CECCHI DE ROSSI "DOCTOR BAG"

今日は、カバンを紹介させてください。 "CECCHI DE ROSSI" 「チェッキ デ ロッシ」 世界の革の産地、ワインの産地でもあるイタリア。 そこのトマソ・チェッキ・デ・ロッシというバッグデザイナー。 イタリアの山奥で豊富な水の資源があるペーシャという場所にアトリエがある。 デザイナー一族の古くからの家業が"ワイナリー"というイタリアならではの出処で、しかもその家の近くには昔、超世界的なレザータンナーであり、革のスペシャリスト"コンチェリアグイディロゼリーニ社"が一つの工房を構えていたそうです。 で、CECCHI DE ROSSIのデザイナー、トマソ・チェッキ・デ・ロッシは、昔からグイディのペーシャの工房に遊びに行ってたそう。 それでそのまま手伝いというか、働いてアシスタントをしてたことがあった。 まあ、世界のグイディでやってたんだったらレザーのテクスチャーの活かし方だったり、素材特性の引き出し方は身に付くんでしょう。 そこで得た革の技術と自分のとこにあるワインという二つを組み合わせてできてるのがこのCECCHI DE ROSSI。 CECCHI DE ROSSI ARMOR DOCTOR material _ HORSE color _ WHITE size _ ONE ※完売致しました CECCHI DE ROSSI ARMOR DOCTOR material _ CALF color _ GLASS BLACK size _ ONE ※完売致しました 今日紹介するのはこの二つ。 カバン本体が"無縫製"で形づくられた"DOCTOR BAG"。 ドクター必見。笑 当店でもこれまでCECCHI DE ROSSIのレザーバックは、何年も取り扱って来ているのですが、今回のはブランドを最も象徴する"ARMOR"と名付けられたシリーズです。 これ、日本に何個入ってきてるのか分かんないですね。 結構ブランドの中でもぶっ飛ばしたピース。 CECCHI DE ROSSIのレザーアイテムを見る上で、絶対に欠かせないのが、 ・無縫製 ・ペレヴィーノトリートメント というこの二つ。 無縫製というのは誰が見てもわかることだと思う。 カバンはその特性上、中身を入れて、持ち運ぶ機能が必要なわけだから、中にものを入れ、包むことができて、動いてもそれが中に存在することが条件じゃないですか。 そのためには、丸か四角か分かんないけど、そういう形状である必要がある。 底面と壁面と、ものによっては天井がある。 そのそれぞれに配置する革を"水"で濡らし、柔らかくした後に、木型に押さえて成形をしていく。 この技術をモールドと言うのですが、これが今できる国は世界でもイタリアとあとはタイ?インドネシア?くらいだと言われています。 それで成形した革を縫い合わせていく。のではなく、無縫製でつなぎ合わせていく。 それによって圧倒的な造形が生まれるわけですよ。 これね。 丸い角。 ファスナー付けのためのステッチは無視して。 それが上面に4点、底面に4点の合計8点を無縫製で立体的に繋ぎ合わせてる。 でも、革に水って良くないっていうじゃないですか。 誰でも分かる。 それをレザーのスペシャリストがわざわざ水に濡らしてるの。 しかしながら、革質は全然ダメじゃない。 人間の肌と同じで、革も水に濡れてる時は大丈夫なんですが、それが乾いていくときが大事なの。 皆さんもお風呂に入った後は、化粧水とか乳液みたいなのを肌に塗るじゃないですか。 じゃないと乾燥して痛くなるでしょ。 革もそれと同じ。 乾燥するときに一緒に栄養分が飛んでいってしまうんです。 だから、ただ濡らしただけだと、革に水は良くないっていうことなんですよ。 まあ、僕レベルになるともう何年も化粧水とかそういうの使ってなくて、己の毛穴から噴き出すもので補おうとしてるから冬には粉吹いてるけど、顔面は気にしない。 顔以外の場所に充分良い素材を纏ってるから。 まあ、そんなことは置いておいて。。 CECCHI DE ROSSIのレザー、特にARMORシリーズに関してはこのモールド製法での無縫製成形を特徴にしてるから、水に濡らすことが必要なの。 でも、他のブランドでは絶対にできないことがある。 それが、"ペレヴィーノトリートメント"。 これは、革を成形した後に、染色を施す技法で、なんと「国際特許」を持ってる技なの。 他のブランドでできないっていうのはそういうことも含めて。 これはCECCHI DE ROSSIのオリジナル技法なんですが、ペレヴィーノトリートメントで使うのは2つ。 ・ワイン ・自然原料 この2つを使って革に加工を施すの。 というか具体的には染色加工。 色が淡いレザーには、白ワインと自然原料。 色が濃いレザーには、赤ワインと自然原料が使われてる。 しかしながら、これは"ダイ(DYE)"とはブランドでは呼んでない。 "トリートメント(TREATMENT)"と呼んでるのよ。 これ重要。 どういうことかと言うと、 自然原料って言うのは、完成したレザープロダクトがどの色にするかによって使うものが変わってくるんだけど、その色に合わせてワインに原料を混ぜ、それで革を染色する。 そして、そのときに使われるワイン。 ワインの主成分である"タンニン"。 これが、水に濡らし、乾いていくうちに栄養分が消失してしまう革に対して、タンニンが作用して革が"トリートメント"される。 革が出来上がるまでの必要な工程で、"鞣し(なめし)"ってあるわけじゃないですか。 その鞣しの種類には2つが存在しますね。 ・クロム鞣し ・タンニン鞣し そう。 このワインを使ったペレヴィーノトリートメントが、染色と同時に革を鞣すことに繋がってるってわけですよ。 とても理に適った製法です。 そして、革質は水に濡らすことで全く損なわれるどころか、革のテクスチャーがムンムンに現れるんですよ。 自然原料ならではでムラがあり、均一ではない表面だけど、こういうの好きな方は好きだと思う。 そして、ここから何年も使うごとに変貌を遂げていくレザーのポテンシャルがバチバチに感じられる。 このブラックは赤ワインと黒い植物だそうです。 毛羽立ちがある、カーフレザーの裏使い。 革の品質はバツグンのキメの細かさですよ。 ホワイトは、白ワインとミョウバン。 ミョウバンって、アルミニウムとカリウムからなる塩らしいです。 こちらはホースレザー。 先ほどのカーフよりもより革の目がギュッと締まって細いのが感じられる。 ブラックもホワイトの色のムラあります。いい意味で。 CECCHI DE ROSSIのバッグは付属もハイレベル。 ファスナーはイタリア、LAMPO。 レザーのコバの処理もきちんとしてます。 ところどころにアルミのパーツが付くのですが、これは全てアルミの塊から削り出したパーツです。 だから、かなりしっかりしてる。 自然物やワインで加工をされた革質と小さいけど重々しいアルミパーツのコントラストがよく効いてる。 ハンドルの取り付けは厳重な手での縫製。 むちゃくちゃ力強く何度も繰り返し縫い付けられてます。 内側の左右それぞれ一辺にはギボシボタンが配置されてる。 これは後で登場しますが、付属するショルダーベルトを取り付けるのに使います。 ショルダーベルトは取り外し可能で、長さの調節もできる。 で、これ。 バツグンのインテリア。 なんと三層構造。 必要なものをたくさん入れる昔のドクターが持つバッグがモチーフですからね。 しっかりと分別できるように設計してる。 しかも、その革のエッジの処理もきっちりしてるんですよ。 もはやランポのファスナー閉めたくないもんね。 この内装の出来を見せたいわ。 そして、このバッグ更によくできてる。 通常時。 サイドオープン。 そう。 マチがある。 収納量に合わせて大容量バッグへと変化。 結構収納量ありますよ。 まあ、持ってる写真撮ってないから大きさ分かんないと思うけど。 結構大きい。って思ってくれたら良いです。 ランダムに入るマーキングはそのまま残してる。 まあ、こういう部分もかなりのセンスしてるし、革のクオリティも文句ないし、フォルムもすごいパワーあると思いますよ。 Tシャツにジーパンにこのカバン持ってるだけでも全然違う世界に連れてってくれる力を持ってる。 それにやっぱり使っていったその先のレザーの変化が圧巻。 もういつの時代のバッグかわからないくらいの超絶的な雰囲気が漂うようになってくる。 立体成形な分、本体の革は硬いし、型崩れの心配もないし、とにかくヘビーに使い続けることが向いてるバッグですよ。 それぞれに付属するショルダーベルト。 こちらにもステッチもなく、厚みのあるタンニン鞣しの革のそのものの質感です。 これを先ほどのギボシボタンに取り付ける。 こう言うこと。 このベルトの長さで僕は大体ちょうど良いです。 持ってる写真撮っておけば良かったですね。 まあ、ベルトの長さで頭をフル回転させて大きさをご想像ください。笑 カバンってそう頻繁に買うものじゃないですからね、ハードル高いかもしれないけど、どうせならこう言うものを手にしてそれを使い続けるのも良いかもしれませんよ。 長年使ってるときっと応えてくれるレザーバッグですよ。 見てみてください。
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