PETROSOLAUMのPERSONAL ORDER EXHIBITIONも明日の27日(日)で最終日となりました。
この期間が終了すると暫くの間はここまでシューズが揃うことはないと思います。
現在、店の半分近くをシューズが占めているので。
ここ最近は、PETROSOLAUMのシューズのことを中心にブログで話をしてきたのですが、ずっと紹介したかったものがあるので、今日は少し紹介させてください。
tilt The authentics 先日デザイナーから21SSシーズンのコレクション展示会の件で、メールがきたのですが、僕にとってはとても懐かしく思うことが書いてあったんですよ。
ブランドデビューは2018AWシーズンからなんですが、そのデビューシーズンから当店では取り扱いをしてる。
その初めてのシーズンの展示会、今から2年半程前のことですね。
雨の日の渋谷の雑居ビルの一室で初めてデザイナーと顔を合わせて、帰りの新幹線の時間が迫ってたから、あり得ない程のタイトスケジュール、しかも時間が押してたから30分程度しか会うことができなかったんですよ。
それでも初めて見た、得体の知れないブランドは時間の短さとは裏腹にものすごく鮮明に心に残ったのを覚えてる。
それから、2020AWシーズン、早くも5シーズン目となりましたね。
それまで、一日で完売した別注シャツをつくったこともありましたし、閉店後の夜中に長い時間電話をしたこともあった。
高校生じゃないんだから。
僕自身も洋服のことをたくさん学ばせてもらってる数少ないブランド、デザイナーでもあります。
tilt The authentics。
デビュー当時からどこか大きな企業のバックボーンがあるとかじゃないのにも関わらず、力強く、かなりクオリティの高いものをつくってたんですが、今では更なる進化を遂げてる。
いわゆるブランドのネームバリューこそまだないかもしれないけど、間違いなく日本の洋服市場ではそのクオリティは指折りの存在だと思いますよ。
もはや世の中のファッションブランドのブランドタグを外した状態で、洋服を選ぶとなったときには、きっとその隠しきれない洋服の素晴らしさから皆さん手に取ることになるんじゃないかな。きっと。
それくらい言い切れますね。
で、今日は一部を紹介します。
というか一つ。
少しだけね。
他にもあるんですが、また追って紹介させてください。
今シーズンのtilt The authenticsのスペシャルピース。
tilt The authentics
Baby Camel Blend Stand Fall Collar Jacket
material _ Fine Wool 80%,Baby Camel 20%
color _ Deep Green
size _ 1,3 price _ ¥79,000-(+ tax)
まずはこれ。
このジャケット、ヤバいかヤバくないかで言ったら、 ウルトラヤバい。
あまりにも生地が良いから、そのことを伝えたくて近くに寄って写真撮ってみたけど、逆になんだかよくわからなくなったんですが、めっちゃハイクオリティ。
経糸にウール。双糸ね。
緯糸にウールとキャメル。これも双糸ね。
キャメル=らくだ。
僕もあまり目にしたことがないが、キャメル自体がまず流通数が限られる。
なおかつ、キャメルの梳毛はめっちゃめちゃお目にかかれることが珍しい。
キャメルといえば、紡毛ならまだありますかね。
紡毛(ぼうもう)ってニットセーターとかが紡毛。
それとは異なる糸で、全く違った特性に仕上がるのが梳毛(そもう)です。
で、ウールの双糸の糸も上質極まりないもので、それでキャメルがブレンド。
その圧倒的光沢感からは、その極上さは全く拭いきれないですね。
古い織機で織り上げられた生地ですが、最初見たときは濡れてるかと思った。一瞬。
それくらいの光沢ですね。
全く過剰な加工とかしてないのに。
原料の品質の高さを物語るところ。
このジャケットを着まくってボロボロになったとしてもこの素材の持つ高級感は消えないと思いますよ。
立体的な構造やマニアックなオリジナルディテールも搭載済み。
もちろん付属も折り紙付き。
ホーンボタンの手付け。
あと、今シーズン改めて感じてるのはtilt The authenticsの洋服のパターンワーク。
ここも見逃せないのよ。
ただあんまり細かい写真撮ってないから写真で紹介はできないけど、当店で取り扱いを行うブランドの中でも肩から腕にかけての美しさは最高レベル。
少しタイプは違うけど、山内とseya.とトップ3を争ってるかなと思う。
これは着て見てみなきゃ分かんないし、より踏み込んだ説明が必要なので店頭でお話させてもらいますね。
まあ、パターンの良さってこれまた好みがあるところではあるのですが、その具体的なことも示されずに何となくフォルムの感じが良いからって「パターンが良い」って言われることが多すぎるのよ。
実際どこが何で良いのかってことが明確にされずにね。
パターンって言うなれば洋服を形づくるための設計図みたいなものなんですよ。
ただ、tilt The authenticsで言えば、その削り出しとか、丸みとか、細かなパーツのつなぎ合わせが高い位置で融合しているのはもちろんですが、そのパターンを元に裁断された生地が、卓越した技術で引っ張りながらとか、押しながらとか狙って、時間かけて、丁寧に縫われてるのをすごく感じますね。
これは裏。
前身頃は特殊な仕様です。
大見返し。
通常、裏地が配置される箇所も表地をそのまま裏地の前身頃部分にまでもってくる超仕様。
これだけつくり込まれた生地ですからね。
大見返しを採用するに敵うものはないと思いますよ。
これにより、着用時のフロントの見え方もよりポジティブな硬さも出てくれますし、良いことづくめな仕様です。
裏の左右の仕様は写真を見てもらえれば分かると思うので省きます。
というかこのブルゾン、使用するパーツ数がかなり多いみたい。
完成してしまえば過剰な装飾などなく、すごくオーセンティックに感じる見た目をしてるんですけど、パッと見は。
ただ、こういう見た目でこのクオリティに仕上げられてるってことは込められてることがすんごいのよ。
例えば、コートで言っても立体的で構築的につくられたものでも大体40パーツくらいがMAXで構成をされてる。
で、このブルゾン。
コートとは丈の長さも分量も大きく違うけど、それを遥かに上回るパーツ数量で構築されているんですよ。
まあ、それだけ丈の長くないアウターでありながらデザイナー中津さんの気持ちが詰まってるってことですね。
あと、先にも書いてる通り、プライスは¥79,000-(+tax)。
値段で売りたくはないけど、あえて書いてる理由は察してください。
ありえねーから。
デザイナーの中津さんは、少しでも多くの方に伝えたくて、手に取ってもらいたくてプライス面も努力してくれてます。
あと、同時にもう一種類ブルゾンを取り扱いをしてるのですが、それもハンパないね。
目を疑いますよ。
ホント「良い洋服」つくってますよ。
このブランド。
また、詳しいことは紹介させてください。