seventyfive

 

 

 

 

 

2023年1月、パリ。

 

 

 

先日、紹介したARCHIVIO J.M.Ribotは、以前から話をしていたこともあり、アポイントをとって、目掛けてショールームに行った。

 

 

 

 

ただ、このブランドは、そうではなかった。

 

 

 

 

 

seventyfive (セブンティーファイブ)。

 

 

 

 

 

ロンドンのアトリエで、女性デザイナーが自分で全てを縫い上げる洋服。

 

 

 

 

 

seventyfive、"75"というブランドの名前の由来は、当人に聞くと、ブランドの名前はなんでも良かったんだって。笑

 

 

 

 

 

どうしようかな。って思ってた時に、ロンドンのアトリエが"75番地"にあるらしいから、じゃあそれで"75"にしようって思って、seventyfiveという名前にしたそう。笑

 

 

 

 

名前は、ポップなイメージに感じちゃうけど、つくってるものは、まあまあヘビーだと思う。

 

 

 

 

 

僕自身も、全く知らなかったブランドだし、インターネットで検索しても埋もれちゃいそうな名前だけど、その洋服を見た時のことは、すごく鮮明に覚えてる。

 

 

 

 

 

 

それは、岡山からパリへの出発の当日。

 

 

 

 

 

 

いつも変な時間のフライトだから、夜中の出発なんですよね。

 

 

 

 

 

だから、飛行機で寝るために、いつも通り起きて、いつも通り店に出て、ギリギリまで仕事してるんですよ。

 

 

 

 

そんな時に、知らないブランドから、メールが届いた。

 

 

 

 

出発の直前だったし、気持ちは出張モードだったから、それに関することは目を通す。

 

 

 

 

まあ、あまり期待してなかったんですけどね。

 

 

 

 

でも、内容を見てみると、なんかどこかで心が惹かれたの。

 

 

 

それで、少しメールのやり取りをしてた。

 

 

 

時差もあるし、そうしてる内に、岡山から羽田空港まで移動。

 

 

 

で、乗り換えも含めて20時間以上の飛行機移動。

 

 

 

そうして、頭がボーっとしてる内に、パリに到着したの。

 

 

 

 

到着したら、Wi-Fiをオン。

 

 

 

日本を出てからの時間でseventyfiveからメールが来てた。

 

 

 

 

それを見ていたら、今、まさにショールームがオープンしたみたいだし、ホテルに到着した僕も思っていたよりも時間があった。

 

 

 

これは、行けそうだな。と。

 

 

 

だから、「今から行きます。」とメールを送った。

 

 

 

「是非、来てください。」との返信。

 

 

 

パリメンズコレクションの展示会では、世界中から星の数ほどの洋服ブランドが出てるから、日本では考えられないほどの量のブランドのコレクションを見るんですよ。

 

 

 

 

でも、そんな中で、輝いて見えるブランドは、ほんの一握りあるかどうか。

 

 

 

名前がある程度精通したブランドを見に行く以外は、それだけの"当たり"が少ない世界だと思ってる。

 

 

 

 

だから、seventyfiveも行ったは良いものの、あんまり期待してなかったんですよね。

 

 

 

でもね、行ってみたらビックリ。

 

 

 

 

「えっ、何これ。」って感じで。

 

 

 

 

本当に海外のブランドかと疑うような、日本でも今では見ないような縫製のピッチ。

 

 

 

 

でも、ラックにかかっている服の側面を見ただけで、日本では出会えないような顔つきの洋服たち。

 

 

 

 

「こっ、これは。。。もしかしたら、今回の出張の一発目で、当たりを引いたかもしれない。。。」

 

 

 

 

と思った。いろいろ話を聞いてるとすごく興味が出てくる。

 

 

 

 

デザイナーのルーツも見事に反映されてるし、オリジナリティーも感じる。

 

 

 

 

その上、驚きの洋服のクオリティに感じた。

 

 

 

表は凄みを感じるけど、では、裏はどうだ。

 

 

 

初対面で失礼ながら、服を全て裏返してくれ。と頼んだ。

 

 

 

裏は、さすがに誤魔化しは利かないからだ。

 

 

 

裏を見ても、「こっ、こっ、これは。。。」

 

 

 

何とも信じがたいほどの、裏の処理と見事な縫製仕様。

 

 

 

全然おおらかな仕様ではない。もの凄く手が行き届いているように感じた。

 

 

 

 

でも、僕は、長時間飛行機に乗って、さっきパリに着いたばかりだ。

 

時差もあるし、ものすごく疲れているかもしれない。

 

 

 

 

このレベルの細かさが果たして、本当に海外でも存在するものなのか。

 

 

 

 

「今まで自分の目を信じてきたけど、今は、眠たいし、この感覚は間違えているかもしれない。」と心の中で、思ったの。むちゃくちゃ相手に失礼ながら。

 

 

 

だから、「これから滞在して、アポイントが続くから、最終日に戻ってくるかもしれません。その時は、また事前に連絡します。」って伝えたの。

 

 

 

 

それで、他のアポイントを過ごしてた。一日経っても、二日経っても、三日経っても、頭の中に巡る"seventyfive"というブランドの洋服。

 

 

 

 

メジャーどころの大きな合同展示会に行ってみて、新たなブランドの服を見てみても、seventyfiveのおかげですんごくかすんで見えてた。

 

 

 

 

「これは、もう一度行ってみよう。」と。

 

 

 

 

最初に見た時には、疲れていたけど、今は、日頃の自分の"見る感覚"に戻ってるし、きちんと判断ができるだろう。って思って再度コンタクト。

 

 

 

 

そして、再び、seventyfiveの洋服と対面。

 

 

 

それは、もう、感激。

 

 

 

やっぱり凄かった。

 

 

 

 

さっきも言ったけど、すごく細かく行き届いた洋服づくりのクオリティの上に成り立つ、オリジナリティー。

 

 

 

そして、洋服に一生懸命さが現れてる。

 

 

 

すごく真面目に洋服をつくってるのが、洋服に溢れ出てるの。

 

 

 

 

これは、是非当店で紹介したいと思った。だから、その場で決めて、細かいところは、日本に戻ってからやり取りしましょうと。

 

 

 

 

ただね、ここからが長かったの。笑

 

 

 

 

ブランドに僕が希望してるオーダーを伝えたら、「そんなに言ってくれるとは思わなくて。生地が全然足りないです。」って。

 

 

 

 

いや、ただ、サイズ展開してるだけですよ。みたいなオーダーだったんですけどね。

 

 

 

 

 

僕が一番気に入ったコートがあったの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

seventyfive

 

Pipa Coat

fabric _ Leichtfried Loden 540

material _ Mulesing-Free Merino Wool 80%,Alpaca 20%

color _ Brown Olive

size _ 1,2,3

 

 

このコート。

 

 

これは、ブランドのサンプルでは、イタリアのデッドストックの目付け600gのウール100メルトンだった。

 

 

 

それを使ったコートを希望したら、ブランドで生地のストックが2着分しかない。

 

 

 

3サイズ展開なのに、それは無理だ。しかも、自分の分のコートをオーダーしたら、店頭に並べられるのは、1点だけになってしまう。

 

 

 

海外まで行ったのに、そんなオ◯ニーみたいなオーダーはしたくない。

 

 

 

だから、そこから、エゲツない程のブランドとの長いやり取りが始まった。

 

 

 

パリで出会ってから、オーダー完了できたのは、なんと2ヶ月後。笑

 

 

 

もうメル友並みに連絡を取り合ってた。

 

 

 

でも、その分、とっておきのコートが出来上がったと思ってる。

 

 

 

見た目が特徴的だから、ストライクゾーンは狭いかもしれないけど。笑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デザイナーは、Jannyさん。でもこれ、多分通称。ちなみに女性ね。

 

 

ブランド側も、僕もJanny、Jannyって言ってたから。

 

 

 

Jannyさんは、中国系なのかな、そんな感じのイギリス人だった。多分。

 

 

 

セントマーチンではなかったように思うけど、イギリスの大学でファッションを専攻して、そこから何かして、今は、自分でアトリエで洋服をつくってる。

 

 

 

洋服のデザイン源になってるのは、100年、200年か、それ以上前の中国の古いものの数々。

 

 

 

それが、服でもあるし、楽器や、陶磁器でもあるそうだ。

 

 

 

とにかく自分のルーツであり、長い歴史を誇る中国の文化を掘り下げ、それを頭の中で想像して構築するみたい。

 

 

 

このPipa Coatというのは、中国の古い楽器"ピパ"に由来するそうだ。

 

 

 

その楽器の形状、そして、ピパ奏者の着る服のイメージからつくったんだ。って言ってた。

 

 

 

 

スタンドカラーで、特有の胸当て、少し多めの数のボタン。すごく特徴的。

 

 

 

 

僕は、冬にSILVANA MANETTI(シルバナ・マネッティ)のマフラーを首に巻くし、スタンドカラーはちょうど良いし、ずっとスタンドカラーの冬のコートを欲してた。

 

 

 

それに胸当ては、前身頃が二重になってるから、冬に暖かそうだ。

 

 

 

ボタンは、どうせ全部留めないから、その数の多さは気にならない。

 

 

着てるだけで、ボタンが異様で、何かフツーのコートじゃないように見えてくれるから、それだけで充分。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボタンは、水牛で、その上から、Jannyさんが自分でペイントしてる。

 

 

 

それでね、Pipa Coatという形は、先述の通り、イタリアのデッドストックメルトンでサンプルが存在したの。

 

 

 

 

でも、僕が希望するサイズ展開が叶わなかった。

 

 

 

 

だから、ここから、生地を選ぶための時間がかかったの。

 

 

 

 

最初は、Jannyさんが日本の機屋の生地や、色々なものを提案してくれた。

 

 

 

でも、僕は、日本の生地は、日本のブランドで使っていることが多いし、これまで自分が着たことがない生地が良かった。

 

 

 

その上、海外ブランド特有の、重量があるのに、全然暖かくない。っていうコートはNG。

 

 

 

ああでもない。こうでもない。って翻訳アプリを駆使して、具体的に希望を伝え、ずっとやり取りし続けて、デザイナーのJannyさん自身も、ヨーロッパ中を駆け回ってくれたんですよ。

 

 

 

 

そして、そうこうしてたら、1ヶ月が過ぎてしまい2ヶ月目になった頃、Jannyさんが、僕が希望するような生地が見つかったと連絡をしてくれ、いくつか生地サンプルを日本まで送ってくれた。

 

 

 

 

その中に、「まさにこれだ。」って思えた生地があった。

 

 

 

 

重厚さと、目の詰まり、表面的ではない複層的な色合いと、生地そのものの輝き、そして、柔らかくてしなやかだけど、芯がある風合いと暖かさ。

 

 

 

 

それを選んでつくってもらったんですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

混率は、ウール80%、アルパカ20%のもの。

 

 

これ、僕は知らなかったんですけどね、かなりの名門生地だった。

 

 

 

でも、調べて見たらテーラーさん向けなのかな?オーダーのテーラー向けのウェブサイトが出てくる。

 

 

 

蓋を開けば、オーストリアのローデンウールを専業にする"Leichtfried 社(ライヒットフリード)"のものだった。

 

 

 

1884年というかなり昔からのローデンウールの会社で、今でもローデンクロスだけは、その発祥であるチロル地方でつくっているみたい。

 

 

 

ローデンウールは、メンズのワードローブの中では、いつかは手に入れたいコートみたいな感じで、クラシックなものとして出てくることがあるけど、僕もまさかこのタイミングでローデンウールのコートを紹介することになるとは思ってなかったですね。

 

 

 

それだけ、由緒正しき生地とされてるイメージがあるから。

 

 

 

 

なんか、僕の中では、20代前半の記憶で、ローデンウールのコートは、40代50代になってから。みたいな刷り込みがあるくらいクラシックな印象があるほどで、冬のコートの中でも別格のイメージがありますね。

 

 

 

 

そもそもローデンウールというのは、オーストリアと南ドイツのチロル山岳地方の伝統的なもので、それを使った狩猟用のコートが"ローデンコート"として、歴史を持ってる。

 

 

 

 

防寒性だけではなくて、強い縮絨がかかっているから、雨にも強く、撥水性が高いため、狩猟用のコートに採用されたという背景があるようですね。

 

 

 

 

だから、狩猟の際に、目立ちにくくするために、森林にカモフラージュできる、"ローデングリーン"という深緑がローデンコートの定番の立ち位置でしょう。

 

 

 

 

僕は、今回、seventyfiveが候補として挙げてくれたこの生地が、目で見ても、タッチでも、すごく良いものだって思ったし、狩猟もしないから、色はローデングリーンではないんですけどね。

 

 

 

 

しかも生地のクオリティで選んだものは、ライヒットフリード社を代表する、"Classic 540 Loden"というシリーズだったの。

 

 

 

 

これは、剛毛を使うことが多いローデンクロスだけど、使うウールは、品質を選んだミュールシング行為をしていない、柔らかいメリノウールで、それにアルパカ獣毛を混紡した高級ライン。

 

 

 

 

ライヒットフリード社の中でも、かなりグレードの高い生地で、生産方法も、縮絨後は、通常は、機械起毛であるところ、このシリーズだけは"アザミの実"を使って繊細に起毛加工をするものみたい。

 

 

 

 

まあ、歴史ある機屋さんでもすごく大事にしてる生地だそうですよ。

 

 

 

 

だから、結果的には、かなり信頼のおけるローデンクロスが表地になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"Classic 540 Loden"というシリーズの生地なのですが、名前の通り、生地の目付けは、540gです。

 

 

 

冬には、充分に安心できる生地重量してる。

 

 

 

その生地を分かりますかね?

 

 

 

ドレスシャツ以上のレベルでのステッチワーク。

 

 

途轍もなく細かい"点"で縫う縫製仕様が搭載してる。

 

 

 

これ、出来上がった商品を見て、ホンッット、感動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コートの袖は、ドルマンスリーブです。

 

ドルマンだけど、脇のもたつきは皆無。

 

 

厚みのある生地なんですけどね、よく考えられてると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

袖口にもペイントしたボタンが付属。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

袖口には、ストラップが付きますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストラップの裏も表地使いです。

 

 

こういうところもちゃんとしてくれてるな。って感激したんですよ。

 

 

 

 

 

 

 

でもね、僕が要望を出したのは、表地だけじゃないの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これ見て。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

総パッチワークの裏地。

 

 

 

全てコットン100%の生地でJannyさんがパッチワーク。

 

 

 

身頃だけではなく、袖裏も。

 

 

 

これは、ブランドのコレクションラインナップで、コットン100のパッチワークの洋服が存在したんですよ。

 

 

 

 

そのパッチワークの縫製が驚愕のステッチワークしてたの。

 

 

 

 

だから、初めて取り扱いするし、僕が感動した"seventyfiveの凄み"を皆様にご体感してもらいたいと思ったし、コットンのパッチワークの裏地って、なんか冬に暖かくなりそうじゃないですか?笑笑

 

 

 

 

それを今回のコートの裏地にやってくれ。ってお願いした。

 

 

 

 

そしたらね、見事に裏地という裏地に全部やってくれたんですよ。

 

 

 

 

 

もうね、感動、感激。

 

 

 

 

 

 

見てください。これ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

胸当ての裏も。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裏の見返し(表地)の境界もバッチリ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

袖裏も。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シームのピッチも狂わず、全部やってくれてるんですよ。

 

 

これだけ一着に注いでくれるブランドですからね。

 

 

 

しかも、工場生産じゃないですよ。

 

 

 

全部、イギリスのアトリエで自分で縫い上げてる。

 

 

 

 

一着一着がとても濃厚なコートが出来上がってると思ってる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これ。

 

僕も今年の冬からこのコート着るの楽しみにしてる。

 

 

身長167cm、体重50kgでサイズは最小サイズの1ですね。

 

 

 

大体170cmくらいまでの方は、サイズは1で良いんじゃないかと思います。

 

 

 

コートという特性上、インナーをちゃんと着ることができるように、余白はとってありますね。

 

 

 

着丈は、潔く長いけど、日本では膝上丈のコートが中心だから、膝下の丈が良かったんですよ。

 

まあ、それによって敬遠される方もいるかもしれませんが。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全締めVer.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しっかりとした密度のあるローデンウールですが、やはり格別の生地の光沢。

 

 

着丈が長く、分量がある洋服な分、最大にその良さが現れてると思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんかね、色も色だし、スタンドカラーと組み合わさって、時折、軍服みたいに見える感じで気に入ってるんですよ。

 

別に軍が好きなわけじゃないけど。

 

 

 

表地は、540gの目付けで、裏もコットン100のパッチワークだけど、予想していたよりは重厚さは感じませんね。

 

 

 

真冬にはかなり安心できるなって体感です。

 

 

 

見た目の大胆さがあるけど、女性デザイナーならではの、しかも、自分で全部この程までのレベルで縫うっていう、すごく行き届いた繊細さを随所から感じられるコートですよ。

 

 

 

 

代々受け継げる程にまで由緒正しきローデンウールの表地に対して、誰が見てもパワーを感じてもらえる裏の仕様。

 

 

 

 

世の中にあまり類似がない感じのコートができたと思ってる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてね、このコート、セットアップできるんですよ。笑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

seventyfive

 

6-Pocket Tapered Trousers

fabric _ Leichtfried Loden 540

material _ Mulesing-Free Merino Wool 80%,Alpaca 20%

color _ Brown Olive

size _ 1,2,3

 

 

これ。

 

 

全部で6つポケットがあるパンツです。

 

 

 

生地は、先ほどのコート同様のライヒットフリード社の上質ローデンクロス。

 

 

 

僕は、コート用の生地のパンツがすごく好きだから、その生地でパンツもつくってもらいました。

 

 

 

"ローデンクロスパンツ"。

 

 

 

 

形は、名前の通り、6ポケット。

 

 

 

左右の前身頃に2つずつポケットがあり、後ろ側は、切り替えを利用した表にシームのないスマートなポケットが配置された、合計6つのポケットのパンツ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フロントは、前開きがないのですが、大きく分量がとられたウエストをリネンコードで縛るスタイルのパンツです。

 

 

ウエストは身頃の続きの仕様での設計で、パンツのほとんどのシームが表から見えない分、ポケットディテールが際立つように見える。

 

 

 

お尻の箇所に切り替えが見えるけど、このパンツ、左右の身頃がそれぞれ大きく4枚のパーツで構成されているんですよ。

 

 

 

それにより、かなりのフォルムが出てくれる。

 

 

 

穿いて2秒では案外フツーに見えるけど、3秒経つと、もう全然違うことを察知してもらえると思いますよ。

 

 

 

 

期待して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インシームを基点に前と後ろが一般的なパンツよりもパーツが多い。

 

 

 

この意味がね、着用時に感じてもらえると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、裏。

 

 

このパンツも総裏地。

 

 

 

グレーベースの生地なのですが、コットン80%、ウール20%のふんわりと起毛し、暖かみのあるもので、すごく気持ち良い。

 

 

 

チクチクした刺激は、超絶的に皆無。この裏地を例えるならば、コットンフランネルが上質になった感じ。

 

 

 

 

この裏地が、ローデンウールの生地の裏に備わることで、類い稀な暖かさと、膝も抜けず、形が崩れない凄まじい安心感を提供してくれると思う。

 

 

 

 

 

真冬にパッチから卒業できるパンツなの。

 

 

 

 

 

冬は、寒い方が良い。なんて人はいないと思うから、このパンツを頼りにする人が続出するでしょうね。

 

 

 

 

 

ただ、実は、先ほどのPipa Coatの裏地は、コレクションサンプルでは、このグレーのチェックの生地だったんですよ。

 

 

 

先述の通り、快適なタッチと保温力を誇る。

 

 

 

 

でもね、コートであれば、着用時に裏地が見える可能性がある。

 

 

 

 

この裏地のタッチは、すごく良いんですけどね。タッチは良いけど、コートの裏地としては、僕は見た目がどうしてもカジュアル過ぎるように感じた。

 

 

 

 

だから、さっきのコットン100%のパッチワークでつくってもらったんですよ。

 

 

 

 

まあ、パンツであれば、脱がない限りはチェックの生地は見えないし、化学繊維系の裏地よりはレベルが違う快適さ。

 

 

 

パンツは、生地の見た目よりも、着用時の質感と機能を重要視して考えて、サンプル通りにコットンウールのグレーのチェックで生産してもらいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着用時に裾からは裏地が見えないように、幅の広い裾の処理が施されてる。

 

 

 

加えて、動作時の裏地の突っ張りがないよう、きちんと分量にゆとりを持たせた裏地の取り付け。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裾裏のステッチワークも文句ないですよ。

 

 

 

丁寧なディテールには、非常に秀でてるブランドです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着用。

 

先ほどのコート同様にサイズは、最小の1のサイズです。

 

 

seventyfiveは、僕は全部1のサイズですね。

 

 

 

 

大きなウエストを前中心で折りたたんで着用するんですが、裾までそのまま落ちるのではなくて、ハンパじゃないテーパード。

 

 

 

 

 

この手のパンツって、裾幅までそのまま広いワイドパンツみたいなのが多いですよね。

 

 

 

でも、これ全然違う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほら、このフォルム。

 

 

あんまりフツーじゃない。

 

 

 

そして、こういうコードでウエストを縛るタイプのパンツだけど、ウエストのカーブの形状が強いからハイバック。

 

写真じゃあんまり分からないと思うけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、お尻はコンパクト。

 

 

加えて裏地付きだから、お尻がダレることもないし、超安心フィット。

 

 

 

大体、こういうパンツって着用にお尻の分量も大きくなっちゃって、生地が重力に負けて崩れ落ちることが大半だと思うから、この違いには驚いて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生地のムードも強い方だと思うし、真冬でも、皆様がお持ちの一張羅のアウターにも負けないんじゃないかな。

 

 

 

まあ、どんなアウター持ってるか分かりませんが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ローデンウールセットアップ。

 

 

 

コートは僕の要望をむちゃくちゃ反映してもらってるし、パンツもサンプルとは生地が違うから、この上下は、世界でのエクスクルーシブです。笑

 

 

 

 

 冬の超安心セット。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

seventyfive

 

Pipa Vest

material _ Organic Cotton 100%

color _ Printed Olive

size _ 1,2,3

 

 

そして、次は、これ。

 

 

先ほどのコートと同様に、"Pipa"と名前が付いたベスト。

 

 

こちらは胸当てではないけど、前合わせが深く交錯したような見た目です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柄はね、結構「なんじゃこりゃ」みたいな感じですね。

 

 

これは、イギリスのコーデュロイに顔料プリントが施されたものなのですが、図柄は、古い中国の魔除けの文様だそうですよ。

 

 

 

そう聞くと、確かに全部の柄に意味合いがありそうなモチーフしてる。

 

 

 

僕は普段からプリントのものってあんまり取り扱いをしないし、日頃は好まないのですが、これは別。

 

 

 

ベースの生地のキメが整った密度のあるコーデュロイは、生地の光沢も強く、その上からのブランドの軸が通った柄が"顔料プリント"で入ってる特有のムードに心が持っていかれた。

 

 

 

これ、すごく独特だから。かなりいい意味で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緩やかなカーブと、バキッとした直線とが組み合わされた独特なエッジのライン。

 

 

全ての生地端は、リネンヘリンボーンのテープでパイピングされてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角がしっかり立った箇所も、バキバキの額縁仕立てのパイピング処理。

 

 

 

インパクトがあって、一発で目を引く総柄と、もの凄い精緻な洋服設計とそれを実現させる仕様。

 

 

 

この2つの要素が掛け合わされることで、単なる柄の服には、なかなか出せないオーラを持ってると感じてる。これすごい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

首元のサイドは、エグれたような形状をしてるのですが、「これは中国の古い陶磁器のアウトラインからインスピレーションを得てる。」って言ってた。

 

 

「そうか。」と僕は応えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裏地付きです。

 

 

コットンフランネルです。

 

 

 

 

 

 

 

そして、この生地も気に入ったので、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

seventyfive

 

Marchant's Trousers

material _ Organic Cotton 100%

color _ Printed Olive

size _ 1,2,3

 

 

こちらもセットアップ可能。

 

 

中国の商人が穿いていたというパンツ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フロントは、ナットボタンですが、ボタンが露出した仕様。

 

 

 

ベルトループは付属しますが、こちらのパンツも身頃がそのまま続いた、ウエストベルトがない仕様です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左右のポケットは、結構珍しい仕様です。

 

 

通常、ポケットを合理的に配置しようとすると、前身頃と後身頃の切り替えを利用した"切り替えポケット"というのが一般的です。

 

 

でも、そうすると、ポケットがあまりにも真横に配置されて、手が入れにくくなってしまうことがある。

 

 

 

seventyfiveでは、そういう不具合を着用者に感じさせないように考えて、前身頃に切れ込みを入れてポケットをつくる"切り込みポケット"仕様にしてる。

 

 

 

この仕様にすることによって、工程数はグッと増えるから日本の生産の現場ではどうしても避けられることが中心。

 

 

 

でも、このブランド、そういうのじゃないから。

 

 

 

生産効率とかじゃない。

 

 

 

そういうのに重きを置いてたら、全部を自分で縫うなんて考えませんからね。

 

 

 

 

ただ、その恩恵は、seventyfiveの洋服を着てもらった方には、すごくご体感頂けると思いますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バック。

 

分かりますかね?

 

パッチポケットの形状。

 

 

ストレート形状じゃないんですよ。

 

 

当店では、Araki Yuuのパンツがよくこのパッチポケットの形をしてるんですけどね。

 

 

 

昔ながらのカーブを描いたポケットです。

 

 

 

当店でも、他にはAraki Yuuくらいしかこのパッチポケットの形じゃないから、もしかしたら、自分自身で洋服を縫うデザイナー特有のポケット形状かも。笑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それにしても、コーデュロイでもむちゃくちゃ運針細かいですよ。

 

 

感心しますね。ホンット。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裾。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裾には、共生地でのストラップが付属します。

 

 

ストラップを絞めない場合は、ストレート。

 

 

ストラップを使って、締めると、むちゃくちゃ良い感じですよ。僕は断然そっちの方が好きなんですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、裏。

 

はい。

 

こちらも総裏仕様です。

 

 

全てが総裏でつくってもらっています。

 

 

総裏の場合は、裏側の見えない処理を隠せるっていう考え方もできますが、僕はパリのショールームで、このseventyfiveの裏地がない仕様の洋服も見たんですよ。

 

 

 

そしたら、このブランドは全然、裏の処理を隠してるとかじゃないの。

 

 

 

Jannyさんもね、裏側までちゃんと仕様を考えてつくってるって言ってたから。

 

 

全部が安心できますよ。

 

 

 

そういうのも実際に見て、今回のラインナップのオーダーをしたから、秋冬だし全部に裏地をつけてくれ。って頼んだ。その分、タフになるし。

 

 

 

 

こういう洋服づくりをしてるブランドなので、思いっ切りハードに使ってもらえるのがベストですよ。

 

 

 

 

このレベルになると、そう扱えば、そう扱うだけ、洋服が応えてくれますから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウエスト見返しのステッチワークも、山内の服か?と思うレベル。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裏のアウトシーム処理もパイピング。

 

 

ちゃんとしてますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着用。

 

 

サイズは、1です。

 

 

パンツは、こちらもレングス短め。

 

 

ただ、海外のブランドなので、寸足らずということではなく、そういうスタイルを考えたレングスの設計ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベスト。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、セットアップ。

 

 

まあ〜癖はありますね。笑

 

 

でも、こういうジャンルが苦手ではない人には、むちゃくちゃ良いんじゃないかな。

 

 

こういう総柄のセットアップですが、ベースの生地がハイレベルだからか、縫製も凄まじいからか、着用時に、明らかな高級感は見てもらえると思いますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裾のアジャストを締めた感じ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ねっ?悪くないでしょ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当店では数少ない柄の洋服ですからね。

 

 

僕は、柄の洋服でクオリティに納得できるものが少ない性分なんですよね。

 

 

まあ、見た目では、かなりオリジナリティーが強いブランドですが、お好きな方には気に入ってもらえる洋服だと思いますよ。

 

 

 

クオリティには、間違いなく全員に驚いてもらえるから。

 

 

 

 

 

当店では、4種類のラインナップですが、どれも濃厚な洋服が出来上がってると思いますよ。

 

 

 

気にしてもらえる方は、是非見てみて。

 

 

 

 

 

 

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