こんにちは。
CASANOVA&COの中山です。
現在CASANOVA&COの店頭はDAN TOMIMATSUのオーダーイベントを開催中。
当店としても数年間、この時期に開催させて頂いていることもありお客様の中には「今年もこの時期が来たか」と風物詩的に感じていただける方もいらっしゃるのではないでしょうか。
気づけばあっという間に過ぎていく時間をふと感じさせてくれる行事や季節を象徴とする自然の変化はなんとも心が動いてしまうものがあるように思います。
洋服がお好きな皆様からするとシーズンの立ち上がりの時期なんかはまさにではないでしょうか。
かくいう僕もその1人です。
徐々に店頭がシーズンの洋服たちで埋まっていく時はとても高揚するものです。
そんな中で、個人的に今年も来たかと特に思い入れがある洋服がタイトルにもあるブランド。
FAUVES
の、
HOPSACKシリーズ。
ざっくりとした織り組織が特徴のHOPSACK。
写真の通り光が差し込んできてますね。
昨年もご紹介をさせて頂いたのですが、やっぱりこれからの季節の洋服として大活躍だと思うんです。
昨年のブログでもお話しさせて頂いた、FAUVESの洋服には共通して宿っている劇的な変化の"種"。
生地の表情はもちろん、付属するボタンやブランドタグなど至る所において着用と洗濯を通じて着用した時間がきちんと蓄積されていくように考え抜かれています。
articleを遡っていただくと昨年のFAUVESのブログがありますのでそちらも見て頂けましたら嬉しいです。
FAUVESのブランドの特徴として、毎シーズン新たな生地が数種類増え、それにあわせて新型の洋服が数型増える感じ。
だから、新作が毎年どんどんと生まれてくるブランドではないんです。
そのスタイルこそ、FAUVESにおいてはつくるものに対して説得力があるなと僕は思います。
1年の中での着用期間が長いというわけではなく、FAUVESを味わうためにまずは1年、2年と着続けることが必要となり、そのような時間軸で楽しんで頂く洋服。
そのような洋服こそ"変わる必要のないもの"である方が安心するし、定番的にあるべきものなんじゃないかと思うからです。
だって、気軽に洗濯ができて
着続けた跡が刻まれていき、
ベーシックに取り入れることができるデザイン。
日々にフィットする予感がしませんか。
ベーシックな見た目とはいえ、相当マニアックなこだわりが垣間見えますし、かなり面白い洋服にちゃんと仕上がってますよ。
今年のHOPSACKシリーズで当店がご用意したものは3型。
初めてお取り扱いしたものが1型。
おかわりしたものが2型。
まずは当店で初登場のものから。
FAUVES
NUVO
color _ Black
size _ 3,4,5
FAUVES流のジーパンのような形になりますね。
ブランドのパンツの中でも細いシルエットでお尻周りも比較的コンパクトなつくりですね。
冒頭で見て頂きました生地の写真だと光が差し込むくらいにざっくりとした組織でつくられているのですが、着用するとあからさまな透け感はありません。
でも、ざっくりとした組織のおかげで生地の内側の空気は爽やか。
一見すると細身のジーパンのようなパンツ。
ただそれは見た目だけ。
生地の隙間を風が通り抜け、パンツ内の湿気やムレを一緒に連れ去ってくれるまさしく夏パン。
これからどんどん気温が上がってくると透け感のあるシャツやサマーニットで夏ならではの洋服の楽しみ方をするのも僕は好き。
ただ、透け感のあからさまな「夏っぽさ」が少ない方が落ち着く時もある。
特に、ベーシックなものについては。
ベーシックになっているものは、心地よい・手軽な取り扱い・着て様になるの三拍子は揃ってるからこそベーシックのポジションを獲得しているんですから。
そこに加えて、見たことありそうに見えて、見たことのないもの。
であると、ベーシックなものも高揚できる。
FAUVESの洋服はまさにそう。
HOPSACKという生地だけでも、季節に適した良い素材なんですが、もっともっと深みを与えているのがFAUVESクオリティ。
冒頭の生地の写真をもう一度よく見てると。。。
生地に使われている糸が目視でわかる具合でも2色は使われているんです。
洗濯を経てそれぞれの糸がほぐれ、色が混ざり合い独特の変化が生まれるために。
つまり、履き込んだ時間が刻まれるようになっているということ。
まさに未知の変化。
HOPSACKでの良い変化って想像もつかないと思いますし、そもそもの基準がないようなもの。
そんな未知の領域を追求されていること自体、前人未到なことですし、
納得のいくものを時間をかけて生み出して、これは!!心が動く変化をする生地を変化する前の新品の状態でしか製品としない。
かなりアヴァンギャルドなことしているんですよ、FAUVESは。
これは!!と思った段階での生地の状態でつくるとダイレクトに生地の良さも感じていただけるわけじゃないですか。
じゃなくって、これは!!と感じるその瞬間・その体験すらも洋服に込められているんです。
感動体験する洋服をつくっているブランドFAUVES。
気にしていただける方はホント履いてみて頂きたいです。
これは良いと感じてもらえると思いますので。
洋服の各所にはブランドの洒落が効いてて刺さる方はいるような気がします。
ジーンズではあるのですが、生地はHOPSACKなのでセルヴィッチがあるわけないけどアウトシームのロックミシンの色だけ変えてるんです。
裾のチェーンステッチと糸の色が違いますよね。
わざわざ変えているんです。
見えないおしゃれ。
NUVOについてはシルエットとしてかなり男らしさがあるなと感じましたので、一見すると王道スタイルながら、着用者だけがわかる抜群的に心地よく快適な贅沢スタイルとしてトップスにはnonnotteのウールTシャツにHERILLのシルクカーディガンで。
馴染み深い形のパンツが、
取り扱いの感覚はそのまま、
より季節にマッチしている生地になっちゃった。
と思って頂くとわかりやすいかもしれません。
続いてが、昨年にも登場いたしましたこちらです。
FAUVES
RANCH
color _ Beige
size _ 2,3,4
先ほどのNUVOよりも明るい色味でのHOPSACKです。
履き続けていくと白く当たりが出てくるのが、明るい色味のHOPSACKの特徴。
新品の状態ですとのっぺりと写ってしまっているのですが、ここから変化するとなると本当に劇的に感じると思いますよ。
新品と使い込んだものとでは全く表情が変わりますからね。
強さというか、迫力が増してくるというか、人間で言うところの渋みが出てくるかのようですよ。
サイズとしてはNUVOに比べますと、全体的にゆとりのあるバランスで若干ですがRANCHの方がストレートなシルエットに近いです。
NUVOに比べますと少しワイドでもあるので、洒落たパンツに感じますね。
感覚としてはユーロヴィンテージがお好きな方はRANCH派なんじゃないかと勝手に思っていたりしています。
少し洒落たテイストに、男らしさを加えてダンディな感じにと思ってトップスには山内のフィールドジャケットを。
最後は唯一のHOPSACKでのトップスです。
RANCHと同じ生地となります。
FAUVES
C.P.O
color _ Beige
size _ 5,7
ヴィンテージがお好きな方であれば耳にしたこともあるであろうC.P.O。
アメリカ海軍が防寒のためにジャケットとしてつくられたC.P.Oらしいですが、FAUVESのHOPSACKのC.P.Oになると季節や狙いが全くの逆ですね。
大まかな外見は踏襲しつつも、全く防寒性のない風通しの良いHOPSACKによるC.P.O。
元々のC.P.Oはジャケットですが、FAUVESのC.P.Oは着心地的にシャツの方が感覚としては近めです。
リネン系のジャケットよりも断然に涼しいと思います。
写真は全て新品・未洗濯のものです。
ここから、着用と洗濯を経て徐々に変化し洋服の顔つきが変わってきます。
こちらの生地はと言いますと。。。
ベージュの糸と金色っぽい黄色の糸が使われています。
この糸つかいがどのように変化をするのでしょう。
洗いジワが刻まれ、生地がほぐされ緊張感がなくなり、HOPSACK本来の柔らかさ、ハリ感へと変わっていく。
福原さんの実物を拝見させて頂いたのですが、オールドな顔つきで歳を重ねたかのような”重み”が宿っていました。
そして、FAUVESのトップスといえば肩の部分の馴染みが着心地に非常に大きな影響を与えてくれるんです。
長年、OLDE HOMESTEADERで追求に追求を重ねられている福原さんにしかつくれないフィット感。
FAUVESのトップスは着初めの頃からフィット感は向上しますからね。
生地が育つだけじゃなくて、マイボディ専用に育つ。
新品の状態でも肩幅に応じて抱きのゆとりは現れるのですが、これはまだ完成じゃないです。
ここから、生地が肩の形状を覚え、肩の丸みが”ハマる”部分ができてくる。
生地が伸びてだとか変な型がついているとかだと、洋服のシルエットが崩れてしまうように見えるのですがFAUVESはちゃんと馴染んでるんですよ。
だから、とにかく着るそして洗うことをお勧めします。
インナーにはタンクトップやスリーブレスを着て、シャツのようにバサッと羽織ってあげるのが最も気持ちよくC.P.Oを味わい尽くせると思います。
ロールアップスタイルなんてすごくいけてると思いますよ。
着ている時、洗濯をするとき、洋服を所有している限り必ず起きる洋服との付き合いに気づきと感動をもたらしてくれるFAUVESの洋服たち。
FAUVESでしか表現することができない特有の変化を楽しんで頂くために洗濯方法も模索してもらうことがポイントになってきます。
手洗いでのお洗濯はもちろんオッケー。
水を含むと生地が硬くなりますが乾くと元通りになってくれます。
洗濯機を使用される際は裏返して二つ折りか三つ折りにし、生地の表面に摩擦が加わりにくいようにタオルなどと一緒にネットに入れてあげてください。
洗濯槽の中で偏ってしまわないように他のお洗濯するものも入れてあげるとバッチリです。
最後に、洗濯すると縮みが発生しますが長年コットンで洋服を作り続けられているデザイナーの福原さんだからこそ新品時のサイジングを縮みきったサイズを想定してつくられているのでサイズ感もバッチリになってくれると思いますよ。
新品時からの縮み具合の目安はこんな感じです。
C.P.O
着丈 約-3cm
身巾 約-2.5cm
ゆき丈 約-2.5cm
ネック 約-2cm
NUVO、RANCH
ウエスト 約-4cm(はくことで元の寸法近くまで戻ります)
総丈 約-6cm
ヒザ、裾 約-1cm
気にして頂ける方はぜひご覧ください。