こんにちは。
CASANOVA&COの野口です。
12月中旬からスタートした春夏シーズンは、折り返しを超えて終盤戦へと差し掛かろうとしているタイミング。
とはいえ、やっとここからが季節としての春と夏。
、、、という一番着るものに悩むタイミングで、ニューブランドが到着しました。
CASANOVA&COとしてはニューだけど、ブランドとしては10年以上続く”ベテラン側”のブランド。
COHÉRENCE (コヒーレンス)。
昔、、、と呼べるほどのキャリアは僕にはまだ無いけれど、この仕事を始める前か始めた直後くらいに存在を知り、密かに憧れを抱いていたブランドでした。
まぁ、当時はインポートブランドだと思ってたけど。笑
COHÉRENCEが国内のブランドで生産も国内で行っていると知ったのはだいぶ後の話。
それがなぜなのかは、”密かに憧れていた”という表現にもつながるのだけれど、当時は自分のファッションにCOHÉRENCEが交わる日が来るとしたらそれはきっと10年単位で先の話だろうと勝手に思っていたから。
めちゃくちゃラフな表現をすれば、「これはガキの俺には似合わない、、、」みたいな、ひれ伏す感覚。
ただ、月日は流れて歳をとり(とはいえまだギリ20代)、だんだんと顔に年齢が出始め(今までが不相応だっただけ)、お腹も少し出てきて(酒の飲み過ぎ)、ハタチを超えて軌道修正された”大人”というボーダーラインに段々近づいてきていることを実感する昨今、そろそろイケんじゃね?って思ったんですよね。
いや、まぁ、というよりは、26SSのバイイングについて考えていた時に、これからのCASANOVA&COを作っていくためには今まで以上に色々ものを見なくちゃいけないし、見てもらわなくちゃいけないと思っていた。というのがマジメなとこです。
とにかくタイトに時間を詰め込んで展示会を周り、現状すでにお取り組みをさせていただ頂いているブランド様以外もかなりの数の洋服を見させていただいた。
事前に26SSの展示会はそういうタイミングにしようと決めていたから、COHÉRENCEサイドには僕から連絡した。
それで、展示会で初めてフルコレクションを拝見させていただいて、かっこいい洋服に出会えたと心と頭の両方で感じた。
これは、今しかない。
、、、そんな経緯があって、今シーズンから皆様にご紹介させていただきます。
COHÉRENCEの特徴を端的にまとめるとしたら、形や素材をつくる上でのリサーチ(研究)のストイックさと、そこから洋服を生み出す際の群を抜いたバランス感覚。
僕はタイミングが合わずまだご本人にお会いしたことがないのでなんとも言えないけど、これらはCOHÉRENCEのディレクターを務める中込さんから生まれるキャラクターなのだと思います。
お会いしたことがなくても、洋服を見れば分かる。
オーセンティックで気を衒ったものではないのに、明らかに普通ではない顔つきをしている。
アヴァンギャルドなものとの比較はできませんが、素材や縫製や型紙の素晴らしさと、それをどうアウトプットするかの”センス”においては、僕はCOHÉRENCEは国内で片手に収まるレベルでトップクラスだと思っています。
まぁ、その辺りの細かいことは言葉よりも実物から感じてみてください。

今シーズンCASANOVA&COにてご紹介するのは、COHÉRENCEの中の”SARRAU (サロー)”というライン。
そもそもCOHÉRENCEは、"THE WARDROBE OF LEGENDS"というコンセプトのもとでコートを軸にアウターウェアのブランドとしてスタートしました。
自らの才能によってあらゆる境界を越えていった、伝説的な芸術家たちのポートレートをインスピレーションの源に、
COHÉRENCE(コヒーレンス)は、独自開発による日本の素材と緻密な縫製技術によって、今、現在における本物を提案します。
COHÉRENCEの公式のステイトメントです。
その中にある通り、伝説的な画家や詩人たちのポートレートから当時の洋服の素材や構造に想いを馳せ、生地開発から縫製まで全て日本国内でものづくりを行なっています。
その中で今回ご紹介するSARRAUのラインはコートなどのアウターとは異なり、芸術家たちが自身のアトリエで創作を行う際の”ワークウェア”に着眼したカプセルコレクション。
SARRAUとはフランス語でスモックのような作業用の上っ張りのことを指す単語なのですが、まさにCOHÉRENCEのSARRAUはその立ち位置に基づいたもの。
今回僕たちでは、春夏シーズンからのスタートという事もあり、SARRAUのコレクションから”ひとつの生地”に絞ってセレクトいたしました。

10oz Logger Selvedge Denim
そう、デニムです。
もちろんCOHÉRENCEオリジナルのデニム生地なのですが、これがほんっとに素晴らしいデニム。
個人的には、製品加工などを抜きにしたスッピン状態のデニムでは圧倒的。
どんな生地なのか、というのはブランド公式の説明が一番わかりやすいので、下記に。
1920年代~60年代にかけて、ワークウェアや軍隊内のファティーグパンツに採用されていた軽量で堅牢なデニムたちの分析から得た知見を基に設計されたエクスクルーシブ素材です。
当時のプリミティブな設備から生み出されていた糸形状は、不均一なスラブとネップを含む糸のレシピ作成と、それを異なる数種の番手で経糸にランダムに配列することで再現されています。
さらに、旧式シャトル織機の中でも、特に当時に近い糸テンションを再現可能な機種のみを指定することで、ライトオンスでも複雑で豊かな凹凸形状を実現しています。
端的に表現されていますが、丁寧に読んでいただけたらヤバいデニムだということは分かっていただけると思います。
実物の表情はなんとも不思議で、軽量なのに表情が豊かで、ムラがあるのに端正。
かなり徹底されたCOHÉRENCEらしいつくり込みのデニム生地なのですが、ヴィンテージ風なわけでも、亜流なアヴァンギャルド側でもない。
この圧倒的な知見とリサーチとものづくりの引き出しを、卓越したバランス感覚であからさまな感じを出さずに落とし込むのがCOHÉRENCEらしさだと思います。
、、、前置きが長くなりすぎましたが、洋服を見てみてください。


COHÉRENCE
ABIQUIU
color _ INDIGO
size _ S,M,L
画家(1887 - 1986)
Mod. ABIQUIUは彼女のワードローブであったウェスタンシャツをモチーフとして生まれました。
モデルネームは彼女に製作上のインスピレーションを与え、終の棲家ともなったアメリカ・ニューメキシコ州北部に位置する地域名に由来します。
COHÉRENCEでは”ABIQUIU(アビキュー)”と名付けられた、いわゆるウエスタンシャツ。


10oz Logger Selvedge Denimに、イエローステッチ、白いスナップボタン。
コバの攻め方、運針、糸番手、、、どれをとっても美しいです。


胸元のバランスや襟の形状も、”ウエスタンシャツの文法”に逆らわないバランスですが、着用するとドレスシャツかのように凛としている。


首から肩にかけてのコンパクトな収まりに、自然な肩傾斜。
ブランドでワンウォッシュされているのでリジッドではありませんが、それでもこの新品状態でここまで綺麗な無理のないウエスタンシャツは見たことないです。
洗ったらもっと自然なシルエットに収まると思います。

一切の無駄がありません。
僕は最近ゆとりのある洋服の気分ではなくなってきたので、これくらいがちょうど良い。

わかりにくいけど、アームもコンパクトです。
ガチのテーラードジャケットでも余裕で羽織れます。
むしろそういう空気感に持っていくのがおすすめかな。

裾のラウンドは深めです。
洗って柔らかさが出てきたら、タックインして着るのが似合うウエスタンシャツだと思います。


COHÉRENCE
ALAIN
color _ INDIGO
size _ S,M,L
単独航海士、作家、テニスチャンピオン (1893-1941)
1920年、カンヌにて撮影されたスナップショットには、彼が白いスポーツトラウザースのウェストをロープで結ってテニスコンペティションに参加する姿が残されています。
ALAINの制作過程では、当時のスポーツトラウザースや、ウェストをコードで結ぶスタイルのワークウェア等が分析されました。
ALAINはウエストをコードで縛るタイプのトラウザー。
とはいえ、ウエストフリーの大きなサイズを絞り上げるというより、腰骨に沿わせるアシストを紐で行う、といった程度。
なので、ウエスト内部もホールド感を高めるための構造になっており、紐で絞るパンツとは思えない安心感があります。

当時のヨーロッパのトラウザーらしいディテールと、安心感満載のウエスト内側。
サスペンダーボタンもあります。


ウエストのトップボタンは内に付くので、紐と干渉することもありません。
あ、あとシャツと異なりこちらはステッチがホワイトです。
このホワイトステッチはただクリーンに見せているだけというよりは、番手や糸調子などで微かにステッチが埋まるように演出していると思います。
徹底した細部のコントロールから生まれる、古いようでもあり、新しくもある風合い。
僕はこういうところを”バランス感覚”という言葉で括っちゃう癖があるけど、COHÉRENCEのSARRAUでの粗野さと凛々しさのバランスはちょっと異次元。
ちょっ異次。

逆サイからぐるっとオーバーラップする紐。
何がとは言いませんが、ワクワクしますね。

ヒップは右ポケットのみです。

履くとこんな感じ。
マジで、ただただ美しい。
デニムトラウザー界の正解が出ました。
これです。ALAINです。

ヒップはコンパクトすぎることはないので、基本的に誰でも履けると思います。
それでいて輪郭に悪影響が出ていないのは、型紙が素晴らしい証拠。

僕の足が足りなかったので折り返してます。
ワンウォッシュされているので爆裂な縮みは出ないと思いますが、洗ってみて裾上げが必要でしたらしっかりとご対応させていただきます。


経緯で番手とムラ感ネップ感をランダムに配置するという変態エキセントリック設計によって、10オンスのライトではありえないような凹凸感と風合い。
ハンガー面ではなく、着たときに初めてこのデニムが異端なのだと気が付きます。

パンツがこれだけ綺麗だと、上はもうなんでもいいです。
Tシャツ1枚だとしても、それでも品と男らしさが出るし、時代も季節も問わない。タイムレス。
足を通してみていただけると”ジーパン”のそれとは異なる世界だと感じていただけると思います。


COHÉRENCE
KEES
color _ INDIGO
size _ S,M,L
画家 (1877-1968)
このモデルは、彼が1952年のポートレートにおいて着用していたChore Jacketにインスピレーションを得ています。当時、ヨーロッパでポピュラーであったアイコニックなダブルブレストフロントに加え、その他いくつかの時代、国籍のアーカイブから得た知見を融合しています。ハンティングジャケット等に見られるアームホールの特殊なカットにより、フレキシブルな腕の動きを可能にしています。
前合わせがダブルのチョアジャケット、KEES。
一般的なカバーオール系のライトアウターよりも、少しコンパクトな印象です。

フロントは特徴的な顔をしています。
両腰はスクエアポケット、左胸は角を落としてラウンドさせた形状、右胸は少し低い位置にウォッチポケット。
キャッチーですが、ガチャガチャとした印象はありません。
様々な年代や国籍を跨いだ幅広く深い知見から導き出された、唯一無二のチョアジャケットです。

これまた特徴的な丸い襟は、背中心の位置で接ぎが入り、バイアス取り。
どうりで襟の返りが綺麗なわけです。
襟の正バイアスはドレスシャツなどでは見かけますが、チョアジャケットのようなワークの文脈にもあるものなのでしょうか。。。
効率重視のワークウェアでそんなことやったら怒られそうな気がしなくも無いのですが、どうなんでしょうね。
詳しい方いたら教えてください。

腰部分はドローコード完備。
個人的には、ちょい絞りくらいがオススメです。


内側もポケットいっぱい。
助かる。

個人的KEESの一番の推しポイントは、ここ。
後ほど着用状態でご紹介しますが、とにかくアームがすっきり見えるのに、めちゃくちゃ動きやすい。
ただ、アームがすっきりしているとはいえ、”デニム生地のチョアジャケット”というアイテムが持つ空気感に対しての矛盾が起きない程度のバランスで分量も担保している印象。
サラッと書いてるけど、ほんとこういう微細なバランスの蓄積がCOHÉRENCEのかっこよさだと思うんです。

着たらこんな感じ。
今更ですが、178cm65kgのワタクシで全てMサイズです。
この体型がMサイズドンピシャって考えていただければ大丈夫です。


アーム、これです。
これがほんとに着ていてメリットしかない。
全洋服のアームがこれになりゃ良いのにとすら思ったよ。笑

バックショットが美しいのは、良い服の証拠だと思ってます。

新品だからとても硬い印象に見えるけど、それでもこの肩のラインから腕にかけての美しい繋がり。
そして腕の振り方。
ここの部分の美しさに好き嫌いは無いと思っているので、”みんな好きなやつ”という前提で話を進めますが、実物は写真で見るより100倍良いからね。



みなさん見たいだろうと思って、一発洗っときました。mine。
洗うことで硬さが抜けてより凹凸感が出た。
けれど、フォルムの美しさは保たれたままです。

横から見ても完璧です。


ここ3日くらいずっと同じ格好。
WR/ESSEのThe Stepに、SARTOの刺繍のスキッパーをタックインして、COHÉRENCEのKEES。
インナーだけOLDE HOMESTEADERだったり、OLDE HOMESTEADER YOUTHだったり、YE OLDE AND NEWMANだったりと変化するのと、最近買ったスカーフを巻くか巻かないかの匙加減だけ。

昨日の夜から、スキッパーの襟をひょこっと出してあげるのにハマってます。
そして最高なネックレスがチラッと覗く。
自分の中ではかなり納得いったので、おそらく当分このスタイルです。


洗いをかけた10oz Logger Selvedge Denimの生地は、本当に10オンスか?と疑いたくなるほどに風合いがある。
ライトオンス=のっぺりする、という僕の中の定説はCOHÉRENCEの突き詰めたものづくりにおいては覆されるのだと知りました。


なんか絞り方が偏ってて雑なのは許してほしいのですが、これくらいのちょい絞りが形のメリハリが出て良いと思います。
ドローコードは背中心側に垂れているので、着る前に調節してあげてください。

KEESはもちろん、ABIQUIUもALAINも、洗うことで化けて、着続けることでさらに化ける洋服です。
新品の状態では多少の表情の硬さはありますが、COHÉRENCEの中でもSARRAUのコレクションは着ていくことでしっかりレスポンスを感じやすいと思うので、まずはCOHÉRENCE、SARRAUからご体感いただけましたら嬉しいです。
今週末、4月11日(SAT)より店頭にて販売開始いたします。