2020AW DEBUT "Irenisa"

 

店頭では既にスタートしていて、今か今かとこのブログでお話をさせて頂きたかったのですが、いろいろと立て込んでまして、やっと紹介できるかなと思ってます。

一部だけど。。。

 

 

2020AWシーズンは、当店ではいくつかまた新たな取り扱いをスタートするブランドがあるのですが、その一つがこれ。

 

 

Irenisa(イレニサ)。

 

 

ここ数シーズンは日本国内のブランドが少し増えてきたし、既に取り扱いを行ってるものも、素晴らしいものなので、よっぽどのことがない限り、もうほとんどそのときは日本のブランドを扱う気持ちはなかったんですがね。

 

 

とある方々から話をもらって見てみたんですよ。

既に取り扱いのあるブランドを見に行く予定もあったし、ついで感覚で行ったの。

 

 

それでね、今こうして扱ってるわけだから、結果は、 越えてきましたね。

Irenisaの洋服。

 

 

こういった急遽どうにかしても取り扱いをスタートしたいって心から思えるようなブランド、人と出会うから。

ブランドやものに限らず、枠にはまらず、ポジティブに熱烈に何かを求めているときは、引くものですね。

 

 

心からエネルギーが漲るような夥しい熱いマグマのようなものが心の中を縦横無尽に駆け巡るような感覚。

こういう洋服、人との出会いの瞬間は。

 

 

でまあ、取り扱いを決断してオーダーをしたときには、自分でも思ってもなかった想定外のことが起きたりもしたわけですが、しかしながら、それはそれで僕ら洋服屋としてのお披露目を致しますね。

 

 

今回は取り扱いのものの中から一部を少しお話します。

IRENISA
NO COLLAR SHIRT

material _ CUPRO 60%.COTTON 40%

button _ HORN

color _ IVORY GRAY.BLACK

size _ 2(S〜M).3(M〜L)

 

 

名前の通りノーカラーのシャツです。

台衿もありません。

 

 

台衿までないシャツは、余程生地などに強い雰囲気がない場合はプリティーでキュートな印象に寄ってしまうことが頻発してしまうのですが、これは大丈夫。

理由はいくつかあって、生地の色が色なのもあるんだけど、ネックが要因としては大きいかもしれませんね。

 

 

通常この手のノーカラーシャツは、首ぐりが真ん丸にラウンドしているような印象のものが中心だけど、このシャツはフロントの衿の重なりが超絶バランスなのよ。

浅めのVに見えるような設計になってる。

 

 

あと、首のカッティングがグッと美しい曲線を描く。

この首の要因は大きいね。

 

 

ただただ、単純に「可愛い〜」みたいな感じでフリフリの服着た女の子に言われるようなノーカラーではない。

かなりの玄人向け設定。

 

 

あとはそれに付け加えるとすると、その首を構成する前立てが二重になってるんですよ。

 

 

それによってアイボリーグレーの色合いに深みが出るから、強さが増す。

 

 

そして、それを間隔が2ミリ幅の細かな運針のダブルステッチで縫い上げる。

 

 

これヤバいね。 一気に質感強くしてる。

ほら見て。 美しい首。 この写真じゃステッチ見えないけど。

後ろもこのステッチワークがすごく効いてる。

そして、この生地は光沢あるし、衿ぐりの部分は地の目(生地の向き)を変えてるから、光の当たり具合によって僅かながらコントラストが生まれるんですよ。

袖も特異な形状ですね。

通常のシャツに付く、カフスはありません。

 

 

オールドなワークウェアみたいな袖口の形状をステッチで出し、袖口はタックをたたんでそのまま処理してる。 続きの一枚で。

 

 

それに加わるホーンボタン。

シャツにはシェルが中心的なのですが、Irenisaのコンセプトに合わせた水牛ボタンにしてる。

この素材コントラスト、カラーコントラストがコンセプトにも繋がってると解釈しています。

その点は店頭にてお話しますね。

 

 

でね、この生地はデビューシーズンのIrenisaが特に力を入れてつくりあげたIrenisaを象徴するもの。 しっかり安心と信頼ができる生地のタッチでありながら、独特な優美さを持ったオリジナル生地。

 

 

ハリと滑らかさがあって光沢もあるんだけど、どこか乾いたような表情も感じさせる非常に深いところに位置する生地。

すごく惹き込まれるんですよ。

表層的な単純なものじゃないんですよね。

 

 

そして、それを生地洗いかけて特有のナチュラルな皺が出てる。

それにより際立つ繊維と生地のポテンシャル。 見てください。 これよ。

とても均整のとれた美しい目をした生地。

アメージング。

 

 

経糸にグレーカラーのキュプラの双糸。

緯糸にアイボリーのコットン単糸、引き揃え。

なかなかないね。 この組み合わせのこの設計。

 

 

2色で色合いに深みが出るのはそうなんだけど、糸の使い方が滅多に見ることがないし、洋服を熟知しているデザイナー2人だから実現したものなんじゃないかな。

 

 

まあ、着ちゃうと生地の組織のこととかはどこかいっちゃって忘れるけど、所有者には感動の世界を与えてくれると思いますよ。

 

 

袖を通して体感してみて、この生地。

で、その生地でこうやって構成されたシャツ。

見て分かるところは写真で判断してください。

 

 

綺麗に程よく前振りになった二枚袖でショルダーラインとアームの形が抜群に整ってる。 なかなか類似はない特別感のあるシャツだと思いますよ。

少し白けたような黒も。

こちらは経糸緯糸ともに同色ですが、先染めのキュプラとコットンだから僅かな差が奥の方から良い表情覗かせてます。

色に関しては好みがあると思いますが、それぞれ違ったニュアンスです。

 

 

好きな方を選んでもらえれば良いです。 当たり前だけど。

IRENISA
HIGH WAIST PANTS

material _ CUPRO 60%.COTTON 40%

button _ HORN

color _ IVORY GRAY

size _ 2(S〜M).3(M〜L)

 

 

先ほどと同じオリジナル生地のパンツです。

超絶構築的なウエストからアウトタックの2タック。

迫力ある太いアウトラインを描くパンツですね。

Irenisaの代表的なピースとして展開をされる予定のHIGH WAIST PANTS。

めちゃめちゃ特徴的なの。この構築。

 

 

通常一枚で構成されることが主なウエスト帯。

だけど、それを大きく三枚のパーツでつくりあげたもの。

厳密に言うとパーツ数はもっと多いけど。

 

 

これだけやってるとタックインとか好む方には重宝してもらえるんじゃないかな。

フロントボタンは白い水牛の刻印入り。

この刻印が入ってることもIrenisaの特徴ですね。

フロントからえぐり込み、サイドアジャスターへと変貌するウエスト帯。

内側にはIrenisaレーザータグ。

マーベルトの役割を果たす裏地も装備されてます。

腰回りのフィット感は強いと思いますよ。

アジャスターさえ締めてしまえば、ウエストサイズはとても調整が利きますね。

しっかり丸くフィットするウエストからボリュームある輪郭を描くパンツです。

バックは、両フラップの白い水牛です。

この白い水牛ボタンですが、めちゃめちゃ高額なんですよ。

通常の水牛の比じゃないくらい高い。 それをレーザーしてる。

 

 

こういうの好きな人はその時点で食いついちゃうんじゃないかな。

カラーリングがアイボリーグレーなので、薄い裏地が付いてます。

実際のシルエットとかに関しては簡単に情報が手に入る世の中なので、ここでは省きます。

IRENISA
PADDING JACKET

material _ CUPRO 60%.COTTON 40%

parts _ HORN.LEATHER

color _ BLACK size _ 3(M〜L)

 

 

パディングジャケット。

これも同じ生地を使用しています。

 

 

ただ、アイボリーグレーではなくこちらはブラックのみです。

ブランドのルックではコートが目を惹いたんですけど、岡山にはこれが適してるかな。

 

 

コレクションの中では比較的マニアックな存在だけど、これはとても活用できる洋服だと思いますよ。

 

中綿入りのブルゾンですが、構造上の特徴はパーツパーツを全てパイピングして完成させてから組み合わせてること。

だから、表も裏もパーツごとにパイピング処理されてる。

しかもパイピングは麻パイピング。

 

 

だいたいこういったパディング系のものは接ぎ合わせてる箇所にボリュームが出過ぎて着たときに表にも体にも過剰に干渉してしまうことが多いけど、これはそれがないんですよ。

それはさっきの通り、一つずつ完成させたものを繋いでるから。 簡単に言うと。

特徴的なパーツの仕様です。

もう既に21SSも公開されてるからあれだけど、ダッフルコートをストレートじゃなくIrenisaがつくり変えたようなディテールですね。

厳密に言うとダッフルとかだけじゃなく、昔からある洋服を必要に応じてIrenisaしてる。

レザーパーツはmotoとのコラボレーションです。

生地やボタン、構造が強いから組み合わされることですごく馴染みが出ていると思いますね。

motoならではの手染めのタンニンレザーだからふんだんに変化していきますよ。

 

 

アウターって秋冬で最も目を惹く存在ですよね。

こういう構築されたものをつくれるのは服づくりのシロウトさんでは到底無理なことだし、デザイナーのキャリアはいくらでも情報が出てるけど、独立してすぐにデビューしたわけではないみたいだし、ここまでくるまでに積み上げたものがあるからこそできてるものだと思いますね。

 

 

パターンのスペシャリストと生産のスペシャリストがタッグを組んでお披露目されたブランドです。

 

 

軽薄な情報では得ることができないとても深層でつくられる洋服だと思います。

 

 

デザイナー2人の気持ちが濃厚に込められた洋服ですので、手にして頂けた方には末永くご愛用頂けると嬉しく思います。

 

 

また紹介しますね。

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