T.T 4種のベルト

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こんにちは。





CASANOVA&COの野口です。





今日はT.Tからベルトをご紹介させてください。









T.T

HICKOK BELT

color _ Mud Dyed Brown,Black

size _ ONE SIZE




メンズウェアのTaiga Takahashiとしてスタートを切った2021年の秋冬シーズン。




そのファーストシーズンから展開されているのが、このHICKOK BELT。




T.Tとなった今でも、ブランドのスタイルを体現するアイテムとして引き続き展開されているものです。








ファーストシーズン当時は泥染めタイプのMud Dyed Brownのみの展開で、僕自身もそれを気に入ってずっと愛用しています。





僕自身このベルトばかり使っているからこそ感じるのは、デニムなどのカジュアルなパンツから綺麗な梳毛のスラックスまで、どんなパンツでも対応できるとても優秀なベルトだということ。





ベルトって印象が強すぎるものだとパンツに対して浮いてしまうし、かといってデパートの紳士服売り場にあるようなものだと良いものなのだけれど味気なさを感じてしまう。





僕自身も長い間そう感じていました。





なので、僕がヴィンテージばかり着ていた頃はヒッピーみたいなベルトを付け、そうでなくなった時にはちょっとテック系のベルトなどを付けていたりと、思い返せばベルトには長い間困っていました。










そのような変遷を経たからこそ、このT.Tのベルトは本当にとてもいいバランスだと感じます。


2.5mm幅で太すぎず細すぎず、男前なパンツでも繊細な印象のパンツでも全然大丈夫。




バックルもローラーバックルで無段階の調整が可能だけど、いわゆるガチャベルトみたいなカジュアル感はなし。




そしてさらには、Mud Dyed Brownに関しては、文字通りの泥染め。








ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、そもそも泥染めとは日本の奄美大島でのみ行うことのできる、古くから伝わる黒を表現する天然の染色方法。







その工程は、車輪梅と呼ばれる木(テーチ木とも呼ばれます)を煮出した赤褐色の汁で染色し、その後田んぼのような泥池の中で泥を擦り込むようにして染色を行い、車輪梅に含まれるタンニンと奄美の泥に含まれる鉄分が化学結合を繰り返し黒ずんでいくというもの。





文字にすると単純に見えますが、車輪梅を煮出す工程や、それぞれの染色後に洗いや乾燥の工程があり、とても時間と労力をかけられている技法です。





余談ですが、先日車輪梅を煮出した汁の実物を見る機会があったのですが、それはそれは激臭で、、、




以前から独特な匂いがするとはよく聞いていたのですが、ここまでだとは思わなかったです。




卵が腐ったような匂いと、胃液のような酸味のある匂いが混ざり、思わず顔が歪んでしまうような匂い。




その染色液に腕を突っ込み向き合う染色家さんは、本当に根気の要る職人の仕事だと改めて感じました。










話はベルトに戻ります。




この泥染めレザーのベルト、使い込むことで艶が増し、どんどん魅力的なベルトへと進化していきます。




後ほど3年ほど使用した私物との比較写真も掲載してますので、そちらをご覧いただいたら感じていただけると思います。








そしてMud Dyed Brownのみならず、Black。





ブラックが新色として登場したのは比較的最近で、確か2年前ほど。





なのでこの2年くらいはMud Dyed BrownとBlackの2色で展開されていました。





このブラックもとても良い変化をしてくれますよ。









そしてそして、今回の24AWシーズン。




満を辞してT.Tのベルトのラインナップに新型が加わりました。






T.T

BASKETWEAVE PATTERN BELT

color _ Mud Dyed Brown,Black

size _ ONE SIZE




それが、こちら。





その名の通りBASKETWEAVE=”籠編み”状の型がつけられたベルトで、実際には編み込まれているわけではありませんがメッシュベルトのようなイメージです。





こちらも泥染めの”Mud Dyed Brown”と”Black”の2色展開となります。




バックルは1920年代に良く見られた真鍮製のバックルをリファレンスとする、刻印入りのオリジナルバックル。




当時は中央の余白に所有者のイニシャルを刻印していたという背景もあるようです。




Mud Dyed Brownにはゴールドカラー、Blackにはシルバーカラーのバックルが付けられています。




これはプレーンのタイプとバスケットウィーブのタイプ共通ですね。




バックルの内側はこんな感じです。




ギザギザと刃のついたような金具がベルト本体のレザーにグッと噛み合うことで固定される仕組みです。




僕はこのベルトを使っていて、着用時に勝手に緩くなってきちゃうなんて事は一度もありませんでした。




裏側から以外はミニマルに見え、機能面も申し分ないので、構造的にもよくできているベルトだと思います。



それぞれT.Tのデニムに装着してみました。




これが参考になるのかどうかもわかりませんが、皆さんの頭の中でお手持ちのパンツに置き換えてイメージしてみてください。




こうして見るとベルトループの影になり見えにくいですが、バスケットウィーブのものはサル革(バックルから先のベルトを通すループのこと)も籠編みの型が付いていて見え方にかなり統一感があります。




本当に編んであるメッシュベルトではサル革の細い幅で編み込んで成型されているものを見ることはあまりないので、これは型押しならではのメリットだと思います。










個人的にはこういう濃紺のデニムにはプレーンタイプの黒か、バスケットウィーブタイプのMud Dyed Brownがかっこいいと思います。




ただ、そこは人それぞれに好みがありますから、お好きなものを選んでいただけましたら嬉しいです。




そしてこれが新品と僕の3年使った私物の比較です。




左が僕の私物、右が新品です。




3年使ったことにより、かなり柔らかくなり、レザーの風合いも泥染めの色が深く鈍い艶を放つようになりました。




よく手が触れる部分はもっと深い焦げ茶色に近い色合いになっています。




このベルト、まだまだ伸び代があるということでしょうか。楽しみ。








”伸び代”で思い出しましたが、このベルトは裏張りもなければステッチも入っていないので着用することで次第に長さが伸びていきます。




新品と比較すると大体10cmほど伸びていました。




それに伴い新品の時よりも幅が細く、厚みも薄くなっています。




計測できるほどの大きな差ではないのですが、下の写真で目視で確認していただけるくらいには厚みも変わっています。







お分りいただけるかもしれませんが、この写真では右側が僕の私物で左側が新品です。





そして使い込み、次第に厚みが変わることでバックルの金具とレザー噛み合い具合も良くなっていきます。




新品時ではバックルをパンツと水平になるように倒した時に、レザーの厚みによってどうしてもペタンと倒れ切らず斜めに浮いてしまいます。




が、使っていくうちに、気がつくとバックルがパンツと水平になるようにペタンと倒れるようになりますのでご安心ください。




私物のものもT.Tデニムに装着してみました。




新品のものよりもバックルがフラットに倒れていて、レザーの柔らかさも感じていただけると思います。




デニムが新品リジッドなのでチグハグな感じがしますが、日常的に履いているパンツであればもっと見え方は馴染んでくれると思います。










今のところ、ご紹介させていただきましたT.Tのベルトは4種全てご用意がある状況ですが、そろそろ危ういものも出てきました。




ベルトをお探しの方には、比較いただいた上でご検討いただけるのが良いかと思います。




気にしていただける方はご覧いただけましたら幸いです。







CASANOVA&CO 野口