こんにちは。
CASANOVA&COの野口です。
2月も中盤に差し掛かり、かなり納品のペースが上がってきたところ。
本日からニューブランドのERLがスタートして、他にもOlde H & DaughterのシルクバスクやSARTOの超パワーピース達なども続々届いている状況ですが、本日は洋服はひと休みして、靴。
PETROSOLAUMから、個人的にとても楽しみにしていたものが到着しました。

PETROSOLAUM
stone derby
last _ 02
color _ ai mud dye washed deer suede
size _ 39,40,41
本日のタイトル、そしてカラー名の通り、”藍泥”。
つまり、藍染と泥染の重ね染めです。
ご存知の通りですが、藍染めは染めるとインディゴカラーに染まり、泥染めは回数を重ねることで黒みを帯びた茶色に染まってゆく。
そして、この日本の伝統的な2種類の染色を重ねると、青みと赤みが共存した、なんとも表現し難い複雑な黒に染まり上がる。

写真ではなかなかニュアンスが伝わらないけれど、ベタっとした平面的な黒ではないことは感じていただけると思います。
肉眼で見てみると、ディアスエードの細かな毛足からは赤みが感じられて、ベースの黒っぽい色の奥にブルーが潜んでいるように見える感じ。
僕は今まで”生地の藍泥”は見たことがあったけど、”レザーの藍泥”は初めて見ました。
野生味のある表情だけれど、とても品格もある。
”生地の藍泥”の時には感じることが難しかった、”生きている表情”から伝わってくるパワー。
染めのプロセスに付随する情報や価値基準に目が行ってしまいがちだけれど、やはり滲み出てくる空気が別格に感じます。

この藍泥のディアスエードは、02ラストのシューズとの相性がピカイチに良いと感じました。
02ラストは01ラストや03ラストに比較すると、つま先部分がスクエアトゥになっており、履き心地としてもつま先のゆとりが感じられて、かなりコンフォート。
さらにアッパーのレザーには天然染色が施され、靴全体に対して製品洗いまでかけているので、履き始めから驚くほどに柔らかく、革靴に慣れていない方でもかなり履きやすいんじゃないかな。
そもそも「意識的に選ぼうとしなければスニーカーを履くことが無い人間」の僕にとっては、PETROSOLAUMの03lastやO-lastのシューズが既に”スニーカーの立ち位置”を担ってくれているし、日常生活の中で着用するレザーシューズとしてこれ以上快適で安心感のある革靴に出会ったことがない。
その中で、改めてこの02lastのstone derbyを見て、より深くPETROSOLAUMについて考えさせられたんです。
僕が初めてstone derbyを見たのは、25AWシーズンのPETROSOLAUMの展示会。
その時は、違う日本の伝統的な染め加工が施されたタイプだったんだけど、とにかくその柔らかさと軽さに衝撃を受けた。
その時まで僕の中では、CASANOVA&COにおけるPETROSOLAUMは、
”圧倒的最上クラスの03last”と、”変化球でありながら唯一無二な魅力を持つO-last”
という対立構造でバランスが取れていると感じていた。
だけど、いい意味でstone derbyにその構造を崩された。
02lastのstone derbyは、03lastよりもカジュアルだけど、O-lastよりも革靴らしさを持っている。
さらには03やO-lastにはない、日本のクラシカルな技法を乗っけてしまう大胆さと、そこから生まれる”独自のスタイル”があると思った。
イタリアっぽさやイギリスっぽさ、フランスっぽさなど、革靴業界ならではのそのような出自を超越したところ。
”どこっぽいか”ではなく、”PETROSOLAUMっぽさ”がキチンとある。
そして、03lastにもO-lastの中間に位置するような個性も持っている。

そしたら今回、藍泥がラインナップされていて、たまげた。
以前から02lastでは製品染めや製品洗いのシューズを展開していて、ただならぬオーラを纏ったシューズたちでしたが、そこに染色プロセスとしての厚みが加わった。
さらには、その染色による気品のある色。
服装が軽くなってショーツとかに合わせた時には、もう完璧だろうと。
僕自身、ショーツを履くときはO-lastのクロコチロリアンを履くことが多いのですが、どうしてももう少し革靴っぽい表情にしたいって時に、03lastだと印象が重すぎてしまうと感じていたんですが、これなら完璧。
パーフェクト中のパーフェクトです。


形としては”derby”の名の通り、外羽根スタイル。

羽根の角が落とされていたり、少しだけVフロントになっていたり、02lastのムードに合わせて堅すぎない表情にデザインされています。

アウトソールはナチュラルカラーのレザーで、あえて綺麗に磨きをかけずに、荒々しく毛羽立った状態。
ヒール部分のレザーの積み上げも、そのレイヤーがとてもわかりやすく見て取れる。
この色合いや表情が、軽やかだけれど、ただラフでカジュアルなだけではないバランスを生み出してくれると思う。

木釘、マッケイの縫い目、製品洗いによる色ムラなのかな?の感じも最高にかっこいい。
03lastのフィドルバックやヒドゥンチャネルみたいな意匠の素晴らしさはもちろんだけれど、僕は人間の跡が生々しく見えるこういう物も大好き。



最もリラックスしている”日常”において、どんな靴を履くのか。
それは自身のスタイルを示すものだと思います。
そしてそれが自身のスタイルを示すものである以上、己の足を任せるための信頼感が必要不可欠だと思います。
僕はそのPETROSOLAUMへの信頼が絶大なものだからこそ、皆様にも安心してご紹介できるし、レザーシューズのコレクションブランドとして様々なモデルを展開することもPETROSOLAUMの魅力だと思います。
実際に既に何足かお持ち頂いている方も多いかと思いますが、だからこその02last、かなり可能性を広げてくれるものだと思います。
皆様のスタイルにstone derbyが溶け込んでくれたら嬉しいです。
あ、あと重要なサイズ感。
僕は03ラストでサイズ40(多分ジャストは40H)、O-lastで41を着用しているのですが、今回のstone derbyの02lastは、ハーフサイズの展開がない木型なのでO-lastと同様のサイズ選びが基準となると思います。
製品洗いの関係もあって、足を入れた感覚はかなりタイトですが、その感覚に引っ張られて大きなサイズにし過ぎてしまうと、着用し続けた時の革の伸び具合も大きいので、そこはお気をつけください。
まぁ、サイズ選びはしっかりとサポートさせていただきますので、まずは気にしていただける方は、見てみていただけたら嬉しいです。