こんにちは。
CASANOVA&COの中山です。
今回はタイトルにもある通りですが、Nobuyuki Matsui。
今回も凝りに凝った洋服のラインナップです。
僕は毎シーズンながら、デリバリーがあってNobuyuki Matsuiの洋服たちと初ご対面した時には、その手の混みように圧倒されて思わず笑みが溢れてしまうんですよ。
それくらい洋服の1着1着にパワーがあるブランドです。
そして2025SSシーズン。
Nobuyuki Matsuiはコレクションブランドとしてシーズンテーマがあり2025SSは””Swimmy””。
ブランドの言葉を借りると、
ゆらゆらと揺れる
自然のフィルターを通した
あるがままを洋服に。
テーマの通りのクリエイションが今シーズンも洋服に濃厚に宿っています。
特にテキスタイルに強く表れています。
テキスタイルの表現もプリントやカラーリングではなく職人技で。
Swimmyという言葉の意味を調べてみると、ご存知の通りかと思いますが「泳ぐ」という意味がありますがその他にも「かすんだ」「ぼやけた」という意味もあるそうです。
2025SSのNobuyuki Matsuiのシーズンテーマの意は後者になります。
テーマの言葉も頭の隅におきつつ読んで頂けますとより面白いかと思います。
それでは、Nobuyuki Matsui 2025SS “”Swimmy””の当店ラインナップはこちらとなっています。
Nobuyuki Matsui
Swimmy denim jacket
Color _ Blue
size _ one size
material _ 表地 : cotton 100% , 袖裏 : cupro 100%
Nobuyuki Matsui
Swimmy denim vest
Color _ Blue
size _ one size
material _ 表地 : cotton 100% , 裏地 : cupro 100%
Nobuyuki Matsui
Tied open collar shirts
Color _ White
size _ 2,3
material _ cotton 53%,silk 47%
以上の3着と既にオンラインストアには掲載しております水牛ホーンのダブルリングベルトです。
生地としては2種類。
超特殊デニムと超特殊プリーツ。
シーズンテーマの通りどこかかすんでいるようでぼやけているようで、生地が止まっているはずなのに揺らいでいるような動きを感じるテキスタイル。
デニムの生地に関しては画面を近づけたり遠ざけたりすると見え方が変わるかと思います。
こちらの生地たちがまさに職人さんたちの技術の賜物。
そして何が素晴らしいかというと、それぞれのテキスタイルに用いられた職人技術は長く長く積み重ねられてきた存在していたものをブランドの考えとフィルターを通じて未だ生み出されていなかったものができているということ。
まさにな温故知新。
ぼくはCASANOVA&COに入社するまではバキバキの工業系で学生の頃はロボットの設計をして金属を加工して制作をしたりしていました。
僕自身もやっていて思うことは金属の加工などの技術的なもので新しいものをってなった時には、どちらかというとクオリティ面や精度の高さを引き上げていく方にどうしても考えが及ぶんですよ。
より美しく、より丁寧に、より繊細にといった具合に。
だからこそ、その研鑽に加えて違う視点から技術的な部分を活かした今までに無いものを生み出すことって誰もができることでは無いと思うんです。
既に研ぎ澄まされたものに新たな挑戦を加えてより新しく研ぎ澄まされたものへ。
そりゃ圧倒されてしまうわけです。
で、先の写真のデニムとプリーツの生地は何をされているのかですよね。
まずはデニム生地の方から。
風に煽られた水面のようにゆらゆらと色合いの強弱が変わる表情。
このように色合いが変化する秘密は生地の組織にあるそうです。
ブランドの23AWのコートでも登場していたのですが、よろけ織りという生地が使われています。
織物は経糸を組織に応じて上下にくの字に開いてその間に横糸が打ち込まれていくことで織られていきます。
よろけ織は緯糸の打ち込まれ方が非常に特殊。
本来ならば緯糸を真っ直ぐ打ち込むところをわざと蛇行させて部分的に織りの締まりをゆるくさせてつくられている。
部分的に締まりが緩くなる組織のため素早く生地を織り上げる機械ではつくることができない根気のいる生地になるそうです。
ここまでだけでも特殊なのですが、ここまでで半分くらい。
部分的に生地の締まりが緩くなっているということは、生地の場所によって密度にムラができているということ。
そのため密度の違いによりウォッシュをかけた時の退色にも違いが生まれるんだそう。
ウォッシュによって水にさらされることで密度の高いところと低いところで糸の膨らみや毛羽の出方にも違いが生まれて自然なコントラストが生まれる。
これがこのデニム生地の表情になっている所以。
色落ちも楽しみのひとつであるデニム生地に、ウォッシュによって特徴が強まるこの技術を活かしているということもすごくいけてる。
続いてはプリーツ。
日本のブランドでもプリーツ生地の洋服を展開されているブランドがいくつかある中で、大体のものは均一に直線的に折り畳まれたものがほとんどかと思います。
ただ、Nobuyuki Matsuiのプリーツは蛇行していたり、交差していたり、重なっていたりと複雑で不均一なプリーツなんです。
着想源としては竜巻絞りという絞り染の一種の手法からだそうです。
竜巻絞りという染色は生地を細く折り畳み、チャーシューのように糸を巻いて固定させた状態の生地に染色を行う伝統染色技術です。
Nobuyuki Matsuiのプリーツは染色をする手前までは同じ手法で行い染色ではなく形状記憶剤に投入。
そうすると細く折り畳まれた時にできたシワとぐるぐるに巻かれた糸による絞った後も残ったプリーツが生まれる。
つまりですよ、このプリーツをつくるためには生地を用尺分にカットした後に折り畳むという作業が入り、糸でぐるぐると巻いて固定させる作業が入り、形状記憶剤に投入するという生地を作る段階でいくつもの工程を必要となるらしいんです。
しかも、糸を巻く作業はなんと手作業。
しかもしかも、理想のプリーツの出方を模索するために何度も試行錯誤を経て今回のこのプリーツに行き着いたのだそうです。
この不均一なプリーツを実際に見て頂くと引き込まれるものがあると思いますよ。
これらの超特殊デニムと超特殊プリーツが落とし込まれた洋服のフォルムもまたいけてるんですよ。
生地だけでも未だに生み出されていなかったものなのに、洋服のつくりも前人未到。
デザイナーである松井さんは元々テーラリングを極めていた方でもあるので洋服のフィッティングに関しては超抜群。
そのフィッティングを崩すことなく複雑なカッティングで一着が出来上がっているのだから語彙力を失うくらいやばいです。
3rdタイプのデニムジャケットのデザインをベースにステッチや縫製の足し引きでカジュアルになりすぎないように洗練されたカッティング。
切り替え線上にはありがたいスラッシュポケット。
ポケット端に配色でカンドメだけが現れる。
3枚の生地を駆使して動きの追従性と美しい前振りの効いたフォルムを描く袖つくり。
写真はありませんが、袖裏にだけNobuyuki Matsuiオリジナルのロゴ入り裏地がついています。
カフスを外してロールアップさせて裏地を少し見せるのもいいと思います。
そしてボタンは皮付き水牛ボタン。
半透明でトーンの明るいタイプを見るのは初めてでしたがかっこいい。
ネックは立てて着用することも可能です。
ネックを立てた時にはとても作り込まれたチンストラップをしてあげるのがおすすめです。
ネックの隙間を埋めるのはもちろん、付属パーツとは思えないクオリティですので見せてあげる方が良いです。
なかなかここまでかっこいいチンストラップは見られないと思います。
写真撮れていませんが。
ブランドが毎シーズン展開のあるベストもやっぱりクオリティが抜群です。
ハンギングの状態からでも首周りに美しい曲線のアウトラインが生まれると想像がつく首の詰まった仕様。
フロントのボタンはどう閉めるかによって見え方をガラリと変えてくれますよ。
そして最後にプリーツを用いたシャツ。
Nobuyuki Matsuiのシャツは基本的にはステッチの露出しない仕様なのですが、今回のプリーツは生地と生地とがつながる間にステッチが現れないことが非常にマッチしているなと感じました。
袖付けに関しては、クラシックなジャケットのように袖高の仕様で縫製されていることもあり肩の丸みの出方は非常に美しく仕上がっております。
にも関わらず、堅苦しさのないオープンカラーというのがブランドらしい洋服作りが現れているなと思います。
サイジングは165cm・50kgの僕でサイズ2がジャストでしたのでクラシックなシャツサイジングになっていますね。
ジャケットの内側に着るのにも全く問題はありません。
2025SSシーズンも強烈な洋服をつくり続けられているNobuyuki Matsui。
1着1着にとても凝縮されたブランドであるが故に、着用した時の特別感もやはり感じるものがあります。
気にしていただける方は是非。