先日お知らせしたnonnotte。
お伝えした通り、11日(祝・金)より当店でスタート致します。
初日は、nonnotteの杉原さんが一日在店してくれます。
今日は、そのnonnotteのコレクションラインナップをまず一部紹介しますね。
nonnotte
SPLIT RAGLAN OVERCOAT
material _ SUPER 160s WOOL 100%
color _ BALSAM GREEN
size _ 3,4,5
まずこれ。
とても印象的な色合いのリバー縫製仕様のコート。
このコート、、、、激ヤバ。
杉原さんの行うドレーピング(立体裁断)テクニックが、アウターで非常に活きるのが、リバー縫製だそうです。
芯地も裏地も必要なく、手縫い仕様ということで、とにかく軽く自由な動きができるように仕上がるのがリバー縫製。
それでいて、素材は、スーパー160(15ミクロン)のウールの二重織りメルトン。
しっかりとした目の詰まりと、生地の膨らみ。
このしなやかさと柔らかさは、細い上質原料ならではです。
そして、この色、1stシーズンのnonnotteを一番象徴してる色合いじゃないかな。
杉原さんは色合いを生み出す引き出しの多さがハンパじゃないんですよ。
このBALSAM GREENというカラーリングは、杉原さん自身が理想とするグリーンを現実にしたもの。
だから、かなり色合いが目を惹くのですが、そこそこレベルが高い方じゃないとなかなか手を出しづらい色かもしれませんね。
杉原さんの中で、この色合いはハードルが高いのは分かっているし、お店のオーダーも付きにくいことを理解してる。
でも、リバー縫製って手縫いで縫わないといけないから、そもそもたくさんの数を生産できない。
だから、たくさんのオーダーが入らないのは好都合だったみたい。
取扱店にもカラーリングでハードルを設けることができた。
ということで、ぶっ飛ばして、理想とした色合いをつくったもの。
誰もが着ることができない色合いかもしれないけど、こういうの探してもホンット市場には存在しないと思いますからね。
まあ、当店ではお客様方の顔を思い浮かべた時に、ピッタリだなと思いましたがね。
あと、日本に案外馴染む色合いだそうですよ。
ですので、小さいサイズから大きいサイズまで、フルサイズでの展開です。
コートの設計でいうと、フロントはセットインスリーブ。
バックがラグランスリーブの"スプリットラグラン"という仕様です。
これは、袖の頂点の部分のことを"袖山"というのですが、杉原さんが言うには、8cmほどの高さがこの手の洋服の袖山のセオリーだそうです。
カジュアルな洋服になればなるほど、その袖山は低くなる。
しかし、このコートは、8cmという通常値から約3倍もの袖山の高さにしてるの。
そうすると肩が非常に綺麗に見えるの。
ただ、それに伴い、肩が動かしにくくなる弊害が生まれてしまう。
例えば、スーツのジャケットを想像してもらうと、着た状態では、肩が上がりにくいじゃないですか。
それは、袖山が高いから。ドレス分野の洋服ですから、もともとは。
しかし、着用時の肩のアウトラインを形成しながら、肩をスムーズに動かしやすくするために、スプリットラグランという袖の設計で補い、"三枚袖"の設計にしてるの。
そうすることで問題解決。
限界値の袖山の高さでありながら、着ていて不快に感じないようにつくってるコートです。
その三枚袖のシームが際立つリバー縫製。
前合わせは、ダブルほどに深い合わせのシングル。
体から離れたところに生み出される、ドレーピングでの設計通りのドレープ。
既成服でありながら、サイズ感さえ合わせれば、全て杉原さんが狙った通りの洋服のアウトラインを描く。
これすごい。杉原さんの持つ超絶技法。
特にコートは、分量があるから、その洋服のフォルムの美しさがハンパじゃないですよ。
nonnotte
PULLOVER TURTLE SHIRT
material _ COTTON 100%
color _ BLEACHED SAND
size _ 5
そして、次はこれ。
我らがカネタさんのZZ強撚の平織り、通称"ヘビーブロード"の生地を使用したプルオーバータイプのシャツ。
このシャツは、フロント開きがないのと、サイズは最大サイズの5のみで取り扱いをしているから、nonnotteのドレープがそのまんまふんだんに感じられるもの。
少し高めのネックながら、生地がフロントに落ちるように設計されたもの。
前と後ろのどちらもにドレープが生まれ、"面"が出来上がるように狙いを定められている。
バックネックは、ヨークに向かってボタン付き。
ネック端は、本体同様のカネタさんの強烈な平織りコットンでバインダー。
コットンの原料は、インド超長綿のDCHというものだそう。
何かの頭文字だったと記憶してるが、忘れた。
まあ、良いコットンである。
バック。
左肩の周辺を見て頂けると分かりますかね?
バックヨークをスタート位置にして、生まれているドレープ。
これが、アームホールの袖付けの根元を隠すように"面"を出し、袖が身頃から"生えている"ように見せる。いや、魅せる。
プルオーバーのシンプルな洋服である分、杉原さんの魅力が濃厚に生みでたもの。
nonnotte
PULLOVER TURTLE SHIRT
material _ COTTON 100%
color _ CAVIAR
size _ 5
そして、こちらは色違い。
真っ黒ではなく、"キャビア"。
杉原さんが所有する膨大なカラーサンプルの中から目指すニュアンスで選ばれた色合いだ。
見事にアームホールの袖付けがドレープの"面"で隠されている。
なかなか良いフォルムしてるでしょ。
動いても洋服の全てが"一体"となって出来上がってるから、動きに合わせて生地の至る所が追従する。
ドレーピングが施されていない洋服は、さすがにここまでにはならない。
静でも、動でも、見事なフォルム。
それが新品時だけではなく、家で洗濯を何度も何度も繰り返しても変わらない。
それどころか、カネタさんの生地のポテンシャルがどんどん発揮されてくるの。
普通、洋服は、洗濯をすると"形崩れ"という現象が言われるが、それは杉原さんの洋服には当てはまらない。
僕自身も、目の前で杉原さんの洋服をつくりあげる様子を見たことがあるが、ドレーピングって、ホンッッットに、すごいから。
永久的に設計通りの洋服のフォルムが描かれ、それがみるみる内に、着用者の体に馴染んでくる。
もうね、超感動ものですよ。
このシャツに関しては、プライスも目を疑うプライスしてると思う。
まあ、サンプルを見てから半年以上経つから、納品してくれて、改めて下げ札を見たら、冗談だろって思いましたから。
どれもこれも、杉原さんが「まずは"ドレーピング"というものを出来る限り知ってもらいたい」という気持ちで出してるもの。
プライスの遥か上をいく感動をご体感ください。
nonnotte
SLIT CREW NECK PULLOVER
material _ WOOL 75%,YAK 25%
color _ GREY TOP×YAK NATURAL
size _ F
次は、これ。
まず、このニットは、大きな特徴がある。
一つは、2Wayということ。
もう一つは、ニットなのに立体ということ。
2Wayというのは、ニットを着る位置によって、分かりやすく言うと、ネックをUネックにするのか、クルーネックにするのかで見え方が変わるというもの。
上の写真は、UネックVer.
こちらがクルーネックでの着用Ver.
ネックの見え方はもちろん、洋服のフォルムの出方も変化する。
Uネックにする方が、フロントに大きく左右の身頃にドレープが生まれますね。
ネックのサイドにスリットが入り、その位置をどうするのかで変化します。
上の写真は、クルーネックでの着用時。
こちらがUネックでの着用時。
裾は、前後差が設けられ、クルーネックで着た時には、後身頃の着丈が長くなります。
Uネックでの着用時には、前身頃が下がるので、着丈の長さが同じになり、前後差がなくなるというもの。
ニットで、このような設計なのは全く出会ったことがなかったですね。
それもそのはず。
このようなニットの理論は、存在せず、杉原さんがネックのスリットを今回開発し、実現した仕様だからだ。
その上、その造形美もハンパない。
布帛(織り生地)と違い、ニットというのは、一つ一つの編み目が連なることで生地が構成される。
だから、立体形になるニットをつくり出すことは非常に難しい。
ニットには、"パターン"が存在しないのだ。
編み地をリンキングという縫製でつなぎ合わせていき、直線でつくるしかないからだ。
僕が知る限り、ニットでパターンを使ってるのは、杉原さんとMOTHER HAND artisanの永井さん夫婦、Isabella Stefanelliくらいだろう。
本来、平面で直線的なものしかつくることしか理論的に不可能なジャンルの洋服を、見事な形でつくりあげてるの。
体から離れた位置にドレープが生まれるニット。
nonnotteの場合は、ニットの"直線理論"を、反対に応用することで、見事なものに仕上げてる。
それが、アームホールにある三角形の切り替えだ。
まあ、店頭で見てもらえたら良いですよ。
nonnotte
KNIT PANTS EXTRA WIDE
material _ WOOL 75%,YAK 25%
color _ GREY TOP×YAK NATURAL
size _ F
そして、こちらは先ほど同様のニットのパンツ。
ニットのパンツではあり得ないほど、ワイドだ。
これは、杉原さんならではの素材開発により、物理的にもうこれ以上は絶対に密度が詰まらない程にまで、目を詰めてる。
だから、編み地そのもののボリュームもかなりのものだし、それにより全くダレてしまう気がしない。
それくらいのものだから、実現したエクストラワイドパンツ。
こちらのパンツは、驚くほどに体から洋服が離れている。
ニットでは信じられないレベルでだ。
杉原さんが言うには、ニット屋さんに「パターンを出してきた人は初めてだ」と言われたそう。
ニットパンツなのに、隠されたところにダーツが入ってるし、悶絶するほど立体的。
人類の誰もが未体験なニットのパンツです。
セットアップ。
トップ染めという複数色で構成されたウールと、ナチュラルカラーのヤク。
多色で構成されているカラーリング、それもニットだから、むちゃくちゃ独特のムードが出てくれる。
まあ、本番は店頭だから、そこでnonnotteを体感ください。
11日(祝・金)と12日(土)を楽しみにお過ごしくださいね。
期間中には、当店がオーダーしてるものの全量は揃わない予定ですが、ほとんどのものを見てもらえると思います。
また、他のものもいっぱいあるから、イベントスタートまでに追って紹介しますね。