24SS SALE pickup ”amachi. 袖のない服”
こんにちは。
CASANOVA&COの野口です。
昨日お伝えしておりました通り、本日より24SSアイテムのディスカウントセールを開始いたしました。
早速沢山の方にお越しいただきました。
皆様、誠にありがとうございました。
今日は、SALEの対象となっているアイテムから厳選してご紹介させていただければと思います。
ということで、amachi.から袖のない服を2着ピックアップしてみました。
まずはこちら。
amachi.
Phenomenal Check No Sleeve
color _ Off White × Brown
size _ 3,4,5
今シーズンの象徴的なコットンリネンのチェック柄生地を使用したamachi.のノースリーブ。
インナーを除いて、袖のない服は「下に袖のある服を着る」「上に袖のある服を着る」「袖のないまま着る」という3択を選び楽しむことができると思うのですが、
今回のノースリーブはアームホールもそこまで広くない設計なので、「下に袖のある服を着る」よりも、「上に袖のある服を着る」「袖のないまま着る」が適しているのではないかと思います。
なので今回はtoogoodのDRAUGHTSMAN SHIRTを羽織っての着用写真です。
布帛のノースリーブに、布帛のシャツを重ねるのがイメージしにくいという方もいるかもしれませんが、こういう感じも悪くないのではないでしょうか。
洗いがかかってコットンリネンの表情がくったりしてきたら、より布帛×布帛感が落ち着いて、「上に袖のある服を着る」ときの収まりは良いかもしれませんね。
toogoodのDRAUGHTSMAN SHIRTは身幅がしっかりあるので、そこが干渉しにくいのもよかったのかもしれません。
今回のamachi.コレクションテーマ、”季節学”。
季節の移ろいに対して、人間や動植物の行動や周期がどう変容するのか、様々な学問や膨大なフィールドワークから考察するというもの。
幼少期の経験や学術的なアプローチ、徹底的なリサーチ基に、自然における事象を洋服のつくりに置き換えて表現することで毎回のコレクションを生み出すamachi.。
季節学のアプローチと、amachi.における吉本さんの洋服への向き合い方がとてもリンクしていると思います。
そんな吉本さんが季節学に着眼した本コレクション。
この生地は今回のコレクションでは象徴的な生地の一つでした。
一定のリズム(周期)で柄を生み出すチャックという柄において、自然の周期や相互作用を表現している生地。
経糸コットン緯糸リネンで構成されたベースの生地に、色や撚糸回数の異なる糸で立体的なリズムを感じるチェック柄に。
生地の方向をずらしたイレギュラーな切り替えも、この袖のない服において大きなアイデンティティであり、とてもリズムの変化を感じるポイントです。
前述の通り、アームホールは比較的狭めです。
ただその分、ジャケットの下に忍ばせたりするのにも適してそうです。
首回りはボタンで開きのある仕様。
ただ、これも深い開きではないです。
ノースリーブですが、ありがちなだらしない印象は皆無。
その分、一枚で着ても清潔感があるし、ノースリーブなのにボタンで開きがあって生地のリズムを活かしたカッティングで、やりすぎ感はないけどめちゃくちゃクリエイティヴなスタイルだとと思います。
一枚で着たときの写真はほとんどないですが、こんな感じです。
そしてまたシャツを羽織った状態。
やっぱりDRAUGHTSMAN SHIRTの身幅とアームのバランスには、作為的ではないながら突き詰められた美しさがあると思います。
僕はとても好きです。
パンツはNICENESS。”JACK”。モヘア混のノータックスラックス。
サックスブルーのシャツに、淡いカラーの梳毛のスラックス。
素足で軽やかだけど、靴はPost Productionのローファーでこれもとても上品。
シャツとパンツだけ見ると優等生的な育ちの良すぎるバランスですが、amachi.のチェックが覗くと急に有機的に見えてくる。
なんだか人間味が出てくるような感じ。
単体ではハードルが高いかも、、、という方にもこういう着方はトライしてみてもらいやすいと思います。
そして、もう一つは、こちら。
amachi.
Swallow Knit Vest
color _ Beige
size _ 5
袖がないという状況を示す”ノースリーブ”、”ベスト”、”タンクトップ”、”スリーブレス”、、、
我々は知らず知らずのうちに器用に使い分けているものですね。
これは、”ベスト”です。
”ベスト”となると、袖がない服の中でも「下に袖のある服を着る」ことが通例なものだと思うので、そうしてみました。
シャツはNobuyuki MatsuiのLong Tuck Top、
パンツはCOMOLIのリネンWクロス ドローストリングパンツです。
デザイナー本人による手仕事で施されたツバメの刺繍。
ツバメは、自然界の中で唯一人間の生活圏内に自発的に入り込んでくる動物。
そんな風に考えたことはありませんでしたが、確かに知らず知らずのうちに軒下に好んで巣をつくるツバメ。
本来、自分たちの生命のリスクを考えれば、天敵など他の動物の目につかない場所で拠点を構えるのが自然なように思えますが、あえて人目につく場所で生活をするツバメ。
本コレクションでは、人間と動物の相互作用を紐解くキーパーソンとしてフォーカスされています。
パーソンじゃないけど。
amachi.の中ではかなり直接的に表現された1着ですね。
手仕事の刺繍によって表現され、今にも飛び立ちそうな躍動感のあるツバメ。
色の表現、1針1針のピッチや方向など、細かく見るととても入り組んでいます。
機械での刺繍と手仕事での表現が組み合わさり、このような奥行きが生まれているのです。
洋服の形としてはアームホールの開きは広く、下に着るものの許容範囲は広そうです。
ネックもV字に開いているので、シャツと合わせた時の襟の見え方も綺麗ですし、カットソーでも勿論OKです。
実はブランドのルックでは、先ほどのノースリーブにこのベストを重ねている写真があって、「袖のない服の上に袖のない服を着る」というウルトラC的な選択肢がそこにはあったのですが、今回はそれぞれが生きるバランスを見ていただければと思いこのようにしています。
Vネックタイプのベストって、アームホールとネックの開きの匙加減、着丈との塩梅によって、ありがちなおぼっちゃま感が出てしまうのかどうかが決まると思いますが、これは完璧なバランス。ツバメもいてくれてるので安心です。
先ほどのスタイルと打って変わって少しノマディックな印象になりました。
まぁ髪の毛が解放されちゃいましたからね。そのせいもあるでしょう。
これは狙ってそうした訳ではなく、着替えてたら手が引っ掛かっちゃって髪の毛結んでたのが解けちゃったので、そのままにしてみただけなんですが、、、
先日、誕生日プレゼントでスタッフのみんなから由緒正しきヘアブラシを頂いたので、今後は僕の髪の毛がサラサラになっていくのも見届けてください。
すみません、脱線しました。
素材はコットン90%とリネン10%。
油分の抜けたドライなタッチで、網の目も風の抜けるような程よい余白があり、軽やかな見た目です。
春夏シーズンに着るニットアイテムは、物理的な通気性はもちろん、暑苦しく見えないかというのも重要なポイント。
下に着ているNobuyuki Matsuiのシャツはかなり着丈長めですが、薄手で軽やかな生地なので違和感なく重ねることができると思います。
amachi.のベスト自体もリブのキツい作りではないので、下にシャツを着るときにはわざわざタックインしなくても腰回りはグチャっとしません。
これからの季節にシャツのタックインは暑いですからね。ただでさえベストを重ねているわけですから、できる限り開放的にいきましょう。
袖がないということをポジティブに捉えれば、気温の移ろいに対しても、合わせる洋服との相関関係に関しても、着ること(フィールドワーク)を通して新たな視点が広がっていくのではないでしょうか。
季節学がそうであるように、またamachi.というブランドがそうであるように。
今日はもう少しサクッと読めるようにしようと思っていたのですが、少しダラっとしてしまいました。
次回はコンパクトにできるようにします。
気にしていただける方は、ご覧いただけましたらとても嬉しいです。
CASANOVA&CO 野口