Araki Yuuの秋冬シーズン Part2


先日もご紹介しましたが今日もAraki Yuuを紹介させてもらいますね。


前回はニッカボッカーズとスカーフを紹介しましたが、今日はジャケット。


“Motorcycle Jacket”


生地が異なる2種類を。






Araki Yuu

Motorcycle jacket

material _ WOOL 98%,POLYESTER 2%

color _ DOUBLE FACE GREEN

button _ BRASS,HORN

size _ 1,2

※完売致しました


オールドムード漂うMotorcycle jacket。

フロントは合わせの深いダブル仕様。

しかし、シングル仕様にも対応できるようにセンターにも真鍮のフロントボタンが一つ配置されてる。

Araki Yuuのテクニックが溢れ、とても力の込められたアウターです。








まず、生地見てくれたら大体どんなものか分かっていただけると思います。

これ、裏のネック部分の写真。


表地は、ブラックをベースにグリーンやブラウンなど複雑なカラーが入れられていますが、ヘリンボーン。

ただ、そのヘリンボーンを規則的に小さな間隔で切り替え、それが格子状になってる生地ですね。

そして、裏がグレー。

裏の部分は通常の綾織りです。


そう。

二重織りの生地ですね。これ。


混率を見るとウール98%とポリエステル2%となっていますが、表も裏も共に表面に現れているのはウールのみ。

二重織りの二つの組織を繋ぎ止めるためにポリエステルの接結糸が使用されてるから、この混率になってます。


生地のタッチも圧倒的。

かなりの膨らみを感じてもらえると思いますよ。

でも、すぐには馴染まないかな。いい意味で。

ある意味、調教が必要な生地かもしれません。


昔ながらのウールのツイードコートとかって、何年も着てやっと体に馴染むっていうのあるじゃないですか。

まあ、クラシカルなツイードほどは硬くないし、そこまで繊維が強くガサっとしたウールではないんですけど、二重織り組織で、冬場の上半身を委ねるのには充分に安心してもらえると思いますよ。これ。


例えるならば、とてつもなく上質な羊毛の毛布が縮絨して、その柔らかさは残りながらも、その分かなり丈夫になって重厚さが出たってイメージ。

だから、着る毛布みたいな着用感。


これを見てくれた方、皆さんに何年も何年も連れ添えるような想像を、いとも簡単にしてもらえると思いますよ。


まあ、実はこの生地、当店で展開するのは二回目なんですよ。


2年前かな?

それくらい前に同じ生地で4B Jerkin jacketをつくってもらったことがあったんです。

それがあまりにも良くて、その生地の奥行きが忘れられなくて、今回ブランドにその時の生地が使えないか聞いてみたら、3着分だけつくることができる分量が残ってるって。

だったら、もう使うしかない。

そう思って、その当時にはブランドのコレクションには存在しなかった今回のMotorcycle jacketでつくってもらいました。


そう。つまりは、こちらもまたサンプルも存在しない、当店CASANOVA&CO EXCLUSIVEです。

生産数は、上記の通りONLY 3 PIECES。







Araki Yuuのブラスボタンとの相性もバツグン。






もちろんボタンホールもミシンでの処理ではなく、ハンドホール。






裏を見るとホールのかがりめがしっかりと生地を掴んで、がっちり糸が食い込んでるのがわかると思う。

これだけ丈夫にホールがつくられてたら誰がどう見たって安心、安心。

















Motorcycle jacketというだけあって特有のディテールが採用されてるんですけど、生地との組み合わせもあって超絶パワーピースになってると思いますよ。これ。





カフスの開きも鋭角に角度がつけられたオールドスタイルですが、その開き止まりの補強にはもちろん手縫いのカンドメ。





Araki Yuuは古典的なクラシカルな洋服のエッセンスが色濃いですからね。

曲線での構築が溢れんばかりに、というか溢れてる。






ポケット口の補強も手でのカンドメ。

時間かかりますよ。一着つくるの。

全然今の主流のやり方じゃないの。

本当の意味でアラキユウ自身が洋服と物理的に向き合ってる。

じゃないとこのクオリティの洋服は生み出すことは不可能。





このブラスボタンも最後の最後まで自分の手でフィニッシュしますからね。

歪な形もハンドシェイプの証です。





そして、全てのボタンの裏には、牛革の補強付きです。





バックビュー。





センターベントで、後がわずかに前身頃に比べて短い仕様になっています。

モーターサイクル系なので。






これ。裏。

激ヤバ。

裏地がつかない仕様のジャケットなので、裏の処理を見れば洋服のクオリティが一目瞭然。


現代では、洋服を縫製していく過程で、その生産が行いやすいように様々なミシンが存在しますが、Araki Yuuは本縫いオンリー。

全てを本縫いでやってのけるスーパースペック。

これ、ウールのアウターの構造じゃないから。マジで。





コバステッチの美しさやその横に並ぶステッチの見事なまでの美しさ。

そして、もはやステッチが肉眼では見えず、全体が連なって”線”にしか見えない運針の細かさ。

この構造を見るとこの一着にかけてる時間と気力、そしてデザイナー自身の驚愕の縫製レベルが分かる。


まあ、年間での生産数が限定されてますからね。

そりゃそうなるわ。

このクオリティは、縫製工場に出してしまったらなかなか維持するのは難しいですからね。

だって、糸切れとかステッチ落ちによる縫い直しの箇所が全くないから。

ステッチが重なって、縫い直した場所が一点もない。

これがAraki Yuuの洋服なのよ。

まあ、幸い当店ではすごく縫製レベルの高い洋服を揃えてきてるし、それはめちゃくちゃ重要視してるから、意識的にそうなってるんだけど、全部の洋服がこのクオリティっていうのはデザイナー一人で完結させないと難しいと思う。


洋服って不思議なもので、特定のジャンルに括られてしまわれやすい性質を持つじゃないですか。

Araki Yuuでいうと”アルチザン”って言われたりする。

でも、僕はそういう雰囲気モノだとは全く思わないし、このAraki Yuuの洋服が”このレベル”であるのは、アラキユウ自身がどれだけ真剣に一着の洋服をつくるのに”現時点でも”向き合ってるのがとても明確に現れてる部分だと思ってる。






基本的に折り伏せ。

必要な場所にはP.P(パイピングのこと)。


あと、この写真のギリギリ左側に写ってるのが水牛をこれまたデザイナー自身で削り出したものです。











二枚袖の処理もカンペキ。






コバステッチも完全体。











これだけきちんとつくってくれてますからね。

手にして頂けた方は存分に安心してご愛用ください。


ダブルでもシングルでもお好きなように着てもらえたら良いですが、ベストはフルオープンかな。

二重織りの生地ってことと前合わせ付近の裏には見返しって言って同じ生地が配置されてるから結構厚みがあるし、フロントのカッティングもストレートじゃないから、前身頃端の揺らぎがとても独特なのよ。

これ、他の洋服ではなかなかご体感頂くのは不可能ですね。


このブログを書いてる時点で店頭で既にサイズ2をご購入頂いたので、残すはサイズ1が二着のみです。

でも、このサイズ1は、すごく魔力を持っていて、僕は身長167cmの52kgの小柄なおじさんなんですけど、それでもいけるし、大体身長180cm近くの方でもがっちりした体格じゃない方であれば充分に着てもらえると思う。

これすごい懐の深さを持ったサイジング。

とても立体的なのよ。


あと、昨日ニッカボッカーズとスカーフのことをインスタグラムに掲載したら価格の問い合わせが結構あったので、このMotorcycle jacketは¥126,500-(税込)です。


まあ、これはとても良いように捉えて頂けたら嬉しいです。


お好きな方はご検討ください。








Araki Yuu

Motorcycle jacket

material _ COTTON 100%

color _ BLUE

button _ BLACK BRASS,HORN

size _ 1,2

※完売致しました


そして、こちらがもう一つ。

先ほどのが真冬にも対応するアウターという分野でつくってもらいましたが、こちらはどちらかというと柔らかいカバーオール感覚かな。

コットン100の綾織りの変わり織り組織の生地です。






深いブルーのコットンですが、その肌当たりに対して想像できない光沢ですよ。

生地が柔らかい分、こっちの方が衿が新品の状態から綺麗に返ります。






こちらも言及不要だけど、ハンドボタンホール。

ボタンは真鍮に黒塗り。

このブラックコーティングも使っていったら少しずつ剥がれ、ベースの真鍮が顔を覗かせてくれますね。


僕はAraki Yuuの洋服は6着くらいかな?着てるんですが、その一つが初めて当店で取り扱いをしたときにオーダーをしたブラックリネンのクロップドパンツを持ってるんですが、それもこのブラックコーティングの仕様で、あまりにヘビーに着ていてコーティングがほとんど取れてるんですが、それはそれで悪くないのよ。






変わり織りの組織とボタンとのコントラスト、ステッチワーク、曲線の構造、この組み合わせがとても美しいですね。






しなやかで柔らかい生地タッチ。

生地が動くたびに光をよく反射してくれますね。





表は生地組織の目が強いですが、比較的裏面はフラット。

だから、仮にキャミソールの上から着ても、肌あたりには満足頂けると思います。











こちらも先ほど同様に裏地はありません。

こちらは先述の通り、真冬のアウターというよりはどちらかというと春先とか冬手前、まあ冬にあんまり厚着をされないという方には冬場でもいけると思いますよ。

着心地は軽いです。

まあ、今は夜中なら着ることができるかも。昼間は絶対無理。っていう感じの生地感ですね。














こちらの方は、先ほどと同じディテールではありますが、コットン100ということもあり、価格は¥107,800-(税込)です。


こちらはサイズ1と2が現在のところありますね。


お好きな方はAraki Yuuのクオリティをご体感ください。

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