スリッポンタイプのPETROSOLAUM
昨年末の12月29日だったか、30日くらいにPETROSOLAUMの荻野さんから連絡があって、21SSシーズンでオーダーしていたシューズが出来たって言われたんですよ。
当初の予定では2月頃に納品してくれる予定だったんですが、一つだけ早く完成したって。
だから、新しい年が始まったばかりだし、そういうことならってすぐに入れてもらいました。
ブランドの中でも初めてつくる、kung fuという名前のついた、スリッポンスタイルのこのシューズ。
PETROSOLAUM
kung fu(MENS SHOES)
color _ BLACK
size _ 39,40,41
PETROSOLAUM
kung fu(MENS SHOES)
color _ GRAY
size _ 39,40,41
テンダーカウハイドという名前のレザーをアッパーに使ったシューズです。
見た目の通り、シューレースはなく、かなりスッキリとした見た目のシューズですが、洋服への対応力がすごく高いと思いますよ。これ。
アッパーに紐がないのと、フロントから見たときのステッチも全く露出がない仕様です。
だから、このフォルムの立体感がとても際立って見えると思います。
あとは、底付けもこのシューズの目指すベクトルにより、最もミニマルな仕様でpressスタイルです。
アッパーの仕様や、底付けの構造上、いわゆるsimpleな顔をしてるんですが、このスリッポンの足入れの底力、すごいから。
あまりこういうスリッポンタイプのシューズでは見たことがないくらい立体的に"立っている"シューズです。
それもそのはず。
ブランドで展開する最高峰ライン"03 LAST"の木型を使用したスリッポンです。
だから、構築具合でいうと悶絶する程の複雑さはないけど、一般的に存在するスリッポンとは全く違うレベルの足へのフィッティングを実現してる。
「立体的な構造の靴」と「平面的な構造の靴」の違いを如実に体感できると思いますよ。
僕自身は、やはり一点一点が比較的イカツイものが好きだから、そういうものを手に取ってしまうことが多いので、どうしてもシューズの中でも深層から他には代えがたい輝きの放たれているピースを選んでしまいがちだけど、もっと洋服のスタイルの一つとしてシューズを選ぶ方もいるっていうのは常々思っていたんですよ。
でも、どうしても自分自身で納得できるものしか店で扱いたくないっていう心があるから中途半端なものは扱えなかったんですよ。
そういうときにPETROSOLAUMの荻野さんが懐の深さを見せてくれた。
トゥから履き口に向かうにつれて、グッとせり上がるアッパー。
足の左右で完全なる非対称型の形状。
どんな服装にでも合うなんて無責任なことは言えないけど、ある程度の領域であれば対応してくれるこの見た目。
カラーは溢れんばかりの艶が見られる瑞々しいBlack、
グリーンが奥底から覗き、カーキに寄ったGray。
ヒールのレザーの積み上げも丁寧に処理され、一切の歪み、ズレはなく、良い仕事してくれてる。
ちなみに、ヒールはしっかりと角の立った「平コバ」仕上げですが、ウエストからトゥへは柔らかいニュアンスの「丸コバ」での仕様。
ヒールには滑り止めのラバーが備わっているので、そのまま履いて問題ありません。
あとは、PETROSOLAUMが日本のシューズブランドとして取り入れる日本の伝統工芸"ペイス(木釘)"。
古い桐箪笥などで使われる木の釘で組み上げる技法を模倣した仕様ですね。
手釣り込みの証であるヒールの穴も健在。
あとは、これ、ヒールカウンターが存在しないため、踵を踏んでも良い設定です。
でも、通常この手の踵を踏んだ状態で履けるシューズって、踵を踏んでない時には、足が浮いてしまって不快感があったりするじゃないですか。
ただ、これはヒールの履き口にゴムを包んだレザーを配置。
そうすることで、歩行時にシューズが付いてこない不快感を解消しています。
そして、ヒールの部分はカウンターを排除し、レザーを折りたためるようにするために、踵のみ切り替え仕様にしてる。
外見でもワンアクセント設けてるのと、機能を両立させた設計です。
よくできてるわ。
フロントからはステッチが見えないですが、ヒールにいくにつれて細かいステッチが見えるようにしています。
さっきの写真を見てもらえたら分かると思うけど、アッパーはステッチの露出がゼロなのに対して、ヒールは全ての箇所でステッチが表に見えています。
一足の中でいろんな側面の表情を見せてくれるPETROSOLAUMならではのシューズの仕様ですね。
こういうのってあんまりないんですよ。
グレー。
と
ブラック。
このシューズに関しては構造上、ハーフサイズの設定がありません。
でも、PETROSOLAUMの他のシューズの厳密なサイズチョイスに比べると少し気楽なサイズ選びをしてもらって問題はないです。
ただ、木型の都合上、とてつもなく立体的なシューズなので、サイズを迷ったときには大きい方のサイズ、ではなく、小さい方のサイズを選んでください。
革の伸びもありますしね。
今シーズンから初めて登場したサイズの39は24.5cm前後の方。
40は25.5cm前後の方。41は26.5cm前後の方ですね。
でもこれ、スニーカーのサイズではなく「足の実寸」で選んでください。
めちゃくちゃ乱暴な言い方すると、メジャーで足の縦の長さ測ってもらえたら何となく適正サイズは分かりますので。
最初は、足入れが小さく感じるのが良いサイズです。
世の中にたくさん存在するスリッポン型のシューズだけど、ここまで立体的で、よく考えられたシューズは滅多にないんじゃないかな。
よくレザーシューズでは、"木型(きがた)"とか、"LAST(ラスト)"とか目にするけど、そのクオリティの違いを明確に感じてもらえると思いますよ。
まだ寒いけど、春夏のスタイルに向けても良いかもしれませんね。
プライスは、¥43,000-(+tax)。
このクオリティの上に成り立つ、
価格破壊。
気になることがあれば、なんでもお問い合わせくださいね。
お好きな方は見てみてください。