山内の新シーズン


今日は、山内を紹介しますね。


先日、紹介したMOTHER HAND artisanのニットもかなり洋服がお好きな方々に手にして頂けていてありがとうございます。


発売してから2日目が終了しましたが、あとサイズ5と6が一着ずつなので、興味のある方は見てみてください。


そして、山内。


今コレクションの山内のデリバリーは、超優秀。


これまで、1月2月なんてほとんど納品がなかったし、例年の今の時期だと、春夏はまだまだ先ですね〜なんて言ってたけど、今回は、もう届いた。


山内さんも今回はかなりそれを意識してたみたい。


ということで、紹介しますね。




シャツとパンツです。



かな〜り、良いものだと思いますよ。


今回の。

山内

コットンキュプラ・ランダムストライプシャツ

material _ COTTON 65%,CUPRO 35%

color _ BLACK STRIPE

size _ 2,3,4,5



まず。これ。


ストライプ生地のシャツ。


シャツと言っても、スタンダードなシャツの形をしてないの。全然。


生地と洋服の形とがとてもバランスがとれて、超男前な印象になってると思いますよ。


僕は、この春夏シーズンの山内のシャツの中で、これが一番男前のちょーイケてるシャツだと思ってる。

まず、これ。

組織は、綾ですね。

混率は、上記の通り。


キュプラの日本の一大産地、富士吉田市に位置するWATANABE TEXTILEさんでつくった、山内のオリジナル生地です。


経糸は、強撚コットン。

緯糸は、キュプラという生地です。


そもそも、洋服全般に言えることなんですけど、ストライプの生地って、洋服になったらストライプになるんですけど、生地の段階では、ほとんどが”ボーダー”なんですよ。

これ、豆知識。


つまり、多くのストライプの洋服は、生地を”横使い”してるものがほとんどです。


WATANABE TEXTILEさんでも、織機には、全て”経糸をキュプラ”にしてセッティングしているそうです。


経糸キュプラという条件の中で、緯糸に違う素材を入れて、とてもクリエイティブな見たことない生地をつくってるのが特徴の機屋さんですね。


だから、今回の山内オリジナルのこの生地も、もともとは、経糸にキュプラ、そして、緯糸にブラックをグラウンドとして、狙った箇所に、ランダムな白いコットンの糸を打ち込んでいる生地です。


そして、完成するボーダー生地。


それを”横使い”して、ストライプにしてるってワケです。



生地のタッチで言うと、肌に当たるキュプラ面が途轍もなく心地いい。


今の時期は寒くて、アウターシャツとして、一枚では着れないけど、これ暑い時期には相当イケてるって思ってオーダー。


あと、見た目では、結構深いブラックなのですが、キュプラが乱反射するからか、どことなく白けて、枯れてるような印象もありますね。


ただ、高級感がすごく強く発せられてる生地ですよ。 

このシャツの特徴としては、ネック。

スタンドカラーというのか、高く立ち上がった衿が特徴です。

だから、肩から上の印象では、どちらかというとブルゾンみたいな形状ですね。


僕自身も結構シャツを集めてきたし、持ってるし、つくったりしたし、オーセンティックなシャツのジャンルから少し離れたものをずっと探してたんですよ。

レギュラーカラーのシャツだと、何となく想像できちゃうし、そうじゃないものを当店で紹介したいなって思ってた。


見た目は、スタンダードなシャツの形状じゃないけど、生地がシャツとして相応しいから、春夏のシャツとして着られるようなものを。

そういうのが必要だって思っていたんですが、見事に山内さんがつくってたんですよ。


しかも、それがむちゃくちゃ男前だった。

ネックのボタンを全部留めると、重なりが深い設定になってるので、左右で非対称の衿型をしてる。


この衿は、もちろん全部ボタンを留めてもオーケーだし、衿を返して、着ることもオーケー。

山内さんの設計では、どちらかというと、衿を返して着用することを考えていたものだそうですが、僕は、スタンド状態にしてるのが良いと思ってる。


まあ、僕の中でのベストは、上から3つまでオープンにして、テキトーな感じにしてスタンドにして着る。


しょーもないレベルでつくられてるシャツなら絶対NGだけど、山内クオリティのむちゃくちゃ細かい設計で、丁寧なつくりがされてるシャツだから、それをラフに着るのがベストです。


そしたら、着てる時とてもバランスとれるから。

ボタンは、随所に入るストライプに合わせて、白い水牛ボタンです。

このボタンの色使いは、山内では珍しいと思いますよ。


ボタンの大きさ、色合いも見事だと思ってる。

そして、そして、このシャツは、結構前から山内の山内さんが、WATANABE TEXTILEの渡辺さんと考えてつくってたオリジナル生地で、特徴的な設計がされてるシャツなんだけど、縫製もヤバい。


このシャツを見てると、とても時間かけて一着一着縫ったんだろうなっていうのが、エゲツないほどに感じられるの。


“折り伏せ縫い”や”割り伏せ縫い”、”三つ巻き”や”オーバーロック”など、適材適所に考えられた縫製仕様が満載なの。


肩や左右の身頃脇、続きの内袖は、”割り伏せ縫い”。


アームホールは、折り伏せ。


二枚袖の切り替えは、シームが強く出ないように表からはステッチが見えないオーバーロック仕様。


それが全部細かい。


フツーのシャツと違って、縫製を見てるだけで楽しいシャツですよ。


袖口は、山内仕様の”二枚袖の切り替え”を利用した剣ボロ開きカフス。

こちらも白い水牛ボタンです。


そうそう。

着丈は長めのシャツなので、裾脇には動作時に適したようにスリットが入ります。

ちなみに裾はスクエア。

ラウンドしてませんね。

これも形状がシャツっぽくない。 


サイズに関しては、気持ちだけゆとりがある感じですね。

いつもの山内サイズで良いと思うけど。

身長167cmで52kgの僕で、一番下のサイズ2がベスト。


写真を見てもらえると分かると思うけど、ネックの立ち方、ネック寸法もかなりのベストバランスだと思います。


着る時期は、4月5月くらいから躍動してくれるだろうなって思うけど、理想は夏場に袖をテキトーに捲ってラフに着るスタイルですね。


インナーには、OLDE HOMESTEADERのスリーブレスを着て、このシャツを何にも考えずに袖だけ捲って、ボタンも閉めずに、衿も風向きに任せて、自然にあしらって着る感じ。


風もよく通る生地だと思うし、洗濯して洗い晒しの自然なシワもよく似合うシャツだと思いますよ。

バックには、ヨークはつきません。

そして、肝心の裏。

シャツであんまり感じることは多くないんですが、このシャツは縫製面も含めてオーラを感じることができますね。

それくらい、生地・設計・縫製の組み合わせがHIGHレベルだと思う。

ほら。

見て。

裏。

分かりますかね?


もうね、裏の縫い代が美しすぎて主張しちゃってるの。


もちろん、着たときにはネガティブに干渉してしまうことはないですからね。

安心してくださいね。 



もうね、ついついストライプに目が行っちゃうけど、縫製すんごいから。

このシャツ。

どこを見てもスーパークオリティですよ。

とても綺麗。

衿付けも、袖付けも、身頃の縫い合わせも、どこも見事中の見事。


実際に縫うプロセスでも一度も途中で止まらずに、ゆっくり縫い進めていったのが目に見えるし、その前段階のアイロンワークもきっちりしてないとここまでの完成度の縫製は無理だから。

縫製は、河南 菜子さん。

僕は、初めて見る名前の方ですね。

結構縫ってるのかな?山内の服。


一着にすごく時間と手がかけられてるのが洋服からムンムンに出てる。



見た目が好きかどうかは置いておいて、とてもクオリティの高いシャツだと思いますよ。



これは、夏場にはむちゃくちゃ。良い意味で。


まあ、まだ早いけど、そういう時期も検討頂ける方には見てもらっても良いと思いますよ。


きっと感じてもらえることがあるシャツだと思いますよ。





そして、もう一つ、パンツ。


山内

120/2 超強撚ブロード・カーゴパンツ

material _ COTTON 100%

color _ NAVY

size _ 2,3,4



こちらのパンツ。

これは、出ました。


生地は、カネタさんです。


そして、糸番手は上記の通り、経糸と緯糸共に、120番手の双糸なんですが、、、


紡績をZ撚り。


双糸での撚り合わせもZ撚りで、



ZZの超強撚にした、エゲツない、、、



“ZZ超強撚”の生地なの。


それは、もう、カネタさんならではの強烈なタッチが存在するんですよ。


この生地はね、夏場にサイキョーの着用感ですよ。


今はね、、、


生地のタッチが強過ぎて寒いと思う。笑

分かりますかね?

この感じ。

自然光の下で写真を撮ると、生地に独特のビカビカが起こるの。


この生地は、初めての人は、コットン100%とは思えないですよ。


まあ、僕レベルになると触っただけで、カネタさんのZZ強撚っていうのが一瞬で分かりますけどね。

まあ、カネタさんでもいろんなニュアンスのZZ強撚があるのですが、これは比較的夏向きですね。

かなり軽やか。


ただ、濡れたら結構バキバキに硬くなると思いますよ。


生地の中の糸が立ってるからね。立ってる。 


とてもキメ細かくて、THE カネタ織物してる生地ですよ。

パンツの仕様をお伝えしますね。

このパンツは、特徴的なのは、膝の切り替え。 

これですね。

手前が前身頃、奥が後身頃側です。

この切り替え。

見事でしょ。

カネタさんのハードが生地が重なってるとは思えないアメージングな見た目してる。


一度縫うと針穴も開くから、縫い直しがNGな生地なんですが、途轍もなく真っ直ぐに縫われてる。

縫製糸の番手も通常パンツではあまり見ないと思うし、ピッチもパンツではありえない。

ウエスト周りにもその縫製は健在。

ダーツ、ウエスト帯、ベルトループ、ポケット口。

バックポケットは、片玉縁の水牛ボタン仕様。


ウエスト内側の仕様も山内してる。

見返しの見返し仕様や、天狗、持ち出し、エクセラファスナーがいつも通り健在です。

このつくりのウエストにより、穿いた時の腰回りの信頼感は絶大に感じられる。

もう、内側が内側してないから。

これが山内。

12月のフェレイラ・モヘアのシリーズを販売した時に、店頭で山内さんに会ってもらった方は、山内さんのストレートに真面目に洋服づくりに向かってることをかなり感じてもらえたと思うのですが、やはり山内の洋服は、山内さん自身の人間がもの凄く濃厚に反映されてると思いますよ。


このレベルは、このブランドじゃないと難しいと思う。

そして、裏。

どちらかというと夏にとても適したパンツだと思うし、コットン100なので、裏地は付きません。

ちなみにコットンはスーピマだそうです。 

裾には、コードが付きます。

コードを絞って穿いてもオーケーですが、僕はヒモとって穿くのも良いと思いますよ。笑


このコードは、絞らない場合は、多くの人が踏むことになると思います。多分。


まあ、お好みで。


このパンツについては、今回のNAVYの他に、奄美大島で泥染めしたタイプのものもオーダーしてるのですが、そっちはもう少し先になるみたいです。


こちらと同様にカネタさんの生地を奄美大島で泥染めしたもの。


そっちの方がもしかしたら通年系に寄るかも。


ただ、プライスは結構変わるけど。 

今回のパンツの縫製は、佐光 祥子さんです。

時々、名前を目にする方ですね。



パンツの形としては、どちらかというとゆとりがあるワタリですね。


こちらも着用写真をインスタグラムの方で掲載してるので、そっちで何となく見てもらえれば良いです。


僕でサイズ2を穿いてる。




あと、もう一つ、絣格子のシャツも再び当店に登場なのですが、そちらは、以前にブログに書いてるので、それを見てもらえれば良いです。



新シーズンの山内もお好きな方は、見てみてください。

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