A.PRESSE 超絶加工
今日は、A.PRESSEについて紹介しますね。
A.PRESSEは、日本で、世界でもとてもズバ抜けてることがあると思ってるんですよ。
もちろん、日本のブランドではあるんですが、どこのドメスティックブランドと比べても僕は、No.1だと思ってること。
それが、
"加工"。
この加工とは、"製品加工"という後加工ということで、そこに関しては圧倒的に一番。
だから、まあ、時々インスタグラムとかで出てくるような、オススメのドメスティックブランドみたいな感じのに、その辺のドメスティックと一緒に出てるようなこととかもあるんですけどね、本当の中身を知れば全然違うことは一目瞭然。
これは、A.PRESSEの重松さんだからできること。絶対に。
フツーのブランドが同じようなことを目指したって、どれだけ才能があるデザイナーがそれを目指したって、これは現時点ではA.PRESSEには敵わないと思う。
僕も10年くらい前の学生時代に日本やアメリカのヴィンテージレプリカの業界でジーパンとか、そういうレプリカ系を販売してたことがあったり、デニムを主とする縫製の現場にいたことがあるんですけど、A.PRESSEのレベルまでやれてるブランドは、これまでに見たことがない。
しかもこのプライスゾーンで。
そりゃ、一点だけの完全ハンドでつくったもので10万円や20万円コースのデニムの製品加工をしてるものだったら、中には匹敵するものがあるかもしれないですけどね。
まあ、もはやそうなってくるともう一発お金出して、オリジナルにするよ。って感じだと思うし、そういう一点モノ系が自分のとこに回ってくるチャンスもそうそうないと思う。
そういうレベルのものをA.PRESSEは、本製品で大量ではないけど、量産してることがまずヤバい。
重松さんの話を聞いてると製品化するまでに無茶苦茶なコストと労力をかけてるから、これはフツーはできないな。って思っちゃいますよ。
だから、こうやって、そういうクオリティのものが製品化されて皆様の手に渡る可能性があることは、とても素晴らしいことだと思う。
まあ、全ての商品にマキシマムが設定されて、流通コントロールがされてるから希望してもらえる全員の方にお渡しすることは難しいんですけどね。
今日は、4種類を少し紹介しますね。
A.PREESE
Washed Denim Wide Pants
material _ COTTON 100%
color _ INDIGO
size _ 30,32,34,36,38
まず、これ。
501XXをモチーフにしたもの。
この加工、ホンッッット、、
ヤバヤバ。
このフロント。
もう、これを見た時点で、もはや謎に状態がめちゃめちゃ良い当時モノ。
そういう見た目してる。
特に、オリジナルを知ってたり、持ってたりする方ならこの写真だけで一発でレベルが感じてもらえると思います。
ディテールを紹介しますね。
ステッチは、イエローとオレンジの色糸が混在してる。
そして、スレキ(ポケット袋布)も生地染めでベージュに染色されてる。
で、バックポケットは、隠しカンドメと隠しリベット。
色合いのコントラスト、バックポケットの補強、色糸使い、デニムのカラーリング、全てが70年前の時間を経てる見た目。
ボタンフライのタックボタンは、加工に耐えるために後付け仕様ですが、XXディテールのウエスト帯からトップボタンに向かう"Vステッチ"は、当然に健在。
ちゃんとイエローステッチで。
ウエスト帯のパッカリングの当たりの走り方、コインポケット、サイドポッケの当たり、見た目、ステッチカラーの配色。
XXと一緒。
XX特有のコインポケット裏のセルヴィッチ。
とここまでは手が回ってるものはあるけど、意外と最近あんまり見ないのが、ベルトループ。
ベルトループに走るダブルステッチの真ん中、ベルトループの中心が盛り上がった"中高"仕様。
これは、当時、ベルトループが擦れて、ベルトループを構成してるステッチが擦り切れてしまわないようにするための仕様だったかな?
忘れたけど。そんな感じ。
それも忠実に再現してる。
昔の人は、服を細かく工夫したものですね。
バック。
先述の通り、隠しリベット・カンドメの仕様なので、表からのポケット口には、カンドメもリベットも見えないように隠されてますね。
僕は、縫製工場にいた時に、製品染めのジーパンだったんでね、ホワイトのデニムだったんですが、この隠しリベットとカンドメの取り付けを表裏逆に取り付けちゃったことがあったんですよ。
そうなるともう、ポケットを取り外して、付け直すのは大変。
縫製ラインは滞るし、運針が細かいガチガチのカンドメの糸を解いていかなきゃいけないし、リベットとか力技で外さなきゃいけないし、めっちゃ怒られるしで、落ち込んで一生懸命に隠しリベットとカンドメを外して、付け直したことがあった20代前半。
オリジナルのXXは、短かったんですっけね?
それも再現してる。
サイドポケットの横の後身頃側に入る、クインチステッチ。サイドステッチとも言うけど。
アウトシーム側は、当然セルヴィッチ。
で、裾チェーン。
反対にインシームは、インターロック。
右からオレンジ、イエロー、ホワイトの三色の色糸で構成されてる。
まあ、裾がチェーンステッチだから、当然、特有のパッカリングが生まれるのですが、裾のチェーンの入れ方も、幅がオリジナルXXと同じ。
裾端から8mmのところにチェーンステッチが入る。
これが意外と1cmのところにステッチを入れてしまうようなブランドも見たことがあったから、やっぱり忠実にするなら8mmですよ。
きちんと開いたサイドのセルヴィッチ。
それにより、好きな方は好きなアタリが出てる。僕は、やっぱりこのアウトシームの耳のアタリが好きなんですよ。
で、さっきから既に好きな方は、気付いていたと思うんですが、この生地の色の落ち方。
これは絶対に501XXをカンペキに狙わないと生み出せない。
"面"ではなく、"点"で落ちるダブルエックス。
やっぱオーラ違うわ。
岡山で生地つくって、岡山で縫製して、岡山で加工してると思うんだけど、やっぱりクオリティすごいですよ。
ちなみに、縫製糸は、確かコアスパンだったと思う。
随所の巻き縫いも当然のように、地縫いなしの巻き縫いですから。
文句なし。
それでこのプライス。
これは、
マジで、、、
絶対に、、、、
他にない。
余裕で断言できる。
まあ、より詳しい、いわゆるジーパンウンチク系を紹介しようと思ったらいくらでもあるんですけどね、これに関しては501XXとディテールが同じだから、これを機にXXのことを見てみたら良いかも。
そうするとA.PRESSEのディテールも分かるから。
このジーパンに関しては、ブランドで設定されたオーダーマキシマム数量で取り扱っているのですが、何せサイズが5サイズ展開なものだから、どうサイズを振り分けるかが大変でしたね。
だから、オーダー時の僕の謎理論でのサイズ振り分けにしています。
この振り分けが正解であることを明日から願っています。
A.PREESE
Washed Denim Pants
material _ COTTON 100%
color _ ECRU
size _ 30,32,34,36
次はこれ。
A.PRESSEでは、今回のシーズンは、大きく分けてジーパン系のものが3種類あるのですが、さっきのXXモデルが一番太いもので、これが真ん中に相当する太さのものです。
で、こちらに関しては異常に写真では伝わり辛いです。残念なことに。
実物の迫力が90%ダウンしてるって思って。
だから、ある意味、心して見て。写真。
もはやただの白いデニムに見えるけど、実物は全然違います。
全然。
こちらに関してもやはり"加工"がパネェ。
分かりますかね??
この、汚れを再現した加工。
A.PRESSEの全ての洋服は、実際に重松さんが何着も山のように持ってるヴィンテージや古着からとってきてる、"実際に存在する"ものの加工です。
この生地はとても綾織りの組織の目が立ってるんですが、それに加えてこの加工がむちゃくちゃな程にバツグンなの。
確か、このECRUの他にINDIGOとBLACKで同じシリーズがあるけど、僕は3つのバリエーションの中で、このECRUだけ別ジャンルの雰囲気を感じた。
だから、ECRUのみの展開です。
こちらは、さっきのXXとは違い、バックポケットに隠しリベットは入りません。
時代を忠実に。
ご覧のようにボタンフライですが、ウエストベルトのVステッチも同様になし。
でも、裾はちゃんとチェーン。
アウトシームは割りオーバー、インシームはインターロックです。
隠しリベットがないから、気持ちフラットなポケット口の両端。
写真じゃあまりにも加工の雰囲気が出てないから、自分でも驚愕してるんですが、実物は良い感じです。
僕は、このパンツに関しては、古いものを再現してるっていうよりも、ニューヨークのマイナーだけど、ハンドで色々と加工をしてるようなデザイナーズブランドみたいな感覚で捉えてる。
そういうムードが醸し出されてると思ってる。
このパンツをたくさん穿いて、もう少し加工感欲しいなって思ったら、自分でバーナーで炙っても良いかも。
上手くいけば、そういうのも似合いそうだなって感じ。
失敗したら黒焦げになると思うけど。笑
A.PREESE
3rd Type Jacket
material _ COTTON 100%
color _ ECRU
size _ 44,46,48
そして、次はこれ。
さっきのECRUのデニムと同じようなカラーリングに見えるけど、ほんの僅かに違う。
これも加工。
先ほど同様に綾の組織の目がしっかりと立った生地なのですが、まず生地の段階で僅かに、僅かに、僅かに、ベージュに染めてる。
これは重松さんの理想を追求した生地の色合い。
そして、裁断、縫製。
最後に製品加工。
このジャケットも、この写真では加工の迫力が大幅に激減してるから、愕然としてるんだけど、実物は迫力ありますよ。
形の追求もされてるから、形の面でのオリジナルからの改善はされてるんですが、ディテールはかなりオリジナル。
縫製も、随所に地縫いのない巻き縫いがきちんと施されていますね。
超絶細かい汚しの加工。
これは手作業での加工なのですが、全製品に同じように施されてる。
袖口には比較的強めに入りますね。
あと、衿。
首元の黄ばんだ汚れを再現してる。
しかも、分かるか分からないか程度とかじゃなく、しっかり汚れてる。笑
こういうの好きな方には良いかも。
A.PREESE
Vintage US ARMY Chino Trousers
material _ COTTON 100%
color _ BEIGE
size _ 1,2
最後にこれ。
いわゆる"41カーキ"のモデルです。
男らしいブランドでは、結構41カーキってあるじゃないですか。
でもね、これは、、、
全然違う。
見た目とは裏腹な、超絶加工がされてるの。
幾度となくセンタープレスを加えられ、何年も着用されたような時間を途轍もなく再現してる。
日焼け、汚れ、プレスのアタリ。
そのどれもを再現するための超加工。
誰もが驚きを隠せない生地タッチしてると思いますよ。
フロントは古いベークライトボタンが焼けたようなもの。
コインポッケも極細玉縁で配置。
オリジナルと同様にウエストベルトのない仕様。
で、細い両玉縁の内蔵型ポケット。
そして、所有者が夥しい数のセンタープレスを施していた痕跡を感じるバッキバキのプレス痕。
この生地は、元生地にハケで樹脂を何度も塗り、その後、洗い。
そして、スプレーで吹き付け、アイロンでコテ焼き。
更に、その後に樹脂を塗る。
最後に洗いをかけるという何度も繰り返し、加工を行った生地。
それゆえの滅多に出会えない生地タッチをしてる。
これは見た目と触った時のギャップがあり過ぎる。笑
そういう生地ですね。
だから、既に時代を経たような現段階の新品の状態でも、この先にすごいことが待ってそうな41カーキです。
形は、ズドン。
まあ、これに関しても実物の生地の圧倒感に期待してください。
全て、23日(土)より発売しますね。
4種類のA.PRESSEの超絶加工を体験してみて。