先日よりお知らせしております PETROSOLAUM PERSONAL ORDER EXHIBITION
19日(土)より27日(日)までの9日間の予定で開催するのですが、先日は03 LASTのシリーズについて少しお話をさせて頂きました。
今日は、01 LASTについて少し紹介させてください。
前のブログでも少し書いたのですが、ブランドでは、01,02,03というラストでシューズが分類されています。
それぞれ、01には01のモデル、02には02、03には03のものというようにそれぞれに応じたデザインのシューズに分けられる。
使用できる革や製法はそれぞれに適した種類でのバリエーションが存在するのですが、今回の期間中は一年半前に開催した時よりも一層バリエーションは広くとっていますので期待していてください。
それで、前回のブログではビスポーク顔負けの仕様が溢れんばかりに注ぎ込まれた03 LASTのものを少し紹介したので、今日は01 LASTのものを。
ただ、まだ期間中に店頭に並べるシューズサンプルは手元にないので、履いてるやつで。
PETROSOLAUM
1 piece half balmoral
leather : cordvan butt
2年と少し履いてる私物です。
初めてPETROSOLAUMを取り扱いした際に最初にオーダーをしたものがこれ。
その当時は、アトリエにこのカラーリングで、このモデルで、このレザーで、全く同じサンプルがなかったから、別モデルのサンプル同士を見て、これとこれとって感じで想像して、これなら間違いなく良いものができるはずって確信してオーダーしたんですよ。
そしたら、超絶サイコーで最強のものができましたね。
1 piece half balmoralの名前の通り、一枚革のホールカットパターンが中心となりアッパーが形成されたもの。
やっぱり好きなんですよね。 コードヴァンバット。
しかもこのモデルにはとても適してる革でもあり、PETROSOLAUMの荻野さんもCASANOVA&Co.らしいモデルとして思ってくれてる。
いや〜、これもシコタマ履きましたね。 今日も履いてるけど。
OLDE HOMESTEADERの靴下を履けば8月の真夏でもイケるから、季節関係なく。
着用期間は25ヶ月程だけど、普通の人の8年分くらいは履いてるんじゃないかな。
もちろんワークブーツとして。
仕事でもプライベートでも履いてる。
ただね、僕自身は本来は、39.5がジャストサイズのところ、これは40なんですよ。
理由は、オーダーした時に秋冬シーズンだったということもあり、冬は手足が極度に冷えてすぐに指の感覚がなくなっちゃうから、イノウエブラザーズのアルパカソックスが必需品なの。
だから、それを履いても履けるように荻野さんに相談してハーフサイズ上げたんです。 だから、冬以外は気持ち足にゆとりがあるんで、冬の時期以外このブーツを履くときはOLDE HOMESTEADERの厚地の靴下をよく履いてる。
1pieceのホールカットということもあり、外側から見ると一枚革。
コードヴァンバット仕様ということもあり、トゥ部分には革繊維の密になったコードヴァン層がやってきています。
それにより発生している、うねりを上げるコードヴァン特有の皺。
艶と皺との激しい陰影が生々しい美しさを感じさせる。
ただ、その部分だけだと単なるコードヴァンシューズで充分楽しめるじゃないですか。
コードヴァン靴の最大の魅力はそこだと思うし、紳士靴を愉しむ面で多くの方がそのアッパーの質感に魅了されてきたことだと思います。
僕たちが世に生み出したいのは、そのような既知のことだけではなく、それを越える別世界が見えるもの。
そこでこのコードヴァンバットは素晴らしいレザーだと思うんですよね。
トゥからヒールに行くにしたがって徐々にグラデーション状に変化する、ここにしかないニューワールド。
馬のお尻のコードヴァン層だけではなく、その周辺に存在する革質の異なる層。
コードヴァン箇所のみでホールカットするのではなく、通例とは大きく場所を変えてホールカッティング。
しかし、コードヴァン革の最も旨味のある箇所は大事なフロントへ。
そこからグラデーション状に変化させる。
一足たりとも全く同じ個体は存在せず、量産品の世界で求められるような僅かな誤差も生じない均一性は難しいですが、絶対的な名品へとつくりあげられました。
通常のコードヴァンシューズのように神経質になり過ぎるようなことも必要ありません。
鏡面仕上げされたコードヴァンシューズじゃ、公衆トイレさえも気を遣うと言われます。
そして、何より手洗いが励行されるこのご時世じゃ、シミが迷いなくマイナスと判断されるものだと迂闊に水を触れないじゃないですか。
お店の入り口に設置されているアルコール消毒スプレーなんて恐ろしくて使えない。
コードヴァンバットは、通常のコードヴァンシューズのように煌めくような艶を出すことも可能ですし、最初はどことなくマットな革質だから、履く度に現れる固有の野性味を楽しんでもらうのにとても適してる。
とにかく履くことで、この革にしか持ちえないエゲつない潜在能力の高さを感じてもらえると思いますよ。
度肝を抜いて。
内側は内羽根、外側はホールカットの1 piece half balmoral。
店頭ではしばらく取り扱いがなかったブーツですが、この度、あまりにも良いブーツだから一つの選択肢として皆様にご覧頂きたいと思ってます。
このブーツに関しては、レザーはコードヴァンバットの他にも2種類、私物のはマッケイですが、ハンドソーンとノルベジェーゼが選択肢としてあります。
同じブーツがベースでも、¥74,000-〜¥131,000-までとても振り幅の広いモデルですね。
PETROSOLAUM
double monk
leather : GL kip
先ほどのブーツと同じ01 LASTのダブルモンクシューズ。
スタッフ野口の私物。
履いてる期間は2ヶ月と少しだけど、ほとんど毎日こればっかり履いてますね。
のぐっちゃんは今ペテロオラウムと40年くらい前の古いALDENしか履いてないみたい。
モノ好きですね。
柔らかく瑞々しい革に刻まれる大きな皺とその周りに付随する細かな皺。
こういったキメの細かな革ならではの産物です。
あと、この革ですが、前回のブログでも紹介したのですが、次のシーズンからブランドで展開のない革なんですよ。実は。
展開がないというよりは、もう世の中に新たに生み出されない革といった方が正しいですが。
ベジタブルタンニン100%で鞣されてる革なんですが、そうとは全く思えない革質。
とても珍しい表情なんですこれ。
タンニン鞣しだとすごく硬質に仕上がりやすいんですが、タンニンの良さはそのままにオイル分をたくさん含ませてこの仕上がり。
今回のイベントで少数のみオーダーの先着順でGL kipレザーを選べるようにしています。
また、他の選択肢としてもブランドならではのレザーがあるから頭を悩ませてください。
そして、このダブルモンクもまた特異な構造です。 左右で高さが違い、立体的な履き口にそのまま段差残し。
写真じゃ見えないけど、もちろん手での釣り込みによる穴も存在。 ハンドステッチの補強とダブルステッチ。
ヒールではモンクストラップ側(外側)が高く設定されています。
外側のレザーの方が、内側(土踏まず側)のレザーよりも縫い合わせ箇所が上にきてる。
ただ、甲箇所には内側の革が最も上に設定されてる。
分かりますかね。
アッパーの甲を覆ってるところが、ヒールにいくと、下に、潜りこむ。
視覚的違和感と構造の複雑さを物語る構築がなされてるダブルモンク。
01 LASTと02 LASTのシューズはアウトソールとミッドソールのレザーは未塗装の状態です。
この独特の仕上げ方法が前のブログで少し触れたところです。
しっかりとコバを整えて積み上げられているのですが、素材の質感を最大限まで活かすこの処理。
国内ではPETROSOLAUMのシューズくらいじゃないですかね。この仕上げ。
足に優しく添いあげるように形づくられていますが、内側は丸くヌルっとしたフォルム。
外にはアジャスター。
内に対してパーツ数が非常に多く、内側と外側で全く違う靴してますね。
どのラストのどのモデルにしてもPETROSOLAUMはとにかく履く回数が多くなればなるほど、その素材とメイキングテクニックが際立ってくる靴ですよ。
まあ、詳しくは期間中に店頭でお話をさせてください。
あと、改めてですが、お越し頂く方の不安材料を少しでも取り払うためにお約束です。
店内は常時換気を行い、スタッフはマスクを着用し、こまめな手洗いと手指の消毒を行います。
店内の入り口にアルコール消毒液を設置致しますので、お客様の入店時と退店時の手指の消毒をお願い致します。
お客様もマスクを着用ください。
また、発熱や咳などの症状のある方のご来店はご遠慮いただきますようお願い致します。
このご時世なので、皆さん気を付けていることではありますが、上記の徹底にご協力頂ければ双方に安心して過ごすことができると思いますので、ご協力くだされば幸いです。
それでは、お越し頂けます方は当日は期待していてください。