こんにちは。
CASANOVA&COの野口です。
1月18日からスタートするイベントで当店でのお披露目となる、”WONDER ROOM”。
今日は、先日に引き続きWONDER ROOMで展開される4つのシリーズをそれぞれご紹介させてください。
4つのシリーズは、それぞれ、
・WHALE
・FRIEND
・SHADOW
・WAFFLE
というもの。
届いているもののラインナップと合わせて、順番に紹介させていただきます。
【WHALE】
”100年以上歴史を持つ工場で、一子相伝で受け継がれた機械と技術でのみ表現出来る生地。
約80年前に導入した45号機は、他の工場が使う量産機とは全く異なる。
この機械でのみ表現出来る糸と度目の詰め方のバランスは、他の工場では表現出来ない圧倒的な密度と柔らかさを兼ね備えた表現が出来る。
それは裏の端正な美しさにも表れており、1時間に30cmしか編むことが出来ない不器用な生地は、皮膚を通して伝わる温もりで体感して頂きたい。”
※ブランド公式ステイトメントより引用
WONDER ROOM
”WHALE” Atozuke Hoodie
color _ black
size _ S,M,L
WONDER ROOM
”WHALE” Sweat Slacks
color _ black
size _ S,M,L
イベント時にはAtozuke HoodieとSweat Slacksの別色であるsarashiのホワイトと、クルーネックタイプのスウェットも両色でご覧いただけます。
まだ届いてないので写真はないのですが、、、
上記のアイテムは全てスウェット生地を使っておりますが、WHALEには実はもう一つアルティメイトピマを超度詰した鬼マニアックカットソー生地が存在しているのですが、こちらも届いておらず、どちらかというとWHALEの中ではスウェット生地の方がメインなので、そちらは気にしていただける方には店頭でお話しさせていただきます。
話をAtozuke HoodieとSweat Slacksに戻します。
いわゆる吊り編みのスウェット生地なのですが、一般的な吊り編みとは、もう何もかもが違う。
でも、本当はこれこそが真の”吊り編み”なのだと思う。
世の中では、吊り編みというプロセスに価値があるという漠然とした印象を持っている人が多いと思います。
我々セレクトショップの販売員もスウェットの説明をするときには「これ吊り編みなんですー」って言ってしまいがちですしね。
本来は確かに価値あるプロセスだったはずの”吊り編み”が、世の中で語られていく中でその価値が形骸化されてしまっているのが現状なのではないでしょうか。
そこに対して、WONDER ROOMでは他の編み機を使ったり別のプロセスに置き換えることなく、
”吊り編み”で”吊り編み”の真の価値に迫った。
それがこのWHALEというシリーズ。だと僕は思う。
むちゃくちゃ真っ向勝負してますよね。
そして、その結果として生み出されているものは、ホントにすごい。
「これが吊り編みなんだ」って初めて気付かされた。
超特殊な機械と技術なので他の誰かが真似できることではないのですが、これが”吊り編み”の価値を極めて行った先にあるものなんだと思います。
公式の文章にもあるとおり、45号機という機械を使っているそうですが、現存する吊り編み機とは全く異なる機械だそうです。
水曜か木曜くらいに公開するブログにて、生地開発を担当する圍さんに45号機の話も伺ったのですが、とにかく不器用な機械だし、操る職人さんも”その人”じゃないともう無理なんだって。
でもそれによって、限界まで超高密度なのにエアリーなタッチを実現できる。
普通なら度目を詰めたらガチガチに硬くなりますからね。
生地のオモテ面。
見るからにギュンギュンに糸が詰まってて、糸もめちゃくちゃ引き締まってて艶がある。
そして生地のウラ。
裏っ返して使っても大丈夫なくらい、裏毛がキレイに整列してます。
こんなにキレイな裏毛見たことない。
45号機によってMAXまで引き上げられた密度と、職人さんの几帳面で丁寧なものづくりが融合した最高レベルの吊り編み。
このオモテとウラを見るだけでも、生地の持つパワーが伝わってくると思います。が、着て洗ってを繰り返してくともっと最高で、優しさが溢れてくるんです。
僕はこの1ヶ月半ほどAtozuke Hoodieをほぼ毎日のように着ているのですが、どんどんエアリーさが増して、新品の時よりも着心地が軽くなりました。
縫製もすごく真面目でいい意味で硬い縫製だと思うので、ガシガシ着ることへの不安感はゼロ。
このパワーのある生地を活かすために、形はシンプルな範疇に留めながら各所の分量を緻密に計算したパターンで、日常の中で無理なく着ていただける静かな強さがあります。
とにかく日常で着る上で最高のスウェット生地だし、強い洋服に合わせても負けない生地のパワーがある。
5年後10年後にWONDER ROOMが語られる際には「デビューの時のWHALEはヤバかったよね」と伝説になってしまうんじゃないかと思うほどに、再現性が低く、吊り編みという既存のプロセスに対して勝負を挑んだシリーズだと、僕は思います。
ちなみに、なぜWHALE=”クジラ”というシリーズ名なのか、というと、
クジラを食べる文化がある日本ですが、かつてはクジラが獲れるということはとても珍しいことだったそうです。
そんなクジラを食べることができるというのはとても幸福なことで、クジラが水揚げされると、その村中の人々にお裾分けをして回ったそう。
つまり”幸福のお裾分け”。
WHALEの生地は他の誰にも作ることができない貴重なもので、着る人に優しさを感じさせるものだからこそ、”お裾分け”したい。
そんな思いで名付けられたそうです。
ぜひそのお裾分けを受け取って、WHALEに驚いてください。
【FRIEND】
” 世界的なメゾンを納得させた着心地を実現する生地を開発、
機械は海外から輸入した機械をベースに、
この機械でのみ表現出来る、
それは、表、中、
※ブランド公式ステイトメントより引用
WONDER ROOM
”FRIEND” Crewneck Sweat Shirt
color _ black
size _ S,M,L
WONDER ROOM
”FRIEND” Crewneck Sweat Shirt
color _ black
size _ S,M,L
WHALEと比較すると、厚みが抑えられ通年で着用しやすいスウェット生地のFRIEND。
ただ、生産背景もプロセスも全く異なるものです。
さらにそのプロセス、というか発想がヤバい。
驚きと発見の連続。
これがFRIENDのオモテ。
これだけ見るとWHALEとの違いが分かりにくいと思いますが、WHALEよりも密度も糸質もふんわりしているのがわかりますかね?
そもそもWONDER ROOMでは、シリーズごとはもちろん、ひとつの生地の中でも上糸と中糸と下糸を全て異なる糸にしています。
それはとにかく検証を繰り返しまくって、着心地を追求し続けた先に辿り着いた結論。
なので、このFRIENDでも当たり前のようにそれぞれの糸は、それぞれに適した番手や撚糸回数に調整されています。
ただし、FRIENDでヤバいのはここから。
このFRIENDは”ジャガード編み機”で作られているということ。
???
と思った皆様、そうですよね。
一般的にジャガード編みは、柄出しをするために用いられるのが普通。
実際にFRIENDをつくる工場さんも、同じジャガード編み機で某メゾンブランドのシグネチャー柄のニットとかを担当しいているらしいですし。
なのにこのFRIENDの生地、どこをどう見ても無地。
どういうことなのか。
ジャガード編み機では先述の通り柄をコントロールして表現することができます。
すると、オモテに柄を出すために、ウラではそれに応じた”糸の飛び”が生まれるわけです。
今回WONDER ROOMが着眼したのはここ。
FRIENDでは、ウラの糸の飛びを”肌に触れた時に最も着心地が良くなるように”逆算して、表を無地の状態で設計している。
一般的なジャガード編みの考え方とは完全に逆のアプローチ。
唯一無二の考え方だと思いますよ。
これがそのFRIENDのウラ。
先ほどのWHALEとは全く違う。
撚糸も少し甘めでふっくらした糸がパイルみたいに飛んでいます。
この糸の飛び方をとにかく追求して、試行錯誤。
さらに適した糸質や撚糸回数も徹底的にテスト。
そうして生み出されたこのFRIEND、肌に触れた時にはホントに最高です。
伸縮性にも富んでいるし、生地の表面はWHALEよりもしっとりした艶があってかなり高級感がある。
WHALEが製品染めなのに対して、FRIENDは生地染めなので、褪色してくことも考えにくいと思います。
とにかく1年を通して着ていくには最高のシリーズだと思います。
ということで、通年使えるクルーネックと夏用のハーフパンツの2種類をメインでオーダーしましたが、イベント時にはまた別のラインナップもご用意いたします。
どうやらWONDER ROOMチームが、展示会の時にはなかった形を作ってくれているらしい...
僕も楽しみ。
【SHADOW】
” 世界的なメゾンを納得させた着心地を実現する生地を開発、
糸の凹凸を作ることが出来る機械を開発し、使用。
この、アブストラクトアートを彷彿とさせる生地は、日常に、
※ブランド公式ステイトメントより引用
WONDER ROOM
”SHADOW” L/S Crewneck Tee
color _ olive
size _ S,M,L
WONDER ROOM
”SHADOW” L/S Crewneck Tee
color _ v.Gray
size _ S,M,L
WONDER ROOM
”SHADOW” S/S Crewneck Tee
color _ olive
size _ S,M,L
WONDER ROOM
”SHADOW” L/S Crewneck Tee
color _ v.Gray
size _ S,M,L
先ほどまでのWHALEやFRIENDと違い、SHADOWは長袖Tシャツと半袖Tシャツを展開するシリーズ。
このSHADOWも、WONDER ROOMならではのものつくりへの追求心が注ぎ込まれた洋服です。
生地開発を行う圍さんによると、本来スラブというものは糸のクオリティが安定しない安価なものに対して、それを風合いとして表現するために生まれた技法だそう。
つまり、既存のスラブ糸には上質な原綿を使用した高価なものは存在しないそうです。
そこでWONDER ROOMは、このSHADOWにおいて最高級のスラブ糸づくりからスタート。
さらに紡績の際に、糸の太さに強弱をつける為の機械を、機械ごと開発したそう。
この機械がどんなふうに作用しているのかはちょっとお話しできないのですが...
ただ、完全にオリジナルな方法で、世の中に存在しないクオリティのスラブ糸をつくったということは確か。
その糸で超度詰にして編みあげたのが、このSHADOW。
横方向に筋が走ったように凹凸があるのが特徴です。
高密度ゆえのハリもあるし、このスラブ調の横筋もハリをもたらしてくれて、着た時のフォルムは体から浮いたように綺麗に出る。
先ほどのハンギングしてあるだけの写真でも、服が横に張ろうとしている力が見えると思います。
ゴワゴワの激重天竺とかじゃないですからね。
SHADOWのしなやかさとウェイトで、このハリ感は凄い。
形はシンプルに見えますが、袖付けとかはS字にカーブしていてかなり独特なパターン。
生地のニュアンスと特性を生かすための、過剰にならないデザインがWONDER ROOMの4つのシリーズでは共通しています。
春や夏にもシャツを着るスタイルの方にも、1枚で着てみてほしい。
納得していただけるような生地と、それを活かす設計がされていると思います。
【WAFFLE】
” 世界的なメゾンを納得させた着心地を実現する生地を開発、
理想のワッフルとは、表面にしっかりとした凹凸感を出しつつ、
機械は、海外から輸入した吊りでもなく、
糸の種類、太さ、
それは、利便性の追求と共に失われてきた、
※ブランド公式ステイトメントより引用
大変申し訳ないのですが、WAFFLEシリーズは届くのが間に合わなくて写真が用意できませんでした。。。
また後日どこかで見ていただける機会を作ろうと思っているので、その時に答え合わせをしてください。
WAFFLEではシリーズ名の通りワッフル生地のカットソーをつくっています。
が、これも超WONDER ROOMクオリティ。
生地開発を担当する圍さんは個人的にワッフルが大好きだそう。
あまりに好きが高じて、今までに世の中に存在するコットンのほとんどでワッフルをつくってみたことがあるそう。笑
さらには、単糸なのか双糸なのか、はたまた引き揃えなのかなども徹底的に試し尽くしたたとのこと。
ヤバすぎる。。。
そんな夥しい回数の試行錯誤の結果を踏まえて生まれたのが、WONDER ROOMのWAFFLE。
ただ、それだけにとどまらず、ここからは洗濯のテスト。
とにかく耐久性と着心地を両立するために糸質から追求しているからこそ、その結果としてどれだけの洗濯に耐えることができるのかも実験しなければならなかった。
結果、300回以上洗ったところで、先にリブが崩壊したそう。笑
そこで、「これではいけない!」と、リブだけ別の会社に依頼。
聞いたところによると、”某ブランドのMA-1のリブ”だけを作っている超専門的な会社さんだそうです...
そうしてボディのワッフルに負けない最高のリブが装備され、WAFFLEが完成。
とにかく耐久性と着心地、そしてキックバックに優れていて、何回着ても洗ってもびくともしない。
それでいて最も肌に近いところで優しく体を包んでくれる。
WONDER ROOMチームの執念にも似た徹底的な追求と優しさに溢れたシリーズです。
長くなってしまいましたが、以上がWONDER ROOMを構成する4つのシリーズとなります。
4シリーズ全て、突き詰められた生地開発と、それを活かすための微細なバランス感覚に優れたデザイン。
そしてそのような洋服からしか感じることのできない優しさ。
これがWONDER ROOMです。
気にしていただける方は楽しみにしていてください。
水曜日と木曜日には、WONDER ROOMチームの3名との対談を掲載する予定です。