PETROSOLAUM SHOES


土曜日から開催中のシューズブランドPETROSOLAUMのPERSONAL ORDER EVENT。



初日と二日目にはデザイナー荻野兄弟もCASANOVA&Co.の店頭にいてくれました。



いつもお越し頂く方々で特にモノのオリジナリティーやクオリティ、完成するまでのプロセスを含めたマインドを重要視する、モノに対する偏愛家の皆様には楽しんで見てもらえているんじゃないかと思います。



既にオーダーを頂きました方々は首を長くしてお待ちください。



また、店頭に実際にお越し頂きました皆様にはこのPETROSOLAUMというシューズブランドの生み出すものがいかに多岐に渡り、多様なモノであるのかを感じて頂けたのではないかと思います。



本期間を開催前にもいろいろと紹介致しましたが、今日はまたブランドが用意してくれているサンプルバリエーションを少し紹介しますね。

PETROSOLAUM

02 LAST whole cut

material _ garment dye cordvan butt

process _ mckay

color _ d.green (blackも選べます)

これまであまり紹介をできていなかった02 LASTのモデル。

02 LASTはスクエアトゥのスタイルですね。

捨て寸も気持ち少なめでそういった部分を好まれる方には良いかもしれません。



素材は、コードヴァンバット。

そして、上にもある通り、ガーメントダイのシューズですね。



いわゆる洋服ではその特有の表情に仕上がることによって製品染めは行われることはあるのですが、シューズになると話は別。



レザーのテクスチャーをグンと引き出し、カラーは全体的に重量級。



製品染めによるステッチとのコントラストもこれだけが持つところです。



それ一辺倒ではないんだけど、PETROSOLAUMの生み出すアルチザンムードを瞬時に察知することができますね。

cordvan butt特有の革質をまた別のプロセスを経て引き出しています。

これにより全体的に革の繊維質が立ち上がってスウェード状にも見えるかな。一見。



でも、トゥからヒールに向かうにつれてのグラデーションは健在。



あとガーメントダイの性質上、シューズが完成後に染色を行うから全体に縮みが生じています。



それも一つ一つに微妙な縮率差があるからこのガーメントダイについてはハーフサイズの設定がありません。

39.40.41.42....というに1サイズずつの刻みとなります。

このモデルに関しては、染色時の縮みの影響でヒールラバーが付きません。

どうしても生産時にラバーを付けた状態だとレザーは縮むのにラバーは縮まないので。



だから、ご希望の方はオーダー頂く時にラバーを貼る指定もありかも。



しかしながら、アッパーについては着用を経ていくともちろん革の伸びが出てきてくれます。

最初はこの硬質な革を足に吸い付かせてあげて。

そして、独特な見た目と質感を楽しんでください。

PETROSOLAUM

02 LAST show stitch

material _ transparent cowhide

process _ mckay

color _ transparent

出ましたね。これ。



世界のどこを見てもシューズでこれは存在しないでしょうね。

「透ける牛革」のシューズ。



以前、4月頃にブランドの協力もあり、つくってもらった"透けるビーサン"で使用していた超絶ミステリアスなレザー。



とある海外のタンナーの独自の生産方法により可能となった「鞣していない」レザー。

しかしながら、全くのノーケミカルで100%天然原料。

それによりこの様に。



輝くようにも感じるこの佇まいと、でもそれとは相反するような土の薫り。



血筋も見えるし、ブリンブリンだけど、エゲつないくらいしっとりと濡れたようにも感じるタッチ。



完全に「紳士靴」という世界からは逸脱したトランスペアレントシューズ。

まあ、このシューズに関してはPETROSOLAUMのシューズを既に何足もお持ちの方に向けてかな。



存在も特性も特別なシューズです。

PETROSOLAUM

03 LAST hidden derby low

material _ cordvan butt

process _ handsewn

color _ black



こちらは03 LASTのシューズ。



これまで主にマッケイのものを紹介してきましたがこちらはハンドソーン。

ハンドソーンウェルテッド製法の九分仕立てです。厳密に言うと。



この現代のシューズメイキングに於いてこのプロセスでの生産は非常に稀な存在ですが、後世に残すべきものだと思う。

ハンドソーンの九分仕立てですが、どういうことなのかというと、見えない中の重要な箇所が手縫いです。



靴が完成してしまったら見えない部分なのですが、これ大事。



釣り込み後のアッパーと中物、ソールを一体にするために縫い合わせるのですが、この工程が手縫いということになります。



熟練の職人が手縫いの針を通すための穴を開けながらゆっくりと確実に、力強く縫い上げる様は見ている側には身震いさせるような工程ですね。



中のハンドソーン後に、ソールのコバの出し縫いのみを専用ミシンで精緻に縫い上げる。

ここは全然ミシンで問題ないですからね。

それを九分仕立てといいます。



マッケイでもちゃんと履いていくと、履き心地はとても向上してくるのですが、ハンドソーンはより一層、足全部を包み込むようなパラダイスへと所有者を連れて行ってくれます。



ただ、見た目に於いてはマッケイはコバの張り出しがなくスッキリとした印象になるのですが、ハンドソーンは出し縫いが現れるので少し重みのある見た目になりますね。



あと、でも、似ている製法として、ハンドソーンウェルテッドの時間短縮と合理性を求めて生まれたグッドイヤーウェルテッドと比べるとそのクオリティは雲泥の差。結果的には。

履き口の表側にステッチが入らないhidden derby。



コードヴァンバットのレザーだからこそ成し得る技なのですが、

ライニング側(裏側)の履き口にはステッチが存在します。

実物を見てみてもらえたら分かると思う。写真じゃ分からないから。



この技術についても店頭では一部のメイキングプロセスを標本のように額装したものを展示しています。

お越し頂いた方はそちらもお話させて頂きますね。



それにしても、グッとえぐられた履き口のアウトライン。

驚愕の美しさ。

こちらもモデルは以前よりお話をさせてもらってるコードヴァンバットなのでトゥには極上コードヴァンが配置。

そしてヒールに向かうにつれて徐々にスウェード状に変化をしていきます。



このコードヴァンバットについては前に紹介致しましたのでそちらをご覧頂ければ良いです。



本来であればもう一つご紹介をするつもりだったのですが、本日もお越し頂く方にたくさん靴のお話をさせてもらったので、今回のブログではここまでにさせてください。



期間は27日までで、もう少しあるのでまた紹介させてもらいますね。

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