GARMENT DYE PETROSOLAUM

 

先日、PETROSOLAUMのスペシャリティーラストを使用した03のものをご紹介しましたが、今日はまた違ったものを紹介します。

 

 

GARMENT DYE つまりは、製品染め。

GUIDIで前に目にしたことがあるのですが、日本のブランドではまず見ることはありませんね。

靴が完成した後に染めるとか、洗うとか。

 

 

まあ、よくよく考えたら形は変形する凹凸出るし、いろいろと間違ってるんですけどね。通例では。

 

 

ただ、そこにしか辿り着けない境地があるし、シューズというものから放たれる空気も大きく変わってくる。

 

 

日本人のシューズデザイナーでは滅多にこういったものをつくる人はいないけど、素材のテクスチャーを最大限引き出すのがPETROSOLAUMの荻野さんはすごく得意で特異だから、当店としてもそこにすごく惹かれるわけですよ。

PETROSOLAUM
whole cut mid

process _ mckay

material _ garment dye baby calf

color _ black

size _ 40.41.42

price _ ¥82,000-(without tax)

 

 

これ。 製品染めのブラックブーツ。

先にお話しした03とは異なるラストを使用しています。

当店で初めて扱うスクエアトゥ寄りの02ラスト。

 

 

ドラムの中で低速で回しながら染め上げる。確か。

それにより、靴全体のアッパー、ソールが僅かながら色ムラがあるように染まる。

 

 

ただし、通常とは違い、完成後に染められるわけだからアッパーとソールが同じようなトーンに染まるわけ。

 

 

そして、アッパーのステッチは染まる箇所とそうではない箇所とがあるんですよ。

揉まれることで特有のテクスチャーが現れます。

まあ、そもそもこれ、素材がベビーカーフなんですよ。

牛革の最高は、カーフと言われてます。

 

 

革の品質レベルは、生後どのくらい生きたのかで決まってはくるのですが、一般的にはカーフが生後6か月以内で最も肌理細かく、滑らかとされる。

ただ、これは更に上行った。

生後3ヶ月以内。 ベビーカーフ。

これ以上のきめ細かさは望めない位置ですよ。

 

 

そして、その革質を消し去るような製品染め。

ところどころに偶然のシワ入るし、革の繊維質がギュッと詰まる。

 

 

ただ、その強制的に刻み込まれたシワからは、ベビーカーフにしかない尋常じゃない至極の光沢が現れてる。

 

 

一足と見つめ合うように見ると感じてもらえると思いますよ。

そして、このダイイングだからこそ現れる枯れたブラック。

先日の03モデルのブラックとはまるで違う。

このブラックならではの果てしない年月を経た、古びた雰囲気にもとれる佇まい。

このブーツに関しては名前のwhole cutの通り、一枚革です。

分かる方には分かると思いますが、革が縮んでいるので、良く伸びます。

というか圧倒的に馴染みが良い。

 

 

それはベビーカーフだからということもあるんですが、製法のマッケイとも組み合わさって、見た目とは裏腹なソフトタッチを体感頂けると思います。

内側にはホールカッティングのつなぎ合わせと、もう一枚のレザーパーツ。

つまりは、アッパーは二枚の革のみで構成されていることになりますね。

 

 

でも、全然平面的な直線的なシューズじゃないの。

 

 

PETROSOLAUMは一枚革のホールカット技法が得意ということもあり、エゲつないほどの曲線の立体感。

 

 

まあ、製品染めだから新品の状態だと分かんないけど。

最初はテクスチャー満載のボッコボコのブーツですが、ここから先の世界を楽しんで。

まずは、ギュンギュンに密になった繊維質が貴方の足にまとわりつき、離さない。 それはシューズとの付き合いがスタートする最初のマッチング。

 

 

そこから至る所に存在する皺が伸び、一時的に品のあるかのような表情を覗かせてくるんだけど、それを超えると見えてくる真骨頂。

 

 

つまりは、ウルトラ伸び代を備えたブーツってことですね。

アウトソールはもちろんこちらもレザーです。

ただ、このモデルに関してはラバーは付きません。

ご希望頂ければ装着可能ですが、製作段階からラバーにすると革は縮むのにラバーは縮まないから可笑しなことになるので、こちらに関しては現在ノーラバー。

 

 

梅雨も明けたことなのでこのままオールレザーソールとしてご愛用頂くのもオーケーです。

 

 

ただ、滑りやすいのでその点だけ気を付けてもらえればこちらとしても安心できます。

着用前からのラバーの装着をご希望の場合は、ご相談ください。

 

 

もちろん、このブーツも卓越したメイキングプロセスは健在。

こういったジャンルのシューズは、雰囲気のみを重視するものが大半だけど、履き続けられるシューズメイキングはしっかりと安心してもらえると思います。

 

 

見た目だけじゃなくて、見えないところまできちんと手を加えられてあり、その技術の高さは申し分ないブランドですからね。

 

 

とにかく履いてそれを感じてもらえると嬉しいです。 そして、履き続けることによってのみ体感できる見た目の世界も楽しんで。

 

 

そうそう。

このブーツに関しては、製品洗いなので、ハーフサイズがありません。

だから、40と41、42の3サイズでの展開です。

だいたい、40が24.5〜25.5cm、41が25.5〜26.5cm、42が26.5〜27.5cmかな。

 

 

最初は、縮んでるから小さいけど笑

 

 

これも見てみてもらえたら嬉しいです。

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