ると余分に乗ってるものだけ、少し指に付く感じはあるけど、簡単には取れない。
また、ペンキみたいにボロボロなるようなものでもないですね。
酷使して、履き続けて、よく擦れて当たる箇所から、ベースのレザーが少しずつ顔を覗かせてくる。
だから、履けば履くほどに表情が強くなってくるアッパーです。
新品から革の表面だけは、長い年月を過ごしてきたような見た目してるから、その上に、使うことによって履き皺や革の伸びが入ってくると、より一層の世界へ連れてってくれると思いますよ。
アウトソールについても、ウラジーミルさんと泉さんが何パターンもシュミレーションしてくれて、結果的には、あまりない配置、配色だけど、ベストバランスで出来上がったと思ってる。
ミッドソールはライトブラウン、アウトソールはホワイト。
アッパーのベースも、その上の特殊塗料も、どちらもの色とマッチングしてると思うし、誰が見てもフツーのスニーカーじゃないなっていうのは、すぐに察知してもらえる組み合わせだと思いますよ。
アウトソールは、SVIGのホワイトソールです。
こちらの靴底も、かなり摩擦に強いですね。
超安心のシロモノです。
内装には、AFOURでは標準仕様のきめ細かいレザーライニング。
摩擦に強いし、足あたりも文句ない。
インソールも同様です。
履き心地としては、AFOUR特有の超高反発。
この高い反発性能も非常に独特ですね。
足が全然疲れないから。
クラックレザーのモデルには、何とすごく丁寧にシューレースの替えが2種類付属します。
素材は、コットンシューレースですね。
履けば履くほど、使い続ければ使い続けるほど、見た目が少しずつ強い雰囲気になってくるAFOUR。
こういう、目に見えて変化するものが好きな方にとっては、履いて出掛けるという行為がどんどんポジティブに作用してくると思うから、臆することなくヘビーユースするのが一番ですね。
あとは、そうやって使ってもらうことによって、AFOURのシューズメイキングのレベルの高さをふんだんにご体感頂けると思いますよ。
サイズ選びに関しては、当店では、出来る限りジャストサイズで履いてもらうことをお勧めしてる。
もちろん、スニーカーの見た目してるということもあるし、シューレースでグッと縛ればサイズを上げても良いんですけどね。
でも、アッパーの革の伸びと、インソールの沈み込みがあるので、この品質を最大限に活かせるのはジャストサイズだと思ってる。
まあ、人によってはジャストサイズだと最初は痛いんですけどね。
僕も最初は、丸一日は履けない。
足の横幅がビックリするくらい広いから。笑
でも、馴染めばパラダイス。
履いてないよりも履いてる方が快適。
それはまさに良いシューズの証ですからね。
まあ、好きにサイズを選んでもらえれば良いですが。
AFOUR
Code White Beige Yarn
color _ Beige Yarn
size _ 40,41,42,43,44
そして、もう一つの白いシューズがこれ。
先ほどのクラックの方は、サイズは40〜43までの4サイズなのですが、こちらのモデルに関しては、オーダー時の自分自身が何を思ったか、40〜44までの5サイズでオーダーをしてた。笑
だから、こちらのモデルに限り、大きいサイズの選択肢が広いですね。笑
ご覧の通り、ホワイトレザーのアッパーのスニーカー。
アウトソールは、ガムソールタイプ。
いわゆる、"白いスニーカー"だ。
でもね、細かいことではあるんですけどね、AFOURの泉さんと僕が絶対に譲れなかったことがあるの。
それが、このシューズの名前にもある通り、
"縫い糸"。
つまりは、、、
ステッチのカラー。
ここは、非常に重要なポイントなのだ。
ほら。見て。
分かりますかね??
ステッチがアッパーと同じカラーリングじゃないの。
"ベージュ"なのだ。
これは、AFOURの泉さんは、とても厳密で細かい人なのですが、その泉さんがいつも感じてること、見てきてること、体験してることが現れてる。
僕はいつも思うんですが、AFOURのシューズには、泉さんが"宿ってる"。
すごく向き合って、真剣につくられてるシューズだから、その分、つくり手が濃厚に反映されてるんですよ。
当店でも、日頃お越し頂くお客様方の中で、お一人だけたまたまAFOURの泉さんに会ったことのある方がいるのですが、AFOURのシューズは、泉さんの"顔"をしてるんですよ。
それって僕は、すごく良いことだと思ってる。
モノがつくり手の顔を思い起こさせるほどには、なかなかなれないと思う。
そのレベルに達してるの。
そもそも、一般的には、シューズに限らず、服でも、生地や本体に対して、同色で縫い糸を持ってくるのが通例。
でも、白いシューズは、なかなか納得できるものがないのには、その部分が大きな問題点を占めてると思うんですよ。
もちろん、そもそものクオリティの問題もあるけど。
今回のAFOURのシューズは、アッパーとステッチの色を変えることによって、白いシューズが抱える"問題点"を解消できたと思ってる。
ただ、縫い糸が過剰に主張し過ぎるのはNGだし、スニーカー全体の印象を変えてくれるけど、馴染んでるということは重要項目だった。
だから、泉さんと長い時間話し合い、この結果に至った。電話で。
僕の中では、"静かな強さ"があることが大事だった。
"静寂な中での、強く、端正なムード"。
それを実現するために、泉さんが候補としてイメージする縫い糸を、アッパーに使うレザーに何種類も実際に縫って、その中からベストバランスをチョイス。
おかげさまで、言われないと気付かないけど、でも、同色ステッチだったら確実に出ないムードのシューズが出来上がったと思ってる。
少しだけ、パーツの輪郭が際立ち、陰影が強くなってる。
ちなみに、アッパーのレザーは、とても滑らかなカーフレザー。
インソールとライニングは、ナチュラルカラーのレザーです。
こことのマッチングも見事にいった。
どうですか??
静かに、強いでしょ。
シューレースは、最初に付いてるのは、ポリエステル製の膨らみがあるもの。
これは、確か日本に入ってきていないものらしくて、当店での別注のスニーカーをつくった際にも、このシューレースと同じものを付けてたんですよ。
僕は、このシューレースを見るまで、「靴紐はコットンだ」と思ってたけど、このシューレースを見た瞬間、あっさりとその考えを壊された。
結構気に入ってます。このシューレース。
ちなみに、ロウ引きコットンのシューレースも付属します。
ソールは、ミッドソールがホワイト。
アウトソールがガムソールタイプです。
こちらもSVIGのめちゃくちゃ耐久性が高いソール。
こちらは、履いていくと細かい履き皺が入る感じですね。
革質から考えると汚れが付きにくそうには思いますね。
ガラスレザーとまでは全然言わないですが、きめ細かく、透き通ったような、かなり高品質なレザーです。
これまで当店では、ダークトーンのものが中心のラインナップでしたが、AFOURが良いレベルのものをつくってくれたと思ってる。
AFOURの2つの白いシューズ。
見てもらえたら嬉しいです。
そして、AFOURシューズの超絶クオリティをご体感ください。