今日は、AFOURを紹介します。
現状の予定では、この//subjunctionというブログは、今日紹介するAFOURと、あとは最後にAraki Yuuかな。
Araki Yuuは、まだ納品されていないけど。
納品内容は、4B jerkin jacketとknicker bockers、そしてスカーフを予定しています。
今回を含め、その2回で終了予定です。
ちなみに、最近は連絡を頂けますが、僕は12月25日(水)以外は、1月5日まで店頭にいる予定です。
あと、そうそう。
ご覧頂けた方はいるかもしれませんが、"山内"のオフィシャルYouTubeがあるのですが、そこで"山内"の山内さんと対談をさせてもらいました。
これまで、"縫製の神"という山下 葉子さんや、葛利毛織の葛谷さん、泥染めを行なう奄美大島の肥後染色の山元さんという、その道のエキスパートの方々が登場しているYouTubeです。
僭越ながら、山内を販売してきた販売員として出させて頂きましたので、年末年始にゆっくりされる方は見てみてください。
そして、今日は"AFOUR"を紹介します。
現状では、ロシア情勢の影響がとても大きく、思うようなサイクルで靴づくりができない中、現状の出来得るベストを尽くしているAFOUR。
ですが、シューズブランドとして、日本で展開する1stシーズンから一緒にやってきたブランド。
"スニーカー"の見た目をしてるけど、効率的にどんどん量産できる生産方式ではなく、ロシアの小さな工房でつくっているというAFOUR。
どれほど小さな規模の工房なのかは、直接見たことないから、よく分かりませんが、通常のスニーカーであれば、ある程度の大きな生産設備が必要なもの。
でも、AFOURは、そうじゃなくて小さな工房で、革も手裁断で一枚裁ちだし、限りなくベンチメイド方式でつくられるシューズ。
上記のような生産方式をとっている分、もともとが誰もが想像できるような限られた生産量。
その上、そのような生産効率の中で、引き起こされた戦争。
だから、ブランドのシューズメイキングとしては非常に苦しい中で、先述の通り、できる限りのベストを尽くして、靴に注いでる。
そのような中で、今回は、2種類のAFOURのシューズを用意できました。
1つは"別注"で、1つはコレクションのもの。
その"別注"は、僕自身がCASANOVA&COで行なう最後の別注です。
こう見えて、僕は"アンチ別注派"の考え方なのですが、8年以上、いろんなブランドと別注を行なってきました。笑
"アンチ別注派"と言っておきながら、結構な数の別注を行なってきましたが、その理由は、自分の中でちゃんとあるんですよ。笑
まあ、そういうことは置いておいて、これがそれ。
AFOUR × CASANOVA&CO
Code Matt Burgundy
material _ Oiled Nubuck
size _ 40,41,42,43,44
これ。
今回、僕の主題は、"赤い靴をつくりたい"、"赤い靴を履きたい"ということ。
だから、AFOURに赤い靴をつくりたいと依頼したものが今回の。
その理由は、赤系のシューズってことごとく、心惹かれるものに出会えないから。
しかも、そういう赤、つまりバーガンディーのようなカラーリングをメインとしたスニーカーは、一般的なスポーツブランドでも売れ残ってるような印象がある。
あまり主流ではないんだろうなとは思うけど、でも、僕は、こういうトーンのスニーカーが欲しかった。
ただね、フツーにつくるとカジュアルなスニーカーとなってしまい、スポーツブランドのようなものになってしまうと思うし、洋服の感覚値が高い方に向けて選んでもらえるようなものはできないだろうなって思ってた。
そして、僕がなんとなく頭の中で描く"完成像を実現できるのは、AFOURだけ"だと思ってたし、AFOURが誇るクオリティであれば、単なるカジュアル感からも脱したような"高級さ"と"独特のムードが漂う"シューズができるのではないかと思ったの。
だから、今年の1月〜3月にかけて、ブランドと何度も何度も話をして出来上がったのが、これ。
※この写真は、全体がちょっと明るく写ってます
先述の通り、"スニーカー界"においては、バーガンディーやブラウンなどの暖色系のダークトーンのものって主流ではないんだと思うから、捉え方によってはそれなりにクセがあるものだと思う。
でも、僕が「AFOURとつくる赤い靴」と思って、ブランドの持つノウハウを活かす仕様や、自分のイメージする完成像を、具現化するために、何周も何周も考えて、それをブランドにぶつけて出来上がったもの。
自分の中で、このシューズのポイントは大きく3つ。
・色合いは、バーガンディーであるが、革質の力を借りて、"カジュアル感があるスニーカー"という枠組みから、できる限り格上げすること。
・シューズでも、洋服でも生産面で難易度が高い、"配色ステッチ"にすることで、シューズを構成するパーツのエッジを際立たせ、輪郭を強くすること。
・"配色ステッチ"でも、整った見た目にするため、シューズのそれぞれのパーツで整合性を持たせること。
ということに重点を置いて、自分なりに考えた。
上記のように、僕が"シューズの見た目"だけしか考えなくて良かったのは、AFOURのシューズのクオリティには絶大な信頼をしてるから。
これまで過去のブログでも何度も書いてきたけど、AFOURは、
"スニーカー = 履き潰すもの"
という元来の考えを覆す。
何年も何年も履き続けても、シューズが潰れてしまうことなく、重力に逆らうように"自立し続ける"し、その他のスニーカーブランドでは難しい"ソール修理"だけではなく、"オールソール交換"さえもできるのだ。
その上、手にしたシューズが馴染みさえすれば、超ストレスフリーであり、"靴という道具"として考えると、その性能がとても研ぎ澄まされている。
日頃から、交通手段が電車移動などで、歩くことが多い方にはもちろん、普段は車移動の方でも、どこか旅行や外出に出かけた際、日頃よりも大幅に歩く距離が長くなる日には、このAFOURが誇る、"靴としてのクオリティ"は存分に体感してもらえると思う。
しかも、それが、新品だけではなく、手にして何年か時間が経った後でも、変わらない品質レベルなのである。
そのことを自分自身でも、これまで何年も体感してきたから、あとは、"どうバーガンディーを仕上げるか"ということをずっと考えてたの。
足の甲を覆うアッパー、この箇所の革質で見た目が大きく左右される。
アッパーの革は、初期からAFOURをご存知の方には分かって頂けるかもしれませんが、"オイルドヌバック"というレザー。
スウェードよりも、毛足が短く、非常にキメ細かいヌバックレザーにオイルを塗り込み、特有のマットな質感がありながらも、革の奥の奥の奥から、ツヤが出ているかなり特徴的なもの。
これまでブランドでは、"Code Matt Black"というので、黒いものは登場してたけど、もちろん今回の色合いは初めて。
この"オイルドヌバックレザー"をアッパーの大部分と、ヒールのパッチに色合いを変えて使うことによって、独特な色ムラと質感を存分に感じられるのではないかと思った。
先述のように、当初から"赤い靴"と思っていたのですが、最初からオイルドヌバックを使用することを考えてたのではなかったの。
AFOURが持つ"ブランドの引き出し"をかなりのバリエーション見せてもらい、その中で、自分が考えるベストを追究した結果、"ブランドの礎であるオイルドヌバック"に導かれたの。
シューズのソールは、ベージュのミッドソールに、SVIGガムソールが配置されるのを当初から思い描いてた。
その理由は、真っ白や、ブラックのソールではなく、AFOURのベージュのソールというのは、時代の流れを全然感じさせないソールだと僕は感じてるから。
そして、その"ソールの色合い"と"アッパーのバーガンディー"を自然に繋げるために、ヒールには"ナチュラルカラーのオイルドヌバック"を配置した。
また、そのヒールのオイルドヌバックレザーを縫うための"ベージュのステッチ"を全体に用いて、 大部分を"配色ステッチ"にすることで、先述の通り、
シューズを構成するパーツのエッジを際立たせ、輪郭を強くすること。
と
シューズのパーツで整合性を持たせること。
の要素を成立させることを考えた。
特徴的なレザーの質感と、自然な色ムラ。
非常に深いところから発色されてるバーガンディー。
そして、シューレースは2種類。
一つは、上の写真の生成りのシューレース。
生成りは、シューズのライニングとの親和性を持たせる。
もう一つがベージュ。
これは、アッパーを縫うステッチと同じ色合いのものである。
こちらのベージュも悪くはないと思うけど、僕は生成りのシューレースを付属させるのがとても好き。
既にAFOURのシューズをお持ちの方には、分かって頂けると思いますが、スニーカーとは思えない程、最初はとても硬い履き心地。
超高反発なのが、Codeというモデルの特徴でもある。
これが長時間の使用、長距離での歩行でも、モーマンタイに疲れ知らずで使い続けられる理由。
まあ、それなりに特徴的な見た目のシューズが完成したと思いますが、同じようなバーガンディーとか、赤っぽいスニーカーを探しても、これ以上のものはなかなか見つけられないんじゃないかと思います。
やはりAFOURクオリティですからね。
実物はかなりレベル高いと思う。
どうやって履こうかとか、パンツの組み合わせとかは、手にして頂けた方の好きなようにして頂くのがベストですが、僕が常に頭の中に入れていたのが、
"強い洋服に負けない"ということ。
良い洋服を着ていても、"どんな靴を履くのか"ということで、自分では全然そんなつもりじゃなくても"外し(ハズし)"のようになってしまうスニーカーって多いと思う。
だから、僕がずっと考えてたのが、クオリティでも、見た目でも、"外し"にならないシューズを。
ということ。
少し前に、このブログでも、店のインスタグラムでも、Isabella Stefanelliのパンツを履いて、今回のAFOURのシューズサンプルを履いてる写真や、COTTLEのLEAF VEINのパンツと組み合わせてるのを掲載したような気がするんですけど、僕としてはそういうイメージです。
あとは、今シーズンは取り扱いしていないんだけど、toogoodのムードもとってもピカイチにバツグンだと思ってるし、とにかく素材が上質なものであればあるほどに、際立ってくるシューズが出来てると思ってる。
ですので、バーガンディーの色合いが苦手じゃない人は、是非見てみてもらえると嬉しいです。
そして、もう一つは、コレクションより。
AFOUR
Code DS Black
material _ Deerskin
size _ 40,41,42,43,44
これ。
スニーカーモデル、Codeのブラックカラーにこれまでなかったレザーが登場。
アメリカ原産のものだそうですが、ディアスキン。
テクスチャーの威力が増す、鹿革特有のシボ、そして、圧倒的なツヤ。
あまりにも高級レザーであるため、アッパーが水に濡れたかのように光ってる。
誰がどこをどう見ても高級スニーカーである。
こちらのCode DS Blackは、見た目の重厚感はあるのですが、実物は、すごい。
"軽く"、"丈夫で"、"柔らかい"。
この圧倒的な履きやすさにつながる機能を持つアッパー。
これには驚いてもらえると思いますよ。
それに水に濡れたりしても、全然気にならないんじゃないかと思ってる。
久しぶりに登場をした"黒いAFOUR"のシューズ。
これまでよりも一層の高級感と、シューズとしてのレベルアップがされてるものだから、こちらも見てみて。
また、今日紹介した2つのシューズですが、どちらもメンズサイズのみとなります。
サイズ40〜44の取り扱いです。
サイズ40は、大体25.5cm前後です。
僕は足の実寸が24.4cmですが、足の横幅が広いので40でベスト。
僕のサイズを男性の最小サイズと設定しているので、40〜44の展開で日本人男性であればほとんどの方に選んで頂けると思います。
サイズ41で26.5cm相当、サイズ42で27cm相当、サイズ43で27.5cm相当、サイズ44で28.5cmに相当するサイズです。
スニーカーとして、少し大きめに履くのも良いとは思いますが、インソールの沈みや、アッパーの伸びに伴い、必ずサイズの余白は出てくるので、僕は大きめよりも、なるべくジャストサイズで選んで頂くのがベストと思っています。
僕もバイヤーとしてやってきて、これほどにまで手を入れられた、クオリティの高いスニーカーはAFOUR以外には存在しないと思ってるから、お好きな方にはご検討を頂けると幸いです。