"驚愕のパンツ" IRENISA × CASANOVA&CO

先日より、お知らせしているIRENISAとの本企画。 当店リミテッドエディションのパンツを初め、IRENISAのコレクションラインナップがふんだんに並びます。 期間は、3月12日(土)?21日(祝・月)までの10日間を予定しています。 また、それに合わせてパンツも12日(土)の12時より店頭で発売しますね。 今回のパンツについてですが、これまで何度かこのブログで紹介してきましたが、これまでは全て助走です。 着てる写真は、一切掲載してこなかった。 だから、これまでのは序章って思ってもらったら良いですよ。 今日は、本題に入ります。 IRENISAの洋服って、一番輝く時は、"着てる状態"ですから。 全ての設計はそのため。 "絶対的な美しさ"を誇るパンツ。 IRENISA × CASANOVA&COの初めてのリミテッドエディション。 IRENISA × CASANOVA&CO DOUBLE CENTER PLEATS PANTS material _ WOOL 79%,MOHAIR 21% size _ 1,2,3 これ。 これまでのブログで、何度もお伝えしてきましたが、"内股"。 この圧倒的なアウトライン。 股下の頂点から、はっきりと、くっきりと、超立体的に、下に落ちる。 このパンツのバキバキのアウトラインの描き方、これがIRENISA。 パンツの股は、前身頃の左右2枚・後身頃の左右2枚。 計4枚の身頃の生地をつなぎ合わせることで、形成される。 日本の常識的なパンツのパターンとは、まるで違う理論で設計されているのがIRENISA。 そもそも、その常識的なパンツって、、、 これが、そういうパンツのパターンです。 こういうのが一般的。 一番上にポケットのパーツが写っていますが、それは無視してください。 上の2つが左右の前身頃、下2つが左右の後身頃。 それぞれ、外側がアウトシーム。 内側がインシーム。 4つのどれも、インシーム側に、キュッと急角度でカーブしてる箇所があるじゃないですか。 これが、股ぐり。 その急角度のカーブをつなぎ合わせて、生地の状態では平面的なものを、人間が着た時に、不快に感じないようにカーブさせ、股ぐりを形成し、服をつくります。 日本や世界の標準的な洋服づくりの教育では、この角度が急な股の箇所を "出来るだけ、つなぎやすいように" それぞれが"つながりが良いように" という洋服づくりを教わります。 僕も学生の時はそうでした。 無理なく、それぞれのパーツのパターンをスムーズにつなげることが第一。 そう教わりました。 そして、そのようにつくられているパンツが世界中でほとんど。 というか、既製品のパンツは、ほぼそれしかない。と思ってもらって良いくらい。 もちろん、それも大切なことではあるけど、それが第一だと"平面的な洋服"しかできないの。 まあ、AUBETTの杉原さんとかは、平面的ではない洋服づくりを世の中に広げていくためにブランドをやってるんですけどね。 まあ、今日はAUBETTじゃないから。 それは置いときます。 そして、IRENISA。 IRENISAは、日本人の安倍さんと小林さんが二人でやってるブランド。 でも、パンツ製作に於いて、"考え方"が全然違うの。 全っっ然。 IRENISAのパンツは、上に載せたような平面的で、"つながりが良い"パターン。 ではない。全く。 日本の教育で、なんで"つながりが良い"パターンを教えられるのかというと、もちろん、服づくりの基本となる、ベースがしっかりしていないとダメだから、そのベースづくりのため。 ということもあると思う。 あとは、"つながりが良い"パンツのパターンで設計されることで、生産に関わる誰もが、つくりやすく、縫いやすい、安定した基本的な服をつくるため。 ってことだと僕は思ってる。 現状では、ベースとなる常識的な教育を受けて、それ以後、発展してる人ってそう多くないと思います。 だから、僕が驚愕的に衝撃を受けるパンツって、世の中に本当に、本当に、少なくて、それに伴い、パンツの良い面を例える表現の「シルエットが綺麗」というワードも、次第にアウトシーム側だけで語られる、めちゃめちゃ表層的な言葉となってしまったんだと思う。 では、IRENISAのパンツはどうなってるのか。 上のような、世の中一般的なパンツのパターンにあるような股のカーブじゃないの。 ビックリするくらい違う設計になってる。 まあ、さすがにIRENISAの実際のパターンをここに載せるのは、許可とってないからしないけど、、 股の角度が、 全っっっ然、 "つながりが良くない"。 それがIRENISAのパンツのパターン。 しかし、生産上は業界の人が見ると驚くような形してるパターンだけど、それが、結果的に洋服として完成した暁には、素晴らしい世界が待ってるってワケ。 だから、僕は、その"驚愕の内股"を誇る、圧巻のパンツを皆様に見てもらえるようにするためにも、今回IRENISAとこのような取り組みをしたかったんですよ。 サイド。 フロントにインタックが左右それぞれ一本ずつあるから、太もも周りにはゆとりがあるけど、スッと流れるように、無理なく細くなっていくライン。 お尻も丸みが凄まじく立体的。 日本人のお尻にきちんとフィットし、無駄な余白はなく、股ぐりにかけてもギュッと沿うようなライン。 アメージングヒップ。 バック。 決して、細いパンツって訳じゃないから、ウエストに付属するアジャスターで、ウエストとヒップはフィット、そこから足周りにかけて、ゆとりを出しているアウトラインです。 そして、特徴的なダブルのセンタープリーツ。 新品の状態では、静止時に閉じて、動作時に足に合わせて開く。 ダブルセンタープリーツの動きと、平織りウールモヘアの自立したハリで、このパンツのパターンを最大に活かすことができ、見事な形を形成することに成功した。 自然な光沢とハリを持つ、平織りウールモヘアとIRENISAのパターンの組み合わせですからね。 ジェントルマンな要素と、革新的なエッセンスの両方を兼ね備えてるものに出来上がったと思っています。 このブログの最後の方に、パンツのサイズ寸法を記載してるけど、身長167cmで体重52kgの僕で、最小サイズ1を穿いてる。 手足が短めだから、穿くとワンクッション入ってるけど、人によっては裾に溜まりがなく、ノークッションになるかもしれません。 あとは、着用時のウエスト位置も好みでオーケー。 ウエストのアジャスターでとても調整の幅が広いし。 サイズ1でアジャスターをMAXまで締めると、65cmくらいまでは小さくなりますからね。 その点、細い方でも問題なく穿ける。 ウエスト設計は、少し上の位置でも穿けるし、腰で下げても問題ないようなパターン構造です。 どちらにせよ、ウエスト寸法だけではなく、レングス設定も、ほとんどの方が、裾上げ不要で穿けるようにしています。 あと、そうそう。 このパンツは、少しレングスは変則的なピッチになってます。 というのも、もともとブランドのコレクションで登場した、デビューシーズンとセカンドシーズンには、サイズは2と3のみでした。 だから、今回はサイズ1というのをパターンから新たにつくってもらったんです。 もともとのサイズピッチで製作した場合、1のサイズがレングスが短くなってしまうから、ちゃんとバランスを考えた上で、寸法調整をしてもらいました。 でね、僕ももう穿いて一ヶ月くらい経つかな。 2月の下旬頃とかは寒かったけど、かなり穿いてた。 で、もちろん洗濯もした。 洗濯表示は、一応、一応ね、NG付けてるけど、人によっては手洗いも悪くないかもしれません。 僕は2回手洗いした。 それが、 これ。 2回、30度以下のぬるま湯で手洗い。 その後、3分間の脱水で自然乾燥。 で、フツーに外に干してた。 洗ってもなお、股の構築と、内蔵されたシック布で、平置きでも感じられる"股の立体感"。 もちろん洗うことで皺は入ります。洗ってるんでね。 でも、2本のセンタープリーツは消失しない。 表からも、裏からも、両方からコバステッチ入れて固定してるから。 裏側だけにしようかってIRENISAの安倍さんとも話してましたが、表にも入れて大正解。 心おきなく洗濯できる。 センタープリーツのヒダもヨレヨレにならないし、しっかりと健在。 平織りのウールモヘアと言えども、全体の膨らみは新品と比べて出ましたね。 でも、糸が強撚糸だから、毛羽立ちとか起こらないし、モヘアのハリも全然消えません。 洗ったらシームの全体にシワが入って、ビリビリのパッカリングが起こるかも。って思っていましたが、全然モーマンタイ。 生地には、ナチュラルな洗いジワが入るけど、それはそっちを目指してた。 まあ、つまりは洗濯のシワがオーケーな人には、こっちの方が良いかもしれませんね。 こういう強撚のウールとモヘアのナチュラルなシワも悪くないし、洗濯すると素材の本来の潜在能力が溢れ出てくるから。 あと、インシームとアウトシームの内側だけ、割り縫いっていう仕様になってるのですが、そこだけ僕は、裏からスチームアイロン当てて、綺麗に割ってから穿いてます。 割り縫いの箇所は、きちんと縫い代を開いて穿いた方が、アウトラインが綺麗に出ますので、もしも、このパンツを洗濯したいという方には、それをお勧めします。 せっかくのパンツですからね。 まあ、5分もあればできるので、それだけはやってあげて。 僕もこの作業は、1960年代の501 BIG Eをデッドで買ってリジッドから穿いてた時に、アウトシームをちゃんと開いて、ミミのアタリを付けるためによくやってたけど、久しぶりにやりましたね。 面倒かもしれないけど、ちゃんと割り縫い箇所を開いてあげると、見た目も違ってきて、気持ち良いもんですから。 先ほど言った通り、新品の状態と比べると、少し表面の膜が取れたってイメージですかね。 選ばれた上質な素材、そのものの持つ、奥行きのある状態が現れてきた。 自然な光沢はそのままで、少し肌当たりが柔らかくなりましたね。 あとは、緯糸のモヘアが、より目に見えるようになったからか、平織りの生地の組織がよく立って、生地に強さが感じられる。 だから、生地にオールドな空気感が漂ってきたように思います。 そして、これ。 一ヶ月くらい前から穿いて、2回手洗いしたものです。 先述の通り、サイズは1。 洗ったことで生地が柔らかくなっても、美しいアウトラインは消えません。 見てこれ。 サイドビュー。 穿いて、洗濯していくことによって、下半身への、より一層の立体的フィットが生まれた。 丸みのあるウエストから腰にかけてのラインと、生地に柔らかさが増したことで流れるように下へ落ちるライン。 もう、美しさが流れてる。 曲線美。 これは、誰が見ても納得してもらえると思ってる。 穿いて、度肝を抜いて。 バック。 かなりヘビーユースしてたから、前後ともにセンタープリーツが少し開いて主張が強くなりましたね。笑 新品の状態でも、当初目指していたクオリティに出来上がったと思ってたけど、洗った後の方が、より点数が高くなってきた。 100点満点中、5億点の成績。 僕にとっては、これはチノパンだから。チノパン。 そういう感覚で、ラフに使ってもらえるのが一番です。 とにかく穿いて、使ってもらえることで、このパンツの持つポテンシャルを感じてもらえる。 絶対に、他のパンツでは体感できない世界を生み出せたと思っています。 生地の特性もあり、風の通りが心地良いパンツで、これだけの構築はそうそうないですから。 洗っても、そうじゃなくても、IRENISAの見事なパターンが最高潮に活きたパンツです。 "驚愕のパンツ"。 期待してください。 最後に、以下にそれぞれのサイズスペックを記載致しますので、ご検討頂けている方は、参考にしてください。 <サイズ1> ウエスト:82cm(アジャスターにて15cm以上小さくすること可能) 前股上:29cm 股下:68.5cm ワタリ幅:32.5cm 裾幅:19.5cm <サイズ2> ウエスト:86cm(アジャスターにて15cm以上小さくすること可能) 前股上:29.5cm 股下:69.5cm ワタリ幅:33.75cm 裾幅:20.5cm <サイズ3> ウエスト:90cm(アジャスターにて15cm以上小さくすること可能) 前股上:30cm 股下:71.5cm ワタリ幅:35cm 裾幅:21.5cm また、2回手洗いしたものの寸法も記載しますので、洗いによる寸法変化が気になる方は、こちらもご覧ください。 <サイズ1 → 2回洗濯後> ウエスト:82cm → 81cm 前股上:29cm → 29cm 股下:68.5cm → 67.5cm ワタリ幅:32.5cm → 32.5cm 裾幅:19.5cm → 19.5cm OLDE HOMESTEADERの洗剤(中性洗剤)で手洗いですので、大きな縮みはほとんどありません。 ただ、洗濯機は、予期せぬ擦れが過度に起こる可能性があることと、負荷が大きいのでお勧めしません。 どうしてもという方は、自己責任でお願いします。自己責任で。 販売についてですが、 冒頭の通り、3月12日(土)の12時より店頭で販売を致します。 また、既にお問い合わせも頂いておりますので、オンラインストアでも販売を予定しています。 オンラインストアでは、翌日3月13日(日)の18時頃より発売いたします。 そして、最後にプライス。 こちらは、すごく還元できた。はずです。 \48,400-(税込)。 この生地組織、混率で、IRENISAの構築クオリティですからね。 悪くないプライスで販売できると思っています。とても。 手にして頂けた方には、IRENISAのパンツの持つ力をご体感頂ければ幸いです。 ご検討ください。
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