24SS SALE pickup "季節を問わないFabric Forming Shell Hoodie"
こんにちは。
CASANOVA&COの野口でございます。
ここ数日岡山は雨が続きましたが、本日は快晴。
肌がジリジと焼けるような日差し。久しぶりの感覚。
それでも気温は33度。まだまだ伸び代がありますね。夏は末恐ろしいです。
シーズンの最終盤に行われるセール。
当店でも24SSのディスカウントセール開始から約1週間が経過しました。
ありがたいことに沢山の方にお越し頂きご覧いただきました。本当にありがとうございます。
こういう時期ですし、半袖やショートパンツ、真夏でも着れる長袖のものを求めていただける方が多かったように思いますが、本日は1年通して着れるものをご紹介させてください。
夏に着て涼しいとか冬に着てあったかいとかそういうことではないのですが、季節に応じていろんな着方を楽しめるもの。
なので今回は季節を無視して、ニュートラルなスタイルです。
暑い時期は軽くする、寒くなったら足していく。その土台になるようなイメージです。
着用している写真を最後の方にまとめています。いつもより直感的に、皆様のクローゼットの中とイメージをクロスオーバーさせながらご覧いただけましたら幸いです。
amachi.
Fabric Forming Shell Hoodie
color _ NC Orange
size _ 5
こちら。
amachi.のFabric Forming Shell Hoodieです。
まずは少しだけ形や仕様の話をさせてください。
見たらわかる部分も多いですが。
ご覧の通りではありますが、着丈は短め。フードはデカめ。
袖があるとは言い難い構造ですが、着用すると二の腕に被さるようにして、袖のようなものが出来上がります。
ここは実は狙って形作られていて、この1着のテーマに基づく部分なのですが、後述します。
前立てにはボタンが2つ付きます。
ひとつは写真でも見えているもの。
もう一つはフードの根元部分にあります、が写ってないです、すみません。
後ほど出てくるフードを被ったサイドからの写真で、よくよく見るとボタンホールだけは確認できるので、この位置にボタンが付くんだと思ってください。
鮮やかなオレンジカラーは製品染めです。
明るいカラーリングですが、可愛らしいニュアンスではなく、しっかりと土っぽさも感じます。
その辺りは製品染めのムラ感やシームのパッカリングがしっかりアシストしてくれていますね。
同じ仕様だったとしても、先染めの糸で織り上げられた洗いのかかっていないタイプライター生地とかだったら、このような印象になっていないでしょう。
amachi.らしいムードがしっかりと感じられるバランスだと思います。
amachi.らしさで言うと、独特な丸みのあるフォルムも特徴的だと僕は思います。
実は今回のFabric Forming Shell Hoodie、amachi.らしいフォルムをどのようにして生み出すのかを、とあるやり方で追求したもの。
それは、
パーツごとに適したレイヤー構造にする
ということ。
それも、1種類の生地のみで、です。
つまりどういうことかと言いますと、
まず背中側の写真。
ベースとなるのは身頃の部分。ここは1重の状態。つまりは普通のシャツなどと同じ感覚です。
対してヨークの部分。肩甲骨を囲むようにしてヨーク部分が曲線的に切り替えられているのですが、ここは2層の構造になっています。つまり無双仕立ての状態ということになります。
そしてそして更にはフード部分。ここはサイドからの写真を見るとわかるのですが、前立てまでが繋がった仕様となり、ここは3層構造になっています。
パーツによってレイヤーの構造を変え、服の形をコントロールしているということです。
それも裏地や芯地を使うのではなく、同じ生地を重ねるというシンプルな行為で。
アイテム名にもなっている”Fabric Forming”という言葉の意味はそこに由来します。
前述した通り、肩周りは2層の構造でつくられているので、1重の身頃よりも形を保とうとするハリが強くなります。
その分、着用した時に肩の部分で生地がペタッと垂れずに、袖のような見せ方をしてくれます。
さらに3層構造のフードは、バックからの写真でもわかるくらいにボリュームがしっかりと出ています。
フードの生地が首元にモコっと溜まっている様子などを見ると顕著に感じていただけると思います。
自身の経験や自然と人間との相互関係を”洋服を通して”表現するamachi.だからこそ、その表現方法の一つとしてとても根源的な手法を用いていると思います。
複雑に様々な種類の生地を使用したり、洋服のパーツ数を増やしていくのではなく、硬くしたい部分には生地を重ねる。
とてもプリミティブで手法として美しいと思いますし、その結果生み出された形もまた美しい。
今回はSEAN SUENのブラックのスラックスと同じくSEAN SUENの白シャツで着用しています。
ウエストでタックを作るように折り畳まれて、裾にかけてズドンと広がる大迫力のシルエットのスラックス。
シャツは作務衣のようにして前の身頃を重ねて着用します。
脇線にボタンがついているので、かなり深く重なる事になりますね。
皆様の脳内イメージでは、普遍的な形のスラックスやシャツに置き換えても良し、もっと変わった形や仕様のものに置き換えても良しです。
ある意味かなり偏ったスタイルですが、ある意味ニュートラルだとも思います。
洋服のシーズンに惑わされずに、その時の気温や気分に基づいて色々な着方をしてあげてください。
今の時期はTシャツに重ねるだけでも、一気に夏の服装の退屈なムードから抜け出せます。
涼しくなってきたらシャツやスウェットなどもとても良いと思います。
ジャケットを羽織るにはまだ少し暑いかなって時も、これを着たところで暖かくはならないので、気軽な気持ちでプラスワンしてみてください。
秋も深まって肌寒い気温になった時には、ジャケットやブルゾンなどのアウターの上からでも面白いかもしれませんね。
生地が生地なので、ウール系のヘビーアウターの上にはしっくりこないかもしれませんが、冬は春が来た時にどうやって着ようかとイメージする期間にしてあげてください。
1着で完結しない服だからこそ、服を着るという行為に創意工夫の余地が生まれて、それが楽しみの一つでもあると思います。
そして、それが様々な季節で楽しめるのはとても幸せなことだと思います。
夏だけを意識するよりも、もっと長いスパンでamachi.のFabric Forming Shell Hoodieをご覧いただけましたら幸いです。
CASANOVA&CO 野口